燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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第315話

…揺蕩う水面は静かさすらない。

ルエノルーヴ号の周りはまさに空間そのものが閑散としていた。空は青く澄んでおり、カモメが空を飛んでいる。晴天そのもの。されど、この場は違った。

 

見守り人はヤマト。ルエノルーヴ甲板には2人の男が向かい合っていた。片方は海軍大将として名を轟かせた『青キジ』ことクザン。もう片方はスペードの海賊団、白ひげ海賊団2番隊隊長、そして現在は天帝海賊団船員として名の知られた男、『火拳』ポートガス・D・エース。その血筋ゆえ、経験ゆえ若き海賊の中では最も海賊王に近いのではないかと騒がれている男である。

 

まさに二勇。

小さな甲板の上で彼らを見守るヤマトの視線は鋭利である。

 

本気になれば勝負は一瞬だ。

瞬きをせずに見ていた。

 

「…いくぞ。」

 

ゆっくりとエースが臨戦体勢へと移行する。足元からはわずかに炎が天に上がっていた。

 

ジュワッと天に弾ける少しの炎。それを皮切りにエースは猛進。空間を切り取ったかのように…ワープしたかのように…一瞬で間合いを詰めた。

 

クザンの胸へとその右拳が当たらんとする。次の刹那。

 

バリバリバリィィッ!!

 

エースの身体が氷塊に包まれる。

甲板で山のような氷塊が出来上がった。クザンはそれを静かに見ながら吐息を吐く。

 

「…終わらねえよな。」

 

ボソリとそう呟くとクザンは手をクロスする。直後、バリバリバリッという音と共にクザンの身体が後ろへと吹き飛んだ。

 

クザンは風で発生した波を凍らせ、壁を作る。

 

直後、甲板の氷山の岸壁を大文字に燃え上がる炎。それによって氷山は跡形もなく砕け散る。

 

「ちょっと!?何事よッ!?」

 

流石の騒ぎに船内のレイジュたちも甲板へと出てくるが、聞く耳持たず。エースは上空へと飛び上がるとクザンの頭上へと出る。

 

「『火拳』ッ!!」

 

「あらら〜。…こりゃまずい。」

 

上空から放たれる火の打突。

 

覆い被さるように放たれたそれにクザンは甲板へと飛び、回避する。

 

「テメェにとっちゃ人質みたいなもんだ。…壊せねえだろ。なぁ!!火拳よォッ!!」

 

そう叫ぶとクザンは周りに氷で出来た槍をいくつも生み出す。

 

それはエースに向かって飛んでいくが、エースは上空で火だるまになるとそのまま槍を壊しながら甲板へと着地した。

 

クザンは氷の剣を生成。

 

目の前のエースへと斜めがけに振り下ろす。

 

エースは立ち上がるのを利用して、拳で下から氷の剣を迎え撃った。

 

パリンと弾ける音と共に、エースはクザンの腹へと拳を入れる。

 

「…ふっ。」

 

「…ちっ。」

 

…表情が曇るのは…なんとエースだった。

エースの左拳が肘上まで凍っていく。クザンは腹とエースの拳の間に右掌を差し込むことでガードしていたのだ。

 

エースは後ろへと跳ぶと左拳を振るい、氷を払う。拳は炎を纏い、元通りになるとまたクザンの方を向いた。

 

「そこそこ強くなったみてえだな。」

 

「そこそこだァ?…テメェになら勝てるさ。」

 

「ハッハッハッ。バカ言っちゃいけねえよ。…まだまだあったまってねぇっつの。」

 

…両者再び睨み合う。

 

直後、クザンとエースは同時に動く。

両者、甲板を蹴り、放つのは…信じうる己の拳。クザンの拳はエースの頬へ。エースの拳はクザンの頬へと捩じ込まれる。

 

…ガードなどしない。

バカな男同士の心に火がついたのだ。

 

「「ラァァァッ!!」」

 

お互いの拳がクリーンヒット。

それによってお互い一瞬、後ろへとよろめく。

 

お互い自然種。だからこそ、黒鉄の如き拳がねじ込まれた。武装硬化されたそれのせいでお互い脳が一瞬揺れる。口元から垂れた血が甲板へと滴り落ちる。

 

「やるじゃねえの。…まだまだ。」

 

「喧嘩は…始まったばかりだな。」

 

2人ともニヤリと笑う。

 

次の刹那再び2人は前へ出る。硬く握られた拳が、互いの頭部を穿ち抜く。

 

続いて顔面。クザンのサングラスは砕け散り、地面に破片が飛び散る。

 

エースの鼻から血が垂れる。エースはそれを親指で拭うと、三度目の拳を構え放つ。

 

それはクザンの顎を下から上げる一撃。強烈なアッパーにクザンの頭が持っていかれそうになる。

 

「ガッ…舐めんじゃねえよッ!!」

 

クザンの拳はエースのガラ空きの腹部に当たる。

 

体の中で何かが爆ぜたような感覚に陥るエースは口から血をとめどなく吐き出すと共に、甲板へと膝をついた。

 

「ゴハァ…!!」

 

「…いってぇ。まじで殴りやがって。」

 

…ルエノルーヴが傷つかないように、お互い殴り合いへと切り替えた。要は実力が知れればどんな方法でも良かったのである。クザンは甲板へと膝をつくエースを上から見下す。

 

エースは口元を拭うとゆっくりとクザンの方を見る。

 

「…なに…しやがった…。」

 

「流桜。…テメェも使えるだろ?」

 

「…ぐっ。」

 

拳に纏った覇気によってエースの身体が内部から壊された。使うものが使えばそれは爆弾を優に超える。クザンの一撃は凄まじく効きすぎたのである。エースはその言葉を聞くと甲板へと前のめりに倒れた。

 

「エースッ!!」

 

一部始終を見ていたヤマトがエースの元へとかける。しかし、直後クザンも甲板へと座り込んだ。

 

「ふぅ。俺も歳かな。…こんなガキの攻撃が効きすぎちまうなんて。」

 

かく言うクザンもクタクタだった。

前線を降りて少し経った後。赤犬との交戦のダメージも冷めやらない中、久々に殴り合った。息が少し上がっていた。…もちろん、エースに比べれば軽傷である。

 

「…そいつはスポンジだ。強いやつに会えば会うほど強くなる。殺さないでおいてやるよ。…その代わり勝負は俺の勝ちだ。俺の入団認めてもらうぜ?」

 

「…バンドラが文句を言わないならいいよ。…でもまずはエースの怪我を治してからだ。」

 

「で?その天帝はどこにいるんだ?」

 

ゆらゆらと立ち上がるクザンにヤマトはじっと睨む。

ヤマトは完全にクザンを信じたわけじゃない。

 

「…バンドラならエレジアの…。」

 

そこで言葉が詰まる。

エレジアの側。海で火柱が上がったのだ。その火柱は上空に向かって伸び、エレジアを攻撃しないように、エレジアとは逆方向に広がっていった。…海に大きな亀裂が走っているのである。それはエレジアから少し離れたヤマトたちでも容易に観測できた。

 

「バンドラ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し遡る。

バンドラはヤマトたちより先にエレジアに到着しようとしていた。…しかし、その直後だった。

 

「…あん?」

 

突如、バンドラの船を囲むように弾丸が放たれたのである。

 

バンドラはそれを狂骨の一閃で横真っ二つに切り裂く。空中での爆破ののち、バンドラへと降り注ぐのは…光の雨。

 

比喩なんかじゃない。光の弾丸のようなそれをバンドラは爆破によって発生した波を凍らせ、ガードする。

 

「おっとっと〜。」

 

「…こりゃあご挨拶…だなァッ!!」

 

バンドラは上空へと跳び上がり、氷海の上に乗ると声の主の方を向く。狂骨の刃を向ける先には…海軍大将黄猿。

 

「お前たちはもう俺たちに攻めてこねえと約束させたはずだが?」

 

「それがそうも言ってられなくてね〜。君に協力して欲しいんだよォ〜。昔のよしみとしてねぇ〜。」

 

「…協力する相手を取り囲むのが海軍のやり方かい。」

 

そう。バンドラの船を中心に海軍の軍艦が取り囲んでいた。その数はおよそ数百以上。見えるだけで300は優に超えていた。ここまでやるのははっきり言って妙以外の何者でもない。黄猿は船のマストに立ち、バンドラを見ながら飄々と続ける。

 

「簡単な話だよ〜。…海軍にも特記事項だ。」

 

「おい。話を…「黒腕のゼファーとその一味『ネオ海軍』を抹殺するのに手を貸して欲しいのさ。」…なに?」

 

…その言葉にバンドラの顔が厳しいものになる。

黄猿も雰囲気が変わったことに感じつつも、表情を変えない。心胆から寒からしめるその強烈な覇気に、倒れるもの多数。黄猿も少し冷や汗をかいていた。

 

「…垂れ流しの覇気でこれか。君が本気になったらここにいる人間は全員、帰れないだろうねぇ。」

 

「すまねぇな。黄猿さんよ。…俺ァ、大事なやつと過ごさなくちゃならねえんだ。夢想はよそでやんな。…それともこの場で()()にでもあうか?」

 

向けられる狂骨の先端を伝い、覇気を帯びる。黒色化した刃が黄猿の首を指していた。黄猿はなおも冷静に淡々と言葉を続ける。

 

「夢想じゃあねぇ。わっしはお前ならやってくれると信じてるよ〜。…だって、あの人がやろうとしてることはこの世界の破滅だからね〜。」

 

「…なに?」

 

「エンドポイントの破壊。…海軍にいた頃少し話してやったでしょうに。」

 

その言葉を聞いて、バンドラは刃を少し下げる。

顔はバンドラから放たれていた…いや、漏れ出ていた覇気がだんだんと弱くなっていった。

 

「…それがマジなら世界を揺るがす大事件だろう。」

 

「マジだからこれだけの海兵が動いてるんだよ。」

 

「…なるほどな。だが。」

 

直後、波打っていた海が波一つ立たない静寂へと包まれる。黄猿は直後、臨戦態勢へと移行する。

 

「物事には優先順位がある。…テメェらと手ェ組むのも気に食わねえ。だからさ。…俺を従わせてみなよ。黄猿さん。」

 

ニヤリと笑いながら狂骨を引き抜くバンドラ。その狂骨へと巻き付くようにバンドラの手から炎が巻き上がる。

 

「こりゃまずいねぇ。」

 

「俺の大事なエレジアだ。…壊しやしねえ。だが、海軍には何の未練もねェんだよ。『火乃流龍(ホノルル)』」

 

バンドラの腕から放たれた火柱が上空で飛散。それが海へと着弾し、大きな火柱へと昇華する。

 

やがてそれはいくつもつながり、海軍の軍艦を巻き込みながら海を穿割るほどの巨大な炎の道を作り出した。

 

空も割るほどの火柱。ただの撹乱にしてはやりすぎた。黄猿はそう考えていた。

 

「クソッ!!やっぱり無理だったんだッ!!」

 

そう言う1人の中将。銃を、中心の船で立ち尽くすバンドラへと向ける。銃の銃身は長いもの。猟銃と言ってもいいほどである。

 

その銃がバンドラへと向けた途端、銃口が輪切りになる。

 

「はぁ!?」

 

銃がゴミ屑へと化した。

たった一瞬、瞬きをするよりも早かった。

 

かたや、覇気によって倒れなかった中将の一部が5人ほど徒党を組んでバンドラへと切り掛かった。

 

「オラァッ!!」

 

1人の男が縦薙の斬撃を放つ。

 

バンドラはそれを避けると振り向き様に男の背中を斜めに切り裂いた。

 

次に2人。バツ字になるように切り掛かる。

 

バンドラはそれを片方を狂骨の刃、もう片方を武装硬化させた鞘で受け止めた。

 

「ぐっ…ぐぐぐっ…なんつう力だ…!!」

 

「これが…海の皇帝…。」

 

「…ふっ。」

 

バンドラは笑うと共に、その刃を弾くとそのまま4人の合間を縫うように走り抜く。

 

何も気づかぬ4人は隙だらけの背中を向けるバンドラに斬りかかろうとした。

 

バンドラはそんなことも上の空で狂骨を鞘へと収める。カチャリという音と共に海兵たちの身体から血柱が上がり、甲板へと倒れた。

 

「…次はお前だな。黄猿。」

 

「なんでこうなるのかねぇ?」

 

…そう言って黄猿は呆れ顔でバンドラを見たのだった。




エースはうちの成長頭だから…。

バンドラ無双始まる。

では。

スッ…

  • ヤマト
  • ウタ
  • ハンコック
  • ビビ
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  • ロビン
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