燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

あと、シュガーの悪魔の実選手権開催中です。どんな書き方でもいいので是非是非!

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=287079&uid=273231

※シュガーの件は終わり次第告知取りやめします。(明日の20時までとします。)

アンケートの件ですが、やはりホビホビが優勢のようです。しかし、ホビホビよりもシュガーの成長を楽しみになされている方の声もあり…。個人的には無しで魚人空手やら六式やらを使えても良いような感じと能力が戦い映えるんで…っていう感じと…五分五分。皆様、ご意見お聞かせください。自分で考えろと思う方が大半でしょうが…。(豆腐メンタルだから責めないでぇぇ…。)

前置きはこれくらいにして、本編です。


第75話

…〇〇号、船内。

 

「キャプテンっ!!見えてきたよッ!!」

 

その潜水艇は水中に深く深く潜っている。その体躯を隠すことで敵船からの視認や攻撃をしにくいとメリットがあるからだ…と明言されたことはない。

 

潜水艇のスコープがとある船を捕らえる。

その巨大な船体は赤と黒を基調に使われ、大きく吠えるようなオオカミの船首…ルエノルーヴ号。男はなんとしてでもこの船の船長に用があった。

 

「…よし、上がれ。」

 

低い声が潜水艇内に響く。

帽子を深く被った二人の男と白熊が敬礼をした。浮上した潜水艇の波でルエノルーヴ号が大きく揺れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンドラはまたキッドのような威勢の良いルーキーが来たのか…と思っていた。バンドラ達は急いで甲板へと出る。…そこには船ではなく、潜水艇が上がっていた。

 

「…潜水艇か、珍しいな。」

 

「ジェルマの技術ならあるだろうね。」

 

ヤマトとウタは目をキラキラと輝かせていたが、レイジュはふっと笑ってそれを見ていた。

 

「王下七武海…天帝バンドラだな。」

 

「おやおや、これは。…そっちから来たか。」

 

バンドラはその顔にニヤリと笑う。

低い声の黒髪の白い帽子を被った男がそれにニヤリと笑った。

 

「…天帝屋。それと鬼姫屋、ウタ屋。…会ってみたかったところだ。」

 

そう言って笑うのは…トラファルガー・ロー。今、バンドラが一番会いたいであろう男だった。潜水艇を近くに停めて、ローがルエノルーヴ号へと飛び乗ってくる。

 

「お前も俺の首を?」

 

「…馬鹿なことを言うな。俺はそう言うのに興味はねえ。」

 

バンドラとローは船首の近くへと歩く。ウタ達はやってきたクマ…ベポやペンギン、シャチと陽気に話をしているようだ。

 

バンドラはタバコを咥えて、火をつける。

 

「…医者の前でタバコを吸うとは…良い度胸だ。」

 

「ハハッ。これと酒はカッコつけるためのもんだ。女の化粧、男のタバコ…ってな。」

 

「早死にするぞ。」

 

ため息を吐くロー。

バンドラは歯を見せてニヤリと笑っていた。

 

「…天帝屋。アンタ、コラソン…と言う男を知っているか?」

 

切り出してきたのはローの方だった。バンドラはタバコを…ふぅ…と蒸す。

 

「さぁな。そんな男は知らん。」

 

「…本名はドンキホーテ・ロシナンテ。兄はアンタが倒したドンキホーテ・ドフラミンゴだ。」

 

「拿捕したのは海軍だろ?」

 

敢えてとぼけるバンドラ。

ローはそれに微笑みを止める。その顔はひどく寂しそうで…冷たかった。

 

「…アンタが倒したのは知っている。ドレスローザの人間がアンタを英雄と奉っていた。あそこはかねがねドフラミンゴが狙っていた場所だ。天帝屋。アンタだろ…コラソ…コラさんの友人ってのは。」

 

「…ふん。アイツが言ったのか?俺がアイツの友達だって。」

 

違うのか…と惚けたような顔をするロー。バンドラは歯を見せてニヤリと笑った。

 

「違わない。アイツは陽気なやつだった。それと…とてつもなく鈍臭い。」

 

…バンドラとロシナンテはセンゴクによって会わされた。最初は親のいなかったバンドラとよりが合わなかったが、ロシナンテの優しさにバンドラも絆され、次第に仲良くなっていった。

 

「…あぁ。俺はあの人の本懐を遂げるために…生きてきた。」

 

ローは呟くようにボソリと言った。バンドラはその横顔を流し目で見た。

 

…トラファルガー・D・ワーテル・ロー。

 

その本名を聞いたロシナンテはローを保護する。しかし、ローは珀鉛病患者。かつて、白き美しき国フレバンスでは王侯貴族がその美しさという資源のために珀鉛の鉱業を進めていた。しかし、それは鉱害となり、珀鉛病という牙を剥き始めた。

 

珀鉛病は不治の病。

王侯貴族はそれを恐れ、フレバンスの街の住民を一人残らず…焼き払った。フレバンスの戦争と世界貴族の陰謀も関係あったのだろう。死体の山に隠れた少年が見たものは…変わり果てた自分の家…病院だった。

 

ロシナンテはドフラミンゴファミリーに潜入中。そのドフラミンゴファミリーに縁も奇縁。体に爆弾を括り付けた少年が飛び込んできた。その少年は世界に…絶望し、破滅願望を抱いていた。

 

少年はドフラミンゴファミリーで過ごす。ロシナンテはガキが嫌いだったが…その少年の名前を聞いた途端、その少年を守ることとした。悪魔のような…兄から。

 

ロシナンテはローの病気を治す為に一喜一憂する。…そして、ついに見つけたのだ。Xバレルズの船がドフラミンゴとオペオペの実の取引をするという情報を。

 

ロシナンテはそれを手に入れるも…お得意のドジで発砲を喰らってしまった。更にドフラミンゴにロシナンテも見つかってしまい…その凶弾に倒れてしまった。

 

…最期までローが逃げられるように自身のナギナギの実の力が切れぬように…その執念で耐え切ったという。

 

「…俺はドフラミンゴを討つことだけを考えてきた。」

 

重々しくローの口が開かれる。ギュッと長い刀『鬼哭』を握りしめて、黙っていた。

 

「それを俺がやっちまったってか。」

 

「…別にアンタを咎めやしない。…ただ、俺の生き方がわからなくなってきただけだ。」

 

…あれからドフラミンゴファミリーから逃げ切ったローはスワロー島の隣町へ行ったローはオペオペの実の力を使い、自身の体から肝臓を取り出す。そして、その中の珀鉛を集め切り…なんとか荒療治とはいえ、珀鉛病を治した。

 

その隣町で出会ったのが…今の仲間、ペンギン、シャチとそれに虐められていたベポで会ったのだ。

 

ドフラミンゴ投獄の一報を受けて、ローは考えた。嬉しさと共に…自分はこれからどうしたら良いのか…という考えがよぎったのだ。

 

「…俺は何故、コラさんに生かされたのか。俺は何故、生きているのか。俺は何故…コラさんに愛されたのか…。」

 

「…そんなめんどくさいこと考えてんのか。」

 

「…なに?」

 

数年間。一人でローが考えたことをバンドラはすぐ一蹴した。ローは目を見開いて、バンドラを見る。バンドラは穏やかに笑い、タバコを蒸していた。

 

「俺もよ。家族が居ねえもんだから、とある人のとこに潜り込んだもんさ。…ただの子どもで、不法侵入者の俺にあの人は優しい笑顔でどうした?と聞いてくれたもんさ。」

 

「…何を…。」

 

「…なぁに、昔話だよ。…俺はなぁ。少なくとも俺の生き方に理由をつけねえ。」

 

タバコの火を消して、笑うバンドラ。その目の向こうにはベポに抱きつくウタと笑うレイジュ、楽しそうに話すペンギン、シャチ、ヤマトの姿があった。

 

「…あの女達は、アンタの仲間か?」

 

「あぁ。連れてきた奴と着いてきたやつ。…俺はな、アイツらと一緒に居られる今が…すげえ楽しいんだ。」

 

そう言って微笑む顔にローはびっくりしていた。

 

「なぁ、ロー。」

 

「…ん?」

 

「…俺の船に乗らねえか。船医ができるやつがうちには居ねえんだ。俺は良いが、アイツらが怪我するのは…ダメだ。」

 

そう言うバンドラにローはため息をつき、帽子を深く被った。

 

「…俺もアイツらが大事だ。アンタと一緒にはいけねえ。…ありがとう。また、考えてみることにするよ。」

 

そんなローにバンドラは微笑みながら、そうかい…と呟いた。




キッド出したからね。ローです。ローはやらないよねぇ…。

次回、モネとシュガーのお話やりましょう。
シュガーのホビホビってロリシュガーが好きな人と原作汚したくない人と原作のままで良くね?って人と…どんな塩梅なんでしょ。アンケート答えてもらいましたが、せっかくなのでシュガーちゃんは別のものを食べてもらいましょうかという決断(ならアンケートしない方が良かったのでは?)

ただ、ロリが好きな人は幻滅しないでくださいな。

てことで、どんなアイデアでも構いませんので、皆さま、シュガーの実選手権。ドシドシお願いします。

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