燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

291 / 318
バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

アンケートやってます。皆様ドシドシご投票くださいませ。

ヒロイン案募集中でございます。こちらまで。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287598&uid=273231

見たい話、読みたい絡みなどがあれば是非アイデアをください。
リクエストBOXはこちらです。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=294959&uid=273231


第290話

「この力さえあれば、ルッチの野郎なんざ屁でもねえッ!!さぁ、カリファッ!!安心して死んで良い。ルッチも後を追うから…よッ!!」

 

次の瞬間、地面が軋む音と共に前へとロケットスタートを切るムーラン。

 

カリファは近づいてきたムーランへ咄嗟に黒化した腕をクロスしてガードするが、振り下ろされた獣の拳によって更に後ろへ吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!?」

 

カリファはヒールでその勢いを押し殺すが、即座に追撃としてムーランの横薙ぎの蹴りがカリファの腹部を捕らえた。

 

カリファは口から血混じりの空気を吐き出し、後ろへと吹き飛ぶ。瓦礫へとぶつかり、身体は止まった。

 

「ぐっ…ぐぐっ…!!」

 

「CP0はテメェを裏切った。海賊ごっこもやめにして、さっさと楽にした方がいいぜ?テメェの居場所なんざ、このお天道様の下にゃ一つもねぇんだからよォッ!!」

 

ムーランの合金のように硬い拳が壁の瓦礫ごとカリファを穿ち抜いた。

 

カリファの額からだらりと血が流れ、その場に崩れ落ちる。ムーランは歯を剥き出しにして、ニヤリと笑った。

 

「…じゃあ、とどめを刺してやるよ。カリファ。」

 

「カリファさんッ!!」

 

「あ?小娘。」

 

後ろから聞こえるレベッカの声にムーランは目だけを後ろに向ける。覇気のプレッシャーにレベッカは押しつぶされそうな感覚を覚えていた。腕の痛みすらも忘れて、先程ムーランが手放した銃を両手で握っていた。震える身体を鼓舞しながら、銃口をムーランへと向ける。

 

しかし、ムーランがそれをやらせるわけがない。

 

「…ったく。死ぬ順番が変わっただけだっつうのによッ!!」

 

そう言ってムーランは口をガバッと開けた。

 

「『破斬咆哮(スラッシュロアー)』ッ!!」

 

耳を劈くようなフェンリルの咆哮があたりに響き渡る。咆哮と共に地面に亀裂が走り、地表がそのまま裂けた。岩壁は引っ剥がされ、レベッカへと咆哮に乗って斬撃が向かっていく。

 

「うっ!?」

 

レベッカの身体が斜めがけに裂けた。

後ろに跳んで避けていたのが功を奏したのか、斬撃は大きくも浅い。しかし、レベッカの額から太腿までの裂傷が出来上がった。だらりと垂れた血と共に、地面へと力無くレベッカの身体が落ちる。

 

「結局何にも出来なかったなぁッ!!」

 

銃も地面に落ち、レベッカになす術はない。…かと思われた。

 

キッと前を向くレベッカの目はまだ死んでいなかったのである。ムーランは下卑た笑みを浮かべながら、その様子を見ていた。軽んじていたのだ。

 

…目の前に投げ出されたものにムーランの目の色が分かりやすく変わる。

 

「何ッ!?どこにそんなものをッ!?グワァァァッ!?」

 

ムーランの目が焼けるような感触を味わった。

…閃光弾だ。目の前に眩いというには明るすぎる極光がムーランを襲った。ムーランは後ろにゆっくりと交代しながら、レベッカを右手の指の間から睨む。

 

「こんのクソガキがァァァッ!!」

 

怒りのままに声を上げるムーラン。

しかし…。

 

「ぐっ!?」

 

ムーランの右足に鋭い痛みが走った。直後、身体全身を襲う倦怠感。筋肉がだんだんと緩慢になっていくのをムーランは感じた。自身の身体から力が抜け、驕り高ぶっていた白狼は唯の人の姿へと戻っていく。

 

「が…ぁあ…!?…海楼石…だとぉッ!?」

 

その足に根元まで突き刺さるのは…海楼石の苦無だった。念の為と護身用にバンドラがカリファに渡していたのだ。顔の半分が赤色に染まるカリファがニヤリと笑う。

 

「…貴方は…ルッチには勝てない…。彼なら、こんな攻撃…っ…食らいやしなかったわ…。」

 

「ぐっ…俺が…あのクソ野郎にィ…劣ってるだとォッ!!」

 

痺れる腕でカリファの腕を掴むムーラン。その目は血走り、額には青筋が立っている。対して、カリファは苦無をムーランの足から抜けないように、突き刺したまま、力を込めていた。

 

「俺は…俺はなァ…!!」

 

「…ッ!?」

 

「…無能なくせにィ…一度失敗したくせにィッ!!ふんぞり帰って指示してるあのクソ野郎が…大っ嫌いなんだよォッ!!

 

歯を剥き出しにして、叫ぶムーラン。カリファは太ももに刺さった苦無を抜けないように腕に力を入れるカリファ。メガネはどこかへと飛んでいき、美しい金色の髪は乱れていた。歯を食いしばり、苦無の持ち手を手から血が流れ出んばかりに握っていた。

 

そして遂に…。

 

「ダラァァァァッ!!」

 

「ぐっ!?」

 

カリファが力負けしてしまった。

苦無を引き抜かれたカリファはそのまま横へと弾き飛ばされる。ムーランは青ざめた顔だったが、すぐさま回復するため、人獣型へと変化。黒化した爪でカリファを貫かんと地面を蹴り、そのまま下から突き上げる。

 

「消えろッ!!クソ女ァァァッ!!」

 

「…消えるのは…貴方よッ!!」

 

猫背の白狼男にその啖呵は嘲笑される。カリファには…秘策があった。見えないように身体を手で摩るカリファ。

 

「死ねぇッ!!」

 

「『グランド(アワー)』ッ!!」

 

「ッ!?」

 

カリファが何かを巻くように腕を払うと、ムーランを飲み込むように泡の波が迫り来る。

 

ムーランは歯を剥き出しにして、右手の爪を突き立てる。…その手にバチバチと電撃を纏い、迫り来る泡の壁に横一閃。

 

泡の壁は一瞬で氷壁へと変化、ピキピキと音を立てて、完全瓦解していく。雪崩の如く降り注ぐ氷塊によってもはや家とも呼べぬ…柱だった木、壁だった漆喰などの瓦礫の山のフィールドは白煙に包まれる。

 

「…見えてるぜェ?見聞色でよォッ!!『白氷刃(はくびしん)』ッ!!」

 

「『月歩』ッ!!」

 

下から上へと腕を振り上げるムーラン。爪からは冷気が漏れ出し、そのまま…5つの斬撃がカリファ目掛け、飛ぶ。包むと同時に氷壁をそり立たせるムーラン。

 

カリファは月歩で上へと飛び出、避けるも、その斬撃が太もも掠め、そこからパキパキと凍りつく。

 

「俺は超えてやるッ!!テメェも…あのクソルッチもッ!!この力は絶大だッ!!俺にテメェは倒せねえッ!!」

 

「ぐっ!!…『黒鞭(くろむち)(いばら)』ッ!!」

 

続いてはカリファ。

倒壊寸前の屋根の梁に鞭を絡め、そのままターザンロープの勢いで前へと飛ぶ。そして、下から上へと棘のついた鞭を勢いよく、振り切った。

 

「当たるわけねえだろうがッ!!」

 

ムーランはそれを横へと跳んで回避。しなった鞭が床を破壊し、白煙を撒き散らす。

 

「いい加減ッ!!ちまちま殺し合うのはやめようぜェッ!!テメェなんぞと殺し合うために俺はサイファーポールになったわけじゃねぇんだからよォッ!!」

 

空中でなすすべ無し、そのカリファへムーランは目の色を変え、人差し指を構え、指銃を構えた。カリファもそれに応えるかのように指銃を構える。

 

「『指銃・(クロガネ)』ッ!!」

 

「『指銃・飛梅(とびうめ)ッ!!」

 

方や動物系の重厚なる筋肉質な指を、方やしなやかで貫くことに特化した指。お互いの肩を捉え、そのまま突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ムーランとカリファ達が戦うその一幕。対岸にはもう一つ…サイファーポールの軍艦が来ていた。

 

「本当に消すのか?…ムーランの実は貴重じゃろ。」

 

「…実だけはな。だが、無能はサイファーポールには要らん。」

 

そこから降りてきたのは白いマントを身につけた仮面をつけた二人だった。マントを翻し、鼻の長い男…カクと会話をする肩に鳩を乗せた男…ルッチ。

 

「それはお主を嫌っているからじゃのうてか?」

 

「好き嫌いはどうでもいい。組織である以上、意見の合わないのは仕方のないことだ。…だが、カリファに負ければ話は別。」

 

仮面の奥で不敵な笑みを浮かべるルッチ。対岸には人一人おらず、潜入…および暗殺には絶好の環境であった。

 

「それに、ムーランはもともと狂犬のような男だ。顔を見られたのならまだしも、自身から顔を曝け出し、その場の全員を殺すまで止まらない。殺戮ならば天才級と言っていい。…少々頭に血が昇りやすいのが玉に瑕だけどな。」

 

「へぇ。よく見ているな。ワシにはただお前のことが嫌いな小僧にしか見えなかった。」

 

「任務に私情は要らん。」

 

そう言ってルッチはムーラン達の元へと向かおうと歩み出す。街を隠すかのように生える森はルッチ達に追い風となる。…その対岸さえ曝け出していなければ。

 

「「ッ!?」」

 

次の瞬間、二人の背筋に氷のような冷たい衝撃が走る。…心胆寒からしめるその覇気にルッチとカクはすぐに臨戦体制へとなる。

 

「…まさか、こんなところで五皇に出会うとは。」

 

「よう。お二人さん。」

 

…ルッチとカクはお面を放り投げ、前を見る。森林を抜けて街へと向かおうとしていた二人の道程を邪魔するように、二人の男女が立っていた。そこはほぼ唯一、正式な街への道だった。

 

「…なんの要件だ。天帝。」

 

「そりゃこっちの言葉だよ。」

 

飄々とした態度のバンドラ。その隣には既に剣を構えたスムージーの横でゆっくりと進化した狂骨を引き抜く。元より銀色に輝いていた刃は唐紅に染まっていた。

 

「アイツはな。カリファは変わろうと頑張ってんだ。…その人間の可能性を潰すなよ。アイツに手ェ出すなら、俺に一言断っといてもらおうか。」

 

「…チッ。ことを構えようってのか。」

 

ルッチとカクの額から汗が流れる。

その力の差は歴然。何せ相手は現五皇と同じく五皇ビックマムの幹部の中の将星。無傷で勝とうなど不可能。

 

「…済まないな。お前から貰ったこのリング、早々に傷つけてしまう。」

 

「そんなもん、いくらでも買ってやるさ。さっさとコイツらと仲間崩してよォ…続きしようぜ?スムージー。」

 

「ふっ…。ぶれぬな。バカバンドラ。」

 

そう言うものの、スムージーは微笑んでいた。きらりと光り輝く左手のピンク色のリングを見て、バンドラもニヤリと笑う。

 

「…作戦は固まったか。」

 

人獣型になったルッチが雑談をする二人を静かに睨む。カクもその横で人獣型へとなり、上から見ていた。流石にニヤリと笑う余裕はないようである。

 

「さぁてと。久々にやりますか。」

 

「あまりいじめてやるなよ?…小動物どもが可哀想だ。」

 

そう言って二人は剣先をルッチ達に向けた。




次回、決着。カリファとレベッカは生きられるのか。
カクとルッチは生きて帰れるのか。

では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
  • レベッカ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。