燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第207話

「…なんでこうなる。」

 

…ことの顛末を話そう。ディーラーが人魚が入ったと言ったと思ったら出てきた船長が舌を切って死んだ。そして、バンドラ達の目の前に天竜人が現れて、麦わらの一味が人間屋に入ってきたというところだった。

 

「人魚とはまた珍しいものが入ってきたものだな。」

 

「珍しいの?」

 

「ん?あぁ。…だが、坊主達がそれに絡んでる理由は何だ?」

 

ウタの声にバンドラはタバコを蒸して言った。坊主達…と言ったものの、ルフィたちの姿はそこには無く、ナミとサンジ、チョッパーやら何処か人数が足りないと言ったところだった。

 

「チャルロス兄様、遅いアマス。」

 

「わ、わかってるえ〜。」

 

…そのとき、ディーラーがなにやらセコセコと急ぎ、何かを準備した。ディーラーの言葉と共にカーテンに見えるは水槽の影。開けられるとそこには件の人魚の姿があった。

 

「凄いね…?急に沸き立った。」

 

「当たり前よ。…人魚は滅多に人前には出ない。大体が魚人島と呼ばれる島のリュウグウ王国に住んでいる。まぁ、魚人差別がまだ地上では根強いからね。だから、人魚は伝説になっている。…それが市場に出たのよ。喉から手が出るほど欲しいに決まってる。」

 

「…?なるほど?」

 

首を傾げるヤマトに説明したカリファが頭を押さえて、ため息をついた。皆の目が人魚に向く中、バンドラの目だけは天竜人に向いていた。

 

「…彼らを狙うのか。」

 

「余計なことしねえように見張ってねえとな。…アイツらはやらかす。」

 

バンドラのその予感は的中する。

ギロリと向けた目。背中に寒さを感じるチャルロスはそれを気のせいとし、人魚に5億ベリーを叩いた。

 

…それだけでは終わらなかった。

 

「うわぁぁぁぁぁあッ!!」

 

人魚ケイミーがチャルロスに買われそうになるその瞬間。天井を開け、上から魚が落ちて来たのである。

 

「なんだッ!?」

 

「…騒がしいアマスね。」

 

その背には海賊麦わらのルフィの姿が。

バンドラはニヤリと笑う。焦った様子のウタを他所にその様子をただただ黙って見ていた。

 

「バンドラさん…!!」

 

「…アイツらに暴れさせた方が天竜人を捕まえるにゃ楽だ。天竜人を捕まえ、今のステラの居場所を吐かし、そのまま人質として捕まえる。」

 

「…わかりました。」

 

有無を言わさない表情のバンドラにテゾーロは言葉を飲み込む。バンドラはその覇気を可能な限り、顰めた。

 

「あ、ケイミーッ!!ケイミー、良かったっ!!探したぞっ!!」

 

先程の事態を見ていなかったルフィが水槽へと駆け寄る。それをタコのような顔の男が必死に止めていた。

 

「ねぇ、あれって…!!」

 

「…あぁ。ナミの村を襲った魚人の一人だ。何が…。」

 

「キャァァァッ!!魚人よっ!!気持ち悪いッ!!」

 

…王族の一人がそう叫んだ。

魚人は差別されていた。それが今も根強く残っているため、タコの魚人“ハチ”は腕を隠していた。それが暴れるルフィを止めるため、咄嗟に出してしまったのだ。

 

ルフィはそんなものお構いなしに猪突猛進。

ケイミーを助けに行こうとするが、それを人間屋の職員が止める。…買い手がついているからである。

 

…ところ変わって、ハチの方では。

人々がハチへの罵詈雑言を口走っていた。奇異なるものを見るような目で。

 

「…あれが“人”か。笑わせる。」

 

「……ッ。」

 

低い声でそういうバンドラをテゾーロは横目で見た。…笑わせる…そう言っておきながらバンドラは軽蔑の目を向けていた。

 

自身の信じた海軍はこれを黙認している。その事実にバンドラは静かにフツフツとあがるものを感じていた。

 

…その時だった。

 

室内に響き渡る破裂音。

地面に垂れる血は誰あろう、魚人のハチのものだった。

 

「ハチッ!?」

 

そう叫んだのはナミ。

ルフィもその方向を向く。

 

「むふふん、むふふ〜ん。当たったえ〜。魚人を仕留めてよかったえ〜っ。」

 

喜び踊るチャルロス。

その前にはハチが血を流して倒れていた。安堵する一員。それに対し、麦わらの一味は怒りを、ケイミーは声にならないほど。目に涙を浮かべ、水槽を叩いていた。

 

…友達をやられてルフィが黙っているわけがない。勿論、ハチがナミの村へ何をしたかは知っている。ハチが吐いたからである。しかし、ハチは悔い改め、その罪を全力で償おうとしている。…母を失わなかったナミにとってはそれだけで十分と言っても良かった。

 

天竜人に殴りかかろうとするルフィをハチが止める。

 

「待っでぐれ゛…麦わら…ッ!!ダメだ…ハァ…ハァ…怒るな…!!俺が…ドジったんだよ…!!目の前で誰かが撃たれてもッ!!天竜人には…逆らわねえって…約束…しただろ…。どうせ…俺は海賊だったんだ!!悪ィことしたから…その報いだ…。」

 

掠れた声でそう言うハチ。

その目には大粒の涙を浮かべていた。

 

「ゴメンなぁ…こんなつもりじゃなかったのになぁ…!!ナミに…!!ちょっとでも償いがしたくて…おめぇらの役に立ちたかったんだけども…。やっぱり俺は…昔から…何やってもドジだから…本当にドジだから…!!…結局、迷惑かけて…ゴメンなぁ…!!」

 

…贖罪がしたい。その一心でハチの目からとめどなく涙が流れる。…ルフィの額にぷっくりと血管が浮き出ていた。

 

「魚めぇ〜。撃ったのにまだベラベラ喋って…お前ムカつくえ〜。」

 

チャルロスの銃口が再度、ハチへと向く。そのチャルロスへルフィが見せたのは怒りの眼。バンドラはそれを見てニヤリと笑った。

 

…何をする気だ。そう沸き立つ外野を他所にルフィの拳が硬く握られる。

 

向かってくるルフィに発砲するチャルロス。しかし、そんなものがゴムであるルフィに効くわけも、修羅場を潜ってきたルフィに当たるわけもない。

 

そして…。

 

ごべばッ!?

 

チャルロスの顔へルフィの拳が飛んだ。

青ざめるギャラリー。海賊たちはその行動を見て笑っていた。とりわけ、バンドラは。

 

「兄上様ッ!?」

 

「…悪い、お前ら。コイツ、殴ったら海軍の大将が軍艦引っ張って来んだって。」

 

「…お前がぶっ飛ばしたせいで切り損ねた。」

 

ゾロはそう言って刀を収める。

ハチに駆け寄るナミ。…こうなってはやることはひとつだと団結し、ケイミーの首輪の鍵を探す。しかし、身内がやられたシャルリアは激昂。

 

「何やってるアマスッ!!早く海軍大将と軍艦を呼ぶアマスッ!!」

 

「ハッ!!」

 

逃げ惑う人混み。向かって来る衛兵たちを次々と倒していく麦わらの一味。テゾーロの額に汗玉が浮かんでいた。

 

「あの海賊たちに好き勝手させて大丈夫なんですか…ッ!?作戦にもしものことがあれば…って、バンドラさん?」

 

「ヒヒヒッ…ヒャッハッハッハッ!!最高だねェッ!!テメェらッ!!」

 

バンドラは腹を抱えて大声で笑っていた。

その様子を見て、絶句と言わんばかりのテゾーロとその一味。バンドラの仲間たちも誇らしげなウタとビビ、微笑むヤマト以外は苦笑いやらため息をついていた。

 

「バンドラッ!?なんでこんなとこに…!!」

 

…天帝は仮にも七武海。

海軍大将に先だってきたのではないかと焦るサンジやゾロなどを差し置いて、ルフィとナミは少し安堵したような表情を浮かべる。…ただ一人、そんなバンドラへと熱視線を送る人物。

 

「…はぁんっ…天帝様っ♡」

 

「イテテ…なにするえ…。下自民が…って!?て、てててて…天帝ッ!?」

 

うっとりとした様子でバンドラを見るシャルリアと尻込みするチャルロス。バンドラはそんな二人を蔑視する。

 

「…まだこんなくだらねえことやってたのか。全く、どこまで腐りゃあ気が済むんだ。クソども。」

 

狂骨を抜き、いかにも戦闘体制のバンドラ。その絶対零度の視線にシャルリアはある種の興奮を覚えていた。シャルリアの首へ鋼鉄の冷たい感触が伝わる。

 

「…ちょっと時間をもらおうか。シャルリアちゃん?」

 

「は…はいっ♡天帝様のお頼みであれば…如何様でもぉ…♡」

 

「…なんか、ムカつく。」

 

そんなシャルリアの様子を見て、ヤマトはプクッと頬を膨らませていた。ヤマトだけではない。ウタやビビ、ナミですらである。

 

「…取って食おうなんてしねえ。ただ、聞きてえことがあるだけだ。」

 

「はい…♡なんなりと…♡」

 

「…ステラという奴隷は今どこにいる?」

 

うっとりとした様子のシャルリアとは対照的にバンドラの見せるは、嘘でもついたら切り伏せるというような眼光。アワアワとするチャルロスを筆頭にその一気に解放された殺意や覇気に会場に残った天竜人の護衛は誰一人として動けなかった。

 

「そ、それなら今、私たちの元へ来ております…♡天帝様がお望みなら…如何様でもなさってください…♡しかし、私の前で…他の女の話とは…意地悪な人っ♡」

 

「別にお前にゃ興味ねえよ。…だったら、その奴隷を俺にくれ。」

 

「はうっ♡…でもいぃ…♡わ、わかりましたわっ。すぐに手配を…。」

 

あっけなく終わったことにバンドラは安堵の息を吐きながらもそのまま戻っていった。…しかし、人間屋は既に海軍に包囲されていた。




シャルリアの豹変しようがルフィに対するハンコックのそれなんだよなぁ…。原作の。病んでは無いが、とんでもないことにはなってますね。確実に。それでは。
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