燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第235話

…ジェルマ王国、城内。

 

「何事だァァァッ!!」

 

緊急音が鳴り響き、騒ぎ出すジェルマ王国。国王ヴィンスモーク・ジャッジは少し焦った顔で叫んでいた。

 

「侵入者ですッ!!城内に侵入者が…!!」

 

「何故、気づかなかったッ!?」

 

「それが、電伝虫にも姿は見えず…!!」

 

ジャッジは顔を真っ赤に染め、槍を持って室内から飛び出す。廊下へと出たジャッジだが、その目に映るのはクローン兵を斬り伏せる一人の若者であった。

 

「…貴様、何者だ…!?」

 

ジャッジは槍を構えて、額に青筋を立てて目を見開いていた。若者はクローン兵から刀を引き抜くと空中に血の軌跡が現れる。

 

「お前か。お前がヴィンスモーク・ジャッジ。」

 

「何者かと聞いているんだッ!!」

 

「…元海軍中将、バンドラ。」

 

そう言ってジャッジを見る顔は冷笑という他なかった。ジャッジの目に焼き付くそれは普通なら恐怖心を掻き立てるもの。しかし、ジャッジはバンドラに向かって槍を振り下ろす。

 

「くっ!?」

 

バンドラはそれを跳んで避けると刀をジャッジの背後から振り下ろす。

 

「盾ッ!!」

 

その凶刃はジャッジに当たることはなく。

間に入ったクローン兵により塞がれた。

 

「ッ!!テメェ…!!」

 

バンドラは額に青筋を浮かべ、刀を横一閃に振るう。

 

しかし、ジャッジはクローン兵の襟元を掴み、盾にする。バンドラの目の前を真っ赤に染め上げる…血。ジャッジはクローン兵の血を目眩しに使い、クローン兵を貫きながら槍がバンドラの首元を狙う。

 

バンドラはそれを両手持ちした刀で受け止め流す。刀身を滑った槍。干渉し合い、火花を散らす。

 

「腐れ外道が…。人の心がねえのかッ!!」

 

「くだらん偽善を働かせるなッ!!コイツらは私の為に死ぬ為に生きているッ!!普通の人間ではないのだッ!!」

 

()()()たちもかッ!!」

 

槍を弾き上げ、ジャッジの懐へと入る。

 

ジャッジはそのまま剛腕を振りかざすが、バンドラには当たらない。頬と拳の間、一ミリ程度。直後、ジャッジの肩から血が吹き出す。

 

「グヌゥゥッ!?」

 

「自分のカミさんが腹痛めて産んだ子だろうがッ!!テメェはそれを兵器として使ってる…違うかッ!!」

 

「くっ…だとしても、人の家の勝手だッ!!アイツらは私の役に立つ為に生きているッ!!子が親の役に立つのは当然だろうがッ!!」

 

「…もう良い。『雷鳴』ッ!!」

 

バンドラは横一閃にジャッジの胸を切り裂いた。宙に血が舞い、ジャッジが地面に倒れる。そのジャッジの首元に冷たい感触が伝わり、血と鉄の匂いが鼻を貫く。

 

「…テメェに一筋の愛情があれば、切るつもりは無かった。だが、俺は人間じゃねえ野郎には容赦しねえよ。クソ野郎。」

 

「…貴様さえ…貴様さえいなければ私は…このジェルマ王国は…復権できた…。」

 

「…テメェは命を冒涜した。例え、作られた命でも…息して飯食って眠って…それだけで生きてんだよ。若いからって、歳食ってるからって…望まれていなくたって、命は命。…優劣なんざねえんだよ。」

 

絶対零度のその視線にジャッジが見せたのは…睨み。血だらけのその身体で身体をバンドラの足で押さえられ、動かないその身体で…である。

 

「…殺せ。ジェルマの王は我が息子達がなる…。私の夢と貴様への因縁は語り継ぐ。」

 

「…皮肉なもんだな。」

 

バンドラはそう言う。後ろから気配を感じたからだ。

 

「やめろォォォッ!!」

 

バンドラの脇をナイフが通る。

バンドラはギロリと睨み、風を使ってその身体を吹き飛ばした。そこには仮面を被った子供がいた。

 

「サンジ…!!」

 

「嗚呼、皮肉なものだ。…お前が優秀だと言った息子どもはお前を助けに入らず、お前が虐げた息子は…勇気を持ってお前を助けた。」

 

青ざめた顔のジャッジに聞こえるように…淡々とそう言うバンドラ。震える子羊のようだが、前に出たサンジと柱に隠れる3兄弟とレイジュとは全くもって違った。

 

「…感情を失った息子達はお前が死んでも恨みは持たねえ。サンジ(あの子)に親父だと想ってもらえる…最後のチャンスだ。無駄にするな。」

 

「…馬鹿者が。私はアイツを我が息子だとは思っていない。さっさと去れッ!!」

 

…バンドラの貫くような冷徹な眼差しをよそにジャッジはそう言い放った。叫ぶジャッジに、サンジは怯えたような目で見ていた。

 

「私は貴様なんぞに情けをかけられるつもりはないッ!!」

 

「このままテメェの首を切っても良いんだぞッ!!」

 

「私は…このろくでなしの失敗作に借りを作るわけにはいかないッ!!…さっさと去れ、サンジ…!!」

 

ジャッジがそう言い放つとサンジは寂しそうにそのまま室内から出ていった。ケラケラと笑う男の子達の声が聞こえる。不安そうに見るレイジュが見たのは、ギロリと目を向け、刀を固く握ったバンドラだった。

 

「…最後のチャンス…と言ったはずだ。」

 

「…アイツはソラに似た眼差しを持っている。…優しく、愚かで甘い。」

 

「…お母さんに…。」

 

バンドラはレイジュの顔を見た。

ボソリと呟き、少し寂しそうに言うレイジュ。どれだけクズでクソ野郎であろうが、サンジ以外の4人には父親として映っていたのだろう。

 

「一つ聞く。何故、嫁をまた娶り、軍隊を広げようとしなかった。腐り切った考えだが、子を使うのであれば出来たはずだ。新たな嫁を娶り、新たに同じ手法で子を作ることを。」

 

「…それは亡きソラへの冒涜となる。」

 

「…つまり、屑の煮凝りみてえなテメェにも一縷の愛情…特に嫁へのものは…あったってのか。はっ。今更、生かす理由になりゃしねえ。」

 

バンドラはほくそ笑むとそのまま刀を振り下ろす。レイジュは目の前で親の首が飛ぶ。レイジュはそう思い、目を瞑った。しかし、どれだけ待っても血の吹き出す音も嗚咽も聞こえない。レイジュはゆっくりと目を開けた。

 

「…撥ねるのでは…ないのか…。」

 

「…簡単に死んだら、テメェ以外は救われねえよ。…テメェは父としての責務を全うしろ。人並みの愛情をこの子達にやれ。…優秀なテメェの戦士達がテメェを守るように、じゃなくて、守ってもらえるようにな。」

 

そう言ってバンドラはジャッジの体から足を退け、レイジュの元へと歩いて行った。ジャッジに…もはや、戦う気力はない。バンドラは目に涙を浮かべるレイジュの頭を優しく撫でる。

 

「あのクズが何かしようとしたらすぐ知らせろ。父親だからって、恐るな。弟達はお前が守るんだ。な?」

 

「…うんっ…!!」

 

「…貴様は…。」

 

泣きじゃくるレイジュを胸に抱き、微笑むバンドラへ止血しながら声を出すジャッジ。バンドラは静かにその言葉を聞いていた。

 

「…ただの偽善のために、こんな辺境まで来たのか…。」

 

「まぁね。暇だったし。」

 

「貴様は…救世主にでもなろうとしているのか。」

 

側から見れば、ただ聞いただけで駆けつけてきた偽善者。バンドラが力があったから良かったものの、普通ならば聞いただけで向かおうとはしないはずである。故に、ジャッジから見れば愚行というほかないのである。

 

「…救世主…ね。俺ァそんな高尚なもんになろうとはしてねえよ。…ただの暇つぶしだ。」

 

「…暇つぶしでやられたら世話ないな…。」

 

そう言って目を閉じるジャッジ。その周りには息子達…イチジ達が集まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれから、お父様は人が変わったかのように優しくなった。勿論、本質的なところは変わらなかったけど…私たちに寄り添おうとしてくれた。…サンジは間に合わなかったけど。二人とも会ったこと忘れてるんだから。」

 

そう言ってくすくすと笑うレイジュ。甲板からバンドラの自室へと入っていく。

 

「あら。」

 

しつないにはまだ眠るバンドラへ上半身を預け、眠るヤマトの姿があった。レイジュはクスリと笑うと毛布を持ってきてヤマトにかける。

 

「…んむぅ…。」

 

「もー。二人とも涎なんて垂らして。」

 

微笑みながらそう言うレイジュ。レイジュはヤマトそっちのけでバンドラの頬に手を当てる。

 

「…あれから2日か。貴方は本当に…無茶ばかり…。」

 

そう言って寂しそうに笑うレイジュ。

眠るバンドラの手をギュッと掴む。

 

「ふふっ。…おっきい。」

 

レイジュはバンドラと手を合わせて、微笑んでいた。

 

「あったかいし、ゴツゴツしてる。…私がもっと…しっかりしてれば…。」

 

「…何してるんだ。レイジュ。」

 

…低く柔らかな声が聞こえる。レイジュがふと見上げると、起きるのを心待ちにしていた男の顔があった。男は…心配をよそにふっと安心したように微笑んでいた。彼のトレードマークとかした忌々しい稲妻型の傷は首元まで成長しており、右眼は真っ白に染まっていた。

 

「…おはよう。レイジュ。」

 

「…遅いのよ。いつも…無茶ばかりして…。」

 

レイジュはポロポロと涙を流して、彼の…バンドラの身体へと抱きついた。バンドラは優しく彼女の頭を撫で、微笑んでいた。

 

「ん…んぅ…?レイ…ジュ…?どしたの?…って!!」

 

「お、起きたか。おはよ「バンドラぁぁっ!!」ぐへぇっ!?」

 

後に起きたヤマトがバンドラの身体にタックルするように抱きつく。レイジュは直後に避けたから巻き添えにならずに済んだ。ヤマトはバンドラの身体に抱きつきながら、良かった良かったと泣いていた。




鬱的な展開よりも書きたい方を優先しますね。とはいえ、勿論、後遺症はあります。当初よりも軽いものにはなりますが。

さて、次回からはエース、ルフィをなんとかします。エースを失ってない場合に3D2Yの修行展開にどう結びつかせるか、ね。アンケートは次回までかなと。では。

スッ…

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