燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

312 / 318
バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

アンケートやってます。皆様ドシドシご投票くださいませ。

ヒロイン案募集中でございます。こちらまで。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287598&uid=273231

見たい話、読みたい絡みなどがあれば是非アイデアをください。
リクエストBOXはこちらです。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=294959&uid=273231

※後半胸糞注意、温度差に気をつけてくださいませ。


第310話

…方舟ノア、船上。マグロディズマは酷く冷たい目で魚人島を見下ろしていた。

 

「ホーディくんには残念ですが、今回は見送りですね。なかなか良い人が居ません。我々も天帝海賊団との戦いに向け、駒と精鋭を揃える必要がある。」

 

そう言いながらマグロディズマはシャンパンの入ったグラスを傾けた。回る水面に映るのはマグロディズマを含む2人の陰。

 

「船長、戻ったよ。…あのサメさん、やっぱりダメだったんだ。」

 

きゃっきゃっと笑うソルト。その手にはおもちゃの人形を持ってガシガシと遊んでいた。子どもがよくやる戦いごっこだ。

 

「そうですねぇ。私も彼のポテンシャルには期待していたのですが…。やはり、我々3人…いえ、バラックくんも入れて4人で天帝海賊団を潰さねばなりませんね。」

 

「…恐縮です。」

 

小さく低い声があたりに広がる。

その男は茶色の着物を着た右目を塞いだ男だった。右目には一閃の傷がついている。

 

「ええ。…アカツキ。貴方には期待をしていますね。先ずは…天帝のいない間に歌姫を消してしまいましょう。」

 

「…歌姫に手を出せば応龍の逆鱗を撫でるのでは。」

 

一定の低さの声がゆっくりと響く。開けられた左目は光のない黒い瞳をしていた。マグロディズマはふっと笑う。

 

「逆ですよ。…この機を逃しては天帝の首に噛み付く機会はない。ベタな判断ですが、歌姫に危害を加えれば、冷静な天帝も怒り心頭のはず。そうなれば、天帝海賊団という個々の意識が強いだけの烏合の衆は勝手に内部瓦解を起こします。それぞれが…強すぎるあまりに、それぞれの“我”が強いあまりにね。」

 

アカツキ、そして、ソルトはマグロディズマの顔を見やる。不敵に笑う船長の顔はまるであくまでも乗り移ったのかのように見えた。

 

「…期待をしていますよ。我々の安寧のために。」

 

「くふふっ!!了解!!」

 

そう言うとソルトは闇に消えていった。

マグロディズマはアカツキの方を向く。赤と灰の混じった短髪が僅かに揺れていた。その男だけ“動”を感じないように。

 

「…21歳。まだ子ども。…手をかけろと申しますか。」

 

「ですが、貴方の嫌う海賊ですよ。インフルエンサーとしての実力もあり、少ない人員の天帝海賊団の人員を能力で補強しているのも彼女。…彼女がいなければ著しく天帝海賊団の力を削げます。…暗殺ならお得意でしょう?…大丈夫。…約束は“僕”が守るから。」

 

アカツキの耳元でそう囁くマグロディズマ。アカツキはその言葉を聞き、諦めたように決意を決めたように息を吐いた。

 

「…殺さないでいい。少し傷つけるだけだ。できるでしょう?」

 

「…。」

 

「僕の理想のためなんだ。わかってくれ。…僕が天竜人になれば、君の夢も叶えられる。」

 

アカツキの手を握り、そう言うマグロディズマ。

アカツキはわかっていた。…マグロディズマの言う言葉は100%心からのものではなくて、その半分以上は取り繕い。

 

「…ならば、天帝の拠点を見てくる…というのはどうか。」

 

「それにもはや意味はない。」

 

「左様。…だが、奴らのデータを手に入れることはできる。主様が奴らを攻略する手立てになるかと。」

 

膝をつき、そう言うアカツキにマグロディズマは目を向ける。アカツキの言葉は魅力的だった。マグロディズマはただ真正面から戦ってはバンドラというふざけた能力者には勝てないだろう。だからこそ、搦手が必要だったのだ。

 

「…貴方の能力ならすぐに行けるでしょう。期待してますよ。アカツキ。」

 

「感謝致します。」

 

そう言うとアカツキはまるでワープするかのように消えていった。1人になったマグロディズマはふっ…と息を吐く。

 

「…ミルフィー。…僕はどうしたらいいんだ。どうやら…戻れないところまで来てしまったよ。」

 

天を見てボソリと呟くマグロディズマ。上には真っ青な海面が見えるのみ。皮肉っぽく笑うとハエになって霧散していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…一件落着。新魚人海賊団は突然暴れ出したホーディの気絶により、バラバラ。幹部クラスも麦わらの一味と天帝海賊団連合軍により倒されたような。そこで開演するは王族しらほしに捧げる魚人が太陽の元に暮らせるという約束のその架け橋となるであろうウタのライブだった。

 

城の奥に控えるウタ。ウタの格好は今までとは違い、水色の水着に白いレースが付いたものだった。

 

「バンドラにも見て欲しかったよう。」

 

『ハッハッハッ。悪いな。こっちもこっちで急用だったもんで。』

 

聞こえるのは少し低めの青年の声。その声に安堵したのか、ウタの口元からふっと笑みが溢れる。

 

『緊張は。』

 

「するわけないじゃん。…バンドラがいない間、私は学んだんだ。カリーナさんが色々教えてくれたのっ!!…だから、より一層楽しく歌えるっ。」

 

『ふっ。その嬉しそうな声を聞けただけで儲けもんだ。』

 

「バンドラも見たかったでしょ?私のみ・ず・ぎ。」

 

そう言うとニヤリと笑うウタ。悪戯に笑っているのがわかっているようで、電伝虫は少し呆れたように笑みを浮かべていた。

 

『あぁ。…見たかったな。』

 

「今度見せたげるよ。バンドラは私の一番のファンなんだから。」

 

『当たり前だろ。…お前は俺にとっても娘みたいなもんだし。俺もシャンクスもお前の成長は嬉しいんだっ。』

 

その言葉にウタは少しだけ悲しげに笑う。

おそらくバンドラには悪気はなくて、バンドラは屈託のない笑顔を見せているだろう。ウタは踵でコンコンと地面を叩き、電伝虫を睨む。ウタの機嫌が悪くなった時の癖だった。

 

「いつまでも子ども扱いして。確かにハンコックやヤマトに比べるとナイスボディじゃないけどさ。私だって…もうちょっと女の子扱いして欲しいんだけど?」

 

『…バカ。』

 

苛立ち気味に放った言葉に返ってきたのは優しい声色だった。

 

『俺は別に女の子扱いしてねえわけじゃねえよ。ただ、お前は特別なんだよ。体つきだとか、んなもん関係ねえ。俺が愛した女に優劣なんざないんだよ。』

 

「特別って?」

 

『俺もお前のことは好きさ。でも、大事な最初の仲間だ。お前がいたから俺が皆んなと旅ができた。だから、いっときの感情で手を出して中途半端にしたくねえんだ。ヤマトもハンコックもロビンもナミも。…俺は一生をかけて償って守ってかなくちゃいけない。お前がシャンクスの元に戻れなくなるかもしれない。』

 

「…そこでシャンクスの名前出すなんて。なんか、ずるいよね。」

 

『…皆んな俺の家族みたいなもんだ。だが、バカな男たちと違って帰る場所がある。そこを守ってやりたいんだ。』

 

バンドラの言葉にウタは少し息を吐く。ライブ前とはこんなにも静かなものだったかと思わせるほど、静寂に満ちていた。

 

「それでも、言葉だけじゃなくて…なんか、なんかさ。欲しいじゃん。」

 

『無茶苦茶になったら後戻りできないよ。』

 

「それでいい。…世界中のライブ会場で歌う前に私はバンドラの隣にいたい。バンドラが勇気をくれるんだもん。」

 

『嬉しいこと言ってくれる。…もうすぐエレジアに戻る。ルエノルーヴに乗って、コーティングしてもらって一旦戻って来い。次に会ったらその時は…もう有耶無耶にはしない。』

 

その言葉にウタは胸が高鳴った。

月並みな言葉だが、それがとても嬉しかったのだろう。静かにはにかむウタ。何をされるかの恐怖よりもバンドラが自分を見てくれた嬉しさが募っていた。

 

「期待してるよ?船長。」

 

『あぁ。…だから、頑張ってこい。また聞かせてくれ。お前の歌を。』

 

「うんっ!!」

 

その言葉を最後にウタは電伝虫の受話器を置いた。

どくどくと心臓が激しく動くのはライブの緊張感なんかじゃない。ウタは椅子に腰をかけ、胸に手を当てふうっと一息つく。目の前の扉を開ければ、そこには王宮ベランダ。ウタの本日の会場があるからだ。

 

「よしっ!!行こうっ!!」

 

自身に言い聞かせるようにそう声高らかに言うウタ。椅子から立ち上がり、足を一歩進める。自身の久方ぶりの…ライブが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…はずだった。

 

「……え?」

 

下腹部の熱さにウタは思わず下を見る。自身の腹から生えた血塗れの刃がその現実を押し付けていた。ポタポタと落ちるのはインクやトマトジュースなんかではない。

 

「君ってさぁ。キラキラしててなんか嫌なんだよねぇ。殺しはしないよ。…ただ眠っててもらうだけさ。」

 

直後、引き抜かれる刃。

ウタの体は膝から崩れ落ちる。遅効性の痺れ薬が身体を駆け巡る。視界もだんだんとぼやけてきた。

 

「…貴方…は…一体…。」

 

「よかったね。…僕1人だったら…君は死んでる。船長命令は絶対だからね。じゃあねぇ!!」

 

そう言って振り翳される刃はウタの背中を斜めに切り裂いた。ばたりと倒れるウタ。暗殺者はニヤリと笑う。

 

「永遠にオモチャにならずに済んだ分、感謝してね。…ウタちゃん。…でもいい女だね。少し味見でも…と。せっかちな連中。」

 

ウタの顔を見ながら笑うソルト。ウタの顎に手を当てて、ニヤリと笑うその様は子どもの様相のそれではない。微かに聞こえる足音に対して、ソルトは面白くないように顔色を変える。

 

「…ウタちゃん、僕は君に恋をしている。…次は奪いに来るよ。君さえいれば、何も要らないんだから。」

 

そう言ってソルトは闇に消えていった。




ソルトが一番邪悪かもしれない。
アカツキまで出したし、今後はちょっとオリキャラ自重するかも。バラックとは違うベクトルの強者。うるぺーがバッティングします。

ウタは死んでは居ません。殺したら準備が整う前に天帝に攻められるからです。先ずは怒りを煽って冷静さを欠く…とか。策に溺れなければいいですが。

暫くはイチャイチャ書けないかも。天帝海賊団の面々がどんどん窮地に落とされていきます。バンドラには面と向かって勝てない。ならば、他の団員から削ればいい。そうすれば天帝自体は弱くならなくても天帝海賊団自体は弱体化する。マグロディズマの考えです。それを払拭するように終わったら今までにないほどのイチャイチャ書きたいです。

ちなみに味方側の窮地展開ってあったほうがいい派です?ないに越したことはない派です?

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
  • レベッカ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。