燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第227話

…マリンフォード頂上戦争。

白ひげ、天帝海賊団連合軍の目的たるエース奪還。バンドラははっきりとその目で見た。…その目的は今達成されたことを。

 

「気ィ抜くなッ!!ルフィッ!!」

 

「おうッ!!」

 

「『火柱』ッ!!」

 

天上まで焼き焦がす炎の柱が海兵達を襲う。燃えるエース。その隣には弟ルフィ。

 

「…ハァ…ハァ…。あっちは大丈夫っぽいな。…俺たちも船を進めるッ!!逃げる準備だッ!!目的が達成された今、長居はしねえッ!!」

 

「で、でも、シュガーが…!!」

 

「『日融点(メルト)』」

 

バンドラはシュガーの体を優しく抱きしめる。完全に凍結したシュガーだったが、ゆっくりと氷は溶け、その場に倒れるように眠っていた。バンドラはシュガーを抱き上げるとモネに渡す。

 

「いいか。ルエノルーヴに戻ったら先ず風呂を炊け。それでゆっくりと温めろ。急速はダメだ。」

 

「う、うんっ!!」

 

モネはそのままヤマト、ウタと共にルエノルーヴ号へと戻っていった。バンドラはスムージー達の元へと駆け寄る。スムージー達もバンドラに比べると軽傷であったが、傷だらけであった。

 

「…どうする気だ。バンドラ。」

 

「俺がやることはただ一つさ。エースを…ルフィを逃がす。お前達は先に戻ってろ。」

 

バンドラはそう言ってエース達の元へ駆け寄った。

 

「…流石、若えのは違うな…。」

 

海兵の放つ銃弾はエースをすり抜け、ルフィの身体に飲み込まれ、放たれる。

 

「弟なんだよ。手出し無用で頼む。」

 

そう言って放つは炎の拳。

海兵達はそれに飲み込まれた。

 

「ふふっ。なんで息の合い様だ!!」

 

「二人の逃げ道を作れッ!!」

 

「…さてと。」

 

無論、バンドラも突っ立っているだけではない。タイムリミットも近く、バンドラの身体はボロボロだったが、バンドラはニヤリと笑った。目の前から迫り来る海兵。バンドラは狂骨を構える。

 

「『牙骨 朱雀(がこつ すざく)』ッ!!」

 

横薙ぎの斬波が鳥の形となり、地面を裂く。

 

海兵達はそのまま押し流され、散り散りに飛んでいった。火炎の上がる道をバンドラは進む。

 

「あっ!!バンドラッ!!」

 

バンドラの姿を見つけたルフィが満面の笑みで言った。バンドラは二人を見やる。

 

「…よくもまぁ、無謀を貫き通したもんだ。おかげで五体満足。テメェら二人は死んでもおかしくなかった。よく頑張った。…早く逃げろ。」

 

「…助かった。」

 

そうボソリとエースが呟くとエースとルフィはそのまま走って行った。

 

「天帝ッ!!」

 

「…ハンコック。」

 

バンドラの目の前にはサロメと一緒に現れた海賊女帝ボア・ハンコックが走ってきた。バンドラは少し穏やかな顔でその場に糸が切れた人形かのように倒れる。ハンコックはそんな彼の身体を優しく抱き止めた。

 

「阿呆ッ!!…無茶ばかりしよって。妾らがどれほどお前の身を案じたか…。」

 

「ハハハ…。ちと休憩。…それだけしたら…また戻るわ。」

 

バンドラの身体から覇気が消える。

その安心しきった顔にハンコックは呆れたようにため息を吐くと、その頭を優しく一撫でした。

 

「…あん?」

 

「…まだ終わっておらぬぞ。ほら、見てみろ。」

 

バンドラはハンコックの肩を借りながら、その様子を見やる。…海軍本部に突っ込もうとした白ひげの船を白ひげ自身が止めていた。スクアードの強行だった。

 

「…子が親より先に死ぬなんてことが…どれほどの親不孝か…。テメェにゃわからねえのかッ!!スクアードッ!!…ハァ…つけ上がるなよ…?お前の一刺しで揺らぐ俺の命じゃねえ…!!誰にでも寿命ってもんがあらぁ…!!ここでの目的は果たした…。もう俺たちはこの場所に用はねえッ!!」

 

「…おやっさん。」

 

バンドラはその言葉を聞いて、悲しげに笑った。戦争に死人がいないことなどない。

 

「今から伝えるのは…!!最期の船長命令だ…!!よォく聞け…!!白ひげ海賊団ッ!!」

 

…“最期の船長命令”。

その言葉に反論を示す白ひげ海賊団。

 

「…まだ返すことがあったってのになぁ…。」

 

「天帝…お主…。」

 

「…泣いてる場合じゃねえよな。」

 

バンドラは頬を伝う雫を手で追い払った。

さて…と立ち上がるバンドラ。天神災害は限界の来る前にバンドラが自分自身で終わらせていた。

 

「お前らと俺はここで別れるッ!!全員ッ!!必ず生きて無事新世界に帰還しろッ!!」

 

「親父ィィッ!?ここで死ぬ気かッ!!」

 

「俺ァ時代の残党だ…!!新時代に俺の乗り込む船はねェ…!!」

 

「…ハンコック。しっかり捕まってろ。」

 

「え?あ、わ、わかった。」

 

目を瞑り、バンドラの身体にぎゅっと抱きつくハンコック。バンドラはただじっと白ひげの方を向いていた。

 

そう言って白ひげは剛腕を振り上げる。

マリンフォードに向けて放たれるグラグラの実の力。それはマリンフォードそのものを沈めんとする力だった。

 

「行けェッ!!野郎どもォッ!!」

 

…白ひげ海賊団の船員達が新世界へと帰る道を作ったのだ。エースのいないマリンフォード。それと自身の命すらも道連れにして、時代と決着をつけようとしている。ガープやセンゴクのような老兵にはそれがわかっていた。

 

「オヤジィィッ!!オヤジを置いていくなんて嫌だッ!!一緒に帰ろうッ!!オヤジッ!!」

 

「船長命令が聞けねえのかッ!?さっさと行けェッ!!アホンダラッ!!」

 

すごい剣幕でそう叫ぶ白ひげ。

白ひげ海賊団の船員達も…それにより撤退を始めた。船長の覚悟を知ったからだ。エースもその様子に言葉を失っていた。

 

瀕死の白ひげに銃を向ける海兵達。しかし、白ひげの振り下ろされた薙刀の一撃に沈む。

 

「エースッ!!行こうッ!!おっさんの覚悟が…!!」

 

「…わかってるッ!!…無駄にはしねェッ!!」

 

エース達の進路を塞ぐ海兵達。しかし、銃口よりも先にエースの火が海兵達を打ち倒した。エースの周りには炎が立ち上る。…その中でエースは…頭を地面に押し付けて、土下座をしていた。

 

「…言葉は要らねえぞ。一つ聞かせろ。エース。俺が親父で…良かったか?」

 

「勿論だッ!!」

 

そう叫ぶエースに白ひげは優しく笑った。エースはルフィと共に白ひげの元を去る。白ひげは次にバンドラを見る。

 

「…あの日、ただ船に乗ってきて『海兵になりたい』だなんて巫山戯た口聞いたガキが…今や天帝なんて言われて…。調子に乗ってるかと思えば…変わらねえなぁ…テメェは。」

 

「…何がです?」

 

「…ふん。…おい、バンドラ。俺は一瞬だったが、お前を息子と呼べて…幸せだったぜ?」

 

「…ッ…。身に余る光栄ですよ。オヤジ。」

 

そう言ってバンドラは目を閉じた。噛み締めていたのだ。白ひげもまた笑っていた。まるで本当の父のようにおおらかに。

 

「…エース達を頼んだぜ?」

 

「ええ。」

 

バンドラはハンコックを優しく離すとまた狂骨を引き抜いた。

 

「ちょうどいいタイミングでお前は逃げろ。ここから先は…地獄になる。」

 

「貴様に心配される筋合いはないわ。」

 

「ハハハッ。それもそうか。…さて、行こうか。」

 

ニヤリと笑い、そう言うバンドラ。ハンコックは艶やかな黒髪を指で絡め、顔を赤らめモジモジとしている。

 

「…ん?」

 

「ど、どうしてもと言うのならッ!!妾も一緒に行ってやっても良いぞッ!!お、お主がど〜〜してもって言うならッ!!…べ、別に心配してるわけじゃないからなッ!!」

 

「…聞いてないんですけど。でも、大丈夫だ。お前は下がってろ。」

 

少し赤い顔で叫ぶハンコックの頭をバンドラは笑顔で撫でる。そんなバンドラに耳まで真っ赤にして、悶絶するハンコック。頭から手が離れると物惜しそうにバンドラを見ていた。

 

「お、愚か者がッ!!今のボロボロのお主など役に立たぬわッ!!」

 

「そうか?…若い奴らの殿くらいにはなれるだろ?」

 

「ばっ…馬鹿者ッ!!あ、あんなことした以上、死ぬことは許さんぞッ!!」

 

「あんなことって?」

 

「揶揄うでないわ、阿呆ッ!!」

 

バンドラの足を赤面したハンコックの蹴りが直撃する。バンドラは足を摩り、顔を顰めていた。

 

「…おい、俺、怪我人。」

 

「し、知るかッ!!…ハァ…。妾がどんな気持ちでお前を待っていたか…。」

 

「どんな気持ちって?」

 

バンドラの顔が近づく。ハンコックの腰を抱き抱え、首を傾げるバンドラ。ハンコックは顔を茹蛸のように真っ赤にしていた。

 

「ち、ちちち…近いィィィ…!!わ、妾の心臓が爆発するぅ…!!」

 

「おっと、そりゃあマズイな。じゃあ、後ろに下がってな。」

 

そう言ってバンドラはハンコックを離し、風で掃除した床の上に座らせた。ちょこんと座るハンコックの頭をはてなマークが埋め尽くす。……はっきり言おう。此処はまだ戦場である。

 

「っておいッ!!お主は何をしとるかッ!!」

 

「…心臓爆発するんだろ?」

 

「言葉の綾じゃろうがッ!!貴様、妾で遊ぶのも大概にしろぉ!!」

 

「遊んでなんかいないって。」

 

笑いながらそう言うバンドラ。

ハンコックはバンドラの肩を掴み、ぐぬぬ…と睨んでいた。

 

「妾はッ!!お主が心配だからッ!!手を貸してやるって言ってるのじゃッ!!愚か者ッ!!」

 

「心配されることなんざねえよ。…ふぅ。お前のおかげでちと休めたしな。ありがとな。」

 

「くっ…お前はそうも…。い、いいか?お主はこのボア・ハンコックを…その…えっと…その…は、辱めたのじゃ…!!…だから、その…もうこれは…男女の仲であって…じゃが、別にお主のことを妾が好きと言うわけでは…「なんの話をしてるの?ハンコック。」ほわうっ!?」

 

一人モジモジしているハンコックにウタのきつい視線が突き刺さる。バンドラは驚いた顔で戻ってきたウタとヤマト、レイジュ、スムージーを見ていた。

 

「お前ら、戻ってきたのか!?」

 

「へへんだ。…君を死なせるわけにはいかないからね。ボクらもビビに怒られちゃう。嫌だとは言わせないよ?」

 

ハンコックとバンドラが変なことをしている最中、海兵が襲って来なかったのはヤマト達が捌いていたからである。なおもウタはハンコックを睨んでいるが、ハンコックは髪を指で巻き、顔を赤らめていた。

 

ヤマトの顔は真剣そのもの。その隣のレイジュとスムージーもバンドラを見ていた。

 

「…そうか。仕方ねえ。」

 

此処まで来られたら仕方ないな。そう思うバンドラはニヤリと笑った。

 

「…いいか、必ず無事に戻るぞ?」

 

その場にいた全員がその言葉に頷く。

バンドラはニヤリと笑い、首をバキバキと鳴らした。その直後だった。目の前で爆炎が上がる。

 

「エース〜ッ!!」

 

「うわぁアっ!?」

 

「ゴフッ…!!自然種じゃ言うて油断しちょりゃあ…せんかっ…!?お前はただの火、ワシは火を焼き尽くすマグマじゃ…!!ワシと貴様の能力は上下関係にあるッ!!」

 

メラメラの実の能力者であるエースが赤犬に焼かれた。

 

赤犬は満身創痍であるものの、まだ動けるレベルだった。

 

「よう見ちょれッ!!」

 

赤犬はエースのビブルカードを拾おうとするルフィに狙いを定める。煌々と燃えるマグマの腕がルフィを狙い、伸びる。ルフィは完全に油断していた。

 

「ルフィッ!!」

 

エースがルフィと赤犬の間に入る。

 

「このままじゃエースも麦わら君も死んじゃうよッ!?」

 

「…んなこと、俺の目の前でさせるかッ!!」

 

青ざめるヤマトの横でバンドラが右手を構える。狙いは赤犬。

 

「『電波障害(ジャック)』ッ!!」

 

「ぐおっ!?なんじゃあッ!?ワシのマグマが…!!」

 

エースの背をただ拳がぶつかる。

ニヤリと笑うバンドラ。赤犬は真っ赤になった顔で青筋を立てて、バンドラを睨む。

 

「腹を焼かれた借りはそいつに返してもらおうッ!!」

 

「おのれェッ!!バンドラァァァッ!!」

 

「『火拳』ッ!!」

 

赤犬の腹で炎が爆発する。エースの拳が赤犬の腹へとモロに入った。赤犬は血の混じった空気を口から吐くと共にそのまま後ろに吹き飛んでいき、瓦礫の中へと突っ込んでいった。

 

「ハァ…ハァ…行けェッ!!ガキどもッ!!」

 

「全く世話の焼ける弟だ。」

 

「なんだとーッ!!元はと言えばエースがアイツの挑発に乗るからいけねえんだろッ!?」

 

「うるせえッ!!オヤジを馬鹿にされたんだッ!!仕方ねえだろうがッ!!」

 

バンドラは膝をつき、ルフィ達にそう叫ぶ。エースはルフィをおぶるとそのまま走って行った。




エースは生存です。エース『は』生存です。あ、ついでにサカズキさんも生きてはいますよ。一応。

…次回はまぁ、そろそろ世界最強生物が乗り込んで来そうですな。カイドウさんは本来通りの悪じゃあないのかもしれません。彼は強い者を探しているだけですから。自分と戦える一握りの強者が暴走しているとしたら?…ウッキウキで参戦するよね。そういうことです。今回のカイドウさんは実際は悪じゃないのかもね。

エースは死にはしませんが、絶望はします。とだけ言っておく。

では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • レイジュ
  • スムージー
  • モネ
  • レベッカ
  • ビビ
  • カリファ
  • アイン
  • カリーナ
  • シュガー
  • ナミ(同棲?)
  • ハンコック
  • ロビン
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