「『晴天・昇竜』ッ!!」
炎の飛ぶ斬撃は竜の形を作り、そのアギトはカタクリを飲み込もうとする。
カタクリはそれを横に跳んで、避けるとカタクリの周りに二つの白い輪っかが現れた。
「『無双ドーナツ』…『力餅』ッ!!」
その輪っかから伸びる黒い剛腕。バンドラに向かって伸びるそれをバンドラは再び地面を転がり避けた。剛腕の当たったところから砂塵と地割れが起こる。
「『
その砂塵を目隠しにして、バンドラの左拳が溶岩を纏い、それを前へと突き出す。するとそれを皮切りに前へ、高音の溶岩玉が放たれた。
「『流れモチ』ッ!!」
万事休すと見えたカタクリであったが、地面をモチ状にして、下からモチの壁を生成。それとマグマ弾がぶち当たった。
「へぇ…。」
「よそ見をするなッ!!『モチ突』ッ!!」
即座に後ろに現れたカタクリ。先程の高速回転の突きを放つ。
バンドラはそれを武装色を纏った蹴りで蹴り上げ、回避する。
「…ッ。」
「久しぶりに滾ってるみたいじゃねえかッ!!『晴天・極竜』ッ!!」
先ほどよりも大きな炎を纏った斬撃を上向きに打つバンドラ。すると先ほどよりも大きな竜がカタクリへ上から降り注いだ。
「ぐ…!!」
カタクリはそれを避けるや否や、また前へとモチ突きを打つ。それがバンドラの頬を掠め、少ないが血を飛ばした。
「…ッ。」
しかし、カタクリも無傷ではない。先程の竜を模した斬撃がカタクリの露出した剛腕を軽く切り、血を流していた。
「…流石だ。」
「そっちこそ。」
バンドラは親指で頬の血を拭うとペロリとそれを舐めた。直後、バンドラの上空へと跳ぶカタクリ。
「またあれかッ!!」
「『柳モチ』ッ!!」
上空よりまるで豪雨のような蹴りの往来。
それをバンドラは三度、転がって避けるがそれを逃すカタクリではない。カタクリは技を打ち止め、バンドラが避けるであろう場所へ再び、腕を伸ばす。
「『
膨張する剛腕。それがバンドラに向かって前へと飛ぶ。まさに飛ぶ黒腕。更にはそれは火を纏っていた。
バンドラはそれを武装色を纏った刀身で切り裂く。すると爆煙を目隠しにして、バンドラの前からモチ突が飛んできた。
バンドラはそれを刀身で弾き飛ばした。モチ突で生じた風で爆煙が晴れる。
「『
バンドラの掌で黒い竜巻を生成。それを前へと飛ばした。
竜巻は成長し、カタクリを飲み込もうと進む。カタクリはそれを避けるが、風の刃にまた手から血が飛んだ。
「…流石にやる。俺が血を流すなんて久々だ。」
「ヒヤハハッ!!楽しいねえ。強えやつとやりあうのはッ!!」
「……『無双ドーナツ』」
無数の無双ドーナツがバンドラを取り囲む。バンドラは避けることが出来ないほどだった。
「『餅吟着』ッ!!」
「『晴天・無限昇竜』ッ!!」
上から降り注ぐ無数の拳。バンドラは下から上へ、炎を纏った刃を放つ。すると炎の刃は上空で爆発し、飛散した火花が竜の形を作り、拳にぶつかった。
「『焼餅』ッ!!」
「『
炎を纏った飛ぶ黒腕。それに対して、視界が白く濁るように冷気を刃に纏わせ、氷の斬撃を打ち込んだ。氷と炎が触れ合い、白い水蒸気が急激に発生し、爆発した。
その爆風と共にカタクリとバンドラは後ろへと跳び避ける。
「『モチ突』ッ!!」
「『黒式雷鳴』ッ!!」
高速の突きと黒い雷を纏った一太刀がぶつかり合う。何度も何度も接敵する刃は火花を垂らし、空を切る。
「…なにっ!?わかった。すぐ行くッ!!」
…それを見ていたスムージーだったが、電伝虫からの連絡を聞き、目を見開いていた。電伝虫をすぐ様切ると、バンドラとカタクリの元へと走った。
「バンドラッ!!カタクリ兄さんッ!!大変だッ!!」
その声を聞き、二人の手が止まる。
狂骨はカタクリの喉元で、土竜はバンドラの喉元で止まった。二人は矛を下げると、スムージーを見る。スムージーの頬を汗が滴っていた。
「…何があった。スムージー。」
カタクリが横を見て言った。
「く、食いわずらいだッ!!ママが暴れているッ!!」
「…お題は?」
「クロカンブッシュ…。」
バンドラが聞くとスムージーはそう言った。
クロカンブッシュとはシュークリームを円錐状に積み上げて作るお菓子のことだ。スムージーが慌てているのは、それをすぐに用意しなければならないからであった。
「…わかった。スムージーは街へ向かい、人々の避難誘導。俺はクロカンブッシュを用意するよう、料理人たちを集める。バンドラはママを止めてくれ。出来ないとは言わせない。」
「はっ。言わねえよ。それに、俺の大事なもんを置いてきたばっかだ。あのクソババア、絶対止めてやる。」
カタクリの指揮により、バンドラとスムージーは町へと戻るとそこには荒れ狂うビッグマムの姿とそこからウタを抱えて逃げるヤマトの姿があった。
「クロカンブッシュ〜ッ!!」
「何よッ!?あれッ!!」
「良いから逃げるよッ!!はっ!!バンドラッ!!」
無差別に暴れ回るビッグマム。
家は倒壊し、倒れる。人々の絶叫と共に、雪崩れ込む入口は完全にパニックになっていた。
「『晴天・獄門竜』ッ!!」
上へと跳ぶバンドラ。
炎を纏った斬撃をビッグマムに向かって飛ばす。その斬撃は空中で竜の姿を模し、飛んでいく過程で青く変化。ビッグマムの腹へとぶち当たる。
「…ふぅ。」
「バンドラ〜ッ!!」
「よく頑張った。あとは任せろ。」
空中で煙が上がるも、そこからは無傷のビッグマムが現れる。バンドラは狂骨を握り、ビッグマムを睨んだ。
「チッ…ここまで効かないと自信失くすなぁ。」
「大丈夫よっ。バンドラッ。」
「サンキューッ!!」
応援するウタの声を聞き、バンドラは走り出す。
暴走による瓦礫の雨。バンドラはそれを全部避けるとビッグマムの近くへと飛び出した。
「『
バンドラはビッグマムに向かって刺突を撃ち込む。その一撃は雷の砲撃と化し、ビッグマムを貫いた。…しかし、鉄の風船は無傷である。
ビッグマムは近くを通り、ビッグマムを止めようとする雲『ゼウス』をその手で掴む。するとゼウスは放電、雷雲となる。ビッグマムはそれを地面へと叩き落とした。
「『雷霆』ッ!!」
「チッ…!!」
間一髪。極雷が地面にぶち当たる。バンドラはそれを避けるが、衝撃と極光、耳をつん裂くほどの轟音が辺りに響き渡る。ふと見ると先程までいた場所は塵芥一つも残っていなかった。
「ひゅ〜…。ビッグマムさんよ。自分の国をぶっ壊す気かよ?」
バンドラの頬を冷や汗が伝う。
すると次にビッグマムは近くを飛ぶ太陽『プロメテウス』を掴み、地面をその拳で殴りつけた。
「『
地面に近づくその刹那、バンドラは地面に向かって飛ぶ斬撃を撃ち、空中へと飛び出す。
その拳が当たった地面は爆炎と極光が広がり、大きくクレーターを作り出した。
「『春一番』ッ!!」
空から風を纏った斬撃をビッグマムに向かって打ち込むバンドラ。
それはビッグマムに当たり、黒煙を上げる。
「…ク〜ロ〜カンブ〜ッシュ〜ッ!!!!!」
「うぇぇ…。タフなババアだなぁ…。よっと。」
地面に着地するバンドラ。
ヤマトとウタはそのバンドラの近くへと走ってくる。
「バンドラ〜っ!!あれ一体…!!」
「ただでさえ、化け物なのに見境なく暴れるせいでもっとバケモンになりやがった。流石に昔よりタフだな。…だが、これ以上先には行かせねえ。」
狂骨が赤く燃える。
その直後、バンドラは地面を蹴り、またビッグマムの方へと行った。
「焦げても文句言うじゃねえぞッ!!『火災旋風』ッ!!」
横薙ぎの斬撃がビッグマムへ当たる。するとビッグマムを中心に真っ赤な竜巻が起こり始め、ビッグマムを包み込んだ。
「…時間稼ぎくらいにはなるか。」
大きく周りを溶かしながら動く火災旋風。
しかし、そんな中でもビッグマムは動いていた。しかも、服すら焦げてない。動く炎の檻はただビッグマムを捕らえているだけだった。
「バンドラッ!!ママはッ!!」
「グッドタイミング。カタクリ。今、火災旋風を解く。」
火災旋風で捕らえてから15分ほど。
皿に納まったクロカンブッシュを持ったカタクリが現れた。それと同時にスムージーもバンドラの元へと集合する。
バンドラが右手の指をパチンっと鳴らすと火災旋風が空へと飛んでいき、崩壊した。今なお暴れ続けようとするビッグマムにカタクリは、クロカンブッシュを渡した。
「美味し〜ッ!!!!」
「女王の機嫌が治ったな。」
鞘に収めた狂骨を杖代わりにして、笑うバンドラ。その様子を見て、カタクリを含めたそこにいる全員が微笑んでいた。
能力をセーブしてますので、ビッグマム、カイドウに傷をつけるまではいきません。本気状態にならないとバンドラは前にあった覇王色のような覇気は使えないのです。キング、カイドウは少しそれに気づいているようです。それでも、No.2くらいの力はあります。化け物ですね。
ルウタかぁ…。ハンモックとウタちゃんを口喧嘩させるくらいしか思い浮かばないわ。うん。ルフィの正妻はローだと思うんだけどね。