燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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ネタが無くなったって?
需要があるかわからないイチャイチャしか書けなくなったんだよッ!!


第57話

ザーっとシャワーの音が聞こえる。

ウタは少し長めの髪を流し、洗っていた。

 

『着替え、置いとくよ?』

 

「うん。」

 

ヤマトの声が聞こえる。

女性陣の服は大体、バンドラ以外が。バンドラの服はヤマトが匂いを嗅ぎ出すのでバンドラが自分自身で洗濯し、用意している。…それはさておき、ウタはふうっとため息をつきながら、湯船へと浸かる。ウタが手足を伸ばしても壁に着きそうにもないお風呂だった。

 

湯気と同じくらい白い肌がお風呂によく映える。

…1人のときは大体あの時のことを思い出してしまうのだ。

 

焼ける町。焦げた家々、そして…自分を置いていくレッドフォース号。

 

「…バンドラが来てくれなかったら…私…どうなってたんだろ。」

 

ふっと笑いながら、ボソリと呟く。

最初はウタとバンドラは歳が離れすぎていて、殆ど、お父さん(シャンクス)と同じ歳で…お兄ちゃんか、おじさんぐらいだと思っていた。

 

しかし、次第にバンドラという人物を知るにつれて、バンドラという人と一緒にいるにつれて、感情が変わっていく。

 

「…カッコよかったな…あの時…。」

 

ウタが思い出していたのはウォーターセブン。

自分を守ってくれたバンドラとヤマトだった。しかし、思い浮かべるのはバンドラの姿である。

 

「ッ!?…そんなんじゃないってぇ〜…!!」

 

顔をバシャリと湯船に顔を浸ける。

湯の温度か、また別のものなのか、ウタの顔が熱くなっていた。鼻までお湯の上に出してぷくぷくと泡を吐くウタ。

 

「…ルフィに言ったらなんて言うかなぁ…。」

 

…自分の夢を応援すると言ってくれていた幼馴染。あのときはウタにとってはちんちくりんだった。ウタにとっては全く眼中に無かったが、エレジアにいるときはあの毎日が愛おしく、そして、懐かしかった。

 

ウタの読む恋愛漫画なら、大体、そう言う幼馴染はカッコよくなっている。…期待しても良いのかなと少し考えるウタ。

 

「…ふふ。いや、無い無い。だって、泣き虫のルフィだもん。」

 

1人クスクスと笑うウタ。

…しかし、会いたくないと言えば嘘になる。この世には自分を攫おうとする悪い大人も、自分の夢を笑わない良い大人もいるのだ。広い世界が確実にウタの心を成長させていた。この大海の話をお父さん(シャンクス)に聞かしたらなんて言うだろうかと…ウタは考える。

 

「私が誰かのこと好きって言ったら、シャンクス、泣き叫ぶかなぁ。それとも、意外と淡白かも。」

 

ウタの頭には自分のことでビービーうるさいシャンクスの姿が思い浮かんだ。会ったら自分を置いていったのに…とでも苦言を呈そうか。

 

「…いや、やめておこ。」

 

絶対に面倒臭いことになるとウタは思っていた。

 

「はぁ…。」

 

ため息をついて、湯船から出るウタ。

少しだけ、自分の身体を眺める。

 

「…ちょっとおっきくなった?」

 

何がとは言わないが、膨らんだそれを見てそう言うと洗面所から出る。いつもの白とピンク色の可愛いパジャマに着替えるとシャワールームから出た。

 

「アハハハっ!!それやめてっ!!」

 

「悪い子にゃお仕置きだっ!!それそれっ!!」

 

「…お風呂空い……何やってんのよ。」

 

洗面所から出たウタはバンドラ達に風呂が空いたことを告げようと出て行く。すると何故か、布団の上でくすぐりあいをしているヤマトとバンドラの姿があった。

 

「…あっ。」「うえっ…えっと。」

 

ヤマトの服はさぞ脇への重点的な攻撃ができるだろう。…なんて言える雰囲気じゃない。

 

「…いつもイチャイチャイチャイチャ。…まぁ、良いけど。」

 

唖然とする2人にウタがジトーとした目で睨む。徐々にヤマトの顔がかぁーっと赤く染まっていった。

 

「…ボク、お風呂行ってくる。」

 

そう言って逃げるようにヤマトはお風呂へと入っていく。バンドラは気まずそうに自身の髪を束ね始めた。ウタはそんな気まずそうなバンドラの横に座った。

 

「…ほんと、ヤマトのこと、好きよね。」

 

「好きっつうか…一番、戯れあいやすい…つうか。向こうから言ってくるっつうか…。」

 

歯切れの悪いバンドラ。

見た目はいつもより頸が出ていて、ウタから見てもセクシーに見える。が、中身は相変わらず子どもだった。

 

「んっ。」

 

ウタはバンドラに背中を向ける。

ウタの髪の毛は長く、成長した今も腰以上に毛先が出るほどである。バンドラはわかったと頷くと彼女の髪を束ねて、自分のゴムで結った。

 

「ほんと、綺麗な髪してるよなぁ。」

 

「…っ。」

 

その低く耳障りの良い声がウタの胸をちくりと刺す。自分の後ろにいるため、声がいつもより近く、息も風呂上がりで感度の上がった首元に当たる。

 

「もっとオシャレしたらいいのに。」

 

「バンドラみたいに?」

 

「俺のアレは、時間かかるぞ。」

 

いつも自分でヘアアイロンでパーマをかけているバンドラ。早起きなので朝起きたらもうゆるふわになっているのだ。ウタもしてみたい気もする。だが、自分が一番起きるのが遅いため、それを言い出せない。

 

「まぁ、いつでも言いな。やってやるから。」

 

「ほんと!?」

 

目をキラキラと輝かすウタ。

バンドラがあぁと笑ったところで気づく。…あれ、私、子ども扱いされていないかと。

 

「…。」

 

「な、なんだよ。」

 

「…また、子ども扱いして。」

 

ジトーと睨むウタにバンドラは仕方ないだろと返す。バンドラからすればウタとは14も離れている。歳的に見れば、周りから見れば兄妹だろう。

 

「ほら、出来たぞ。」

 

サイドテールに結われた髪を見て満足なウタ。それとは逆にヤマトや他のバンドラと会った女の子はこんなのを沢山やってもらってたんだと…胸が軋む。ウタはバンドラの胸へと自分の頭を預けた。

 

「…どうした?」

 

ウタの頭を優しく受け止めた胸元は自分のそれとは違い、固かった。別にとウタが返す。

 

「バンドラ。…ぎゅってして。」

 

「んぁ?…はいよ。」

 

いつもと違い、後ろからバンドラがウタに抱きつく。いくら、赤髪のシャンクスの娘とはいえ、力を入れれば折れてしまいそうな華奢な身体。バンドラは慎重にかつ、満足いくように優しく背後から抱きしめる。

 

「すごい。硬いね。腕。」

 

「まぁ、鍛えてるからな。…って、突っつかないの。」

 

首に巻かれたバンドラの腕を人差し指でつんつんと突っつくウタ。バンドラの腕はウタの数段太いため、ウタが興味を示したのだ。むず痒いのか、小さく笑うバンドラ。ウタの頭を優しく撫でる。

 

「んもぅ。…また子ども扱い。私だって一端のレディーなんだからね?」

 

「レディー?…ハハ。まだガキだろう。」

 

「ガキじゃないっ!!キスだってしたじゃない。」

 

「…あー、あれはお前が無理やり…。」

 

ウタがほのかに顔を赤く染めながらバンドラを睨む。ウタにとって、キスとは好きな人にやる行為…としか思っていなかったのだ。

 

「ウチにレディーはロビンしか居ないだろ。」

 

「ロビンともイチャイチャしてたよね…?」

 

「ゲッ…。見てたのかよ。」

 

ウタからのジトーとした視線にバンドラは目を背ける。

 

「…すけこまし。」

 

「おい、そんな言葉どこで覚えた。」

 

「バンドラは女好きの節操なしの変態なんだ。さっきもヤマトのこと…襲おうと。」

 

「してません。」

 

怯えるような仕草をするウタに冷静に言うバンドラ。その後、嘘だよと笑うウタ。

 

「俺からしたらもっと怖い奴いるけどな。」

 

「どんな人?」

 

ウタが小首を傾げるとバンドラが嫌そうな顔をした。

 

「…俺の心臓にGPSをつけるような奴。」

 

「え…なにそれ、怖…。」

 

ウタは少し引きながらバンドラに憐れみの目を向けていたと言う。




…心臓にGPSってめっちゃ怖いしめっちゃ重いね。だって、心臓取り外さない限り、どこに行っても…いやぁ…。

ウチではベガちゃんです。
のじゃの女の子です。わしっ子?です。…本編はどうなんだか。では。

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