燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

新章…?


第83話

…ホールケーキアイランド。

ウタは新衣装に身を包み、姿見の前ではくるくると回る。黒いジャケットに白いスーツ。所々に『New Genesis』と描かれていた。

 

「…ん?」

 

…なにやら、外が騒がしい。

ウタが窓から見渡すとそこには…爆炎が上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ウタのライブが差し迫った2時間ほど前。

ホールケーキアイランドは騒然としていた。ビッグマムの元…ホールケーキ城へ何者かが侵入したのだ。

 

「暇だねえ。」

 

バンドラは宝物庫前で待機していた。たった一人で。

 

ちょうど良いとビッグマムが抜擢したのだ。しかし、本調子で戦うとなれば人員が少ない方がいい。ヤマトやレイジュなら側にいても良いが、生憎とホールケーキ城を壊されてしまってはダメだとのことだった。

 

バンドラは小説を読みながら、侵入者を待つ。すると狙い通り、バンドラの目の前に黒い影が跳んでいた。

 

影は剣を持ち、バンドラへと切り掛かってくる。

 

即座にバンドラは居合。抜刀で対敵した。

 

「…ッ!?」

 

「…豹?」

 

そのままそれは後ろへと飛び、バンドラへ切り掛かってくる。

 

バンドラはそれを受け止め、弾き返した。

 

「…自分で後ろに跳んだか。なかなかやるな。豹ッ!!」

 

「…ジャガーだ。」

 

剣を振り下ろし、中段に構え、ジャガーの男は前へと出る。

 

しかし、バンドラはそれを武装色を纏った蹴りで受け止めた。

 

「ッ!?」

 

「…そんな剣じゃあ俺ァ取れねえよ。」

 

そうして、剣を蹴り上げる。

ジャガーの男の剣は宙を舞い、そのまま地面に突き刺さった。

 

「ペドロッ!!」

 

「ゼポッ!!お前は逃げろッ!!」

 

「出来るわけが…!!」

 

ジャガーのような男…ペドロの後ろを熊のような男…ゼポが現れる。バンドラはその様子を立ち尽くして見ていると、ペドロは手に電撃を纏う。

 

「『電撃(エレクトロ)』ッ!!」

 

ペドロは爪を突き立て、そのままバンドラへ向かってくる。

 

バンドラはその爪を右手の人差し指で受け止めた。

 

人差し指は流桜を纏っていた。

 

「くっ…動かん…っ!?」

 

「…電撃を纏った攻撃。動物のような見た目…テメェらミンク族か。初めて…いや、ローのとこに一人いたな。」

 

ペドロはまた後ろへと跳ぶと地面に刺さった剣を持つ。電撃を纏った刃。そのまま先ほどよりも早い速度でバンドラへ切り掛かる。

 

「…鬱陶しい。『雷鳴』ッ!!」

 

バンドラは同じく雷の纏った刀身を振り下ろす。

 

かち合った剣と刀。しかし、実力差は歴然だった。

 

「ぐ…グァァァッ!!」

 

ペドロはそのまま後ろへと飛ばされてしまった。

 

そのペドロの体をゼポが受け止める。バンドラは刀を振り下ろすと納刀して、前を見た。

 

「…クソ…。満月さえ出ていれば…。」

 

「お前ら、一体こんなとこに何しに来たんだ。」

 

呆れ顔でそう言うバンドラ。そのバンドラをペドロがきっと睨む。

 

「我々はノックス探検隊。ここに歴史の本文(ポーネグリフ)を見に来ただけだ…ッ!!」

 

ゼポの目がそうだと訴えかける。

バンドラははぁ…とため息をつき、地面にどかっと座る。

 

「だからって…海賊のとこにくるかよ。歴史の本文(ポーネグリフ)なら…そこらにどかどか…。兎に角、さっさと帰れ。」

 

「…ここにあった歴史の本文(ポーネグリフ)は赤かった。」

 

その言葉を聞いた途端、バンドラの目がカッと見開く。バンドラは刀をチャキっと抜く。

 

「…お前ら、早く逃げろ。」

 

「「…は…?」」

 

低い声のバンドラにゼポとペドロが声を合わせてそう言った。バンドラは眉間に皺を寄せて、睨む。

 

「テメェら、死ぬぞ。ここは海賊の領域。…特にテメェらが見ちまったもんはやべえ奴だ。向こうはそれを狙っていると思ってやがったら…。」

 

バンドラに答えを告げたのは…奥から現れるビッグマム海賊団の軍勢だった。ビッグマム…シャーロット・リンリンはソルソルの実の能力者。その力で大量のチェス兵たちを作り出す。

 

「…テメェはバンドラ。」

 

「チッ…。オーブンか。」

 

その軍勢の前にはシャーロット家の四男でカタクリと同い年…シャーロット・オーブンが立っていた。

 

「おい、バンドラ。そいつらはこのホールケーキ城に乗り込んだクズだ。ママの前に突き出さねえと気が済まねえ。」

 

「あっそ。…殺すのかい?」

 

バンドラがニヤリと笑うとオーブンも不敵に笑った。

 

「ママがどうするか…だなぁ?」

 

「…ソイツらはロード歴史の本文(ポーネグリフ)を盗んじゃねえぞ。」

 

「だからなんだ?コイツらは俺たちの島に無断で入った。テメェならこの意味、わかるだろ。」

 

…オーブンの手が赤く色づく。熱気がその室内にどんどんと掌握していく。オーブンは憤っていた。…天下のビッグマム海賊団がただの動物如きに侵入された。それがオーブンを激しく憤らせていたのだ。

 

「…外に話を出さねえよう言えば良いんじゃねえか?」

 

「何甘えこと言ってんだ。部外者が。お前もここに来た時点で…終わってんだよ。」

 

その言葉にバンドラが眉を曲げ、ニヤリ顔のオーブンを横目で睨む。

 

「…どういうことだ?」

 

「ママはお前が是が非でも欲しい。だから…歌姫のライブを計画した。歌姫は名前が知れてる。それがお前の仲間だと知っていたママは…歌姫を使ってお前を呼び寄せた。そろそろ歌姫を…モンドールのやつが本に入れるところだろう?」

 

…それを言った途端、オーブンの顔面が大きくひしゃげた。壁を破壊しながら、横へと吹き飛ぶオーブン。

 

「お、オーブン様ッ!!」

 

「…痛えなぁ。何しやがるッ!!バンドラッ!?」

 

「…うっせえよ…三下ァ…。」

 

その時、チェス兵たちが徐々に倒れ出す。室内にボンッと覇王色の覇気が満ちたのだ。オーブンもそれに冷や汗をかく。青筋を立てて、誰が見てもバンドラはキレていた。

 

「この俺に…三下だと…ッ!!」

 

オーブンの身体が赤く燃え、そのまま前へと飛び出し、拳を構える。

 

「『熱風拳(ヒート・デナッシ)』ッ!!」

 

「『朱熱の拳(ヴァミリア・フィスト)』ッ!!」

 

それにバンドラは真っ赤な炎の拳で応戦。触れ合った瞬間、爆炎と共に爆風が室内に巻き起こる。

 

「ぐぁぁッ!!」

 

爆炎から出されたのはオーブン。

オーブンの手が赤く燃えていた。オーブンの熱じゃない。バンドラの炎だった。

 

「ッ!?」

 

「『(かみ)……狩り(がり)』ッ!!」

 

爆炎から地面を蹴り、オーブンへ跳ぶバンドラ。狂骨は黒と赤の雷を放ち、纏っていた。

 

そのまま前へと飛び出し、オーブンを斬り進んだ。

 

「ぐ…あっ…。」

 

バンドラの後ろで倒れるオーブン。

 

バンドラは狂骨をしまうと倒れるチェス兵たちを踏みつけて、進もうとする。

 

「…おい。ジャガー、クマ。…死にたくなけりゃ、逃げろ。」

 

そう言って突き進んだ。

 

「…早え。」

 

「ゼポ。お前は帰れ。」

 

「えっ!?何言ってんだよ…!?ペドロッ!?」

 

ゼポの上で倒れていたペドロが剣を抜いて、前へと歩き出す。ゼポが止めようとするとペドロはふっと笑った。

 

「…俺ならアレについて行ける。それにあの人は俺たちを助けてくれた。恩を返したい。」

 

「ペドロォォォッ!!」

 

そう言ってペドロも前へと飛び出した。




歴史前後するけどね。カイドウのとこにエースが行くよりペドロのとこの方が一年前なんだけどね。

本筋やって、読みたいとの声をお聞きしまして…。やりましょうっ!!って事で。これが終わったら原作突入いけるかなと思います。こっから、ばちばち戦いだからなぁ…。ドラゴンボールみたいにならないようにしないと…。

では。

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