燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バラック編、最終回…?


第305話

ビュンッ…という音と共に、刹那、ハンコックがバラックの懐を…取る。

 

上空を蹴るが如く、撃たれた蹴撃は太いバラックの首筋を捉える。

 

「…ッ!!」

 

バラックはハンコックを打ち払うが如く、横薙ぎにハルバードを振るう。

 

ハンコックはそれを回避。後ろへ飛び、愛蛇…サロメの背に乗った。

 

首筋を確かめるバラック。…僅かに血が滲んでいる。

 

「…素晴らしい。これが七武海の実力。」

 

そう言いながら、三日月型に口を曲げ、笑うバラック。直後、バラックは地面を蹴り、上空へと跳ぶ。その跳躍に地面は耐えきれず、半球型に地面は割れ、凹んだ。

 

ハンコックは投げキッスで大きなハートの塊を作り出すと、それを弓のように引き絞った。

 

「『虜の矢(スレイブ・アロー)』」

 

放たれたるはハートのピンク色の矢。

 

バラックはそれをハルバードの横振りで全て弾く。

 

そのまま着地するバラック。その瞬間、地響きがあたりに響き渡る。まるで島がごと揺れたような感覚…。ハンコックはサロメから落ちるも、空で体勢を立て直し、着地する。

 

「…妾を落とすほどの剛力。ただの筋力バカめが。…じゃが、恐るるに足りん。」

 

直後、ハンコックが放つは銃キス。

 

ピンクの銃弾が迫り来るバラックの身体を着々と削いでいった。が、バラックはそんなもの意にも返さず、ハンコックへと向かっていく。

 

「貴様の弾丸では俺の心臓をとらえることは不可能だッ!!」

 

そう言いながらハルバードの持ち手の先端を握り、思いっきり横一閃に振り抜く。

 

先程とはリーチが変わり、まるで刃先が拡張したかのように見えた。そのハルバードの刃はハンコックの胴を分つように振るわれる。

 

しかし、ハンコックはそれを後ろに跳んで避けた。

 

「貴様の攻撃などお見通しよ。単純な力技しかできぬ下賎に妾を捕らえるなど不可能…。」

 

…しかし、バラックの攻撃は終わっていない。

刃はハンコックのいた場所の直前で止まり…なんと、そのまま槍の部分を突き出してきたのだ。

 

「ッ!?」

 

ハンコックはそれを咄嗟に回避。しかし、ハンコックの脇腹は浅くも裂傷を作り出し、血が少ないながらも下へと垂れていた。

 

ハンコックはそれを見た瞬間…冷たい睨みをバラックへと向けた。

 

「…今のが妾につけられる最後の傷よ。」

 

「さぁ。それはどうか…なッ!!」

 

地面を蹴り、足を爆発させ、前へと進むバラック。瞬きをしている間にハンコックとの距離はゼロに迫る。

 

しかし、ハンコックは驚くこともせず、身体を捻り、右足をバラックの頭部に突き刺すように回し蹴りを放つ。

 

バラックはそれを…しゃがんで回避。そのまま足を伸ばし、ハンコックへ足払いをかける。

 

が、ハンコックはそれを跳んで回避。そのまま足を伸ばし、バラックの顔面を蹴り抜いた。

 

「ガッ!?」

 

バラックの顔面に衝撃が走る。鼻、口からは少しの出血…しかし、バラックは笑みを崩さない。

 

「ぐっ!?」

 

ハンコックは顔を顰める。

…ハンコックはここぞとばかりに放った飛び蹴りは意識を刈り取るはずのもの。しかし、バラックはその脚を…掴んで笑って立っていたのである。

 

「隙を見せたな。七武海。」

 

「くっ!?」

 

そのままバラックは…ハンコックの身体を地面へと叩きつけようとした。…しかし、次の瞬間、バラックの左手にハンコックのもう一方の足の踵落としが入る。

 

「ぐっ!?」

 

その痛みにバラックの手が一瞬緩む。

地面へと叩きつけられるものの、その一撃は地面を割るほどの火力はなく、ハンコックはすぐに立ち直した。

 

「やるなぁ。ボア・ハンコック。…普通なら背骨が砕け散っていた。」

 

「…ふざけるな。妾をこのような姿にしておいて…万死に値する。」

 

…額から血を流しながらそう言うハンコック。怒りの形相を浮かべる彼女に対して、バラックはいまだに笑っていた。

 

「その血、右目が見えているのか?」

 

垂れ出た血がハンコックの右の視界を完全に切っていた。

 

「そんなものがどうしたッ!!そんなことをしないと妾に勝てぬのかッ!!」

 

そう言いながら、次はハンコックが地面を蹴り、バラックに何度目かの足刀を放つ。それはバラックのこめかみを狙っていたが…。

 

「『灼光炎(しゃっこうえん)』ッ!!」

 

バラックはハルバードを一度、離し、ハンコックの目の前で猫騙しを打つ。ただの猫騙しかと思いきや、それはハンコックの目の前で閃光弾のように光を放った。

 

視界を奪う閃光。目を焼き尽くすそれをハンコックはモロに食らい、視界を完全に無くしてしまう。

 

「『爆焦(ばくしょう)(しゅう)』ッ!!」

 

「ぐふっ!?」

 

ハンコックの腹を逆に蹴るバラック。放たれた側蹴はハンコックの腹部に当たった瞬間、爆発する。

 

ハンコックはそのまま黒煙に巻かれながら、吹き飛んでいく。地面を転がり、血を撒き散らしながら、倒れるハンコック。その美しいドレスはところどころが焼けこげており、額、口から血を流し、身体には火傷と爆傷が多数。流石のハンコックでももうボロボロだった。

 

「さすがだ。七武海。ボア・ハンコック。俺が血を流すなど、何年…いや、何十年ぶりか。女だと思って舐めていたが、存外楽しめた。」

 

「そ、そんな…姉様…。」

 

バラックはハルバードを構え、トドメを刺そうとハンコックへと近づく。ハンコックはピクリとも動かない。

 

「…終わりだッ!!」

 

バラックは上からハルバードを振り下ろす。サンダーソニアは目を閉じた。その魔手がハンコックを両断する…と思ったからだ。

 

…しかし。

 

「ぬぐあっ!?」

 

上がるのはバラックの声。

 

サンダーソニアは目を開く。一縷の望みを託して。…その願いは届いたようで、サンダーソニアが見たのは。

 

「ぐっ!?」

 

宙を舞うハルバード。驚くバラック。そして…それを蹴り上げるボア・ハンコック。額や太ももから血を流してなお、立ち上がるその姿は泥臭くも美しかった。

 

ハルバードが地面へと突き刺さる。

 

バラックはそのハンコックへ右拳を捩じ込むが、ハンコックはそれを避ける。

 

カウンターとして、バラックの右脇腹を穿ち抜く蹴撃。側蹴にバラックは一瞬、ゆらりと体が揺れる。

 

体勢が乱れたバラックへ追撃として、顎を蹴り上げるハンコック。

 

その一撃でバラックは地面に膝をつく。

 

「ぐっ!?…まだ舞えるか…!!」

 

「ぐふっ…このような傷…如きで…妾が倒れるわけにはいかぬ…!!」

 

そのハンコックから漏れ出る覇気は傷だらけの海賊が出して良いものではなかった。見ていたサンダーソニアを心胆から寒からしめるほどの殺気と覇王色の覇気。その姿からは女帝の覚悟が見受けられた。

 

バラックは身体を転がし、立ち上がる。

 

だが、そのバラックの腹部へ強烈な側蹴が突き刺さった。

 

「ゴフッ!?」

 

バラックは血を吐きながら、地面を滑る。足は付き、体は地面に転がっていないものの大きくバラックは突き放された。

 

「…ぐぅぅぅ…!!クックックッ!!死にかけの奴が出して良い蹴りじゃないなぁ…!!腹が爆ぜたぞ…!!ごふっ…!!」

 

「…なおも笑うか…。」

 

バラックは腹を撫でて、笑う。その痛みがバラックに生きているという心地よさを感じさせたのだ。ハンコックは今度こそ、バラックから視界を切らない。得物をなくし、視界が揺らぐバラック。対して、もはや、立つことでやっとのハンコック。

 

僅差でバラックが優勢であるものの、両者ともボロボロには違いなかった。しかし…。

 

「むっ…。」

 

バラックは見聞色の覇気を使い、奥からとてつもない覇気の持ち主とそれには劣るもののハンコックと同じかそれ以上の覇気を持つ者が近づいていることに気づいた。

 

「…これ以上は長居は無用か。」

 

バラックはそう言うと地面を蹴り、ハルバードの方へと跳ぶ。ハルバードを掴み、バラックはハンコックに背を向けた。

 

「貴様…!!逃げる気か…!!」

 

「…本来ならば、此処で貴様を亡き者にするが筋。しかし、貴様との戦いは存外楽しく、更には今来ている者は五皇…バンドラともう1人。おそらく、ビッグマム海賊団の手の者。…そんな強さのものは万全の状態で戦らねば、失礼に値する。ここは逃げさせてもらおう。…さらばだ。」

 

そう言い、バラックは海岸の方へと歩いて行った。すぐに追おうとしたハンコックだったが…。

 

「ぐ…おっ…。」

 

もはや、限界だったのか、その場に前のめりになって倒れる。暗くなる視界の向こうでサンダーソニアの呼ぶ声がハンコックの耳には聞こえていた。そうして…ハンコックは意識を手放した。




主要キャラを殺すことは出来なかった私…そろそろしてみたいなぁ…。とはいえ、話がまだ作れるうちはないかなぁと。ウタとか、モネとか、ヤマトとか…。

原作キャラを退場させるのは鬼にならなくちゃいかない。今回はどうか…。では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
  • レベッカ
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