燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

292 / 318
バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

アンケートやってます。皆様ドシドシご投票くださいませ。

ヒロイン案募集中でございます。こちらまで。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287598&uid=273231

見たい話、読みたい絡みなどがあれば是非アイデアをください。
リクエストBOXはこちらです。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=294959&uid=273231



第291話

「…ッ!!」

 

ルッチが地面を蹴り、前へと飛ぶ。

逆三角形のヒョウの背筋から筋肉と血管が隆起する。ルッチの剛腕が後ろに一度退き、そのまま反動を使い、人差し指を前のバンドラへと突き出した。

 

「『指銃』ッ!!」

 

しかし、その爪が指が、バンドラの身体を貫き、肉を食むことはなかった。バンドラがそれを右手で掴み、食い止めたのである。

 

「ッ!?」

 

ルッチはすぐさま手を引き抜こうとするが、抜けない。バンドラはニヤリと笑っていた。左腕で狂骨を振り上げる。…回避不能の一撃。

 

「お返しだ。」

 

「グハッ!?」

 

ルッチの胸を上から下へ裂く一撃。

持ち前の回復能力と筋肉で受け止めたものの、気を失いそうなほどの痛みを感じた。直後、ルッチの手がバンドラから離され、腹部に蹴りが入った。

 

「ごふっ!?」

 

ルッチはよろよろと後ろへとよろめく。

歯を剥き出しにして、バンドラを睨むルッチ。バンドラはニヤリと笑い、狂骨を構える。

 

「済まないな。…程度のわからぬ卑怯者にはこちらも卑怯で応えるんだ。それが礼儀だよ。」

 

「カクッ!!」

 

ルッチの言葉と共にカクがスムージーの前から消える。直後、カクが向かうのはバンドラの背後。斜めがけに白鞘を振りかざす。

 

「…おっと。私を振るとは。しらけるじゃないか。」

 

しかし、そんな様子を見てもスムージーは微笑を湛えた。スムージーの剣に纏われる水分。それをスムージーは上から下へと振り下ろす。

 

「ぐっ!?」

 

直後、カクの背中に縦の切り傷が現れる。

カクは顔を顰めるも、進み続ける。白鞘がバンドラの首筋を捉え、しめたとそのまま振り下ろすが…。

 

カキンッという音と共に、白鞘が砕け散った。

 

「なっ!?鋼鉄よりもこの男の首は…硬いということか…ッ!?」

 

バンドラはそのままカクの首を右手で掴む。その直後、宙を舞うカクの体。地面に背中が当たった瞬間、カクの身体に衝撃が走った。

 

「ごふあッ!?」

 

「チッ!?」

 

「『狼煙無影脚(ベビースモーカー)』」

 

次の瞬間、ルッチの目が捉えていたバンドラの身体が…煙のようになって消えた。見聞色を使えば、ルッチを中心にバンドラの存在感が円を描くように広がっていた。見聞色は当てにならない。そう考えたルッチとカクはやたらめったらに足先から斬撃を振るう。

 

「「『嵐脚』」」

 

「…それじゃあ、当たらない。」

 

そう言うと一気にルッチの前へと進むバンドラ。バンドラの軌跡には水色の電気が描いていた。瞬きをしていれば、バンドラが進んだことなどわからないだろう。

 

「ッ!?」

 

ルッチも目を疑った。

しかし、突如、ルッチを襲ったのは頭に何かが落ちた衝撃のみ。

 

そのまま後ろへと吹き飛んでいく。ルッチに回し蹴りを終えたバンドラがニヤリと笑う。

 

「グッ!?…ぐぅ!?グハァッ!!」

 

木を薙ぎ倒し、壁に激突するルッチ。口から血を吐きながらも、その壁を足で蹴り、バンドラに向かって飛ぶ。

 

ヒョウの爪がバンドラの頬を狙う。

 

「ぐっ!?」

 

「飛んで火に入る夏のヒョウだッ!!」

 

バンドラはルッチの体の下を滑って潜り抜けると同時に、ルッチの足を掴み、地面へと叩きつけた。

 

ルッチの身体が地面に触れた瞬間、空間が揺れ、地面が大きく凹む。バンドラはその反動で空中へと飛ぶ。

 

「悪いな、スムージーッ!!お前の出番はなさそうだッ!!」

 

「もう勝った気か!?天帝ッ!!『嵐脚・周断』ッ!!」

 

クルクルと駒のように回転し出し、まるでブレイクダンサーのように動きながら、巨大な鎌風を発生させるカク。

 

バンドラは狂気的に笑いながら、空中で狂骨を握る。

 

「2度と抗えねえよう、その刃…焦がしてやんよッ!!」

 

狂骨の刀身に炎が渦巻く。

赤い…いや、紫色の炎が伸びていく狂骨の刀身を覆い、空間をバチバチと赤黒い雷が放電する。

 

その刃の長さは軍艦一隻を優に超えていた。

 

「なっ!?どうやって避けろと…ッ!?」

 

「受け止めるしか…ッ!!」

 

ルッチとカクは避けずに受け止める構えを取る。

 

「『黄昏三日月(たそがれみかづき)』」

 

上から振り下ろされる炎上刃。

ルッチとカクの顔を赤く照らす。地面と刃が接触した瞬間、その海岸とルッチ達は爆散した炎に巻かれ、海と空は大きく割れた。

 

シュタッと降り立ったバンドラ。

炎が消えるとそこには焦げたルッチとカクが倒れていた。バンドラの横にスムージーがスタスタと歩いてくる。

 

「生半可な覚悟じゃあ受け止められねえよ。…もうアイツに手ェ出すな。」

 

下に倒れるルッチに冷ややかにそう言い放つバンドラ。ルッチはうつ伏せに倒れながらも、苦々しく表情を歪める。

 

「…さて、あとはカリファの方か。」

 

「どうする。とどめを指しておいた方が先決だが。」

 

狂骨を収めたバンドラにスムージーがそう言った。その手に持った剣は何の躊躇もなく、目の前に倒れる彼らの命火を絶やさんとしていた。バンドラは首を横に振る。

 

「必要ねえ。海軍ともケリつけてねえのに、その上まで相手できるか。それに…コイツらを殺ったところで上で踏ん反り返ってるクソジジイどもはなんの痛手も喰らわねえ。…敵に回す方がリスキーだ。」

 

「…なにを。来たらお前が追い返せばいいだけじゃないか。」

 

「俺が守れる範囲も限られてるしな。…無論、今回のように俺の仲間に手を出せば…殺す以上の苦悶を与える。」

 

そう言ったバンドラの顔は少し儚く悲しげであった。スムージーはもう何も言わずに…そうか…と一言つぶやくのみ。ルッチはバンドラをキッと睨みながら、口を開く。

 

「…もう遅い。世界ッ…政府は…ワザワザの…実と…貴様をッ…目の敵にしている…。」

 

「…へぇ。難儀なもんだね。」

 

ゴール・D・ロジャーもとい、白ひげの息子たるエース、シャンクスの娘たるウタを匿っている挙句、まだ認知されていないにせよ、ネフェルタリ・ビビを仲間にし、天竜人を殺している。

 

海賊、海軍、世界政府上層部からも狙われる立場となったバンドラは当初の平穏なウタやヤマト達との生活に戻れやしないと目を閉じた。

 

「…そうだな。俺は狙ってくれてもいい。でもな。…もう俺の仲間は弱くない。俺一人を狙う方が…楽かもよ?」

 

飄々とする態度とは裏腹に表情は凍りついたように厳しいものだった。ルッチはその顔を最後に意識を手放す。バンドラはカクとルッチを船に放り投げると、そのまま踵を返すように歩いて行った。スムージーもその背を追いかけるように歩く。

 

「…カリファのところへ行くのか。」

 

そう問いかけるスムージーにバンドラはタバコを口に咥えてニヤリと笑う。

 

「安心しな。…向こうはもう終わってるよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルッチ・カク対バンドラの少し前。

 

腕から血が滴り落ちるカリファは目の前のムーランをギロリと睨んでいた。限界も近いのか、ハァ…ハァ…と息を正すカリファ。対してムーランはニヤリと笑っていた。

 

「見ろよッ!!動物系の回復能力ッ!!お前は俺に傷一つつけられやしねえッ!!お前の負けは確定だッ!!諦めろッ!!カリファァァァァッ!!」

 

「…それだけ?」

 

「は?」

 

…誰が見てもボロボロだった。

ムーランはその目でカリファを捉える。驚き…それしかムーランは感じていなかった。肩に風穴開けて…細い腕からは血を垂らしながら、乱れた金色の髪すら気にせず、所々焼けこげた服すら気にせず…ただ鞭を構えて、ギロリと睨むカリファにムーランは心底憤りを感じていた。

 

「…貴方は…ルッチに劣ってる。どうせ、能力だけで貴方は自信をつけていたのでしょう。どんなに強い能力でも磨き続けなきゃ…強くない。貴方はその点ではルッチに負けてるわ。」

 

「…何が言いてえ?」

 

「ルッチはね。殺しのためならなんだってするの。貴方ができないような潜入だって…。貴方みたいに本能じゃ生きちゃいない。…それを目の当たりにしてきた私を貴方が超えられるとでも思って?貴方がやってるのは、ただの…現実逃避よッ!!」

 

「…黙れェッ!!」

 

その瞬間、ムーランの嵐脚がカリファに向かって飛んだ。

 

地面を砕きながら、突き進んでいく斬波はカリファに向かって縦に飛んでいく。

 

カリファはそれを黒化した鞭で横へ弾き、ムーランへと間合いを詰める。

 

ムーランは眼前まで迫ってくるカリファを見てニヤリと笑うと、鋭利な黒色の爪をカリファの首目掛けて伸ばす。

 

「どれだけ足掻こうが、テメェが俺に勝てる道理はねえんだよッ!!テメェの次はクソルッチだッ!!このルッチの厄介オタクがよォッ!!」

 

「私に近づいてきた、貴方の負けだわッ!!」

 

「ッ!?」

 

ムーランとカリファの間で巨大なシャボンが膨れ上がる。それを見て、ムーランの顔がわかりやすく青ざめた。中には大量の泡。泡が多すぎて、もはや真白に見える。

 

「武装硬化した私の泡は破れないッ!!」

 

「まさか…テメェの狙いは…ッ!!ぐっ!?」

 

ムーランはそのまま身体を捻り、一度距離を離そうと飛ぶ。…しかし、その判断は一歩遅かった。次に笑うはカリファの方。泡に手を当て、前へと飛ばす。

 

「『泡使い(バブルマスター)“泡手裏剣”』ッ!!」

 

そのまま大きく破裂した泡の衝撃により、中にあった大量の泡という泡が前へと吹き飛ばされる。…その中には海楼石で作られた大量の苦無が。

 

「ッ!?」

 

泡によって足の動きを取られ、前へと動かないムーランの背に大量に刺さる苦無。その刃は皮膚に刺さり、肉を抉り、動きを止める。

 

「今よッ!!レベッカッ!!」

 

「はいッ!!」

 

レベッカは使えなくなった右腕の代わりに、左手で剣を握る。そのまま一足飛びでムーランの前へと走り込み、剣を大きく振り上げる。

 

「ぐっ…!?小娘…どもがァッ…!!」

 

「『雷の小刀(トゥルエノスワード)』ォ〜ッ!!私たちの…勝ちだァァッ!!」

 

「グハァァァッ!?」

 

そのままムーランの身体を大きく切り裂くレベッカの剣。信念と家族を助けたい思いを塊にし、放った全力の一撃は放ったレベッカ自身の身体が前のめりに倒れるほどの衝撃だった。

 

縦薙に振るわれた唐竹割りはムーランの胸を縦に切り裂いていた。

 

そのまま大の字に前へと倒れるムーランを尻目にカリファは肩を押さえてレベッカへと駆け寄った。




次回でムーラン編は終わりです。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
  • レベッカ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。