燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第288話

「…私を、遠出に?」

 

とある昼下がり。

いつものように修練が終わり、汗をタオルで拭き取るバンドラの傍ら、足を組みながらシャンパンを一杯飲んでいたスムージーがそのような呆けた声を出した。バンドラはあぁと肯定の合図を出し、ニヤリと笑っている。

 

「本当はヤマトかウタのやつを連れてきたいんだが、ヤマトはエースとビビと鍛錬、ウタは新作を考えるとか言って出てこなくてよ。ハンコックは女ヶ島でトラブったらしくて、モネとシュガーはカリーナに誘われてグランテゾーロに遊びに行ってな?カリファの護衛にって俺とレベッカが誘われたんだが、なんか秘密の要件らしくて。お前さえ良ければ、連れて行こうかと思うがどうだ?」

 

らしくないキョトンとした顔のスムージー。

バンドラは服をちゃっちゃと着るとその横に腰を下ろした。

 

「まぁ、暇だったからな。行くには行くが。カリファは私のことを気にしてるだろう?」

 

「お互い様。…スムージーはビッグマムからの…一応は借りてるって形だし、カリファは俺の命を狙ってる。いつでもサイファーポールに戻れるようにな。そうなれば、両者共に邪魔になる。…だったら一緒の船で俺のいる前なら何もできない。」

 

「なるほど。考えたな。バンドラ。」

 

だろ?と子どものように笑いながらバンドラはスムージーを見た。スムージーの灰とも銀とも…或いは白色とも取れる髪がふんわりと揺れる。考え込むように顎に手を当てるスムージーにバンドラは小首を傾げた。

 

「…しかし、初めてじゃないか?…デート。」

 

「え?…そうだっけ?」

 

キョトンとするバンドラにスムージーは微笑を湛えながら、コックリと頷いた。スムージーとバンドラは歳は一切離れていない。しかし、ヤマトやウタに比べると二人でいる時間なんて…ロビンにすら負けるレベルで少ない。お互い、各所の大幹部。バンドラに至っては船長、そんなことをしている暇などなかった。

 

「まぁ、たまには良いだろ?羽を伸ばそうぜ?スムージー。」

 

「…ふふっ。エスコートしてくれよ?船長(キャプテン)?」

 

そう言ってウィンクする彼女はどこかウキウキとした子どもじみた感覚をバンドラは覚えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の用事にかこつけてデートでもする気?」

 

船に乗り、進めた開口一番。

カリファのジトーとした目が二人に突き刺さる。慌てているのはレベッカのみ。

 

「まぁ、俺がお前の用事に手を出すことはできねえしな。レベッカもいりゃ上等だろ。なんかあったら、飛んでいくし。」

 

「船長が聞いて呆れるわね。これから行くのは新しい物資の開拓ルートよ。アラバスタやグランテゾーロ、女ヶ島だけでも良いんだけど、少し不十分だから。」

 

「だったら尚更、俺が行かない方がいいだろう。スムージーも目立つし。」

 

バンドラの言葉にスムージーも肯定を返す。

だったらなんで連れてきた…と言わんばかりにカリファは二人を睨んでいた。ウタやヤマトに比べれば節度は守るものの、スムージーとバンドラの距離感は非常に近い。大事な商談中に、騒ぎでも起こされたら困るのである。

 

「…貴方に何を言っても無駄なのはわかってるけど。これなら連れてこなかったらよかったわ。」

 

呆れたようにそう言うカリファへバンドラは苦笑いをしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「思ってたよりも…デカい街だな。」

 

有人島に着くや否や、バンドラとスムージー、レベッカとカリファに別れる一団。カリファ曰く商談にイチャイチャを求める男は必要ないとのこと。相変わらずの塩対応にバンドラは苦笑いしかできなかった。

 

「うおっ…。スムージー…。」

 

「おや。天帝様は免疫があったかと思ったが。」

 

ニヤリと笑うスムージー。その手はバンドラの手をギュッと掴んでいた。しなやかな指とバンドラのゴツゴツとした指が絡み合う。スムージーは満足げに目を細めると、「行くぞ」とバンドラを扇動して行った。

 

「…ほお?」

 

「…“宝石店(ジュエリーショップ)”?」

 

一目散…ではないが、人々でごった返す大通りを行った先に煌びやかな宝石店があった。バンドラは小首を傾げて、品定めをするようにそれを見やる。宝石と聞けば何処かの泥棒猫が喜びそうだなと考えつつも、バンドラはただ単純に隣にいる彼女に似合うものを探していた。

 

「…これはどうだ?」

 

「私にそんなものは似合わない。ビッグマム海賊団の将星だぞ?すぐにボロボロになって終わる。だからもらえない。」

 

「こういうのは似合う似合わないじゃねえ。記念だ記念。…ほれ。」

 

バンドラが選んだのは美しいピンク色に光り輝くローズクォーツのハマったリングだった。スムージーはそれを見ると…静かに『ほう…』と声を上げ、手袋を取るとそれを…左手の薬指に嵌めた。

 

「…へ?」

 

「ふむ。意外と似合うな。店員。これはいくらだ。」

 

「えっ…えっと…その…。」

 

スムージーのその行動にバンドラは呆気に取られていた。

 

「どうした?記念…ではないのか?」

 

小首を傾げるスムージーにバンドラは煮え切らない態度で「あ…あぁ…」と肯定の意を返すと共にそのリングを買い、その店を後にした。

 

「…お前、そこって…。」

 

バンドラは指輪を太陽の光に翳しながら、少しご機嫌のスムージーにそう声をかける。スムージーはバンドラの方を横目で見る。

 

「どうした?」

 

「…左手薬指はまずいだろう。ただの記念だぞ?」

 

「そうか?取っておいてもここに嵌る指輪は私には来ないが。」

 

そう言いながら少し疲れたのだろう…スムージーは道の脇にあるベンチにかける。バンドラもそんなスムージーを見ながらため息を吐き、その隣に腰をかけた。スムージーは今まで以上にはにかんでいた。

 

「お前だって好きな相手ぐらい見つけて、婚約者ぐらい作って結婚ぐらいするだろう?ほら、シャーロット・リンリンなら、お前がどんな相手と結婚しようが関係なさそうなもんだがな。」

 

「…私たちはママの命令によって婚約者が決まる。そこに愛だのなんだのは関係ない。…それに…お前は私を貰ってくれるんだろ?子どもの頃によく言ってたじゃないか。」

 

「…ぐっ…。あれはぁ…!!罰ゲームでお前が言わせただけじゃ…。」

 

「…それでもカタクリ兄さんに酷い剣幕で迫られた時には本心だっただろ?」

 

涼しげな顔でそう聞くスムージーに対して、バンドラは顔を赤くしながらそっぽを向いていた。スムージーはその様子を覗き込むように見やる。

 

「私はお前が何人引っ掛けても気にしないぞ?」

 

「るっせぇ。…俺は…別に…。」

 

「ふふっ。この左薬指(場所)はお前がつけてくれるものだと思っていたけどな?」

 

「…あんまり…揶揄うな…。

 

流石にやりすぎたかとスムージーは息を吐く。右隣のバンドラの頭をスムージーはポンっと手を置いた。バンドラはそんなスムージーをジトーとした目で睨む。

 

「お前はいつも頑張りすぎだ。私の前くらい…甘えてみせろ。これでは私がいる意味がないじゃないか。」

 

「…スムージー。」

 

「…なんてな?」

 

ニヤリと笑うスムージーにそんなことだと思ったよと返すバンドラ。スムージーは口元を手で隠し、くすくすと笑っていた。バンドラも何度目かのため息を吐きながら、微笑む。

 

「…この場所はお前のくれたこれでキープしておこう。」

 

「おいおい…。」

 

「…鼠除けだ。」

 

そう言って笑う顔はどこか、寂しげなようにバンドラは見えた。本心はスムージーにしかわからない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…カリファ達のついた島…名を『フレイン島』。

今日はそのフレイン島からの支援の要求と共にウタのライブの約束を取り付けるつもりだった。

 

「…こんなことって。」

 

…つもりだった。扉の前でドアノブに突き刺さった男を見るまでは。

 

酷い傷でもはや助からないことは明確だった。カリファはその男をドアノブから外し、会合場所へと入る。まだ生暖かい血がドアノブにしっかりとついていた。青ざめた顔のレベッカを横目で気にしながら、カリファは中へと入っていく。

 

「…な、何が起こったんでしょう…!!」

 

「…直接的な死因はドアノブじゃないわ。こめかみに指銃で貫いた跡があった。つまり、犯人は六式を鍛えている人物。…まさか。」

 

室内からは何故か、人気がしない。

すりガラスの扉に見聞色の覇気を使いながら、カリファは身を隠し、近づく。その向こうは会合場所になっていた広い場所だった。真ん中には中華料理店で見るような円卓があるような場所である。

 

カリファは胸の谷間から銃を取り出すと息を殺しながらレベッカにも扉の死角に隠れるように言う。

 

「…中に誰かいる。」

 

「え?」

 

小声でそう言うカリファにレベッカも小声で答えた。カリファは恐る恐る扉を開け、中に入ろうとする。しかし、直後、すりガラスのガラスを破りながらカリファの頬を弾丸が掠めた。

 

「チッ…。出てこいよッ!!カリファッ!!」

 

バンバンと乱射する銃口。

バリンと音を立てながら、扉のすりガラスがどんどんと破壊されていく。カリファはその銃弾が当たらないようにカリファから見て左へゴロンと転がって隠れた。

 

しかし、それがバレたのか、すりガラスの無くなった扉を件の人間が蹴り壊し、カリファの前へと出る。その手には折りたたみ式のナイフがカリファを貫くように持たれていた。

 

そのままカリファへと手を伸ばす件の人影。

 

カリファは脇腹を薄く裂きながらも、その人物に銃を向けていた。その銃弾は人物の髪を丸く弾く。不利だと判断したのか、男は煙筒を後方へと投げながら、部屋の中へと入って行った。直後、カリファとレベッカの視界を白い煙が遮断した。

 

カリファとレベッカは即座に家を出ようとするが、先程の人物の銃弾により、ドアノブが完全にひしゃげ、逃げることが不可能になってしまった。

 

カリファとレベッカは仕方なく、臨戦態勢をとりながら唯一の部屋の中へと入っていく。そこには…頭の後ろで黒髪を纏めたサングラスの男が円卓の上に座り、その周りには額に丸い穴を開けられた男の人たちや、腹を何度も滅多刺しにされた女の人、手足を折られ、顔を切り裂かれた女の子などの死体が散乱していた。レベッカは口元を手で隠し、「酷い…」と呟いた。

 

「ようこそッ!!サイファーポールの裏切り者、カリファさんよ。」

 

それを嘲り笑うように高い声色でそう言う男。カリファはパチンと鞭を地面に打ちつけ、冷たい睨みを効かせた。

 

「…殺しを楽しんでるわね。貴方、何者。」

 

「テメェの後釜さ。俺の名前はムーラン。なぁ?カリファ。」

 

喋りながら二丁の銃をカリファとレベッカに向けるムーラン。その照準は二人の眉間を捉えていた。

 

「…死ね。」

 

バンッという音と共に銃弾が射出される。しかし、それでやられるカリファとレベッカではない。二人は即座に左右に跳び、その銃弾を避けた。

 

「チッ。そう簡単にゃいかねえか。」

 

続いて、ムーランへと銃弾が飛んでくる。…カリファが避けながら打った弾丸だった。しかし、ムーランはそれをノールックで銃の引き金を引き、弾丸を飛ばして弾いた。

 

「…じゃあ、そろそろ始めますか。」

 

そう言ってムーランは銃を後ろへと放り出し、胸から折りたたみ式のナイフを取り出す。ニヤリと笑うその顔はまさに戦闘と殺しを楽しんでいるような顔だった。

 

「すぐに壊れんなよ?カリファッ!!」

 

そう言ってムーランは床を蹴って二人へと向かって行った。




次回はまるまる戦闘かな?vsムーラン。

因みにローズクォーツの石言葉
『恋愛、愛を伝える、真実の愛』

次回もスムージーとバンドラの話書いても良いけどね。さらに雰囲気が変わるから。まぁ、ギャップで風邪引くことになるんだけどさ。前半と後半の。では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
  • レベッカ
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