あと、シュガーの悪魔の実選手権開催中です。どんな書き方でもいいので是非是非!
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https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287079&uid=273231
※シュガーの件は終わり次第告知取りやめします。ホビホビやとイチャイチャ書けるんかなぁ…?
「…。」
バンドラは敵船から奪った二つの悪魔の実と睨めっこしていた。雪のように白い実ともう一つは猫のような形をしている実。バンドラ達の中で食べられるのはレイジュしかいない。…処理方法に困っているのだ。
「どうかした?」
隣でバンドラに引っ付くヤマトがそう答える。彼(彼女)は先のアレで吹っ切れた…かのように見えたが、元々が元々の為、ウタのように顕著に出ることはなかった。
「いや…これをどうするか迷っててな。」
正直、バンドラは売りに出す方法も考えている。というのも、ウタのライブの資源に充てる…というのも一つの方法だった。まだ回り切れてない各所…特に大きな都ではなく、例えば…懐かしのフーシャ村であるとか、実はまだやってない万国であるとか、そう言った場所での開催に充てるお金にするのも考えていた。悪魔の実は使用方がわかっていなくても価値はある。特に昔…なんらかの取引で50億ベリーにまで昇った…とかなんとか。
「例えば…モネさんとか?」
「モネ?アイツに?」
「うん。そろそろ迎えに行ってもいいんじゃないかなぁと思って。まぁ、後はお父さんにあげるとか。なんでもしそうじゃん。あの人。」
確かになぁ…とバンドラは唸った。百獣海賊団は動物系の集まり。片方が動物系…っぽいので渡してやってもいいものの…。
「まぁ、残しておくかな。」
「そうか。」
そう言って宝箱の中に戻した。
「…モネか。懐かしい名前が出たなぁ。」
数年前…いや、もう十数年にも遡る。海の上を小船で渡り歩いていた当時のバンドラに聞こえた悲鳴。そこには木端海賊と小さな女の子を守る切羽詰まった女がいた。それを助けたっきり、会っていなかったものの奇異なることでドレスローザで会合を果たした。…風の噂で聞くが彼女の妹…シュガーも侍女になったとか。
姉妹で強く生きている。その為には何方も働かねばならないのだろう。
カタカタと小麦粉と卵黄液、溶かしバターを混ぜ合わせ、そう考えていた。
「ボクも何か手伝う。」
「ん?そんなに難しくないからなぁ…。冷蔵庫からいちごジャムを取ってきてくれ。」
うんっと頷き、ヤマトは冷蔵庫から瓶に入った甘く煮たイチゴを持ってきた。バンドラがスプーンでそれを掬い、ヤマトに向けるとヤマトは笑顔でパクッと食う。
焼けたパンケーキにホイップで飾り付けをして、そこに流すようにいちごジャムをつけて…完成である。
「はい。ウタ。」
「わぁぁ…!!ありがとうっ!!」
ウタが目をキラキラと輝かしながらナイフとフォークを手に取る。マナー…は悪いものの、自分の作ったものを喜ばれて悪い気はしないバンドラであった。
…その時だった。ガタンとルエノルーヴ号が大きく揺れた。ウタやヤマト、レイジュには怪我は無く、パンケーキもウタが死守した為、大事には至らなかった。
「…なんだ?」
外から砲撃の音が聞こえる。甲板に出れば…どうやらルエノルーヴ号は気づかないうちに敵船同士の戦いの渦中に巻き込まれていたようだ。しかも、片方は…有名人だった。
「チッ…。おいッ!!テメェらも沈めるぞッ…!?」
男が叫ぶ。赤髪の悪人面の男。バンドラは失礼…と笑うと、男の方ではない船に雷を落とし…破壊した。
「うちの歌姫の優雅なデザートタイムだ。…邪魔しないでもらおうか。なんてね。」
「…キッド。アイツ、天帝だ。」
赤髪の男の横からマスクを被った男が出てきた。彼もまた…後に超新星と呼ばれる男だった。赤髪の男…ユースタス・キッドはそれを聞いてニヤリと笑った。
「なるほどなァ…。テメェを倒せば、俺にも箔が付くってもんだ…。」
「生きの良いガキだねぇ。…最近はそんな奴らにばかり会うよ。」
「…キラー。手ェ出すなよ。」
マスクの男…キラーはこくりと頷くと後ろに下がった。…キッドは南の海で名を轟かせるルーキー海賊。ロー、ベッジと共に共通認識として海で暴れるやべえ奴となっていた。
キッドは左腕を天に掲げる。
すると周りから電気のようなものが走り、先程、バンドラが破壊した船から刀、銃などの金属が巻き込まれていった。
「…マズいな。」
無論、狂骨も例外ではない。
バンドラは周りに電波を阻害するドーム状の檻を展開する。
「流石に俺の船には一切危害を加えないでくれ。大事な仲間なんだよ。」
「ハッ。何甘えこと言ってんだッ!!…俺はお前を倒す。覚悟しろよッ!!」
そう言って船からルエノルーヴ号へ飛び乗ってくるキッド。バンドラは頭の後ろを掻き、ため息をついた。
「『
磁気により巻き上げられた鋼鉄の義手による殴り。
バンドラはそれを武装硬化した右掌で受け止める。
「なッ!?」
「…避けたら船が傷つくだろ?」
流石に勢いの乗っているルーキーでもこれには驚く。自分の一撃を…ノーモーションで受け止められているのだ。キッドは後ろへと下がる。バンドラは船室から見ているヤマト達にウィンクをすると再び構えた。
「狂骨が壊れると怒られるんで、素手でいかせて貰うよ?」
「チッ…舐めやがって…!!後悔するんじゃねえぞッ!!『
次は両腕に金属類が引き寄せられる。
その姿はまるで鎧。そのまま剛腕で何度もバンドラに拳を入れようとする。
「力は良い。だが…焦りがあるな?」
「チッ…腐っても七武海か。」
「君に大海を教えてあげよう。」
そう言って、バンドラはキッドの腹部へと飛び込む。
キッドはそれにニヤリと笑う。
「それは甘えッ!!『
鋼鉄のガントレットがバンドラを捕らえる。
握りつぶすかのように迫り来る掌。バンドラはそれを…蹴りで破壊した。
「ぐっ!?」
「…キッド!?」
ただの蹴りではない。お得意の武装色硬化した蹴り。キッドは片腕の武装を失ったものの、もう一度鉄屑を回収。しかし、これには焦りを見せる。
「…なんじゃこりゃ…。俺が…押し負けた…?」
「いくつも芸を隠してるとね。勘違いされるんだけどさ。…別に全部、磨いてねえわけじゃねえんだよなぁ…。」
そう言って、バンドラは足を思いっきり踏み込み、飛び上がる。
足には電撃を帯び、空中に出た姿は素早く、撹乱するかのよう。
「ぐっ…!!『
左手に全ての鉄屑を集め、巨大なガントレットを作り出すキッド。
そのまま上から振り下ろす。空を切り、風を作るその一撃は船でも簡単に大破するだろう。
「『雷鳴月歩』ッ!!」
対してバンドラは雷を纏った脚でその鋼鉄のガントレットを蹴り上げた。
空中で鉄屑は分解し、キッドの血が宙に舞う。
「ぐぁぁ…ッ!!」
キッドは肩を押さえ、バンドラを睨む。
シュタッと降り立ったバンドラはニヤリと笑い、いつのまにか蒸したタバコを咥えていた。
「ぐっ…まだだ……。俺は…負けねェッ!!」
「気が済むまで付き合ってやるが、五体満足で逃げられるうちに帰んな。…良い男ってのは、去り際をわかってるもんだ。」
「…くっ。」
そう言ったバンドラにキッドが返す言葉は何もなかった。
「…覚えてろよ。次に会った時が…お前の命日だ。天帝ッ!!」
「ふっ。若くて…無様。好きだねぇ。そう言う汚れる男は。…いつでも来なさいや。俺が暇な時は相手してやる。ユースタス・“キャプテン”・キッド。」
…キッドは苦々しくケッと吐くとそのまま自身の船へと帰っていった。バンドラはその後ろ姿を見て、ニヤリと笑う。
「…久々にカイドウのところで鍛え直すか。」
そう言ってバンドラは船室へと戻っていった。
キッドですね。ローか、キッドかと言われるとキッドの方が微妙に好きです。どっちも好きですけどね。
次回はローか、うるぺー…か。考えときます。バトル+イチャイチャがしょうがないけど多なるけど気にせんといてや?
何がありましたら感想欄にて。感想欄でこれしてください言うと怒られるんで、気をつけてくださいね?
ではでは。