燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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抗争に次ぐ抗争


第222話

「『八尺瓊勾玉』〜!!」

 

「よっと!!」

 

バンドラを追撃する光の雨。

 

バンドラはそれを軽々と避ける。黄猿の間合いに入るように走りながら。

 

バンドラは少し跳び、横薙ぎに黄猿の腹に刀身を滑らす。

 

しかし、そのコンマ1秒にも満たない瞬間、黄猿は光となって消え、バンドラの背後に現れた。

 

バンドラの後頭部めがけ、黄猿の蹴りがとぶ。

 

バンドラはそれを首を傾げて、回避。そのまま地面に着地した。

 

「その戦闘勘。とんでもないね〜。あの若さで海軍中将まで上り詰めたのはさすがと言った方が良いかもね〜。」

 

「それはどうも。」

 

「わっしも本気で行かないと…死ぬね〜。」

 

そう言って黄猿はバンドラの横へと現れる。

 

黄猿の蹴りをバンドラは峰で受け止めた。

 

黄猿は一度、後ろへ退く。

 

「『天叢雲剣』」

 

「『風の刃(ラーマ・バン)』ッ!!」

 

巻き上がる風刃。

鎌鼬のようなそれが黄猿に向かって飛ぶ。黄猿はそれを回避し、バンドラの目の前に出るとそのまま光の剣『天叢雲剣』を振り下ろした。

 

バンドラはそれを下からかち合う形で狂骨を振りあげ受け止める。

 

バンドラはそのまま黄猿を力一杯押し退ける。

 

そして、間合いを開けた瞬間、バンドラは地面に手を置いた。

 

「『砂刃(デゼール)』ッ!!」

 

その瞬間、バンドラの周りの地面が砂漠化。

砂になったそれは銀色の刀身へと変わり、黄猿へと飛んでいく。

 

勿論、黄猿は捕まらない。

 

光の速度でバンドラの背後を取る。…しかし。

 

「…ッ!?」

 

黄猿の胸が袈裟に裂けた。

 

噴き出す血。されど傷は浅い。

 

「黄猿さんッ!!くそ〜ッ!!」

 

「…来るんじゃないよ〜。…まさか、あれは誘導かい?」

 

黄猿を助けに入ろうと走ってくる海兵に黄猿はストップをかける。黄猿は自身の胸を指でなぞるとバンドラをキッと睨んでそう言った。バンドラは後ろを振り向き、ニヤリと笑う。

 

「お前にそう時間はかけてらんねえんだわ。早くしねえと馬鹿が死んじまうからよ。」

 

バンドラはそのまま前へと出る。

 

しかし、それを許す黄猿ではない。宙を舞う小刀の刃のような砂粒の中、少し、身体が削られようともバンドラに向かって突き進む。

 

「おいおい。マジかよ。…すげえ執念。」

 

「こんなところまで踏み込まれて、海賊に好き勝手されちゃあわっしらの面子丸潰れでしょ〜に。」

 

「『刃雷』ッ!!」

 

雷の斬波が黄猿を迎え撃つ。

 

黄猿はそれを光となって避けると、バンドラの前へと現れた。

 

「何故、お前がポートガス・D・エースの処刑を邪魔する?あれが死んでもアンタに不利益は無いでしょうに。」

 

「親父に返せるのはこの程度のことだからだよッ!!『吹雪一刃(タンペート・ド・ネージュ)』ッ!!」

 

空気そのものを凍てつかせる斬波。

黄猿の足が凍りつき、そのまま身体が凍結する。

 

「…この程度で諦めてくれれば良いが。」

 

バンドラはそう呟くとそのまま走る。

その隣を行くのは…海賊女帝ボア・ハンコック。

 

「…おい、鷹の目と麦わらの小僧が接敵した。あのままじゃ、やつは死ぬぞ。」

 

ハンコックは立場故に大っぴらにバンドラの味方は出来ない。バンドラはその言葉に少し顔を顰める。

 

「…わかった。ありがとう。」

 

「あっ…あうっ…何も…こんなところで…!!」

 

バンドラはハンコックの頭を撫でるとそのままルフィの元へと行く。今なお、接敵しようとしている鷹の目のミホークとルフィ。ギロリと向けられるミホークの目にルフィは戦うべきでは無いと考え、エースの元へ走る。…しかし。

 

「ぐっ!?」

 

「…射程範囲だ。」

 

ルフィの肩から血が吹き出す。

切られたのである。

 

そのまま追い詰めるかのように上に跳び上がり、夜をルフィの居る地面に突き刺すミホーク。

 

立ち上がるルフィ。

ミホークは夜を片手にその様子を見やる。

 

「退いてろッ!!麦わらッ!!俺たちが止めてやるッ!!」

 

絶体絶命、そんなルフィの前に現れたのはインペルダウン脱獄を手助けしてくれた新人類(ニューカマー)たちだった。…しかし、世界最強の大剣豪の前にそんな二人が勝てるわけなく。一瞬のうちに切り捨てられた。

 

「虫ケラの顔などいちいち憶えちゃいない。」

 

「にゃろッ!!ゴムゴムの…JETバズ…!!」

 

その直後、ルフィは自身の前の地面に拳を打った。そうしていなければ、腕を斬られていたからだ。

 

ミホークはルフィの首を狙い、横薙ぎに夜で斬る。

 

ルフィはそれを避けるが…直後、なんとルフィの後ろにあった氷塊が横一文字に滑り落ちてくるでは無いか。

 

「…あん?流石。」

 

バンドラはルフィとミホークの戦いの様子を視界に入れつつ、その氷塊を見てニヤリと笑った。狂骨を両手で握り、足を踏み込む。

 

「…最大応麟(さいだいおうりん)刃骨(じんこつ)二式蒼月(にしきそうげつ)』ッ!!」

 

紫色の電撃を纏う刀身。

そのままバンドラも縦にその氷塊に向けて斬波を飛ばす。まるで豆腐を切るかのように。すぱりと切れた氷塊は吹き荒れる風によって海へと流された。

 

「…天帝…!!」

 

そのままバンドラはルフィに向かって切られるミホークの斬撃を間に滑り込んで入り、狂骨で受け止めた。…お互いの刀によって火花が散る。

 

「…ッ!?バンドラ!!」

 

「さっさと行けッ!!コイツの相手は俺がしてやるッ!!」

 

バンドラはミホークから視線を切らずにそう叫ぶ。

 

ミホークがニヤリと笑った。次の瞬間、ミホークは横一閃に夜を振るう。

 

バンドラはそれを狂骨の峰で受け止めるとミホークの腹を蹴った。

 

「わかったッ!!」

 

ルフィはバンドラの言葉通り、そのまま走り去る。ミホークはバンドラに視線を向ける。

 

「…何故、あの男の味方をする?」

 

「はっ。…アイツは俺の大事なもんを守ってくれている。その対価さ。」

 

「…それだけか。面白い。」

 

そう言うとミホークは縦薙ぎに夜を振るう。

 

バンドラはそれを狂骨の刃で受け止める…が。

 

「くっ…さ…すが…!!」

 

ギリギリと狂骨の刃が軋む音が聞こえる。ミホークの一撃はとにかく重い。バンドラは押さえているが、その刀がバンドラの身体に達するのも時間の問題だった。

 

「チッ…!!オラァァァッ!!」

 

バンドラは両手で狂骨を握り、夜を弾き上げる。

 

と、そのまま地面を蹴ってミホークの近くへと向かう。…しかし。

 

「ハッ。」

 

直後、夜の刃がバンドラの胸めがけて迫り来る。

 

バンドラはそれを武装硬化した左手で握った。

 

「…厄介なのはその硬さ…か。」

 

「チッ!!」

 

ミホークは夜を振り上げ、バンドラの手を払う。

 

バンドラはその一瞬を狙って、また地面を蹴る。

 

「『蛮骨・紅月(ばんこつ あかつき)』ッ!!」

 

真っ赤に燃える鋼のような刃。それをバンドラはミホークの身体を袈裟に捉えて、振り下ろす。

 

しかし、ミホークはその一撃を夜で受け止め、弾き上げる。

 

「チッ…!!」

 

「…苦無か。」

 

その隙を逃すまいと迫り来るミホークにバンドラは懐から苦無を投げた。

 

ミホークはそれを夜の刀身で弾くや否や、足を踏み出し、刀を振るう。

 

「…貰った…!!」

 

「『霧害(ミラージュ)』」

 

横薙ぎのミホークの斬撃。

 

バンドラを横薙ぎに切り裂くが、バンドラはそのまま霧散した。

 

「…ただでは食らってくれまいか。」

 

「当たり前だろ。一発食らったら死ぬだろうが…!!」

 

そう言ってバンドラはミホークの背後から狂骨を振るう。ミホークはそれに合わせ、夜で受け止め、また鍔迫り合いになった。

 

「「ッ!!」」

 

バンドラとミホークはお互いを押し退ける。

 

そのまま両者突きに転じた。が、どちらも紙一重で交わす。ミホークもバンドラも頬に薄い一閃がつくのみだった。




バンドラは多対一の場合には真価を発揮して強くなります。ワザワザの影響ですね。なので味方も入り混じったこういう抗争の場合、本来の力が出し切れない場合が多いです。とはいえ、黄猿、青キジ、赤犬の3人は昔から知ってますので戦えますけどね。では。
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