燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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※単行本未収録のネタバレあります。ご注意下さいませ。


第251話

「…ふぅ…ふぅ…。」

 

ビビとレベッカの額から無数の汗玉が流れ出る。2人とも動きやすいよう、ノースリーブの服装。レベッカに至ってはビキニアーマーである。

 

「レベッカは大振りすぎる。ビビはレベッカよりも速いし、コンパクトだが…故に削っているだけ。中心にもう少し入れた方がいい。レベッカはそれが出来ている。中心すぎる…と言った方がいい。」

 

対して、バンドラは息一つ切らしていない。木刀の刃のすり減り具合から、バンドラの刀は一切損傷していないのが見える。

 

「はぁ…はぁ…まだまだ…。こんなんじゃ…お母さんを助けられない…!!」

 

ふらふらだったが、それでも目はバンドラの教え通り切っていなかった。黒鉄の刃同士では目を切った方が負ける。それがバンドラの教えである。

 

「…流石に身体を壊したら何も成せないぞ。」

 

「…まだ行けます…!!」

 

「2人とも気合いはあるんだがなぁ…。どうも、休み方ってのを知らねえ。」

 

気合い十分。

その切れるナイフのような視線はバンドラを刺して離さない。微温湯に浸かっていた王女の立場すらかなぐり捨てて、ビビの目も海賊の…殺し屋の目をしていた。バンドラはニヤリと笑う。

 

「あまりやりすぎるとウェザリアが無くなっちまう。」

 

延々と登る煙草の煙。煌々と光り輝く煙草の炎。バンドラがタバコを燻らせるのは修行の終わりの合図だった。そんなバンドラへレベッカが寄ってくる。

 

「…どうした。」

 

「…私はビビちゃんと違って、まだバンドラさんに一太刀も入れられてません。…強く…なれてるんでしょうか…。」

 

「…。」

 

泣きそうな声でそう言うレベッカ。

…いつまでもこうして、自分は弱いと言って燻っていることは許されない。なんなら、今すぐにでも助けに行きたい。レベッカの弱さ、悔しい気持ちがその顔によく出ていた。

 

バンドラはふっと笑うとその頭をぽんっと叩く。

 

「…世の中何処を探しても最初っから強え奴はいない。凡人は一度でも始めた限り、努力を続けるしかねえんだ。お前は優しい。だが、無力じゃない。…自分でやると決められたから、それだけでお前は強い。…直ぐには誰も強くなれない。だけど、みんな強くなれる素質はある。」

 

「バンドラさん…。」

 

「…頑張れは呪いになる。期待は毒になる。…逃げても良い。それだけは覚えておけ。お前やビビは…血だらけになるまで戦う必要はない。」

 

そう言うバンドラの顔はまるで父親のように優しげな笑みだった。レベッカは懐かしい…が、覚えのないその感覚に心の中に温かい感情を感じた。

 

「さぁ、ナミとモネが飯を作って待ってる。帰ろうか。」

 

「はいっ!!」

 

彼女の中で何かが吹っ切れたんだろう、その笑みは太陽のようにキラキラとしていた。バンドラとレベッカが家に入る。…その時だった。

 

「…電伝虫?」

 

「え?」

 

バンドラの達観された見聞色だから、聞こえた音だった。レベッカには聞き取れない。ルエノルーヴ号から…だろうか。

 

「…待て。ルエノルーヴ号は今、どうなってる?」

 

「え?確か…ナミさんとモネさんがご飯の買い出しに…って、そういえば、帰ってきてませんよね?」

 

…電伝虫はルエノルーヴ号にひとつ、そして、ナミの家にひとつ。そして、ルエノルーヴ号は今、海上。…バンドラの能力で一度海上に落とした後、ウェザリアに上げる合図に鳴らしたのだろう…。バンドラはそう思っていた。

 

「バンドラさんっ!!レベッカちゃんっ!!大変ッ!!」

 

慌てた様子のビビが走ってくる。

その手には電伝虫。バンドラは一瞬で理解した。

 

「モネッ!!ナミッ!!…一体、何処で誰とやり合ってるッ!!」

 

『…七武海…エドワード・ウィーブル…って。今、モネが戦ってるッ!!』

 

バンドラはその言葉を聞き、目を見開く。

そこからは早かった。家まで走り、狂骨を握りしめるとそのままウェザリアから飛び降りる。と同時に狂骨は巨龍へと姿を変える。

 

「…なるほど。俺も残党…ってわけか。クソッタレ。だったら…俺とタイマンで来いよ…!!」

 

レベッカとビビの声すら置き去りにして、ウェザリアから飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある有人島。

人々がごった返す中、大男が暴れていた。

 

「ウォォォォッ!!」

 

「くっ!!」

 

モネは瓦礫に塗れて落ちていた鉄パイプを拾い、縦にガードするが…大男の横薙ぎの薙刀の一撃に容易く身体を吹き飛ばされる。

 

「ウォォォォッ!!おでは白しげの息子ッ!!」

 

「そうだよ、ウィーブルッ!!天帝を討ち取って、その首でお前は七武海になるんだッ!!頑張れ、私の宝物ッ!!」

 

…エドワード・ウィーブル。自称白ひげ…エドワード・ニューゲートの息子。武装色を纏った一太刀はモネの使っていた金属パイプを横一閃に両断した。

 

「…この人、強い…ッ!!」

 

…モネは空中の空気を凍らせる。十数本ほどの氷の針。

 

「モネッ!!」

 

「隠れてなさいッ!!『雪刀(ゆきがたな) 鉄針(てっしん)』ッ!!」

 

モネの周りの氷の針が、白い吹雪と共にウィーブルへと飛んでいく。

 

それが視界を遮る程度にしかならないことはモネがよく知っていた。薙刀の横大振りの一撃に真白に前を遮る吹雪は散り散りとなり、氷の針は空中分解した。

 

しかし…。

 

「うおえ?何処行ったぁ?」

 

ウィーブルの視界からモネの姿が全くもって無くなった。

 

ウィーブルは見聞色の覇気も使いながら、モネを探す。

 

「良いかい!!生前、白ひげは天帝バンドラをとっても可愛がっていた。アイツなら白ひげの財産の場所を知っているはずだよッ!!そして、それは当然、白ひげの息子であるアンタと白ひげの愛した私のもんだッ!!あの女を捕らえて、天帝を呼び寄せ、アンタが狩るッ!!若い頃の白ひげと同じ力を持つアンタなら勝てるよッ!!絶対ッ!!」

 

「ウォォォォッ!!おで、天帝に勝つッ!!母ーたんの為にッ!!」

 

そう言うとウィーブルは手に持っていた薙刀の刃ではない方の先端を持ち、振り回す。すると、倒壊していない建物はだるま落としのように崩壊し、火柱が上がる。砂塵とともに当たり一体が上がる炎に相まって、そこは地獄と化していた。

 

…しかし、そんながむしゃらな攻撃でやられるモネではない。モネは再び金属パイプを持つ。その鉄パイプから霜が生え始め、真っ白に染まり始めた。

 

「其処かぁぁッ!!」

 

「…ええ。」

 

隠れていたモネの前から迫り来る刃。

 

モネはそれを紙一重で交わすと、ウィーブルの背後へ自身を雪にすることで打って出る。

 

「『雪撲ち(ゆきうち)』ッ!!」

 

さらに強度が増し、鋼鉄と共に武装色を纏い、凍ったパイプがウィーブルの肉を削ぐ。

 

…しかし、あまりにも浅かった。

 

「イデェェェッ!!」

 

ウィーブルは子どものように叫ぶとそのままモネに向かって薙刀を振り下ろした。

 

モネはそれを避けるが…肩に薙刀が掠る。

 

「…ッ!!」

 

無茶苦茶な一撃にモネがかかるわけはなかったが…それでもウィーブルの剛腕からの振り下ろしの無茶苦茶な速度の変化によって、読むことを不可能としていた。

 

つまりは一度弛んだと思ったら一気に地面に打ち付けられている。…まるで薙刀を羽かのように容易く扱うのだ。

 

「…常に武装色は絶やさない…。だめね。これ、結構きつい。」

 

…すでに金属パイプは使い物にならないほど真っ二つに折れていた。しかし、モネはニヤリと笑う。雪女の微笑はとても冷徹だった。

 

「『浮雪(ふわゆき)』ッ!!」

 

…仕掛けたのはモネ。腕に雪を纏い、手を翼にして地面から浮く。その姿はまるでハーピー。足が…氷になり形成されるのは鳥の鉤爪。

 

「『回雪(かいせつ)』ッ!!」

 

直後、モネは自身の身体を回転し始める。それは大きな雪の弾丸のようで。

 

ウィーブルに向かってそのまま飛んでいくモネ。

 

ウィーブルはそれを薙刀による横薙ぎの斬撃で受け止めようとした。

 

「此処ッ!!」

 

しかし、まさに紙一重。雪の弾丸となったモネの身体が元に戻り、ターゲットの大きさが変わったことにより、腹一文字を捕らえていた薙刀が横に逸れる。

 

モネは自身の右脚を使って勢いを殺さずに蹴りをかます。

 

ヒクイドリの一撃かのようなとんでもない一撃。

 

それを…。

 

「えっ…!?」

 

武装硬化した剛腕でウィーブルは受け止めた。…無傷ではない。太い剛腕に軽く裂傷があったが、ほぼ皮一枚だった。

 

直後、モネの身体を激しい衝撃が襲う。薙刀の峰がモネの身体を横から当たり、吹き飛ばしたのだ。そのままモネは瓦礫に向かって吹き飛ばされた。

 

「がふっ…これ…不味い…な…。」

 

もうモネに戦う力は残っていない。口からは血が流れ、肋骨が数ヶ所…脚の骨も折れていた。もう立つことも叶わない。

 

「ウォォォォッ!!イデェよぉぉぉッ!!母〜たんッ!!」

 

「あの小娘め。うちの大事な宝物を…傷つけやがってッ!!大丈夫かい?私の宝物ッ!!…って…えぇぇぇッ!?」

 

…その時だった。

ウィーブルと母親、ミスバッキンの頭上に龍が現れた。黒い鱗と共に黄金の鬣を携えた真紅の目を持つ龍だ。

 

「…本物がこんなとこにいるとはな。ミス・バッキン。…そして、テメェがウィーブルか。聞いてるよ。…白ひげの残党狩ってんだろ?」

 

…その言葉は淡々と低く…冷徹なものであった。バンドラは刀に変わった狂骨を握り、地面にシュタッと落ちる。

 

「…本物ははじめましてか?…ベガの爺さんのとこでは世話になったよ。アンタのクローンには。」

 

「…くっ。アンタが天帝かい。いくよ、ウィーブル。アンタなら勝てる。」

 

「ウォォォォッ!!おでなら勝てるッ!!」

 

そう高らかに宣言するウィーブルにバンドラが見せたのは絶対零度の視線。銀白色の刀身をウィーブルに向かって向け、煙草の火を蒸す。

 

「…さっさとテメェにお灸を据えて、モネのやつを助けてやらねえといけねえ。…直ぐに締め上げる。」

 

練り上げられた闘気がウィーブルに向かって突き刺さった。




実は同い年なこの2人。ウィーブルって白ひげのクローンなんかな?

バンドラとミスバッキンのクローンは知り合いです。中々に懇ろな関係。リリスと同じ頃にあってるんで。それもいつか書けたらなと。黄猿の『強さだけなら若い白ひげと同等』という言葉が事実なら、バンドラにとってはカイドウ以来の強敵になるやもしれません。まさに死闘と言っていいかもしれない。

…では。

スッ…

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