燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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皆さん色々と考えて思うところを言って頂きありがとうございます。他の視点は凄く勉強になります。言い訳がましいですが、今回の話で納得していただけると嬉しいです。


第29話

「フッフッフッ…。どうだ?バンドラ。いくらテメェが化け物とはいえ、民間人に手を出すことを躊躇っている以上、俺に勝てねえッ!!」

 

嘲り、笑うドフラミンゴ。バンドラは目の前の兵士を如何に傷つけないか考えていた。

 

「バンドラッ!!どうしようっ!!」

 

隣のヤマトも兵士の攻撃を受け止めるだけ。

兵士たちは自分の意志とは違い、動かされている。その凶悪さにバンドラは諦めた。

 

「話し合いだけで…済むはずだったんだがなぁ。」

 

「ア?」

 

槍を素手で掴み、バンドラは優しい声で言った。

ドフラミンゴは何を言っているのかわからず、バンドラを睨む。

 

「ヤマト。ウタ。」

 

呼ばれた二人はバンドラの方を向く。

ウタはキュロスに守られ、ヤマトは建で兵士の槍を受け止めていた。バンドラは清々しい声で言う。

 

「これはな。守るための戦いだ。俺は未熟だから、本気を出しちゃいけねえと思ってた。自分を鍛える為でも、殺し殺される為でもねえ。カイドウが俺に馬鹿だと言うのがわかるよ…。手こずったのは俺のせいだ。」

 

「…何を言ってやがる?テメェは。」

 

「リク王陛下ッ!!」

 

バンドラが大きく声を上げる。

キュロスと共にウタを守るリクドルド3世が声を上げる。

 

「なんだろうかッ!!」

 

「…俺はこの国を五体満足で生かそうとしていた。俺の力は国一つを変えるなんて容易だからな。」

 

…バンドラの真意。カイドウとの戦いでカイドウは見抜いていた。バンドラは優しすぎると。だから、自分の力で関係ない人が巻き込まれ、死ぬことを嫌がると。

 

大人になり力の制御を学んだバンドラは更に弱くなった。だから、カイドウはバンドラとやる時は一対一を望む。周りに気をかけてほしくないからである。

 

…バンドラはリクドルド3世に向けて、歯を見せて笑った。

 

「…すまねえな。この国、無傷じゃあ返せねえや。」

 

「構わない。人々が避難する時間を稼いでくれたのだろう?此処には我々と君たちしかいない。…そいつを追い払ってくれ。」

 

「…どういうことだ…テメェ…。」

 

その爽やかな笑みにドフラミンゴは言いようのない感情に襲われた。額からたらりと汗が垂れる。

 

「…『電波障害(ジャック)』」

 

そう言ってパチンと指を弾くと、寄生糸(パラサイト)で操られていた兵士たちがバタリバタリと倒れ出す。

 

「…何しやがった。」

 

「なぁに、簡単なこと。俺の近くの人間にゃ、お前のそれは効かねえよ。…ヤマト。休んでろ。」

 

「う…うん…っ!!」

 

ニヤリと笑うバンドラ。

ゆっくりと息を吸い、大きく吐く。首をゴキゴキっと鳴らして、前を見る。ドフラミンゴは纏う空気が変わったことに気がついた。

 

「フッフッフッ…。嬉しいねぇ。ようやく本気になってくれたか?」

 

「どうだろうね?…ふぅ…。」

 

先に動いたのはバンドラ。

 

ドフラミンゴの前まで行き、拳で腹を殴った。

 

「ぐっ…!!テメェ…今まで加減してやがったのか…!?」

 

「ヒヤハハッ!!舌噛むぜ?『極上天風嵐(ごくじょうてんぷうらん)』ッ!!」

 

一瞬、ドフラミンゴに冷や汗が垂れる。ドフラミンゴはそれを避ける。

 

バンドラの拳から大きな竜巻が直線で放たれる。それは海を割り、海の下の地面を大きく抉った。

 

「おいおい…。俺の知ってる海賊なら食らってたぜ?涼しいってなッ!!」

 

地面に降りたバンドラに次に仕掛けるのはドフラミンゴだ。

 

「『五色糸(ゴシキート)』ッ!!」

 

指を一本一本から糸を出し、それを振り下ろすドフラミンゴ。

 

バンドラはそれを…狂骨で切り裂いた。

 

「ぐっ!?」

 

「もう何にも縛られなくていい…っ!!俺はもう、お前に加減はしねえ。とはいえ、本気じゃないがな?『天雷祭(サンダー・フェス)』ッ!!」

 

狂骨の先から雷を纏った刺突が砲撃となって放たれる。

 

ドフラミンゴはそれを雲に糸をかけて避ける。

 

「ぐっ…!!」

 

「『晴天・無限昇竜』ッ!!」

 

天高く飛ぶ斬撃。炎を纏った斬撃はたくさんの龍の形を模して分裂し、ドフラミンゴを飲み込んだ。

 

「チッ…!!」

 

ドフラミンゴが降りてくる。

ドフラミンゴの身体に血が滲んでいた。

 

「…テメェ、急に強く…。何故、手加減なんてしてやがった…ッ!!」

 

「…さっき言ったでしょ?守るための戦いだってな。『雷鳴』ッ!!」

 

「『五色糸(ゴシキート)』ッ!!」

 

雷の一閃にドフラミンゴは五色糸を合わせるが、それは縦に切り裂かれてしまい、ドフラミンゴの肩から下へ切り傷がつく。

 

「ぐっ!?」

 

「『天つ風』ッ!!」

 

「『蜘蛛の巣がき』ッ!!」

 

バンドラの周りに風の槍のようなものが生成される。

 

そのまま飛んでいくそれをドフラミンゴが蜘蛛の巣状の糸でガードするがそのまま後ろに吹き飛ばされる。

 

「くっ…!!」

 

「そろそろ終わりにするか。それとも…まだ遊ぶか?」

 

ニヤリと笑ってそう言うバンドラ。

ドフラミンゴは青筋を立てて、睨んでいた。

 

「…もう終わりにするのは賛成だ…。守りたかったこの国ごと、死ね。『鳥カゴ』ッ!!」

 

…ドレスローザの周りに白い糸が取り囲む。飛んできた鳥はその糸に当たり、真っ二つに裂ける。

 

「テメェらはもうこの国から出られやしねえ…!!」

 

「…なるほどね。飽くまで死ぬまで…遊ぶってか。」

 

「…あ゛?」

 

手に炎を纏うバンドラ。

 

そして、地面を蹴り、瞬く間にドフラミンゴとの距離をつめる。

 

「ッ!?」

 

「…『日照拳(サニードフィスト)』ッ!!」

 

バンドラはドフラミンゴの腹へ炎の拳を打ち付ける。

 

ドフラミンゴはそれをモロに喰らい、口から血を吐いた。

 

「ガフッ…て…テメェ…ッ!!」

 

「『黒式雷鳴』ッ!!」

 

「『足剃糸(アスリート)』ッ!!」

 

武装色を纏った蹴りと武装色を纏った斬撃がかち合う。

 

その勢いを使って、ドフラミンゴは間合いを離す。

 

「『海原白波(エバーホワイト)』ッ!!」

 

その声と共にドフラミンゴの周りの家がほぼ全て白い糸となる。そして、生きているかの様に上へと波打っていた。

 

「『羽撃糸(フラップスレッド)』ッ!!」

 

「『雷切(ボルテーラ)』」

 

海原白波により出来た無数の糸が武装色を纏い、『千本の矢』となった糸がバンドラを狙う。

 

バンドラはそれを上から降り注ぐ無数の雷でガードする。

 

「…第二陣ッ!!」

 

「…ッ!?」

 

上から降る雷はまるで先程のドフラミンゴの糸のように、ドフラミンゴの腹へ矢の様に突き刺さる。

 

ドフラミンゴはその場に膝をつくが、ふらふらとする足で立ち上がる。

 

「くっ…。」

 

「『晴天・獄門竜』ッ!!」

 

立ち上がるドフラミンゴの腹に大きな炎の竜を模した飛ぶ斬撃がぶち当たる。

 

ドフラミンゴの背から大きく血飛沫が上がり、ドフラミンゴは後方に大きく跳び、倒れた。彼の気絶により、街全体を覆う鳥カゴが消えた。

 

バンドラはその様子を見るとヤマトとウタのところへ歩いていく。

 

「やったね。バンドラ。」

 

にっと笑うヤマト。バンドラはあぁとニヤリと笑った。

 

「君がバンドラくんか。」

 

「リク王陛下。…まずは謝罪を。」

 

バンドラはウタとヤマトの前であるにも関わらず、膝をつき控えた。

 

「此の度、ドフラミンゴという海賊をこのドレスローザに踏み入らせ、暴れてしまったこと。心よりお詫び申し上げます。」

 

「…顔を上げてくれ。」

 

バンドラの謝罪に対して、リクドルド3世は優しいトーンの声で返す。バンドラはゆっくりと頭を上げた。

 

「君の早急な対応のおかげで怪我人を最小限に抑えられた。戦いを長引かせたのも、人々を逃すためだろう?この子に全て聞いたよ。」

 

「そうですか。」

 

「あぁ。君のおかげでこの国は助かった。ありがとう。」

 

バンドラはそう言うリクドルド3世の出す手を握りしめた。ドフラミンゴファミリーは、兵士たちにより、海軍に出されたのだった。




次の話からはイチャコラなんやらですかね。
では次回。
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