燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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エレジアサイドのとあるお話。


第269話

…音楽の国、エレジア。

 

「『火拳』ッ!!」

 

メラメラと燃える炎の飛ぶ打拳がヤマトに向かって飛ぶ。

 

ヤマトはそれを後ろに飛び、金棒を振るい、消し去る。

 

「それは目眩しだぜッ!!ヤマトッ!!」

 

直後、ヤマトに向かってエースが突っ込んだ。ヤマトは金棒を片手持ちから両手持ちに変え、脚に力を入れ、踏ん張る。

 

「『雷鳴…!!」

 

「うぉっとッ!!」

 

エースは掌に炎を纏い、掴みの体勢になる。

 

「八卦』ッ!!」

 

ヤマトは思いっきり前へと振り抜く。エースはニヤリと笑い、その衝撃を手で受け止める…が。

 

「ウォォォォッ!?」

 

直後、エースの体が大きく吹き飛んだ。しかし、そこはエース。すぐさま地面に右手を突いて受け身を取り、後ろへと跳んで着地する。

 

「何してるんだ?エース。」

 

ヤマトは地面に金棒を下げ、エースへと駆け寄ってくる。エースは顎を指で触れて、何やら考え事をしていた。

 

「ん?いや、バンドラみてえなアホみたいな硬さを手に入れるには攻撃を受けて受けて受けまくるしかねえと思ってよ。」

 

閉じたり開いたりする己の右拳には先程の衝撃が少し残っている。ピリピリと感じる痛みは、無傷ではなかったということを意味していた。ヤマトも考えるエースの横で小首を傾げる。

 

「うーん。あれは死にかけの賜物だしなぁ…。」

 

バンドラはとにかく硬い。

カイドウの一撃もビッグマムの一太刀もバンドラは死ぬことなく受けきってみせた。あの姿をエースは自身に再現したいのだ。

 

「…あの人が今の俺の船長だ。…だが、あの人が居なきゃ勝てねえなんて口が裂けても言えねえ。それを言っちまえば、俺は俺を許せなくなる。」

 

そう言うエースの目には決意が滲み出ていた。硬く紡がれた左手は力のあまりに血管が隆起していた。

 

「一度救ってもらったこの命、あの人の為に使いてえんだ。だからこそ、俺は強くなる必要がある。」

 

…白ひげ海賊団でも、ゴール・D・ロジャーの息子でもない。天帝海賊団の一員として、強くなりたい。それがエースの真意だった。ヤマトはふっと微笑む。

 

「…そうだね。バンドラがボク達にこのエレジア()を任せてくれたんだ。何があっても守り切らないと…ね?」

 

「おう。さぁ、もう一回だッ!!」

 

そう言ってエースは臨戦体勢になった。ヤマトはふっと表情を引き締め、金棒を肩に担ぎ、そのまま距離をとった。

 

「さぁ、行くよッ!!」

 

「おうっ……ん?」

 

…今、まさにエースとヤマトの戦闘が始まろうとしていた…その時だった。エースの目が空に飛ぶ何かに気がついた。ヤマトも気が付いたのか、表情が強張る。

 

それは鳥には見えなかった。大きさ的には島のような…なにか。

 

「…まさか、軍艦かッ!?」

 

「バンドラみたいに軍艦を浮かせる人がいるの…!?」

 

エースとヤマトは急ぎ、カリファ達のいる住居区へと走っていった。

 

…エレジアは人々の住まい、音楽を奏でる住居区、バンドラやヤマト達の手腕を鍛える空き地、ウタの歌うライブ海上…そして、港の計四ヶ所によって出来ていた。

 

特に住居区には商業施設もあり、無論、ゴードンとバンドラたちの住居たるエレジア城もある。…故にそこが壊れればエレジアは崩壊する。

 

エース達はその住居区へと蜻蛉返りのように戻ると、そこには探していたカリファとカリーナ、ウタとシュガーという残りの天帝海賊団の船員が居た。スムージーは既にホールケーキアイランドへ帰国していた。

 

「カリファッ!!」

 

「…わかってるわ。あれは軍艦。…しかも、金獅子海賊団のものよ。船長はあの金獅子のシキ。かつて、カイドウやビッグマム、若き日の白ひげと同じ船に乗っていた…とされているわ。」

 

焦るヤマトに比べ、エースやカリファは冷静だった。カリファはロックス海賊団のことを噂程度でしか聞いたことはない。だからこそ、その強さは未知数だった。

 

「…シキって…あれか…。」

 

ヤマトとウタはその名前に聞き覚えがあった。

 

かつて、バンドラとルフィ達と共に戦った頭頂に舵輪を突き刺した両脚が刀の男。確かに敗走していたが、何故、勝てないと知っているバンドラの元へと来たのかわからなかった。

 

そうして、天帝海賊団のブレインたるカリファがエース達に指示を出す。

 

「ウタとカリーナは市民の避難誘導を、私とシュガー、エースとヤマトはこの国を守る。あの人が帰ってくるまで、死んでも誰一人殺さないで。」

 

…まさか、自分が誰かを殺さないと言うことになるとは。カリファは少し驚きながらも、エース達と共に港へと歩き出した。

 

…そこには大量の船が既に到着していた。海上ではなく、空中に。まるで島のような金の獅子の船首を持った大船が扇動していた。大きな影がほぼ船着場中を覆い尽くしていた。…その船からゆっくりと誰かが降りてきた。

 

「ジハハハッ!!なんだ。天帝の奴は居ねえのか。」

 

「…復讐でもしに来たのか、金獅子さんよぅ。」

 

…エースがガンを飛ばす。

シキは笑みを浮かべて、エースを見下す。

 

「ほう?お前…白ひげの野郎のとこにいた火拳じゃねえか。なんだ、白ひげが死んで、天帝に鞍替えか?」

 

「…なんだと…テメェ…。」

 

白ひげ(親父)のことを馬鹿にされ、目を見開き、おでこに青筋を立てるエース。しかし、ヤマトがエースの腕をガシッと掴み、首を横に降り、エースが動こうとするのを止めた。

 

「…何をしに来やがったかって聞いてんだ。」

 

エースが睨みを効かす。

…シキは一人ではなく、何百人かの海賊達と居た。その数は白ひげ海賊団や百獣海賊団よりは少ないものの、多くないとは口が裂けても言えない量であった。シキはニヤニヤと歯を見せて笑っていた。

 

「ジハハハッ!!…いやぁ、天帝に少し興味があってなぁ?…俺の一味として手始めに…東の海を沈める手助けをして欲しいと思ってよう…。」

 

「…なんだと…?」

 

…エースの顔に更に血管が浮き出た。

東の海はエースにとっても故郷。それが壊されると知れば、誰だって…怒る。エースの体温が徐々に上がっていく。

 

「ん?あぁ。心配するな。お前達にもそれなりのポストを用意してやる。ベイビーちゃん達には苦労はさせねえよ。…どうだ?天帝の野郎に伝えといてくれるか?」

 

「…ふざけ…。「あん?」…ふざけんじゃあねえぞッ!!

 

エースの周りを業火が舞い上がる。火花は散るが、ヤマト達は熱いと感じちゃいない。シキは片眉を上げ、ニヤリと笑った。エースの震える咆哮がけたたましく響く。

 

「…東の海は俺の故郷だ…!!大事な家族だって…家族みたいな奴らだっている…!!テメェは…そんな東の海を…壊すってんのかァッ!!」

 

「…ジハハハ。そうか。東の海はお前の故郷か。なぁ?()()()()()()()。」

 

そう言ったシキの雰囲気が変わる。その言葉が…ロジャーの息子という言葉がエースの癪に触ったのだろう、地面を蹴り、とてつもない速度でシキの前へと飛び出した。

 

その顔は怒りの形相。振り上げられた右拳は筋肉と血管が隆起し、力一杯に硬く握られていた。

 

「黙れッ!!俺を…その名で呼ぶなァァァァッ!!

 

「エースッ!!」

 

ヤマトが目を見開き、汗玉を額に浮かべながら、焦ったように声を上げた。

 

エースはシキに向かって拳を打ち込むが…その力だけの拳がシキに当たるわけはない。ひらりと躱したシキはエースへ凍るような視線を向ける。

 

「…当たらねえなぁ?」

 

「グハッ!?」

 

代わりにエースの腹へ黒く染まったシキの拳がめり込んだ。エースは口から血の混じった空気を吐き出す。シキはそのままエースの脚をガシッと掴み、そのまま力一杯地面へとぶん投げた。

 

「ぐっ!?」

 

その所作は目にも留まらぬ速度だった。

砲弾のようなスピードで地面へ着弾するエースの体。着弾した地面は大きくビビが広がり、半円形に窪んだ。

 

「エース、大丈夫かッ!!」

 

シキから目を切らずにヤマトが声を上げた。エースはプッと血を吐き出し、腕で血を拭いとると臨戦体勢を取った。

 

「あぁ。…今ので目が覚めたッ!!」

 

「勝手なことしないでッ!!…来るわよッ!!」

 

カリファのその声に全員が臨戦体勢をとる。シキは目を見開き、ニヤリと笑っていた。

 

「ジハハハッ!!…だったら、勝って天帝海賊団ごと…このエレジアごとテメェらを貰おうじゃねえか。野郎どもッ!!気合い入れろッ!!」

 

そのシキの声に船団から野太い叫びが上がる。その直後、海面へとゆっくりと降ろされる軍艦の数々、そこからワラワラと武器を持った船員達がエース達へと迫ってきた。

 

「いくぞッ!!」

 

『うんッ!!(ええッ!!)』

 

エースの声にカリファ達も声を上げた。

 

「死ねェッ!!」

 

直後、エース達に向かって大量の弾丸が飛んだ。

エースは上へと跳び上がると右手を硬く固め、少し前の地面へと振り下ろした。

 

「『火拳』ッ!!」

 

下へと振り下ろされる炎の打拳。その炎は地面にぶつかり、そのまま両端へと燃え広がっていく。それはカリファ達と弾丸の雨を遮る炎の壁を作り出した。

 

「チッ!?がぺっ!?」

 

「ぐへッ!?」

 

前に広がる炎に顔を顰める船員達。額や眉間に風穴が開いて、死んでいた。

 

「ん?…あのガキか。」

 

上から高みの見物をしているシキの視線の先には船員達を一人ずつ狩るシュガー(狩人)の姿があった。

 

人獣型になったシュガーは両手両足の指先から指銃を出し、木端海賊の急所に的確に放っていた。シュガーは並の海賊程度ならまるで風が吹いた程度の衝撃で相手を殺すことができる。人獣型の力とカリファから教わった暗殺術の合わせ技だった。

 

「面白え。」

 

シキの目に狂気が宿る。

 

「これは要らねえなぁ?」

 

軍艦の二隻を上に浮き上がらせるシキ。そして…そのまま。

 

指をくいっと前へと動かし、二つの軍艦を前へと飛ばした。

 

『うわぁぁぁッ!?』

 

船員達の何人かを引き殺し、軍艦が突き進む。その進行方向には何百万人もの人々が避難しているライブ会場と人々の住まいがあった。

 

「ッ!!…その程度で私が欺けると思わないことねッ!!」

 

…しかし、それは大量に流れ出した泡によって進むペースを落とされた。カリファの泡が滑り止めとなったのだ。

 

「貰ったぁぁ…ぐべっ!?」

 

そんなカリファを後ろから切ろうとした男は瞬時に振り落とされた鞭によって、まるで刃物に斬られたかのように真っ二つに避けた。

 

「…舐めるな。」

 

カリファは目の前に居る船員達に凍るような目線を見せた。

 

ゆっくりと進む軍艦へエースとヤマトが突き進む。

 

「『神火 不知火』ッ!!」

 

エースは炎の槍を2本持ち、軍艦へと放つ。軍艦は両方大破し、粉々になって地面へと落ちた。ヤマトは地面を蹴り、シキに向かって金棒を振るう。

 

「『鳴鏑』ッ!!」

 

シキに向かって飛ぶ打撃が迫る。その一撃をシキは眉一つ動かすことなく、軍艦を一つ盾がわりに前へと浮かし、動かした。無論、軍艦は大破。海に朽ちた材木がボロボロと崩れ、海面に波紋を作り出した。

 

「おっとッ!!」

 

…しかし、ヤマトの放った鳴鏑はそんなものでは止まらなかった。シキは両手を武装硬化し、クロスする。鳴鏑をそのまま受け止めるシキ。彼の身体にとてつもない衝撃が走る。

 

「ぐおぉッ!?…すげえなぁッ!!」

 

しかし、多少、軍艦によって威力が薄れたのだろう。シキは少し空中に揺らいだのみで受けきっていた。シキの両腕から白煙が上がる。

 

「ジハハハッ!!面白えッ!!もっと楽しませてくれッ!!」

 

そう言って笑うシキ。そんな彼をヤマトとエースは睨んでいた。




エースの戦闘シーンを書きたかったのですわ。次回もシキ戦です。これでも皇帝の一味、エース、ヤマトは勿論、カリファ達も強いですが…相手は大海賊。犠牲も少なくはなく…。

これは防衛戦です。…では。
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