燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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短めです。


第217話

「…おい。起きろ。…天帝。」

 

「んぁ?…もう朝か。」

 

バンドラは大きな口を開けてあくびをする。ふと、ハンコックの方に目を向ければ、ハンコックは一切の衣類を身につけておらず、布団でバスタオルのように身体を隠している状態だった。ほのかに頬を赤らめていた。

 

「…え、えーと…昨晩はお楽しみでしたね?」

 

「………。」

 

気の利いた一言でも言ったつもりなのか、微笑みながら言うバンドラにハンコックはギロリと睨みを効かせる。艶やかな黒髪が、白い肌にかかっていた。

 

「…取り敢えず、着替えようか。」

 

そう言うバンドラにハンコックはこくりと頷く。

お互いの方を向かず、用意されていた衣類に身を包んだ。バンドラは狂骨をギュッと握りしめると、ハンコックの方を向く。昨夜のことは忘れてはいない。僅かに腰に響く鈍痛が、忘れさせてくれない。

 

ハンコックは着替え終えると黙ってバンドラの腕をギュッと抱く。

 

「…天竜人の…それとは全く違った。」

 

「…あん?」

 

バンドラは小さく口を開けて、呟くように言うハンコックを見て、ふっと笑う。

 

「そりゃあ、当たり前だ。俺はお前らのこと好きだからな。」

 

「…は、恥ずかしげもなくよく言えるなッ!?お主はッ!?」

 

ハンコックは顔を赤らめて、そう叫んだ。バンドラには横顔しか見えていないが、耳まで赤くなっているのはよくわかっていた。

 

「…俺はこれでも節操なしじゃねえからな。場のノリとか好きじゃねえやつとなりゆきにとか…苦手なんだわ。だから、お前らが求めてくれるまで俺は手を出さねえ。…そっからは知らねえけどな。」

 

「…猿か、貴様は。」

 

「そのハンコックさんも顔が緩んでましたけど?」

 

「い、言うでないッ!!…恥ずかしいではないか…。」

 

うぅ〜…と声を殺すように悶えるハンコック。だが、バンドラの腕は離さない。

 

「わ、妾にこんな仕打ちをしたのじゃッ!!」

 

「…自分からじゃなかったか。」

 

「あ、阿呆ッ!!…だから…だから…。せ、責任を取るまで…死んでくれるなよ…?」

 

ハンコックは真っ赤な面をあげて、バンドラにそう言った。うるっとした目とくりくりとした黒目は美女というにはバンドラには少し幼げに見えた。バンドラはふっと小さく笑う。

 

「男ってのはな。良い女が信じてくれたら死ねないことになってんだ。少なくとも、俺はな。」

 

「…その言葉、嘘ではなかろうな…?」

 

「ヤマトに聞いてみろ。現に俺はいついかなる時も女に生かされてる。仲間にも同盟相手にも、助けた奴にもな。だから…俺の近くにお前らがいる限り、俺は死なねえさ。」

 

そう言って目を細めてにっとはにかむように笑うバンドラ。ハンコックの胸がとくんと躍る。バッと目を逸らすその目はうるうると脈動していた。

 

「天帝、妾…その…「メェェェェシィィィィッ!!」ッ!?なんじゃっ!?」

 

「ハッハッハッ!!…未来の海賊王のお目覚めだ。」

 

轟くその声にバンドラは笑い、ハンコックは少し頬を膨らませていた。何か言おうとしたのに遮られたのである。バンドラ達が下に降りると無数に用意された料理の数々があった。

 

「バンドラ。君の言うとおり、いっぱい料理を用意してもらったよ?」

 

「あぁ。…これでアイツの腹に収まればいいが。」

 

「…というか、ハンコック。昨夜、バンドラと何してたの…?」

 

じとっとした目でバンドラとハンコックを見るヤマト。ハンコックはポッと顔を赤らめ、バンドラの背に顔を埋める。バンドラはその様子にはぁ…とため息を吐く。

 

「ヤマト、察してやれ。」

 

「なにさなにさ。ボクとはご無沙汰なのに、他の子とは躊躇なくやるんだね?バンドラの節操なしッ!!ド変態ッ!!」

 

ぷくぅ…と頬を膨らませてバンドラを見るヤマト。バンドラには見えていないが、ウタや…仮面で見えないがビビも頬を膨らましている中、レベッカだけがよくわからないというふうに周りを見ていた。

 

「あ?どうしたんだ?」

 

「あんたは知らないで良いの。」

 

首を傾げるルフィにウタがそう言った。

バンドラはヤマトに優しく何かを説くとそのまま、ルフィの下へと歩み寄った。

 

「気分はどうだ。坊主。」

 

「んあ?腹が空いたから飯食ってる。」

 

「見りゃわかる。馬鹿にしてんのか。」

 

呆れ顔でそう言うバンドラにルフィはにししと歯を見せて笑った。昨日の大喧嘩が嘘のようである。バンドラは安心したように笑った。

 

「…さてと、これからのことだが…。エースは恐らく、まだインペルダウンの中だ。お前はその地下深くまで無数に広がる監獄からエースを見つけ出さねえといけねえ。」

 

「あぁ。わかってる。」

 

「…本当にわかってるか?…まぁいいや。その潜伏方法だが…ハンコックと同じ船に乗れ。そうすりゃ、行形として…一応は辿り着くようにはなってる。…俺たちも遅れるが必ず行く。」

 

バンドラはふっと笑い、手をギュッと伸ばす。

ルフィはその手を掴むと満面の笑みを浮かべた。バンドラは手を離すと立ち上がる。

 

「さて、そうと決まれば準備しなくちゃな。行くぞ、テメェら。…エレジアに一度戻って作戦会議だ。」

 

そう言ってバンドラはルフィに背を向ける。ヤマトを含めた船員達はこっくりと頷くとそのバンドラの大きな背を目指して歩いて行った。

 

「…おい。」

 

歩み出したバンドラ。

しかし、ハンコックがそれを止める。バンドラの手をガシッと掴む手。バンドラは不敵な笑みを浮かべるとその方向を向く。と同時にバンドラの唇はハンコックに塞がれた。

 

「…必ず、生きて帰れ。」

 

「…不安か?」

 

「いや、お主のことじゃ。どうせ、生き残る。…妾は小童の世話だけして終わるつもりはないぞ。」

 

そう言ってハンコックは微笑むとバンドラの肩に手を当てた。バンドラはそんなハンコックを見て、微笑む。その後ろからヤマトとウタ、ビビがむぅ…と面白くなさそうな様子で二人を見ていた。レベッカは顔を真っ赤に染めてその様子を手で顔を隠すも指の隙間からチラチラと見ていた。

 

「…跡ばかりつけよって。妾の美貌が損なわれたらどうする気じゃ。」

 

「お前も俺につけてたじゃ無いか。」

 

「ッ!?…と、兎に角っ!!…生きて帰らねば、妾が消しに行くぞ。わかっておろうな。」

 

キッと睨むハンコック。

口ではそう言うものの、顔を真っ赤になっていた。バンドラはそんな彼女の頭を優しく撫でる。

 

「…あぁ。」

 

「…一人ぼっちなんて…妾が…困る。」

 

「約束するよ。…必ず、帰る。」

 

ん…と小さく頷くハンコック。頭が少しぽやぽやとする感覚が彼女には愛おしかった。顔が熱を帯びて、口元が少し緩む。バンドラは手を離すと、少し歩き、振り向く。

 

「それじゃあ、行ってくる。」

 

「…あぁ。」

 

そう言ってその後ろ姿を見ながら小さく手を振るハンコック。バンドラは笑顔で一時の別れを告げ、女ヶ島から出て行った。




子どもがいるところで何を話してるんだろな、この人たちは。(ルフィ、ウタ、レベッカ、ビビ)

ほら、レベッカちゃん、男関係厳しそうじゃない?キュロスが。

頂上戦争編で4〜7話ぐらいは行きたいんですが、いかんせん、バンドラサイドの話しか書かないので…。

白ひげ海賊団vs海軍

ルフィ到着

エースvs赤犬

黒ひげ登場

の何処かでは出そうって考えてます。エース、白ひげの処遇も考えてます。頂上戦争の大元は結構前からこうしようああしようって考えてました。頂上戦争前に言うとおネタバレになりますのでね。原作とは変わらない部分も大きく変わる部分もあるかと存じます。まぁ、バンドラ、天帝の一味っていう転機がどう関わるかですな。

…ウタは連れてくけど、レベビビは…うーん。

では。
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