燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第307話

一方その頃、魚人島。中央広場に向かうエースとヤマト。中央広場では新魚人海賊団と麦わらの一味の戦いが始まっていた。

 

エース達も合流し、バンドラの伝言を伝えるために向かう。しかし、そのエース達を取り囲むようにワラワラと人間のような…何かが現れた。

 

「なんだッ!!コイツらッ!!」

 

エースの火を纏った拳があるものに当たる。

それはまるでマネキンのような物体だった。節々がギコギコと動き、目はくり抜かれたかのように空洞で…そして、木目が至る所にあった。

 

ヤマトも躊躇なく、それに金棒を振り抜く。

 

しかし、それは壊れることなく、2人に向かっていくのである。

 

「『神火…不知火』ッ!!」

 

エースはそれに向かって後ろへ跳びながら炎の槍を二つ飛ばす。

 

そのマネキンの胸に突き刺さり、爆発。天高く爆炎が二つ上がる。

 

「一体なんなんだッ!?攻撃かっ!?」

 

「わからねえ…!!レイジュ達とも離れちまったッ!!」

 

その2人を取り囲むように…木のマネキンはギコギコと不気味に動く。

 

その手には槍、刀、斧など多数の武器を持っていた。まるで魚人島の戦いに彼らが参戦するのを遮るように。

 

エースは周りを見渡す。

 

「…こうなりゃやけだッ!!」

 

バンドラからの伝言を完遂するため、エースは地面を蹴り、前へと進む。

 

そのエースに対して、ワラワラと向かっていくマネキン達。しかし、エースはその一番前のマネキンに対して、足、脇腹、頭部を3連で蹴り、そのまま上空へと回りながら飛ぶ。

 

「ヤマトッ!!」

 

「応ッ!!」

 

エースの声にヤマトは答える。と共にヤマトは両手で金棒を構えて、足を広げ、腰を下ろす。

 

「『鳴鏑』ッ!!」

 

ヤマトが打つは飛ぶ打撃。

 

それによってワラワラと来たマネキン達はまるでボーリングのストライクのように倒れていく。

 

しかし、周りはマネキン達に囲まれている。躊躇なく、とめどなく溢れ出るマネキン達。

 

「エースッ!!」

 

「了解ッ!!『火拳』ッ!!」

 

ヤマトの声にエースは地面に火拳を打ち込む。

 

放たれた炎の一撃は地面を這い、周囲に円形に燃え広がっていく。

 

ヤマトはそれを飛んで回避、マネキン達はまるで濁流に飲まれるが如く、倒されていった。

 

「なんだったんだッ!!アイツらッ!!」

 

ヤマトとエースは再び、広場を目指して、走っていく。その影をただ見るものがその木の上に座っていた。…ソルトだ。

 

「…可哀想に。元々、人間だってこともわかってもらえなかったね。まぁ、でも当たり前か。海賊は一般市民を手にかけるものだ。自分の理想のために。」

 

そう言うと醜悪な笑みを浮かべる。容姿は幼子の少年…しかし、その顔は邪悪そのものだった。

 

「じゃあ、こんなのはどうかな。」

 

そう言うとパチンッと指を鳴らすソルト。エース達の背を目掛け、おもちゃの飛行機が猛進していく。

 

「「ッ!!」」

 

エースとヤマトはそれに反応。お互い、横に跳んで躱わす。…と同時、その機体にあるものが括り付けられていた。

 

「…爆弾ッ!?」

 

「踏ん張れッ!!ヤマトォッ!!」

 

ヤマトとエースは即座に自身の腕を黒く染める。クロスし、爆風から身体を守る寸法だった。

 

無慈悲にも爆弾は起爆。その機体は破裂し、業火がヤマトとエースを襲う。

 

「ドッカーンッ!!…いい響きじゃないだぁッ!!…ん?」

 

「何もんだッ!!テメェッ!!」

 

爆炎を隠れ蓑にして、エースが前へと出る。

 

その目はソルトを捕らえていた。飛び上がり、拳を引き、空を殴るように前へと突き出す。直後、ソルトのいる木の上半分を覆い尽くすほどの獄炎が前へと射出された。

 

「…ッ!?」

 

地面へと着地するエース。直後、エースに向かって、手裏剣が飛んできた。エースはそれを前にゆっくりと進みながら、見聞色の覇気で見極める。

 

「…味見には少し過ぎた真似かな?」

 

咄嗟に避けたのだろう。ソルトは髪を上に掻き上げ、前を恍惚な笑みで見る。まるで子どもが遊んでいるかのように。

 

「咄嗟の飛び道具も避ける!!さすがさすがっ!!…僕には過ぎた相手かな?」

 

パチパチと拍手をしながら、口角を三日月型に上げる。エースは前を睨みながら、拳を構えた。

 

「…テメェは一体。」

 

「天帝海賊団はこの場所にはいらないんだ。だから、ご退場願いたいんだぁ…!!クフフフッ!!」

 

懐に隠し持ったナイフがエースに向かって飛ばされる。

 

エースはそれを首を動かして、避ける。そのまま前へと飛び込み、ソルトの顔に蹴りを叩き込む。つま先がソルトの顔面を貫くかのように見えたそれは…。

 

「クフフフッ!!すごいねぇッ!!首から上が吹き飛びそうだ。」

 

ソルトによって容易く躱される。ソルトは上体を逸らし、その一撃を躱す。

 

エースは即座に足を元に戻すと、後ろへ跳び、距離を離す。

 

「『火拳』ッ!!」

 

エースは前に拳を突き出すと同時、地面を滑る炎がソルトを飲み込もうと燃え広がる。

 

「能ある鷹は爪を隠す。」

 

ソルトはそれを隣に倒れていたマネキンを盾にすることで、その火から身を隠し、自身を守った。

 

「ばぁっ!!」

 

次の瞬間、ソルトは焼けこげたマネキンを前に投げ飛ばし、屈託のない笑顔でエースの前へと出る。エースは距離を詰められたことを好機と読み、左拳をソルトの眼前まで突き出していた。

 

「危ないなぁ…そんなに僕のこと…嫌い?」

 

ソルトはなんとそれすらも見切り、頬の皮一枚切らせて微笑んでいた。エースはなおもそのソルトを睨み、拳を引き、追撃の右拳を捩じ込む。

 

しかし、ソルトはまるで踊りでも踊るかのように悠々とその一撃をサイドステップで避けて見せた。

 

「君の攻撃はもう見切ってる。僕、目がいいんだぁっ!!いいでしょ!?クフフフッ!!」

 

「…そうか、なら…これはどうだッ!!『神火 不知火』ッ!!」

 

エースはソルトに向かって炎の槍を一本投げる。

 

ソルトはそれをサイドステップで右に跳び、避けた。

 

「時間差で来る。浅知恵だぁぁぁっ!!」

 

もう一方の槍をエースが投げると同時、ソルトは散らかって倒れていたマネキンの首根っこを掴み、上に上げてガード。槍はマネキンの背面を貫き、止まった。

 

「僕にはどう足掻いても勝てな…ッ!?」

 

ソルトは笑みを浮かべてそのマネキンを横へと放り投げる。…しかし、ソルトは致命的なミスを犯した。自分の視界を遮ってしまった。故に…。

 

「それはどうかな。」

 

眼前まで瞬足で近づいたエースに気が付かなかった。

 

エースの拳は既にソルトの胸を狙い、突き出されていた途中だった。

 

「『火拳』ッ!!」

 

「ゴファァッ!!」

 

エースの拳はソルトの胸を凹ませ、そのままソルトを吹き飛ばした。ソルトの背後を貫通して、炎が射出される。

 

ソルトはそのまま勢いよく地面を滑り、吹き飛んでいった。

 

少し吹き飛んだ後、仰向けになって上を見るソルト。口からは血を吹き出していた。

 

「ゴフッ…。さすが…火拳のエース。…僕がこんな簡単にやられるなんて…。あぁ…口惜しや…。」

 

だんだんとソルトの声が小さく掠れていく。

エースはその様子をただ眺めるのみ。ヤマトがそのエースに近づく。マネキンが行動を止めたのだ。

 

「…キャプ…テ…ン…。僕は…ぼ、…くは…普通の…子どもに…なりたか…った…。」

 

「…死んだの?」

 

力無く目を閉じたソルトをエースとヤマトが眺める。目の際には涙の跡が一筋流れ、地面にぽたりと落ちた。ヤマトがエースに聞くとエースは首を縦に振る。

 

「…呆気なかった。こいつは一体…。」

 

「早くみんなの元に行かないとッ!!」

 

ヤマトのその声にエースははっとした。そうだ。行かなければならないとエースとヤマトは足を進める。エース達がその場を後にした…少し後だった。バラバラとソルトの身体が崩れ始める。そのソルトの体の近くに何者が近づいてくる。

 

「キャプテンから貰ったこれ…あんまり良くわかんなかったなぁ…。でも楽しかった!!」

 

そこに居たのはウネウネと動く虫を持った…なんとソルト本人だった。ソルトはその芋虫をぶちゅりと握りつぶすとケラケラと笑う。

 

「『擬態虫』貰っといてよかったぁ。…でも、火拳か。強かったなぁ。…今度は負けない。僕は麦わらも天帝も超えて…なるんだ。…海賊王に。」

 

低い声でそう言うとニヤリと笑い、その場を後にする。ソルトが立ち去った後にあったのは…焼けこげたり、潰されたりした死屍累々のみだった。




我慢できんかった。スマソ。

ホビホビの実を男の子が使ったら怪獣とか作れるのかな。シュガーがあんまりそう言うの好きじゃないからと予想。爆弾はオリジナル。そんなんでエース達が傷つくわけない。

因みに前々回のアレ、味方キャラを殺したいのではなく、絶望感が欲しいし、マンネリ化し出したからどうしようかなぁ…と。原作にない展開を作りたいのさー。なんてね。

本編よりも猛スピードでここは佳境。ホーディvsルフィ。そして、終戦後は…悲劇。では。

スッ…

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