燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第270話

「『斬刃(ザンパ)』ッ!!」

 

エースとヤマトに向かってランダムに降り注ぐ飛ぶ斬撃の雨。

 

エースとヤマトはそれを避けて、シキの方へと出る。地面が斬撃によって何十にも割れるほどの威力、当たればひとたまりも無かっただろう。斬撃によってできた亀裂の奥は深く、真っ暗闇であった。

 

前に出たのはエース。エースの周りに炎が舞う。拳を硬く固め、そのままシキに向かって炎の飛ぶ打撃を打ち込む。

 

「『火拳』ッ!!」

 

「くっ…!!どっこいしょっ!!」

 

シキの目の前を赤々と炎が覆う。包み込むようなその一撃をシキは海水を巻き上げ、盾にした。

 

直後、逃げ場の無いエースへシキの蹴りが飛ぶ。

 

「ガフッ!?」

 

黒色となった義足の刀による横薙ぎの斬撃はエースの鳩尾を迎撃する。エースの口から血混じり、唾液混じりの空気が吐き出され、エースは地面へとゆっくりと落ちる。

 

そのエースの代わりに上へと飛び上がったのはヤマト。横薙ぎに放たれた金棒による一撃をシキはまたもや刀で受け止めた。

 

「ジハハハッ!!まるでカイドウみてえな奴だなぁ?おい。」

 

「ボクは光月おでんだッ!!」

 

「あん?ロジャーのとこにいた…侍かッ!!」

 

シキはそのままヤマトももう片方の義足の刃で蹴り飛ばす。ヤマトもまるで砲弾のように、地面へと墜落した。

 

「ヤマト、エースッ!!大丈夫ッ!?」

 

カリファの声が聞こえる。

エースとヤマトは土埃のみのほぼ無傷といった様子で立ち上がり、大丈夫と返した。直後、ロケットスタートを切る二人。

 

「鬱陶しい。だったら、これで…どうだッ!!」

 

シキはそんな二人に対して先ほどの船の瓦礫を自身の頭上に掌を見せ、球形に掻き集めた。ぐるぐると渦巻く瓦礫。その大きさはシキは愚か、街全体を飲み込まんとするほどだった。

 

「テメェらは街を守ろうとしているッ!!それがテメェらの弱点だッ!!この瓦礫が、街に降り注いだらどうなるだろうなァッ!!ジハハハッ!!」

 

「チッ!!クソッタレがッ!!」

 

…これは防衛戦。ヤマト達には住人一人の死も許されない。それをエースも理解していた。だからこそ、顔を顰め、少し焦った様子でシキの方へと走り出した。

 

「ジハハハッ!!守り切ってみろッ!!ロジャーの息子ォォッ!!」

 

シキはそのまま前へと木々に混じって軍艦の砲弾や鋼鉄の大砲すらも混じった瓦礫を街へと投げる。ゆっくりと前進する瓦礫。刺激を加えれば空中で大爆発が起きるだろう。防ぐ手段はほぼそれしか無い。

 

「ウォォォォォッ!!」

 

「…なにぃ!?」

 

エースは両手を横に広げる。その少し前の上空に先ほどシキの浮かべた大量の瓦礫があった。エースを中心に沿岸と海を分つように出来上がる炎上網。それは上空にある瓦礫からエレジアを塞ぐほど、エレジア城よりも…また、その広さはエレジア全土よりも広いほどの炎壁だった。

 

その炎上網に瓦礫が当たり、爆風と黒煙を空中に散らす。シキの攻撃は不発に終わり、結果としてはシキの攻撃はシキの視界を塞ぐ黒煙へとなった。

 

「ぐぅっ!?…だが、その攻撃、かなり体力を消耗するようだなぁ!?」

 

その黒煙がシキを中心に4匹の獅子の顔へと変化した。

 

エースは炎上網を消し、前を見る。一歩先にヤマトが走っていた。海に入らぬよう、海上の軍艦をぴょんぴょんと跳んで、シキとの間合いを詰める。

 

それを見るなり、エースは両手の形を銃の形のようにし、その指先をシキへ定める。

 

「『火銃(ヒガン)』ッ!!」

 

「『獅子威し(ししおどし)黒地巻き(くろちまき)”』ッ!!」

 

獅子の形へと化した黒煙はエースへと歯を剥き出しに噛みつかんと襲いかかる。

 

エースの指先からはマシンガンの如く、火の玉がシキへと飛んでいく。

 

しかし、それは獅子の形をした黒煙によって塞がれる。1匹、2匹と多量の火の弾丸によって、蜂の巣になっていた。

 

…エースを気にしていれば、ヤマトはシキのほぼ背後へと出ていた。ヤマトは金棒を両手で握り、脚に力を入れ、シキの居る空へと跳ぶ。…しかし。

 

「ジハハハッ!!見えてるぜ?ベイビーちゃんッ!!」

 

シキはエースから目を切らず、クイッと指を上に動かす。

 

すると…。

 

「うわぁぁぁッ!?」

 

ヤマトが跳び上がった瞬間、軍艦が空へ飛び上がったのである。ヤマトの身体を下からかち上げる軍艦。ヤマトにとっては軍艦に思いっきり押し付けられたのと同意。普通ならば立ち上がることもできないほどの衝撃だが、ヤマトはすぐに立ち上がる。

 

「クソッ…!!まだまだだッ!!」

 

「ジハハハッ!!これを卑怯とは言うまいな?足場だろうが、瓦礫だろうが、この場にあるものは全て武器だッ!!」

 

そう笑うシキ。ヤマトの目からはシキはとても小さい。ヤマトは見下ろす形で、金棒を構えていた。

 

「ジハハハッ!!これで嬢ちゃんは戦線離脱だなぁ?下は海、落ちたら死ぬぜ?」

 

「どこ見てんだッ!!シキッ!!」

 

「ジハハハッ!!嬢ちゃんだけじゃねえ、テメェもちゃんと見てるさッ!!『獅子(しし)千切谷(せんじんだに)』ッ!!」

 

黒煙の獅子を消し去ったエースはそのまま前へと突き進む。

 

しかし、直後、エースに襲いかかったのは…飛ぶ斬撃の乱れ打ち。

 

エースの目から見て、躱わすのはほぼ不可能。…ならばと、エースは身体を小さくして前へと直進する。

 

「ぐっ…!!」

 

エースの身体が徐々に切れ、削れる。血が当たりに散乱する。しかし、手で頭部と胸部を隠し、脇を絞めたエースはその斬波の雨をもろともせず、走り抜ける。

 

「ッ!?」

 

「シキィィィッ!!」

 

斬波の当たらぬ至近距離。エースはまた地面を踏み締め、跳び上がると燃える拳に力を入れ、硬く握りしめる。

 

「…それは効かねえんだよッ!!」

 

エースの拳はシキに直撃…せず、空を切る。当たる直前、シキはそれを躱したのである。

 

「何ッ!?」

 

「ジハハハッ!!残念だったなぁ!?無謀な特攻も俺には…ッ!?」

 

直後、シキの背に衝撃が走った。

…飛ぶ打撃がシキの背を大きく弾いたのである。シキの目は完全にエースに釘付けだった。降りて来れないヤマトを完全に無視していたのだ。だからこそ、ヤマトの鳴鏑が直撃した。

 

「ガフッ!?」

 

シキはそのまま港へと砲弾のように叩き落とされる。シキを中心に、半球型のクレーターが出来上がった。エースは地面に降り、ヤマトは軍艦ごと海へと落ちた。

 

「…くそが…テメェら…!!」

 

…ゆっくりとシキが立ち上がる。その額からはだらりと血が流れ出ていた。

 

…シキの連れてきた仲間達はカリファとシュガーによって殲滅された。シキの周りをエース、ヤマト、カリファ、シュガーが取り囲む。シキは額に青筋を立てて、四人を睨んでいた。

 

「…舐めすぎたな。俺たちを。」

 

「ジハハハッ。…だが、ちと威力が足りなかったなぁ?俺はピンピンしてるぜ?…テメェらも天帝もあめェよ。なかなかトドメを刺さねえ。喋るチャンスを与える。…だから大事なものを失うッ!!」

 

シキはそう言いながら、自身の周りの地面を四角形に切り裂く。直後、その地面ごとシキは上空へと上がろうとしていた。

 

「逃すかッ!!」

 

エースは咄嗟にシキの居る地面へと飛び乗る。

 

そのまま瞬時にエースはシキへ炎を纏った上段蹴りを打ち込んだ。

 

シキは余裕そうにそれを黒くなった手で受け止める。

 

「…テメェの親父や白ひげと生きた男だぞ?そんな付け焼き刃で倒されるわけがねえ…!!」

 

「ぐっ!?」

 

手が離され、少し後ろへと動くエース。直後、シキの見えないほどの蹴りにより、エースの居る地面が斜めに切り裂かれた。

 

…重力に従い、滑り落ちる地面。しかし、エースの目はまだ燃え続けていた。

 

「行かすかァァァッ!!」

 

エースはこのままシキを逃せば、エレジア市民のところへ行くと見抜いていた。だからこそ、エースは…手の皮が切れるのを他所にシキの足の刀へとしがみついた

 

「ぐっ!?離せッ!!」

 

シキの顔が怒りに満ちる。青筋を立て、右足を刺したり引いたりするシキ。エースの左掌が血だらけになる。だが、執念でシキへと捕まっていた。

 

「俺は…あの人に救われた…ッ!!ここで…テメェをあそこに行かせたら…ッ!!テメェはエレジアの街と人々を一人残らず殺しちまうッ!!」

 

「五月蝿えッ!!それが海賊だッ!!奪わなければ海賊は成り立たねえんだよッ!!甘ったれたこと言うんじゃねェッ!!テメェも何度も何度も奪ってきた筈だろうがッ!!」

 

シキはそのままエースごと自身のいる地面を斬り刻む。空いた方の足でエースを攻撃するようもがき、戻ってくる斬撃を放つ。

 

エースは身体に無数の深い斬撃を喰らい、血を吹き出していたがそれでも手を離さない。

 

「ふざけんじゃねえッ!!テメェ如き小童に…この俺の野望が破られていいわけがねえんだよッ!!さっさと離せッ!!」

 

「…たとえ死んでも…俺はこの手を離さねえ…ッ!!俺は…バンドラを…王にするッ!!それが…俺にできる恩返しだァッ!!」

 

「なっ!?」

 

エースは手を離し、その反動を使ってシキの頭上へと出る。握られた拳は文字通り、血が滲んでいた。シキは一瞬、反応が遅れた。…それがいけなかった。

 

「『火拳』ゥゥゥッ!!」

 

炎を纏った拳がシキへと捩じ込まれる。

シキは両手をクロスしてそれを受け止めた。

 

「ジハハハッ!!今更そんな…なにっ!?…この俺が…!?」

 

エースの身体からロケットエンジンのように炎が噴射する。その勢いからか、シキの身体は徐々に…徐々にと地面へと追い詰めていく。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

「ぐっ!?…クソがァァァァッ!!…負けてたまるかァァァッ!!」

 

最後の手段だと言わんばかりにシキが足を動かす。飛ぶ斬撃がエースの身体を徐々に削っていく。耳、頬、脇腹、太もも…肉が抉れ、血が垂れてもなお、エースは止まらない。

 

…そして、決着の時が来た…。

 

「うぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

「この俺が…また…東の海の…男に…ッ!?ロジャァァァァァッ!!

 

…大地を抉り、大きなクレーターが出来上がる。港の大半は消滅し、あるのは大きな窪みのみ。避難していたカリファ達はその行く末を見ていた。目が痛くなるような残光と共に空をも貫くほどの渦巻く火柱。その巨大な一撃は近くに居ただけで木々を吹き飛ばし、薙ぎ倒し、海を揺らすほどの一撃だった。

 

「…はっ…はっ…ぐっ…。」

 

「エースッ!?」

 

クレーターを登ってきた血だらけ半裸のエースが地面に倒れた。そのエースをヤマトが担ぎ上げる。

 

「大丈夫かっ!?エース…!!」

 

「…や…まと…海軍を…呼べ…。あれを…。」

 

「わかった!!」

 

…そう言ってヤマトは急いでエースをエレジア城に運んだ。シュガーもそれについていく。カリファは気絶したシキを尻目に同じくゆっくりと歩いて行った。クレーターには海水は入って来ないため、シキを救出する必要も意味もないと考えたからだ。…そして、シキは海軍に拿捕され、エースはしばらく眠り続けることとなった。




エースの執念粘り勝ちと言っていいでしょうな。ここのエースでも多分、カイドウには勝てません。ヤマトとの二人係と、シキの一瞬の油断、エースの全力が勝因です。苦戦勝と言っていいでしょう。…てか、天帝海賊団は軒並み強くなるしね。

では。
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