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カリーナの悪魔の実(割と拮抗してるので、能力者を選んだ方はよろしければこちらへ案をください)
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「…ふぅ…。」
…着々と準備が始まってきたエレジア。女ヶ島の戦士たち、ジェルマのクローン兵などを中心に瓦礫の撤去が始まる。指揮をするのはハンコックとレイジュ。バンドラは自室でため息をついて、座っていた。
「どうしたんだ?バンドラ。」
隣にはヤマト。ギュッとバンドラの腕を抱き、覗き込むようにバンドラを見る。
「…また襲われてはどれだけ建て直しても意味がないからな。」
「ボク達がずっと居るってのはダメなのかい?」
「今回のように絶対に居られない案件が出てくるかもしれない。例えば、この中の誰かが死ぬ、或いは捕まると言ったような。」
バンドラのその言葉にヤマトも指を顎に当てて、んー?と考える。バンドラはその様子をふっと微笑んで見ていた。
「…最低限、モネやシュガーは自分を守れるようになったが、俺の名前が売れればそれだけ船員もこのエレジアも危険にさらされる。…いつものように俺たちも海遊はする。だからこそ、エレジアにずっと居るのは難しい。」
淡々と紡ぐバンドラの言葉にそんなものなのかなとヤマトが答える。バンドラがその頭を優しく撫でる。すると目を細めてヤマトはん〜っと猫撫で声を出した。
「まぁ、お前やスムージーが居りゃいいけどよ。…お前もスムージーも名のある海賊の娘だしな。住む場所が元々違えば、いずれ帰ることもある。」
「えっ!?やだよっ!!バンドラとウタちゃんと離れるなんてっ!!」
「…カイドウは良いのかよ。それに光月おでんはワノ国を見て回ってから海に出たんだろ?」
バンドラがそう聞くとヤマトがムムムッと眉間に皺を寄せて、バンドラを見た。バンドラが息を吐くとヤマトがバンドラの手をギュッと掴む。
「…それでもやだよ。ボクは今がとっても楽しいんだ。いろんな場所に行けて、色んなものを見て…。あそこに居た時には全く感じてなかった景色だから。」
優しげに微笑むヤマトの顔。数多の女を見てきたバンドラが息を呑むくらいには綺麗だった。赤色に光る目にバンドラが映る。
「別に離れろなんざ言ってねえだろ?それに…俺は俺だから我儘だから…誰も離す気にゃなれねえさ。」
そう言ってバンドラはヤマトの頭をわしゃわしゃと少し乱暴に撫で回す。ヤマトはわーっと悲鳴にも近い声をあげて、ムッとした顔でバンドラを見た。
「何すんだっ!?髪乱れちゃうでしょっ!?」
「一丁前なこと、気にしやがってっ!!男だと言い張るなら、そんなこと気にすんな。」
そう言ってニヤリと笑うバンドラ。
ヤマトは自身の髪を指で解かしながら、少し不機嫌なように下を向いていた。
「…で、なんの話してたっけ。」
「エレジアを。ボクたちが居なくても守れなきゃいけないなって話。」
「…そうだったなぁ。まぁ、先達の知恵を借りるか。」
「先達の知恵?」
「あぁ。…名のある海賊たちの真似事してれば、なんか良いアイデア浮かぶだろ。」
…小首を傾げるヤマト。果たして意味があるのかという目でバンドラを見ている。…何があったかとバンドラは考える。
「先ず、典型的なのはカイドウんとこだな。」
「うん。お父さんのとこは色んな海賊団から引き抜きで連れてきてる。数億ベリーを超える海賊団の船長も居たはずだよ。」
百獣のカイドウ率いる百獣海賊団。その他の海賊団も例外ではなく、他の海賊団の名のある海賊を引き抜きで仲間に入れている。よくあるパターンだ。バンドラとて似たようなことをしている。主にヤマトやスムージーだが。
「うん千万もいる海賊たちの中から気に入ったやつを連れ出すなんざ、簡単なことじゃあねえ。ほんと、目が痛くなるくらいの作業だ。それに裏切る可能性だって十分にある。」
「バンドラなら大丈夫だよ。お父さんと同じくらい強いじゃん。」
「両者本調子ならな。ただ食って力を手に入れただけのガキの本気でもあの危険生物ジジイの身体の傷は浅かった。カイドウがもし、楽しまずに殺しに来てたなら俺は負けてたさ。」
…事実、バンドラとカイドウには圧倒的な戦闘力の差があった。ロックスの時代を見習いながらも生きた怪物と海軍でのうのうと育てられた少年との差は歴然。それを…悪魔の実の力で無理やり五分にもうすぐ手が届く程度までいったのだ。
「…ま、つまりはこれは無し。ジェルマの兵士も同じ。ちと時間がかかっちまう。その隙に攻められちゃ終わりだ。…海王類でも周りに放ってみるか?いや、観光客まで襲っちまったら行けねえしなぁ…。」
「海軍に守ってもらうとかは?」
「うーむ。俺が七武海であるうちは大丈夫だがなぁ。大将とも敵対した時点で守ってくれって言うのはなぁ。」
「そ、それじゃあさ…。スムージーのところみたいに…してみる?」
「……は?お前、あそこは…。」
そう言ってバンドラはヤマトを見る。
ヤマトは自身の指先と指先をくっつけ、くいくいっとやりながら少し顔を赤らめてバンドラをチラチラと横目で見ていた。
「…話聞いてたか?時間かかるからダメだっつうの。」
「うえー?試してみる価値は…「それに。」…?」
「…俺ァ、自分の女が腹痛めて産んだガキを『国を守るための道具』にゃしたくねえんだわ。リンリンは自分だから良いけどよ。俺はその痛み、知らねえんだからさ。…これも我儘だけどよ。」
そう言ってバンドラは頭の後ろを掻いた。ヤマトはそっかと笑いながら、そんなバンドラを見る。その顔は少し安心したような…そんな笑みだった。
「…じゃあ、どうするの?」
「…まぁ、無難なところは島の周りに防御ユニット的なものを作ってもらうしかねえなぁ。…ジャッジに。」
「使うところはとことん使うよね。バンドラ。」
「まぁな。」
そう言ってタバコを咥えるバンドラ。ヤマトが待ってましたと言わんばかりにマッチに火をつけようとするが、マッチは簡単に折れてしまった。しょぼくれるヤマトの頭を優しく叩き、バンドラはマッチに火をつけ、タバコにつける。
「…何があろうと、俺が始めたことはやりきらねえとな。このエレジアでたくさんの人を集めて、ウタのライブをする。アイツが能力に頼らずに本当の意味で人々を幸せに導くライブをな。」
「…だねっ。」
ふっとお互い笑い合うヤマトとバンドラ。その直後だった。バンドラの部屋の電伝虫が鳴る。バンドラはその電伝虫の受話器を取った。
「…どうしたんです?おやっさん。」
相手は世界最強の男、白ひげことエドワード・ニューゲートだった。バンドラは柔和な笑みを浮かべてその受話器を耳につけていた。受話器から地鳴りのような低い声が響く。
『…テメェ、今どこにいる?』
「エレジアですよ。ティーチの襲撃に遭いましてね。」
『…そうか。…話がしてえ。エースについてだ。』
…その言葉を聞いてバンドラは顔を顰める。
「…やはり、ティーチは…。」
『あの野郎。サッチのやつを殺して、尚且つ…エースを倒し、海軍への手土産にするだとよ。ガープのやつは考えるだろうなぁ…。』
口ではそういうものの、ニューゲートの声は低く固かった。バンドラはそれを察知して、厳しい目を向ける。
「おやっさん。アンタ、エースについて何か隠してます?」
『…何がだ。エースは俺の息子だ。それ以外に何がある。』
「…この前、シャンクスのやつがアンタに会ってたでしょ?アイツは滅多に他の海賊にちょっかいをかけようとはしませんよ。世界をどうこうなんて…考えちゃいませんがね。それが今になって接触した。…おかしいとは思いませんか。このタイミングに。」
バンドラは真剣そのものの顔で電伝虫を見つめる。長く長く…引き伸ばされた間。その沈黙はニューゲートの手によって破られる。
『…若僧が。この俺を試してんのか。』
「なにを。…俺が手助けできることがありゃなんでもやるって話で…『そんなくだらんことは知らん。』…はい?」
『…俺は仮にも息子のテメェの名をエースが言ってたから気になっただけだ。例え、海軍と戦争になったとしても…お前は絶対に手を出すな。辛えだけだ。』
…それはニューゲートがバンドラに見せる最後の優しさだった。切れた電話をバンドラは無表情で見つめる。
「…バンドラ?」
心配そうに後ろからバンドラを見つめるヤマト。バンドラはふぅ…と空を見て息を吐くと首をこきりと鳴らした。
「俺はアンタに何も返せねえのかよ。なぁ…。」
そう言って電伝虫から視線を切った。ベッドに座るバンドラ。そこへ…。
「バンドラ、大変っ!!」
焦った様子のウタが現れた。
バンドラはまさか…とは思ったが、焦った様子の彼女を宥める。
「海賊が来たのッ!!」
「…まさか、白ひげの?」
「違う。…あの長い刀を持った目の隈酷い男の人。」
…それを聞いてバンドラはエレジア城内から飛び出した。下へと降りると瓦礫を尻に敷き、鞘に収まった長い刀を肩に預けた男の姿があった。
「…何のようだ。トラファルガー・ロー。」
「なぁに。話をしに来ただけだ。」
そう言ってローは不敵な笑みを浮かべた。
今年は寅年だからね。爆弾置いて帰ります。次話は2023年ですね。大晦日どうお過ごしでしょうか。
燃ゆる龍、覇道の道征くはこれからも続きます。賛否両論、色々ありましたが、沢山の方々に読んでいただき光栄に思っております。来年も宜しくお願いします。
次回からは頂上戦争まで一直線に向かいます。では皆様、良いお年をお過ごしください。
カリーナについて
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