燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第233話

…20年前、鬼ヶ島、屋上。

 

「ウォロロロロッ!!哀れだな…!!テメェも、侍も…えぇ?小僧ッ!!」

 

ニヤリと笑うは巨龍。

バンドラは鈍一太刀を握り、その巨龍を睨む。…既にボロボロだった。

 

「…ヤマトの悪夢を断ちに来た。」

 

「あん?ヤマトがどうしたってんだ?…あの大馬鹿野郎に同情してくれんのか?」

 

「俺なら…ゴフッ…テメェを殺し…いや、あの子を救える。」

 

ふらふらの体で刀を握り、カイドウを睨む。バンドラの左腕が炎上する。

 

「…『桜花炎帝』ッ!!」

 

バンドラがカイドウに左掌を向ける。

すると桜吹雪のように炎が前へと円を巻いて立ち向かう。

 

「ウォロロロロッ!!なんだ?炎の能力者か?」

 

「へっ…!!生物がいつも恐れんのは紅蓮の炎よ…!!」

 

「ふんッ!!」

 

しかし、その炎は四皇にとってはただのボヤ。カイドウの金棒の一振りにより、バンドラごと炎は散り散りになった。

 

「グハッ…!!」

 

バンドラはそのまま大岩にぶつかる。

バンドラがぶつかったところから円形にヒビが走り、バンドラは血を吐き出してその場に滑り落ちた。

 

「…武装色の覇気、凄まじい練度だ。良い師匠がいるな。」

 

「…死なねえ…死ねねえよ…。俺は…。」

 

「惨めなもんだ。得物もテメェもボロボロじゃねえか。」

 

…そう。

海軍の正義の羽織は焼けこげ、服はもはや見る影なく、ボロボロのズボンと血まみれの布。得物は先ほどの一撃で叩き折れ、地面に刃は落ちていた。

 

バンドラはゆっくりと立ち上がると、足元がおぼつかず、ボロボロの身体を根気で動かし、刃の下へと歩く。そうして、刃を手に持つとその刃を握った。

 

「ウォロロロロッ!!ヤマトのためにそこまでしてくれんのか!!」

 

「…アイツは…。「あん?」…アイツは…テメェを父親と…呼んでいた。テメェみたいな腐れ外道を…ッ!!」

 

バンドラは刃を杖のやつに使い、立ち上がるとカイドウを睨み、叫んだ。

 

「俺はなぁッ!!…テメェみたいなド腐れが嫌いなんだよ…ッ!!その首…ぶった斬ってッ!!ヤマトを縛る鎖をぶった斬ってッ!!俺は…アイツを幸せにしてやるッ!!腹一杯、飯食わせて…おでんって自分のことを誇りを持って思えるようにしてやるッ!!」

 

「口だけならなんとでも言えるんだよッ!!」

 

「あぁ…そうさッ!!」

 

その時だった。

バンドラの身体に風のような波のような字が浮かび上がった。刀身が黒く染まり、バチバチと黒と赤の稲妻を纏い出したのだ。

 

カイドウもその様子を少しおかしく思った。雰囲気が変わったのは一目瞭然。

 

「…蛇一匹、切れねえ俺じゃねえ…。子ども一人、夢見せられねえ俺じゃねえッ!!俺はなぁッ!!どんな形であれ…友達との約束したら死ねねえことになってんだッ!!」

 

「…そのボロボロの身体で何ができるッ!!」

 

テメェを切れるッ!!

 

そう言ってバンドラは口元の血を拭うと足を踏み出した。

 

カイドウは金棒を握る。その金棒に力を込めて、雷を纏わせる。

 

「『雷鳴八卦』ッ!!」

 

振り落とされる金棒。

しかし、バンドラはそこには居なかった。

 

「何ッ!?」

 

バンドラはカイドウの上を取った。

 

そのまま電撃を纏った刀身でカイドウを袈裟に切る。

 

「ぐっ!!」

 

カイドウの身体から血が吹き出す。

百獣のカイドウの身体から血が吹き出したのだ。

 

彼に怪我をさせられるのは腕すぐりの英雄だけ。しかも、満身創痍の小僧がである。

 

カイドウはすぐに龍となり、上空へと上がる。

 

「どこ行きやがったッ!!あのガキはッ!!」

 

「『震脚』ッ!!」

 

「ッ!?」

 

カイドウの頬が脈打つ。

まるで爆発したかのような衝撃がカイドウの頭へと走る。

 

「死に損ないのテメェのどこに、そんな力があるッ!?」

 

「…テメェを切ってヤマトを救うッ!!良い男ってのは約束を守れるんだよォッ!!」

 

歯を見せてニヤリと笑うバンドラ。目は見開き、瞳の奥は小さく光っていた。

 

カイドウはその目に見覚えがあった。まるで戦いを楽しんでいるような目だった。自分を殺すもの(ジョイボーイ)が現れた。カイドウはそう思っていた。

 

「まだまだこっからだッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…三日三晩、バンドラとカイドウは戦った。音が聞こえ、ヤマトが上に来た時はカイドウはおらず、バンドラしかいなかった。ボロボロの身体で倒れる血みどろの姿を見て、その小さな身体でヤマトは医務室まで連れて行こうとした。…カイドウと会い、渡すまでは。

 

「…ヤマトは。」

 

酒を飲み、部下へと聞くカイドウ。あの光月おでんと戦った時よりもボロボロの姿に部下は少し驚いていた。

 

「ハッ!!鬼姫様は、あの小僧の下から離れず…。」

 

「ふんっ。なるほどなァ…。あのガキ、俺にここまで傷を負わせるとは。」

 

カイドウは自身の身体を斜めがけに巻かれた包帯を触り、ニヤリと笑う。その真意は誰にもわからない。しかし、カイドウはバンドラのその力が自身を殺し足り得るとふみ、気に入ったのだ。

 

「…あのガキは成長すればこの百獣海賊団にも欲しい人材だ。頑固で諦めが悪くて、そして、強く…何せ、あのヤマトが懐いている。とんでもない人たらしだ。あのガキはいずれ、どの海賊団も欲しがる人材になる。」

 

そう言って瓢箪を飲むカイドウ。

何を企んでいるか、ほくそ笑むその姿に部下は恐怖すら感じた。

 

 

医務室では。

ボロボロのバンドラのベッドの上にヤマトが上半身を預け、眠っていた。お腹が空いても、たとえ眠くても片時も離れた時はなかった。

 

「…う…あ…。」

 

…見慣れない天井。隣で眠る少女からは甘い匂いと少し…酸っぱい匂いがした。久方ぶりの寝具の感触は少し…硬くも感じた。バンドラは空腹感と喉の渇きを感じ、身体を起こした。

 

「…んっ…。」

 

ヤマトの身体が押し退かれる。

滑り落ちそうなヤマトの頭を優しく撫でた。

 

「…んっ…んぅ…おにぃ…さん?起きたのっ!?」

 

「…あぁ。」

 

優しそうなその笑みにヤマトは嬉しさと安心感が相まって目に大粒の涙を浮かべた。自身にギュッと抱きつき、泣く少女。幼さゆえに、手加減のなさに身体中が軋む思いをした。…だが、それよりも元気に泣く少女がバンドラにとっては嬉しかった。

 

「ひっぐ…うぇぇぇんっ!!」

 

「…うっ…よしよし。なぁ、ヤマト。…俺と一緒に旅に出るか?」

 

「ぐすっ…えっ?」

 

目を擦り、涙を拭きながら少し赤くなった目でバンドラを見るヤマト。バンドラはまだ垂れる涙を親指で優しく拭う。

 

「…ここに居たらお前はいずれ死ぬ。いいように使われて殺されるだけだ。…だから、俺がお前をここから連れ出す。…外に行きたいだろ?」

 

「でも、お父さんに見つかったら殺されちゃうよっ!!今はボロボロなんだから安静に…。」

 

「ウォロロロロッ!!目が覚めたか、小僧。」

 

…そんな二人に恐怖が訪れる。

酒を片手にヤマトの後ろに立つ巨大な影。バンドラはボロボロの図体だったがヤマトを守るようにギュッと自分の方へと抱き寄せた。

 

「…何しに来やがった。牛ゴリラ。」

 

「ウォロロロロッ。嫌われたもんだ。別に今すぐ取って食おうというわけじゃねえ。俺ァ、テメェが気に入った。ここまでの傷はひさしぶりだ。…この世は暴力。テメェはいい力を持っている。」

 

「…あんなの、2度とごめんだ。字の力は二度と使いたくない。」

 

そう言うものの、バンドラはカイドウから目を切らない。天の岩戸の一件でその凶暴性に触れたヤマトはひどく怯えていた。

 

「ウォロロロロッ!!テメェがなんと言おうとどうでもいい。テメェを飛び六胞の一員に加えてやる。ヤマトの教育係だ。」

 

「…なに?」

 

「言っただろう?気に入った…と。テメェにとって一番いい選択肢だ。死ぬか、ここで俺のコマになるか…選べ。」

 

「…テメェを殺して、俺はこの子を連れ出す。」

 

その殺意満々の眼差しにカイドウは期待した。

この男はいずれ自分を超えると。それからは殺し合いの日々だった。15の少年が19になるまで、カイドウとバンドラは殺し合った。…ビッグマムのところへとカイドウが飛ばすまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「字の力…使っちゃったね。」

 

そして現在。

ベッドに眠るバンドラの手をヤマトはギュッと握り、優しく笑った。ヤマトがヤマトで居られるのはあの日、ボロボロになってでも助けてくれたバンドラのおかげ。

 

「…君のことを考えるとね。胸の奥がポカポカするんだ。…仲間でも他の娘と遊んでるとね。嬉しい反面、胸がちくりとするんだ。おかしいよね。ボクは光月おでんなのに。…一人は嫌いだよ。バンドラ。…返事してくれ。」

 

静かに啜り泣くヤマト。

バンドラからの返事はない。

 

「…ボクはヤマトだ。君が下手に女扱いするから。いや、光月おでんだから…あれだけど…。君といると…楽しいから。好き…だから。君が。バンドラが。」

 

…少し顔を赤らめて、指をくいくいと動かしながらボソボソと言うヤマト。その様子を扉の影からひょっこりとウタとハンコックが見ていた。




レイジュの過去を触れて…て感じかな。
3D2Yにそのまま移行するか、過去を続けるかは迷ってますが。では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • レイジュ
  • スムージー
  • モネ
  • レベッカ
  • ビビ
  • カリファ
  • アイン
  • カリーナ
  • シュガー
  • ナミ(同棲?)
  • ハンコック
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