燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

※捏造設定?ありますよ。


第78話

ルエノルーヴ号…船室。

 

「…悪魔の実?」

 

「あぁ。」

 

バンドラはモネの膝の上で答える。モネはバンドラを耳掻きしていた。耳掻き棒で優しく優しく…耳かきをしていく。

 

「俺は七武海。どんな海賊もが俺の首を狙う。名を上げるためにな。レイジュは改造人間だから食わねえでも自分の身は自分で守れるが、シュガーやお前に気を配れるかはわからないからな。」

 

「あら、考えててくれてるのね?嬉しい。」

 

そう言って微笑むモネ。

バンドラの耳元に暖かい感触が伝わる。バンドラは逆を向き、モネは逆の耳を耳掻きしていた。

 

バンドラの目からモネの胸が下から見える。立派なそれはまさに山であった。

 

「…シュガーには食べさせないであげて。私が食べるわ。」

 

「二つあるが、それで良いのか?」

 

「だって、シュガー本人がここにいないじゃない?」

 

クールなモネだったが、時折、見せる不敵ではない可愛らしい笑みがバンドラは好きだった。口に手を当てて笑うモネにバンドラはそっかと歯を見せて笑う。

 

「…終わったわよ?バンドラさん。」

 

「ありがとう。気持ちよかったよ。」

 

くすくすと笑うモネ。

バンドラは立ち上がると後ろからガバッとモネが抱きついてきた。雪のように白い露出した腕がバンドラの首に回る。

 

「冷たいな。お前の腕。」

 

「ふふ。…なら、温めてちょうだい?救世主さん?」

 

息混じりのその声がバンドラの耳にかかる。海風にモネの緑の髪が吹かれた。

 

「…なんだ?キスでもするか。」

 

「…え?」

 

…ここでモネの頭の中に疑問が残る。

こういう時…どうすれば良いのだろうと。

 

ドレスローザのときは頬だったからよかった。しかし…口は違う。

 

「い…良いのかしら。」

 

恥ずかしいのを堪えながら、クールビューティーな笑みを浮かべるモネ。歯切れの悪い声がバンドラに聞こえる。

 

「だって、誘ったのはお前だろ?」

 

「…ふふ…ふふふ…。い、良いわよ?」

 

ほのかに顔を赤らめ、不敵な笑みを浮かべながら、目を逸らすモネ。バンドラは腕が外されるとモネの方を向く。

 

「ちょっと待ってちょうだい。心の準備が…。」

 

顔が近くなり、バンドラの息遣いまでモネが聞こえるようになる。モネは目を閉じて震える唇を重ねた。ぷるんっと震える唇。

 

「ぷはっ…。乱暴な人。…これ、そんなにお好き?」

 

「ん?いいや。…モネの可愛いところが見れるじゃねえか。」

 

「……意地の悪い人ね。」

 

そう言って手を口に持っていき、目を逸らすモネ。可愛い…という言葉にモネの顔がかぁ…と耳まで赤くなっていた。

 

「…で、で。本題に戻るのだけれど。…悪魔の実はどうするの?」

 

ジトーとした目でバンドラを見るモネ。その顔にバンドラは歯を見せてニヤリと笑った。…そんな顔もできるんだ…と。

 

「ちょっと待ってな。」

 

そう言ってバンドラは船室の奥にある食料保管庫へと入る。そこにはあの敵船から奪った二つの宝箱があった。バンドラは何も考えずに、雪のように白い実の入った方の宝箱を掴んだ。

 

バンドラはソファーの上に色っぽく座るモネの横に行くとその宝箱を開けた。

 

「…綺麗。」

 

キラキラと輝く純白の果実。

モネはふふっと笑い、その実を手にした。

 

「…味はクソだぞ。味合わない方が身のためだ。」

 

「食べる前に言わないでよ。…頂きます。」

 

モネはその純白のような悪魔の実をかぶりついた。

 

「…うぐっ。」

 

モネの顔が真っ青に染まる。

モネの口の中には形容し難い味が広がっていた。酸っぱさ、苦さ、ほのかな甘さなどなど。一つ言えるのは確実に美味しくはなかった。モネはそれを飲み込む。

 

「…もう食べられないわ。これ、すごい味。」

 

「食べなくて良いよ。…悪魔の実は一口食べればその身に悪魔を宿す。」

 

そう言ってバンドラはニヤリと笑った。

モネは自分の身体を見渡す。緑のタンクトップを大きく張り上げる胸、柔らかな真っ白な肩や腕。…特に変わったところはない。

 

「…ん?」

 

掌を上に向けるとポンっと何かが出た気がした。バンドラがそれを摘み上げると、それは冷たさと共に体温でじゅわりと溶けていった。…それはまさに『雪』。

 

「…雪か。ユキユキの実の雪人間。」

 

「あら、ロマンチックね。」

 

「お前によく似合ってるじゃないか。やはり、悪魔の実は人を選ぶ。」

 

そうやって笑うバンドラにぽっと顔を真っ赤に染めて、モネは口元を手で隠した。

 

「……やめてよ。溶けてしまうわ。」

 

「そりゃ困るな。」

 

ソファーに座るバンドラの膝にぼふっとモネが寝っ転がる。バンドラはそんなモネの頭にポンっと手を置いた。手のひらの中でモネがふふっと笑う。

 

「ねぇ、知ってる。遠い遠い東の国では…雪女に口づけをされると心臓が凍りついて死んでしまうそうよ?」

 

手を退かし、不敵に笑うモネ。

バンドラはそれにふっと笑った。タバコを蒸し、灰皿に吸い殻を捨てる。

 

「…魅入られたら、じゃなかったか?」

 

「あら、なら貴方はもう手遅れね。…私、貴方のこと好きだもの。」

 

クールに笑うモネ。バンドラは優しく頭を撫でる。白雪のような指でバンドラの頬に触れるモネ。そんなモネの指先にバンドラは唇を落とした。モネは少し顔が熱くなるのを感じる。

 

「…雪は汚いのよ?ほら、雨と同じだから…色んなのが入ってる。工業廃水とか…そういうの。」

 

「博識だねぇ。」

 

「常識でしょ?…何してるのよ。」

 

華奢なモネの指をバンドラは咥えた。

モネが笑みを止めて、真顔でバンドラを見る。バンドラは悪戯にニヤリと笑った。

 

「…雪は汚くても…この雪は綺麗だろ?冷たくて…甘い。」

 

「……自然とそういうこと言うのね。…私を殺す気かしら。

 

ボソリと呟くモネにバンドラはその唇を急に奪う。目を見開いて、少し暴れるモネ。バンドラはモネの手を握り、ただ静かに唇を重ねていた。

 

「…な、ななな…!?」

 

モネが目を見開いて驚く。その顔はクールビューティーな雪女…ではなく、普通の照れ屋な女の子だった。目に少し涙を浮かべて驚くモネにバンドラは歯を見せて悪戯に笑った。

 

「ハハッ。なんだ、そんな顔もするんじゃねえか。…俺ァ、モネのそういう顔…もっと見たいねえ。」

 

「だ、だからって急にキスするの、ずるいじゃないッ!!…その、心の準備もできちゃいないのにッ!?」

 

バッと身体を起こし、口元を手で隠すモネ。

バンドラはそんなモネの頬に手を当てる。

 

「心の準備が出来たら、次はアンタからやってくれるのかい?」

 

耳元でそういうバンドラにモネの身体からしゅうぅぅぅ…と湯気が上がる。まるでモネの身体が雪像のようになるとそれが急激に溶け出した。バンドラはバッとそんなモネから離れる。

 

「も…モネさん?」

 

「あーあ、融けちゃった。」

 

そこから出てきたのは…モネに似た小さな女の子だった。モネのぶかぶかのタンクトップとジーパンが下に落ちる。

 

「…どちらさん?もしかして、モネ?」

 

少女はこっくりと頷いた。

 

「バンドラさんが悪いのよ。…私、暑すぎると溶けちゃうみたい。」

 

「そ、そうなのか…。」

 

「…ちょっと冷やしてね。」

 

そう言ってモネはバンドラの膝の上へちょこんと乗る。バンドラは目の前で起こったことに目を白黒させながらも頷いた。モネがバンドラの頬にキスをする。

 

「…は?」

 

「…お返し。」

 

そう言って、モネはにっと子どものように笑った。

 

…因みに少し待つと元のモネに戻っていた。

 




今作のユキユキの実。
・融けると幼女になる。(極度の照れ、普通に暑さ)
ちな、幼女モネさんは通常モネさんより積極的です。

シュガーはユキヒョウになりそうですな。長鼻嫌いだから長物持たせようかしら。

ではでは。

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