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「フンッ!!」
バラックは地面を蹴り、全身。サンダーソニアは髪を蛇の形にして前へと伸ばす。
バラックはそれを地面を滑ることで避ける。
そのままサンダーソニアとの間合いをつめた。
「ッ!?」
「妹をやられて激昂したか。だが、見聞色を蔑ろにするとは…。少し買い被りすぎたッ!!」
バラックはそのままハルバードの槍の方を向け、前へと突き刺す。
それはサンダーソニアの右肩の肉をかすめ、喰んだ。…しかし。
「むっ!?」
サンダーソニアはその隙を狙っていた。ハルバードの持ち手に髪を絡め、そのままバラックの手から外そうとするが…バラックの握力の強さによりハルバードごと空中を舞った。
「そのまま飛んでけッ!!」
肩を押さえるサンダーソニア。
髪でそのままバラックを崖下へと投げ捨てようとする。しかし…。
「何度も無意味なことを…。」
バラックは冷静にその髪を焼き払おうと右手に力を入れる。…その時だった。
バラックの身体を狙って、弓矢が放たれたのだ。
「むっ!?」
バラックは一瞬、それに気を取られる。一つ一つが微弱ながら武装色を纏った矢だ。自然とそれを左腕を振り、払ってしまう。
その一瞬、たった一瞬を狙い、サンダーソニアは崖下へとバラックを投げ落とした。
「…問題ない。」
下へと落ちる数分間、バラックは冷静だった。
バラックは下へと落ちるも、右掌で受け身を取り、そのまま元いた場所へ飛び上がって戻ろうとしていた。
「…ぬっ。」
しかし、すでにサンダーソニア達の策中だった。立ち上がった瞬間、バラックの視界はとてつもない極光に包まれる。
…地雷だ。サンダーソニアとマリーゴールドが2人で相手している中、何があっても良いように地雷を敷き詰めていたのである。
とてつもない光、そして熱がバラックを襲う。一個が爆発した瞬間、森だった場所の半分を埋め尽くすほどの連鎖爆発。耳を劈くほどの爆音が離れているサンダーソニアにも聞こえた。
「油断をするなッ!!撃てッ!!」
サンダーソニアのその声に海上からは大砲が、崖からは投石機による投石が行われる。
地面に着弾した途端、爆風と砂塵が空間を埋める。止めなく続く攻撃の嵐。もはや、集中砲火により、森一帯が消え去ろうとしていた。
「…もはや、生きていないかと。」
血だらけのサンダーソニアのところに1人の戦士が訪れる。サンダーソニアも見聞色の覇気で気取れないことから、バラックが死んだことを確認し、安堵から息を吐いた。
その瞬間、サンダーソニアの身体から一気に力が抜ける。
マリーゴールドに隠れていたものの、サンダーソニアも限界だった。血を流しすぎていたのだ。
「サンダーソニア様ッ!!」
戦士の1人が倒れるサンダーソニアの身体を支える。
「…もう、殺したかしら。」
「ええ。あれで生きていることは無いと思われます。」
その戦士の声にサンダーソニアは安堵の息をまた吐いた。砂塵が去った森だった場所は木々は無く、大きなクレーターが3つ4つ出来ており、島の森の半分が無くなっていた。少なくとも人があの爆発に巻き込まれていれば、ほぼ死んでいただろう。もっと使えば、女ヶ島が沈んでいた。…そんな爆発だったのだ。
「…一度、傷を癒しましょう。」
「ええ。」
…サンダーソニアは…いや、女ヶ島は侵入者に勝った。その安心感からか、崖から背を向けた。…その時だった。
…戦士の胸をハルバードが貫いたのは。
「…ゴフッ…。」
「…え?」
肩を貸す女ヶ島の戦士の口から血が吹き出す。その現実にサンダーソニアは目を疑った。だんだんと温もりがなくなり、そのままハルバードが引き抜かれた拍子に、前へと倒れる。
次にサンダーソニアの背中を焼きつくような痛みが走る。
が、咄嗟にサンダーソニアは避け、前へと身体を転がした。…右肩から左脇腹にかけて、背中が浅くも袈裟に裂けていた。
「…なんで…!?」
「…戦士とはかくも狡猾なものだったか。いや、或いは力の差に知恵を絞ったか。いい…いいぞ。…ただ、少し遅かった。」
そこに居たのは…大爆発と投石、大砲の波状攻撃の中、生存した…ローズド・バラックの姿だった。手に持つハルバードには血が付着し、上半身に纏っていた服は焼き焦げ、もはや肌が見えている。バラックは服を左手で掴み、破り捨てた。
すると…六つに割れた起伏の激しい腹部とまさに逆三角形というべき裸体が露わとなる。首の骨をコキコキと鳴らし、額から流れる血を左手の親指で拭う。
「俺の体が空を舞っている所を投石と大砲で攻め、爆発に巻き込めばまだ一縷の望みはあった。だが、爆発の瞬間、着弾の瞬間…それぞれの僅かな隙がこの現状を作った。ひとえに貴様らの未熟さのせい。…故に惜しい。もう少しで負けてやれたのに。」
「…負けてやれた…?何を…。」
「負けるということは己が限界を知るということ。その限界を知り、突き詰めたもののみ。更に強くなれる権利が与えられるのだ。」
ニヤリと笑い、そう言うバラック。しかし、サンダーソニアにはわからなかった。負ければ死ぬ。…死ぬのに強くなる権利とはなんなのか…と。
「負ければ…死ぬのよ?なんで…。」
「…死ねれば良いな。俺は頭の狂った科学者に作られた…不死身生命体。何年もの月日を重ねて作り出した化け物。それが俺だ。…だからこそ、俺は知りたい。強さとは何かを。さぁ、殺し合おう。女。お前は我が踏み台となるのだッ!!」
狡猾そうにそう言うバラック。
久方ぶりに血を流したことがとても嬉しかったのだろう。大きく縦に振り上げるハルバードにサンダーソニアは死を見た。…ここまでかという恐怖。姉に対する謝罪。任せてもらったのに…というもの。
サンダーソニアは振り下ろされるその瞬間を見て、目を瞑った。…その次の瞬間だった。
「『
「…ぬっ!?」
ピンク色のハートの弾丸が、バラックの左肩の肉を少し食んだのだ。それによって、バラックは右側へと少し飛んで、背後を見る。
直後、とてつもない勢いで迫ってくる何か。
バラックはハルバードの持ち手でそれを咄嗟にガードする。まるで金属がかち合ったように火花が周りに散った。
「…蹴りでこのハルバードに相対するか…流石は七武海ッ!!」
「…妾の居ぬ間に随分好き勝手してくれたのぅ…。貴様は生かして帰すわけにはいかぬッ!!この下郎がッ!!」
妹達、そして領土を荒らされた九蛇の女王はその顔の美しさすらも忘れ、その額に青筋を立てて怒っていた。対するバラックの顔は笑み。強者と相対することで自身の付加価値を再度確認することができるとまるで少年のように胸を高鳴らせていた。
「聞きしに勝る九蛇の覇気。肌にピンピン感じるぞ。…故に惜しい。お前をこの手で葬らねばならぬことを。」
「…寝言は寝て言うが良い。妾は負けぬ。背に妾の妹らを背負って…負けるわけにはいかないのだ!!」
そう言うと地面を軋む勢いで地面を蹴り、ロケットスタートを切るハンコック。
そのままバラックの右側頭部狙うように足刀を繰り出す。引き締まった足から繰り出されるその一撃はまさに剣豪の斬撃のように、簡単に見切れるものではない。
バラックはそれに対して、ハルバードを縦にし、その持ち手でガード。方や鉄、方や足というのにまるで金属同時のぶつかり合いのような甲高い音が聞こえた。
「フンッ!!」
直後、ハンコックは回転し、足を変え、左足による蹴りをバラックの脇腹へとねじ込む。
バラックはそれをモロに食らう。脇腹からはたらりと血が流れていた。が、倒れもたじろぎも慄きもしない。
バラックは近づいたハンコックの足を狙い、ハルバードを振り下ろす。
ハンコックはすぐに足を納め、後ろへと跳び、避けた。ハルバードは地面を穿ち、ドシンッという低い低音を奏でる。
「『メロメロ
距離をとったところでハンコックは自身の手をハート型にし、バラックへとかざす。
しかし、バラックは石化しない。それどころか、バラックはハンコックへ猛進。ハルバードを横薙ぎし、振り抜いた。
ハンコックはそれを下に身体を屈め、避ける。少しだけハンコックの髪が切れ、宙を待った。
ハンコックはそのままバラックに足払いをかける。
バラックは地面に転がったものの、そのまま受け身を取り、立ち上がるとハルバードの槍の部分をハンコックへ突き刺すように前へと出した。
ハンコックはそれを横に跳んで避けた。
「妾の美貌に惚れぬとは。…貴様、本当に男か。」
「…俺を滾らせるのは戦闘のみ。強き者と戦い、己が汗と血肉を散らす。命火を消す戦場でこそ、俺の生きている価値を感じさせる。故に女にうつつを抜かすなどあり得やしない。ボア・ハンコック。…くだらぬ技などもう飽きた。我が覇道の礎となるがいいッ!!」
「…何を言う。妾にはやることがあるのじゃ。あの男を完全に惚れさせるまでは死ぬわけにはいかぬゆえッ!!」
そう言ってハンコックは地面を蹴り、再度、蹴りをバラックの顔面目掛けてねじ込んだ。
バラックは時間がかかればかかるほど相手の攻撃に対応する猛者です。対して、ハンコックは七武海に選ばれるほどの猛者。両者無傷とはいかないでしょう。バンドラが到着するか…。
魚人島もそろそろ書きたいですね。エースとルフィの合流。僕、一番好きです。火拳銃。技としてもかっこいいし、エースの意思を継ぐという背景もかっこいい。今回はどうなることやら。では。
スッ…
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