あと、シュガーの悪魔の実選手権開催中です。どんな書き方でもいいので是非是非!
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※シュガーの件は終わり次第告知取りやめします。(今日の20時までとします。)
…ドレスローザ。
王宮にて、モネはいつもよりウキウキだった。それはあの人からもらった
「お姉ちゃん。嬉しそう。」
「…そうかな。」
ベッドの上で雑誌を広げ、笑う妹に…モネはぐるぐるレンズの眼鏡をカチャリと上げてはふふっと笑った。
…あの誘いからだいぶと待った。別れ際、一人だけバンドラの部屋に呼び出されたモネはバンドラから一つの紙をもらった。
『なにこれ?』
『
…そう言って少年のように笑うその人にモネはフッと返した。些細なきっかけだったものの…モネはバンドラに惹かれて行っていたのだ。
「…ふふ。」
いつものように白と黒のメイド服を着て、ヘッドドレスを頭につけるモネ。不敵な笑みにシュガーも笑っていた。
「シュガー。遅れちゃダメよ?貴女は遅刻癖あるんだから。直さないと。」
「うえぇ…。わかってるよぉ。」
いつものような見る人によっては不気味に感じる笑みに、シュガーは嫌そうな顔で言った。モネはふふっと笑うとそのまま行ってきます…と一言言い、その場から去って行った。
「…お姉ちゃん。ほんとよく笑うようになったなぁ。」
ポツリとそう呟くと読んでいた雑誌をパタリと閉じるシュガー。モノクル…ではないものの、片眼鏡を掛けてオシャレをする。少し歳の割には若いモコモコとしたマントのようなものを羽織り、外へと飛び出して行った。
…ルエノルーヴ号、船内。
儚げに待つモネ達に対し、此方は…。
「はっふはひは?」
「何言ってるかわからねえ…。」
いつも通りだった。
大好物のサーモンを1匹まるまる咥えたヤマトがバンドラの膝の上に座り、バンドラをキョトンとした顔で見ている。バンドラはその様子に頭を抱えていた。
「……戻してきなさい。」
「わはっは。」
そう言うとテクテクとバンドラの膝から飛び出して、奥へと歩いていくヤマト。正直、バンドラはびっくりしていた。…あのヤマトが物分かりが良すぎるからだ。いつもなら、1、2回は格闘していたろう。しかし、今回は一回で聞いた。…もはや、何かを企んでいるレベルである。
「……今日はサーモンだな。」
すでに傷がついている為、仕方ない。
嫌いではないから良いものの、ウタやレイジュが食べられるかは…わからない。今宵の献立を考えていると後ろに柔らかく主張する温かいものが当たっていた。
背後を見るとにっこりと笑うヤマトの姿があったのだ。知識は偏っているものの、最近、ウタやレイジュの化粧品やら服やらの会話にヤマトが入っているのを見かける。ルージュを付ける程度の仕上がりなものの、元々が眉目秀麗である為か、仕上がって見える。
バンドラは自身と違い、天然にパーマの少しかかったヤマトの柔らかい頭をポンポンと撫でる。すると目を細めてふふっと笑うヤマト。…こういう、子どもっぽいところは健在であった。
首にギュッと巻かれる手は女性らしい華奢な手…であるものの、力は
ヤマトはその手を解くと特等席と言わんばかりにバンドラの肩を枕にして頭をぴたりとそこに付けた。
「ほんとお前は…甘えん坊だな。」
「ふひひ。…こうやって甘えさせてくれるの…君しかいなかったから。」
…今、船にいる誰よりもこの二人の一緒に居た時間は長い。そういう意味ではヤマトは意識していないものの、リードしている…と言えるだろう。
隣に胡座をかいて座るヤマトの手をバンドラが握る。その手をヤマトが握り返していた。隣を見ると柔らかく笑うヤマトの姿。バンドラも口角を軽く上げて、にっと笑い返した。
ヤマトはそんなバンドラの唇にチュッと唇を重ねた。最初の頃は酔った勢いや、疲れすぎて覚えてなかったらもしたが、今では躊躇はしない。挨拶のようなものになっていた。バンドラの鼻にふっと甘い香りが香る。
「…つうか。」
バンドラはそんなヤマトにジトーとした目で返した。ヤマトはコクッと小首を傾げ、キョトンとしていた。
「…俺の服、勝手に着るな。」
そう、今のヤマトはいつもの脇を露出させた服ではない。バンドラの服…正確に言えば、今朝、脱いだであろう紺色の甚平であった。ヤマトの立派なものに阻害され、首元の整った襟のところから谷間が見えていた。コイツは…肩を見せないと死ぬのか…とも思いつつ、自分の服をヤマトが着ていることに関して、微妙な感覚を覚えるバンドラ。
ヤマトもにへらと笑う。
「…こうしているとね。バンドラがボクをいつも抱きしめてくれてるみたいで良いんだ。バンドラの匂いがボクからするもん。」
…何回か言っただろうが、そう言ったフェチズムの話ではない。バンドラが純粋無垢なヤマトを着せ替え人形として揶揄っているわけでもない。…ただ、これがヤマトの素…天然なのだ。バンドラはその優しげな笑みに顔が少し熱を浴びるのを感じた。
「……ドレスローザに着く前に着替えとけよ?」
ため息混じりにそう言うバンドラにヤマトはぶうたれるようになんでぇ?と問う。わりとヤマトとしてはこれが気に入っているのだ。バンドラはそんなヤマトの口に飴を放り込む。ヤマトは口の中でコロコロと飴を転がして、満足そうに笑っていた。次第にヤマトの口の中からガリガリと音が聞こえる。
「…お前のそういう姿見る
バンドラは飴を齧り終えたヤマトの肩を抱く。小首を傾げるヤマトにバンドラはわかってねえな…と少しため息を吐いた。ふと、何か考えたのだろう…ヤマトがぱぁっと明るい顔になり、バンドラの耳へチュッとキスをした。慣れていないことにバンドラは肩をピクリと振るわせる。
「…お前、意味わかってんのか…?」
「なにが?」
いつもと同じだ…という風に小首を傾げるヤマト。バンドラは大きくため息を吐くとヤマトの耳へと耳打ちをした。
「耳へのキスはな…。」
「……へっ?」
ヤマトの顔がかぁぁ…と赤くなる。熱を帯びて、変になっていくのを感じた。
「そ、そんなんじゃ…ない…もん。」
ぼすっとバンドラの膝の上に顔から倒れるヤマト。バンドラもヤマトほどではないにしろ、顔を少し赤く染めて、照れ隠しのように顔を隠していた。ヤマトが声にならない声を出して、ジタバタと足を動かしている。
「こら、暴れるな。」
ていっとバンドラは仰向けになったヤマトの額を指で小突いた。ヤマトはそこを押さえながら、羞恥からか痛みからか、バンドラに涙を浮かべて抗議の目を向けた。
「……意地悪。」
ボソリとそう呟くヤマト。
バンドラは納得のいかない顔で何がだと少し嫌そうにつぶやいた。ヤマトはバンドラの首に手を回す。
「なんだよ。」
「…そんなこと言ったら、なんか…意識しちゃうじゃん。」
「あー?ったく。坊ちゃんが一丁前に色気づくな。」
そう言ってバンドラはヤマトの頬を両手でつねる。ヤマトは痛い痛いなんて言いながら、バンドラを見ていた。ふっと笑うバンドラ。手を引っ込めてヤマトの顎を持つと軽く上げて…その首筋に唇を落とす。
ヤマトはビクッと肩を震わせるものの、小首を傾げてバンドラを見た。
「…これは何の意味があるの?」
「なんでもねえよ。」
そう言って遠いところを見るバンドラにヤマトは微笑むと、バンドラの膝の上にゴロンと寝っ転がるのだった。
耳…相手を性的な誘惑をするとき
首筋…相手を誰にも渡したくないという強い執着心
ということで少しビターに。モネは次回からかなぁ。ちょっとこういうのが続きます。最近、鰐、火拳、磁気と戦いあったからなぁ。次は龍か餅か…恐竜か…。というのも、他の最悪の世代がキッドほど血気盛んなイメージがない。あるとしてもルフィだが、ルフィはまだ海に出てないのでね。名前出てたのは…ベッジか。難しいとこだね。
シュガーは動物系にしたいな。
凛と佇むところと甘えるところが入り混じった女豹とか女虎とかよくない?鳥もいいけどね。では。