燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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ネタが……無いッ!!


第37話

新世界の海を渡ること、約3年。

偉大なる航路の上をバンドラ達の船は行く。3年経ったのは歌姫の執筆活動の為である。ライブをするならバラエティに富んだ歌がなければならない。多種多様な歌を書き、新世界を中心に沢山の人々を魅了した。

 

「バンドラっ。」

 

胡座をかいて、船の中心に座るバンドラにヤマトが後ろから抱きつく。ヤマトも沢山の月日を共にしているが、まだその気持ちにケジメをつけていない。…というよりもその気持ちの名前をまだ知らない。

 

バンドラはそんな感情を露知らず。

いつものように戯れ合っているだけだった。笑顔でバンドラに抱きつき、その首筋をくんくんと嗅ぐヤマト。バンドラはその頭をポンポンと優しく叩く。

 

「成長してもそれか。そんなんじゃ光月おでんになれねえぞ?」

 

「むっ。子ども扱いするなっ。」

 

ニヤリと笑うバンドラにヤマトはむっと口を閉じる。その様子を歌姫は見ながら、歌っていた。戦場を優しく吹く風は彼女の髪を優しく流す。…新曲『風のゆくえ』は彼女にとって何故だか懐かしい思い出だった。

 

3年経ち、身体つきも女性らしくすらりとスタイルも良くなってきたウタ。しかし、14歳の彼女はまだ幼さが残る。

 

「バンドラ〜。」

 

「おう、ウタ。」

 

バンドラの横へと行き、三角座りをするウタ。

ウタがバンドラの方へ身体を寄せるとバンドラは優しく微笑む。ウタとバンドラの間にあるのは兄妹愛に近い愛情。両者共にそんな感情はない。

…というよりは、バンドラはシャンクスの手前、手を出すことを考えることすらないのだった。

 

ここ三年、大きな事件もなく、バンドラ達の話は海で上がることはない。上がるとするならば、歌姫プリンセス・ウタの名前である。

 

ドレスローザの一件以来、魚人島での単独ライブを皮切りに数々の辺境の地でも歌を歌ってきた。新世界の海はもはや、プリンセス・ウタの名前を知らぬ者は居ないと言っても過言ではないほど、ウタの人気は拍車をかけていた。

 

「すっかり良い女になりやがって。」

 

そう言ってウタの頭を優しく撫でるバンドラ。

すっかり笑顔を取り戻したウタは優しく笑うも、髪が乱れると苦言を呈す。

 

「…でも。」

 

ウタは後ろのヤマトの胸元を見て、顔を暗くする。劣等感…だが、ヤマトはそれを気にしていなかった。

 

「気にすんな。お前はもっと成長するさ。」

 

「…なんか複雑。やっぱ変態だ。」

 

「なんでそうなる。」

 

バンドラの目にウタはくすくすと笑う。

確かに歳や身体つきはヤマトの方が上だが、性格はどんどんとウタの方が成長していく。教養も自ら行うようになり、色恋沙汰もよく知っている。…とはいえ、所謂、恋愛本。漫画や小説のようなもので本質までは変わってない。

 

その様子を見ていたヤマトがバンドラの頬を指で優しく突っつく。その顔はいつものように笑っていたが何処か儚く見えた。バンドラがその顔に自身の手の甲を当てる。すると愛おしそうに目を細めて、ヤマトはそれに顔を優しく擦った。

 

「ウタ。次はアラバスタにでも行ってみるか。」

 

「あー、リク王さんが言ってたところ?」

 

こくりとバンドラが頷く。

 

1年前、世界会議の影響で世界各国の国王達がマリージョアに集まるとのことで一部例外を除いて、忙しかったのだ。アラバスタとその近くのドラム島の国王も出るという話を聞いていたので、敢えて場所を外していたのだ。

 

「近くには雪の島もあるし、服装には気をつけねえとな。」

 

「ボクは大丈夫だっ。暑さにも寒さにも耐えるのが侍だよっ。」

 

そう言うヤマトの額をバンドラは指でこづく。

ヤマトは少し赤くなった額を抑えながら、涙目になってバンドラを睨んだ。

 

「…アホか。風邪でも引かれたら大変だ。」

 

「うぅ…。ボク、風邪引いたことないよ。」

 

「外出たこと無けりゃそりゃな。」

 

恨めしく見るヤマトにバンドラはふっと笑って返す。

ウタはその様子を見て、穏やかに微笑んでいた。

 

「雪か。私、見たことないな。」

 

「新世界にも早々あるもんじゃないしな。あるにはあるが、ヤマトの故郷みたいなとこだ。送り返しても良いが…。」

 

「やだ。まだボク、帰らないよ。」

 

そう言うヤマトにだろうなの一言で返すバンドラ。

バンドラとて返す義理はない。というか、ここまで来たらやるだけやるという感じである。

 

「約束しちまったもん、仕方ない。」

 

そう言ってバンドラは息を吐き、前を見る。すると…。

 

「…おや。」

 

目の前を小船が漂っていた。

中には一人の女性が倒れていた。黒髪ロングの女性。バンドラはすぐさま、立ち上がる。

 

「うわっ。ちょ、ちょっと何し…「…行ってくる。」え?」

 

バンドラに引っ付いていたヤマト。急に立ち上がるバンドラをジトーっと睨むもバンドラはそんな抗議すら聞かず、小船へと飛び乗り、女性を抱き上げ、帰ってくる。

 

「…うっ…ぁ…。」

 

「…疲弊しているな。後は…。」

 

甲板に寝かすと、女性はうめき声のようなものをあげた。歳は二十代前半。だが、疲弊と共に体や顔に汚れや傷があった。まともに眠っていないのか、目元にはクマもみえている。

 

「…大丈夫なの?」

 

ウタが聞く。

バンドラはその女性を再び抱き上げると船内にあるベッドに優しく下ろす。そして、バンドラは布を濡らすとその女性の汗ばんだ額にゆっくりと乗せた。

 

「取り敢えず、寝かせりゃ大丈夫だろ。」

 

一人で海を漂っていた女性。

食べ物もまともに摂っていない可能性がある。

 

「ウタ、取り敢えず見ててくれ。」

 

「う、うん。」

 

バンドラはウタに番を頼み、ヤマトと共に食糧庫へと足を進める。適当につまみあげ、適当に調理するバンドラ。

 

「取り敢えず、栄養を補給させねえとな。」

 

「だね。」

 

そう言ってできた料理を室内の机へと並べていった。並べ終えるとバンドラとヤマトは女性の元へと向かう。すると、何やら慌てた様子のウタがそこに座っていた。

 

「どうしたッ!?」

 

「お、女の人が…何か言ってる…。」

 

女性はうわ言のように「…お母さん…お母さん…」と呟いていた。うなされているように見える。バンドラはそんな女性の頭にゆっくりと手を置く。じんわりと汗と生温かさが掌に伝わるも、女性の顔は険しいものから段々と穏やかなものに変わっていった。

 

「…この女、まさか。」

 

ようやくバンドラがその女性の所在に気づく。

3人で航海するにあたり、よくニュースクーの新聞を目にしていたのだが、とある日の新聞にこの女性の顔があったのを思い出した。

 

「…ニコ・ロビン。」

 

「それがこの人の名前?」

 

小首を傾げるウタにバンドラは険しい顔でうなづく。

 

「こりゃ大変なことになりそうだ。」

 

そう言ってニヤリと笑うバンドラ。

ニコ・ロビンは世界政府からとある理由で追われている。とある理由というのは世間には伝わっていないが、あの日から王下七武海に誘う青キジから詳しい話は聞いていた。…聞いてもいなかったが。

 

オハラという学者の国の生き残りであったのだ。

つまり、政府の隠したがっている歴史を知る術を持っている女。厄介者は自分のところに集まるのかと、バンドラはため息を吐く。バンドラの背後から見るヤマトはその様子に少し不安を覚える。

 

「…んっ…ここは…。」

 

黒髪の女性…ニコ・ロビンはゆっくりと目を覚ます。

 

「大丈夫か?」

 

起きたことでびっくりしたのか、ウタがバンドラの後ろに隠れる。バンドラはベッドの近くに置いた木の椅子に腰をかけ、出来るだけ優しい声で言った。

 

「貴方は…?」

 

「俺はバンドラ。しがない船乗りだ。お前は。」

 

知っていてなおもニコ・ロビンに名前を聞くバンドラ。

 

「…ニコ…ロビン…。」

 

意識が朦朧としているのか、警戒もせずに名前を言うロビン。バンドラはやっぱりなと息を吐く。ロビンはまるで安心するかのように額に置かれたバンドラの手を両手で掴み、ゆっくりと胸元へ持っていく。

 

「うえっ!?」

 

声を上げるヤマト。セクハラのようにはなっていないのだが、それでも複雑な感情を覚える。そして、ロビンは安心したようにわらうとまた眠っていった。




リアルが忙しくなってきたので、いつもよりは出せなくなるかもです。そのうち週一とかになりそうです。

上げる期日を決めようかな。50話ぐらいまでして、そのあと原作時空とイチャコラであーだこーだ進める形を取りたい(理想)
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