…走るウタ。騒然となる国内。
海賊が暴れている。それを聞き、王国軍も動き出す。
「おっと、君。そっちは王宮だよ?」
兵士の一人…元軍隊長キュロスがウタの肩を掴んで止めた。
「離してっ!!王様に…会わなきゃっ!!」
ウタはもがいて行こうとする。
キュロスはその子が何故、急いでいるのか…聞いた。
ウタが言うには自分の連れがこの国を守る為に戦っている。海賊達が攻めてくるのを守っているというのだ。
「…それは本当なのか…。」
「本当なのッ!!だから、国王様に…ッ!!」
キュロスが無言で立ち上がる。騒然とする町民達の波にウタの手を掴んで、消えていく。
「こっちだ。リク王様のいる王宮は…ッ!!」
そう言って突き進むキュロス。ウタはそのキュロスを信じ、ついていくことにした。
「
ドフラミンゴファミリー最高幹部ピーカの部下…グラディウスが腕から弾丸を放つ。
それがドフラミンゴファミリーの銃弾に同化するも、バンドラは全てを回避。グラディウスの目の前まで行く。
「…すまねえな。人数多いんで、容赦なしだ。」
「不用心に近づくとはな。『メットパンク』ッ!!」
頭を破裂させ、ヘルメットなどの破片を飛ばすグラディウス。
それはドフラミンゴファミリーの下っ端の面々にも当たるが関係ない。バンドラは下に飛ぶ斬撃を撃ち、空中へと出る。
「寝てろ。『天風斬』ッ!!」
バンドラは天高く狂骨を掲げる。すると突風の如く、バンドラはグラディウスを切り、後ろへタッと着地する。バンドラが通った後は竜巻が通った後のようにバタバタとドフラミンゴファミリーの面々が倒れて行った。無論…。
「…く…そ…が…ッ…。」
グラディウスも倒れた。
ヤマトは金棒を振り回して、暴れる。そんなヤマトには…。
「キャハハッ!!アンタ、本当に強いのっ?」
「試してみなよッ!!」
6歳の闘魚と人間のハーフ…デリンジャーが出た。女のヤマトなら子どもの自分に手を出せないと思ったのか、強烈なハイヒールからの蹴りをかます。
ヤマトは金棒でそれをガードする。
「…。」
「キャハハッ!!闘魚の血筋…舐めんじゃねえよッ!!」
余裕綽々で抑えるヤマト。
それにデリンジャーは怒ったのか、強烈な蹴りを何度も何度も撃ち込む。しかし…ヤマトはそれを一振りで飛ばした。
「ぐっ…ガァァァッ!!」
デリンジャーは牙を剥き出しにして、向かってくる。
ヤマトは金棒を握る手に力を入れて、振る。
「ふんっ!!」
「ぐぇぇぇ…ッ!!」
それはデリンジャーの顔に入り、デリンジャーは倒れた。
「…幹部がこう来られると面倒だな。ヤマトッ!!」
「うんッ!!」
バンドラの声にヤマトはバンドラからだいぶ離れるように後ろへと飛ぶ。バンドラは地面に手を置く。すると、バンドラの周りに大きな風の渦が出来始めた。
「フッフッフッ…。やっぱり化け物じゃねえか。」
「…吹き飛びな。『
すると大きな風が湾曲するように大きな竜巻がバンドラを中心に動き出す。そして、一部幹部を巻き込んで吹き飛ばした。
「フッフッフッ…。なんだ。後は俺たち4人だけか。」
「べへぇ〜。んねぇんねぇ…ドフィ〜…。殺して良いんだよねぇ?」
「あぁ…!!もう俺は許さねえ…ッ!!」
ドフラミンゴは不敵な笑みを崩さない。が、声は震えていた。先に動いたのはヤマト。
「『雷鳴八卦』ッ!!」
黒雷を纏う金棒。それを振りかぶる姿はまさに父、カイドウのよう。トレーボルに向かって振りかぶる。
しかし、トレーボルはまるで自然種のように金棒はからぶった。
「べへぇ〜。小娘ぇッ!!」
「ッ!?」
「『ベタベタチェーン』ッ!!」
トレーボルの身体を覆うベタベタの実の能力たる粘着性の液体がヤマトへと迫る。しかし、バンドラがその間に飛び出した。
「ウチの
トレーボルの粘液へ燃える竜巻を狂骨へ纏い、突き刺すバンドラ。そこからトレーボルの粘液は導火線になり、トレーボル自身が燃えていく。
「べへぇッ!?あ、アヅイ゛ぃ゛ぃ゛ぃぃぃ…ッ!!」
「チッ…。トレーボルの野郎、簡単にやられやがった。『
次に攻撃を仕掛けてくるのはディアマンテ。ヒラヒラの実の能力で剣をヒラヒラにし、牛のような形状にして放ってきた。
そこをヤマトが金棒で弾く。
「ぬぉッ!?やるじゃねえか…!!」
「『鳴鏑』ッ!!」
そして、ヤマトは地面に着地すると思いっきり金棒を横に振る。その瞬間、衝撃波を打ち出した。
ディアマンテはそれを自身をヒラヒラにすることで避ける。
「『
自身を元に戻したディアマンテは意志を持つかのように動く刀を蛇のように動かし、ヤマトへ変幻自在の突きを撃ち込む。
ヤマトはそれを何とか避けるが、少し肩を掠めたのかそこから血が滲んでいた。
「くっ…!!」
「…へっ!!舐めんじゃねえぞッ!!小娘がぁぁぁッ!!」
「『
バンドラが地面に手を置くとそこから雪の結晶のようなものがディアマンテの周りに突き刺さる。
そして、ほぼ一瞬。瞬きをしてたら見逃すくらい早くにディアマンテの体は凍結した。
「くっ…動け…ねぇ…ッ!!」
「『雷鳴八卦』ッ!!」
凍った身体で動こうともがくディアマンテ。
しかし、横から来た黒雷を纏う金棒によって弾き飛ばされてしまった。ディアマンテはそのまま意識を失う。
「ふぅ…後二人…!!」
「…ピーカッ!!」
流石に頭に来ているのか、低い声で名前を呼ぶドフラミンゴ。ピーカは地面へと潜り込む。ゴゴゴっと低い地鳴りを上げて、地面が盛り上がる。
「ヤマトッ!避けろッ!!」
その声と共に大きく後ろへと跳ぶヤマト。
バンドラも後ろへと跳ぶ。地面はどんどんと盛り上がり、家屋は倒壊。巨大化したピーカが現れた。
「うわっ…おっきい…。」
「ヤマト…それ、言わない方がいい。」
「ピーキャピキャピキャラララッ!!お前ら全員、ぶち殺してやるッ!!」
身体からは考えられないほど高い声が辺りに響き渡る。その直後、散らかった机を片付けるように薙ぎ払う。だが、それはヤマトにもバンドラにも当たらなかった。
「『
武装色を纏った刃を力の限り撃ち込むバンドラ。切り抜けた瞬間、ピーカの腕は下へと落ちた。しかし、ピーカ自体に攻撃は入っていないらしい。
「バンドラッ!!ダメだッ!!何処を殴っても全く効いてないよッ!!」
「『
風の刃がピーカの石の面を削る。
何分割かされ、そのままピーカは岩ごと上に吹き上げられた。
「ぬぉぉぉッ!?」
「『
風が吹き付け、岩が風化していく。
すり減っていた岩に隠れていたピーカの身体に斬撃のような風が吹きつけ、ボロボロになり、空中に放り出された。まだ意識のあるピーカは自分の体に武装色を纏ってバンドラへ殴りかかる。
「『晴天・昇竜』ッ!!」
炎を纏った狂骨の飛ぶ斬撃をピーカに向かって放つバンドラ。ピーカの身体から血が噴き出し、ピーカは地面へと落下した。
「…くっ…くくくっ…ぐぐぐ…ッ!!」
「さぁ、後は君だけだッ!!」
金棒をドフラミンゴへと向けるヤマト。
ドフラミンゴは同志がやられたことに青筋を立てて怒り心頭の様子だった。
「己の運の無さを恨めッ!!『弾糸』ッ!!」
指先から無数の糸の弾丸を放つドフラミンゴ。
バンドラはそれを全て弾き、間合いへと入る。
「『
「『黒式雷鳴』ッ!!」
黒い雷の刃と黒い糸の蹴りがかち合う。
そのまま後ろへとバンドラは跳び、次はヤマト。黒雷を纏う金棒でドフラミンゴを殴りつけようとするも、それも黒い糸の蹴りによって弾かれた。
「…ふぅ…。」
バンドラとヤマトは地面に着地する。
…ドフラミンゴはニヤリと笑い、初めて地面へと着地した。
技名をふざけ始めたところで。
ドフラミンゴファミリーはトリッキーなんでちょっと苦戦しますかね。まぁ、次回でバトルは終わると思うけど。41歳だからね。それでは。