燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第281話

「…行ってくる。」

 

あれから一年。

ナミは20歳になり、バンドラは35歳になった。バンドラは最後に狂骨(仲間)を迎えに行くため、ナミにそう言ったのである。

 

ナミは入り口のバンドラへと寄り添う。

成長期ゆえか…はたまた、バンドラのせいかはわからぬが、彼女の肢体は2年前よりも美しく、明らかに成長していた。そして、一番違う点は髪が昔に比べ、ロングになっているところだろう。緩やかにカーブのかかったオレンジ色の髪はナミの快活な性格を表すように揺れていた。

 

バンドラへと抱きつくナミの姿を見てバンドラも口元が綻ぶ。身長差ゆえに上目遣いになるナミ。

 

「帰ってくるのよね?」

 

「明日、お前をエスコートする約束だろう?…大丈夫。必ず戻ってくるよ。」

 

「…そう。…。」

 

この2年間、ナミは本当に嬉しかったのだろう。

明日もあると言うのに寂しげな顔をするナミの頭を優しく撫でるバンドラ。ナミの目が一瞬、ビックリしたのか閉じる。

 

ナミにとってはバンドラは純粋に初恋の相手である。自身の村、家族…引いては母たるベルメールを命の危機から救い、更には二度目も救ってくれた。ジレンマと言っていいだろう。…仲間には会いたいが、バンドラとは離れたくない。

 

ロビンのように決断ができないのである。待つ時間を楽しむよりも一緒にいたい。少し赤らめ潤んだ目にはお別れが来ることへの寂しさが現れていた。

 

「…本当に綺麗になったな。ナミ。」

 

「ふえっ!?きゅ…急に何よ…!?」

 

「…いや、昔のピーピー泣いてたお前を知ってるからな。少し感慨深くて…いかんな。歳を取ると涙腺が緩くて敵わん。」

 

泣き真似をするバンドラを呆れたような笑みで見るナミ。

 

「いや、貴方、フランキーよりも年下じゃない。」

 

「…まぁ、そう思うとまだ若い方か。…兎に角っ!!…お前は綺麗になった。」

 

「……っ。あ…ありがと…。

 

歯を見せて笑顔で言うバンドラの胸に額を押し付けるナミ。その顔はバンドラに見せられないほど口元が緩んでより、顔は茹蛸みたいに真っ赤だった。まるで自身のことのように胸を張って言うバンドラに翻弄されていた。

 

ゆっくりとバンドラの顔を見るナミ。バンドラは優しく微笑んで見ていた。

 

「…前に言ったろ?手ェ出した分、ほったらかしにはしねえよ。また会ったら、好きなようにしたらいい。お前が満足するまで俺は付き合うからさ。」

 

「…ほんと?ワガママしか言わないわよ?それに…私重いわよ?いいの?」

 

「いいよ。」

 

そう言うや否や、バンドラの口元へナミは唇を合わした。背伸びをして、首に腕をかけて唇を重ねる。ナミの胸がバンドラの胸板に押しつぶされ軽く潰れた。

 

「ぷはっ…。ひ、人目を憚らずこういうこと、するわよ?」

 

唇を剥がし、少し頬を赤らめてそう言うナミ。バンドラは柔らかく微笑みながら、彼女の頬に右手を添える。

 

「…今更、そんなこと気にしやしないさ。大丈夫。ナミのことは絶対忘れないし、会ったらちゃんと好きにさせてあげるから。…ね?」

 

諭すようにそう言うバンドラにナミの頬を涙が一筋伝う。ナミはまた確かめるように、バンドラの唇に自身の唇を重ねた。

 

「帰ってきたら、いっぱいサービスしてあげるからねっ!!」

 

「…発情猫め。」

 

「こうしたのはバンドラさんでしょ?責任取ってもらわないと。」

 

「避妊はしてる。…まぁ、楽しみにしてるよ。じゃあ、行ってくる。」

 

いってらっしゃいと次は満面の笑みで言うナミ。バンドラは静かに笑うとその扉を閉め、ルエノルーヴ号へと乗り込んだ。目指すのは正のところである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『流石。追手は居ないようだな。』

 

ビビの剣をもらった島へと辿り着いたバンドラは、そこいらの海賊から奪い取った金を正…もとい、正の作ったロボットの前へと置いた。

 

「すまねえな。追加の仕事まで頼んじまって。刀鍛冶でもねえのによ。」

 

『…全くだ。狂骨は模造刀。普通の刀のように元から切れたわけじゃない。』

 

そう言ってバンドラの前に狂骨を取り出すロボット。バンドラは檜の箱に入った狂骨を取り出した。…見た目はあまり変わっておらず、変わったとすれば、鞘に巻きつく組紐が紫色へと変化したぐらいだろうか。バンドラは一気にそれを引き抜く。

 

「…最初は誰が作ったかも分からねえ鈍だった。…でも、今は輝いてるぜ?なぁ…狂骨…!!」

 

真紅に光り輝く刀身には龍の紋章が彫られていた。カタカタと震える狂骨はまるで主人の帰還を期待していたようだった。バンドラは歯を見せてニヤリと笑う。

 

「1年間。テメェに見合う漢になる為、木刀やら鉄棒やらを振り続けた甲斐があったってもんだ。手に馴染む。」

 

『仕様は変わってない。ヘビヘビの実を食べた刀だ。…だが、刀身は今まで以上に変幻自在となった。伸縮は勿論、分身、屈曲、巨大化すらも可能。技で狂骨に勝てる刀はこの世にない。』

 

「使い手次第だがな。」

 

バンドラはそう言うと狂骨を鞘に納め、手にギュッと持った。久方ぶりの相棒の帰還にバンドラも随分と喜んでいるようだった。

 

「お前に頼んでよかったよ。悪のやつだったら、これの10倍は掛かってた。」

 

『…お前の体液を所望するようなやつだからな。女遊びは勝手だが、選ぶ女はもっと慎重に選べ。じゃなきゃ、死ぬぞ。』

 

「くくっ。言えてる。…で?人造悪魔の実は順調かい?」

 

ニヤリと笑うバンドラにモニター越しの正の言葉が少し詰まった。はっきり言えば、バンドラもそれに期待はしていなかった。勿論、正の発する言葉はこうだ。

 

『…お前の考えている通り、自然種の悪魔の実の複製には時間を要する。それどころか、失敗続きだ。』

 

「お前ほどの天才が苦言を呈すのも理解できるな。複雑怪奇の悪魔の実をそこまで解析できてることすらバケモンだ。」

 

『…確か、お前が頼んだのは…。』

 

「火拳のエースのメラメラの実の複製だ。本人にも理解してもらってはいる。」

 

正の船の甲板に腰を下ろし、ニヤリと笑った。

 

『…メラメラの実を複製させてどうする気だ。言っておくが、自然種の構造は随分前にスナスナのアンプルや海軍大将のピカピカの実などで試した。完全模倣は不可能に近いぞ。そもそも、そんなことができれば世界中のエネルギー問題が解決してしまう。』

 

「お前からすれば俺の食べた実は世界の均衡を簡単に崩すもんだってわけだ。…まぁ、一つだけ言うならば…俺の預かる女にレベッカってのがいる。アイツも頑張っちゃいるが、その力はビビよりも下。下から数えた方が申し訳ないが、早い。だからこそ、簡単な話は同じ力を持つ能力者が二人、同じ場所にいれば、教え合い高め合うことができる。簡単に強くなる方法はこれぐらいしかないんじゃねえの?」

 

『…お前がそんなことを言うとはな。少し幻滅したぞ。』

 

「勝手にするな。…本人の努力次第じゃ使わねえさ。ただ、アイツは俺たちよりも背負ってるもんが違いすぎるからな。家族を救う為なら致し方ない。」

 

そう言ってバンドラはタバコを咥えてその先に火をつける。立ち上る煙をぼーっと眺めていた。

 

「ビビみたいに強え武器で対応するのもいいが、補填できるかは五分だ。俺も頑張っちゃいるが。」

 

『…それこそ、前にお前が拾った実を食べさせればいいではないか。』

 

「…毒だったらどうするんだよ。ありゃ、俺も知らねえが幻獣種の類だろ?ヤマトとはまた違うタイプの。…それを食わせるのはなぁ。女の子だから、これからのこともあるしなぁ。それだったら、雑魚の攻撃なら傷つかねえ自然種の方が…。」

 

『…父親が何かなのか。まぁいい。考えておく。しかし、武器で補填する方向で頼む。自然種は強大すぎるからな。簡単には複製できん。』

 

「了解。サンキューなっ。」

 

バンドラはそう言い、歯を見せて笑いながらルエノルーヴ号へと乗り込んだ。タバコの火は海に落ち、消滅する。ルエノルーヴ号はゆっくりと大海を進んで行った。




初恋にどうしたらいいか分からないナミさんかわいいね。

2年後スタート派が多かったのでスタートします。ナミさんメインヒロイン回は暫くお納め。狂骨も超強化されて、残りの面々も強くなってます。それがわかるのはもっと後だけどまぁ、近々。vs海軍で。

エースとヤマトが黄猿を、バンドラが藤虎と緑牛を相手にします。エレジアバスターコール。ウタ、カリファ、レイジュ、ビビは目まぐるしく進化を遂げてます。私も頑張ります。

ルフィ対バンドラも実は近々。
舞台は魚人島。バンドラのバトルシーンはあんまり無いけどね。

では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
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  • ロビン
  • ナミ
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  • シュガー
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