燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第313話

「フンッ!!」

 

はじめに動き出したのはキングだった。

 

背中の炎は消え、翼を広げて前へと突き進む。猪突猛進、されどまるで消えたようにも見える。

 

アカツキは右手に刀、左手に苦無を握り、防御の姿勢をとる。バツ字に構えられた黒金の刃は振り下ろされるキングの刀を受け止めた。

 

しかし、次の刹那、アカツキの顔色が変わる。

 

キングの腕の筋肉が徐々に…そう、徐々に隆起していくのである。四皇大幹部の剛腕によるただの斬撃振り下ろし。その受け止めた刃は徐々に重みを増して行く。

 

アカツキの足がズッ…ズッ…と後ろに退く。終いにはアカツキを中心に地面が円形に凹んでいく。

 

…マズい。そう思った次の瞬間、アカツキの防御が解かれた。アカツキは瞬時に後ろへと身体を退く。縦薙に胸から腹へ裂かれる一刀を喰らうものの、アカツキは距離を離すことに成功した。

 

「…むぅ。」

 

自身の傷を触り、前を見る。

 

「…答えろ。ワノ国の忍。」

 

…ふと、キングがそう言った。アカツキは忍者刀を下へと下ろすと、切れ長の目で前を見る。

 

「なぜ、天帝を狙う。お前ならばカイドウさんの方へと行くのが筋じゃないのか。」

 

「……くだらぬ妄言よ。」

 

そう言ってアカツキは前へと出る。

 

右手に構えられた忍者刀を振り下ろすアカツキ。キングとの距離はだいぶ遠いものの、アカツキはキングの懐へと入った。…たった一瞬。瞬きよりも早い。

 

しかし、キングはその間に冷静に刀を入れる。忍者刀は袈裟に下ろされるも、キングをとらえることは叶わず、キングの刀とふれあい、火花を散らした。

 

「百獣のカイドウの存在は奇しくも、我が祖国の平穏を作っている。我が家族も、その影響を受けている。彼を殺すこと…それ即ち、ワノ国に海賊の襲撃をもたらす結果になる。…貴様らの存在はワノ国に悲しくも不可欠なのだッ!!」

 

「…マグロディズマについた理由は。」

 

「マグロディズマ様は我が主君ッ!!彼の類稀なる財源により、我が家族は…弟妹達は生かされておるのだッ!!」

 

「…くだらん。」

 

そう言うとキングはアカツキの腹部に蹴りを入れた。意識外からの攻撃にアカツキは一瞬たじろぐものの、すぐに跳ね上がり、手に持った苦無をキングへと投げる。

 

しかし、キングはそれをものともせず特攻。頬を切り、脇腹を切る苦無など関係ないと、アカツキへ左拳を振り下ろす。

 

「無駄だ…!!」

 

アカツキはキングの左手首を右手で掴み、後ろへと投げる。

 

キングは投げられたものの、そのまま砂浜で体勢を直し、背後へと斬撃を飛ばす。

 

アカツキはまた苦無と忍者刀をクロスし、その斬撃から身を守った。

 

「…貴様のカラクリはもうわかった。」

 

「なに…?」

 

「貴様は空間を最も容易く操る。貴様の作り出した空間は幾重にも重なり、攻撃から身を守ることも、重力を軽減することも可能。…違うか。」

 

キングが言った言葉にアカツキが見せたのは…穏やかな笑みだった。

 

「違わぬ。…私はゾンゾンの実の空間操作人間。…これ以上手の内は明かさぬな。」

 

そう言うとアカツキは頭上に幾つもの手裏剣を投げる。本来ならばそのまま自由落下し、アカツキの身体を食む手裏剣。しかし、その手裏剣は頭上に投げられたと同時、姿を消した。

 

アカツキはそのまま前へと特攻。手に持った忍者刀を横薙ぎに振り抜く。

 

キングはそれを受け止めようと刀を差し込むが、アカツキの忍者刀が振り抜く方が早かった。

 

「ぐっ。」

 

キングの腹を浅いながらも横薙ぎの斬撃が襲う。

 

キングは違和感を感じていた。自身の刀がとてつもなく重いのだ。

 

「…なるほど。これが空間を重ねる…ということか。」

 

キングの刀を押し上げるように見えない透明なキューブが何個も連なっているというイメージである。実際は1、2歩にしか見えない距離がこの能力によって数百キロ以上も離れていると同義だ。

 

アカツキはそのまま左手の指を鳴らす。

 

するとキングの背後に何かが何度も刺さる感触があった。

 

「んぐぅ…!!」

 

それは先ほどアカツキが投げた手裏剣だった。

 

アカツキが投げた手裏剣をワープホールのように空間が移動し、キングの背後に解き放った。いわゆる、ブロックを違う向きに違う場所に置き換えるように。

 

「…お前の対策はもとより済んでいる。その硬い表皮を削り取るにはより硬い力で攻撃せねばならんということを。」

 

「…それがどうした。こんなもの、アイツの剣に比べれば痛くもない。」

 

「痩せ我慢もそこまで行けば芸だ。」

 

そう言うとアカツキは後ろと跳び退く。キングはそれを追いかけるように前へと出るが、アカツキはそれを迎撃するかのように苦無を投げた。

 

「燃やし尽くす。」

 

そう言うとキングの周りにマグマのように煮えたぎった龍が現れた。

 

「…マズい。」

 

これには冷静さを保っていたアカツキの顔が驚愕の色を見せた。アカツキはすぐにガードの姿勢を取る。

 

「燃え尽きろ…『火龍皇(かりゅうドン)』ッ!!」

 

そのままマグマの龍は地面を燃やし、削りながら前へと突き進む。徐々に巨大化したかのように迫り来る龍はガードするアカツキごと全てを飲み込んだ。

 

「…ぐぬぉ…。」

 

アカツキは人の形を保っていたものの、ガードしきれず、顔、腕、腹部など多くの火傷を負っていた。身体から煙が巻き上がっていた。

 

「本性を…表したな…。」

 

「…エレジアを沈めるわけにはいかない。カイドウさんとバンドラの全面戦争は避けた方がいいからな。」

 

前に空間を幾重にも重ねて、ガード。更にはキングの表皮をも切り裂くほどの高練度な武装色で身を守っていたにも関わらず、アカツキは無傷ではなかった。

 

砂浜は赤黒く焦げ、各所に真っ赤に溶けた何かが浮かんでいた。

 

「漫画や寓話じゃないんだ。本気を出すまで待ってやるなんてしない。天帝なら…本気で怒った天帝ならば、今のお前は何もできずに死んでいる。お前達が相手にしてるのは…世界一の自分勝手だ。自分の思い通りになるようにしか動かない。」

 

アカツキは膝から崩れ落ちる。もはや、信念で立っているも同義だったからである。キングは手の刀に力を込めるとそのまま前へと歩いていく。

 

「…私は所詮は駒か。」

 

「マグロディズマの刺客よ。…悔いて死ね。」

 

「悔いる。悔いるか…そうだな。私はあの子達に何も残せやしなかった。…一生、食わせるだけの金を手に入れてやるって…決めたのに。…悪魔に魂すら投げ打って…。」

 

キングの刃がアカツキの首にかかる。

アカツキはどこか魂が抜けたような顔でキングを見ていた。振り下ろされる刃は…アカツキの首を刎ねることはなかった。

 

「…何を。情けはいらん。殺せ。」

 

「マグロディズマ率いるマリオネット海賊団の動向は謎に包まれている。狙いも目的もわからない。天帝を狙う理由もだ。…貴様は幹部だろう?ならば、奴の目的もわかるはずだ。」

 

キングの目がアカツキを冷静に見ていた。

キングにとっては殺してしまう方が楽だ。だが、カイドウの強きものは自らスカウトする姿勢をキングは見てきた。負けたとて自身の鋼鉄の体に傷をつけた蛮勇をここで死なすには惜しいと思うと同時、敵の目的は入れておきたい。そう考えていた。

 

「簡単に話すと思われたくはないな。」

 

「安心しろ。話させてやる。」

 

再び首にかかるキングの刃を持ってしてもアカツキの目の炎は消えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレジア近海…ルエノルーヴ号。

ウタの事態を深刻に見たエース達は一足飛びで帰ることを決めた。無論、バンドラとの約束だ。

 

「ウタは。」

 

甲板にはエースとヤマト。他のみんなはウタの看病をしていた。甲板で前を睨むエースの問いにヤマトはにっと笑う。しかし、その顔は晴れやかではなかった。

 

「…刀傷…それから神経毒が見つかったみたい。なかなか目が覚めなかったのかったのはそのせいらしいよ。…でも。」

 

「毒なら大丈夫だな。…レイジュがいる。」

 

エースは一縷の望みに口元を緩ませた。

 

「ウタちゃんのことはレイジュに任せよう。…ボクたちは取り敢えず、バンドラと合流を…。」

 

その時だった。

エースの目に何かが映った。…船でも、生物でもない。小さな何かが。カキカキと漕ぐそれは…自転車だった。海上を凍らせるその自転車に乗っている男にエースは目に見えた殺意を覚える。

 

「…アイツは…!!」

 

「ちょっと乗せてくれねえか。そろそろ足が疲れちまってな。」

 

飄々とした態度でそう言う男。エースは勿論、ヤマトも断ろうとしていた。しかし、その男はその返事を聞かずに自転車を持ちながら、ルエノルーヴに飛び込んできたのである。

 

「…何をしに来たんだ。青キジッ!!」

 

目の前の男に吠えるエース。…男…青キジはチャリを甲板に下ろすと、サングラスの位置を直し、エースを見た。左足の氷の義足から立ちこむ冷気が、甲板を僅かに凍らす。

 

「なぁに。別にドンパチしようってんじゃねえんだ。…天帝のやつはいねえのかい。」

 

「いないよ。…バンドラとは別行動だ。バンドラを今更捕まえようっていうの。だったら、止めるよ。ボク達が。」

 

ヤマトの言葉にエースも同意するように睨みを利かす。そんな2人に対して青キジが返すのは氷のような無表情だった。

 

「お前達には言っても無駄な話だが…まぁいい。俺、お前らの仲間になりに来たのよ。」

 

「「…はぁ!?」」

 

その言葉に2人の声は重なった。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
  • レイジュ
  • モネ
  • スムージー
  • ロビン
  • ナミ
  • カリファ
  • シュガー
  • カリーナ
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