新章…?
…ホールケーキアイランド。
ウタは新衣装に身を包み、姿見の前ではくるくると回る。黒いジャケットに白いスーツ。所々に『New Genesis』と描かれていた。
「…ん?」
…なにやら、外が騒がしい。
ウタが窓から見渡すとそこには…爆炎が上がっていた。
…ウタのライブが差し迫った2時間ほど前。
ホールケーキアイランドは騒然としていた。ビッグマムの元…ホールケーキ城へ何者かが侵入したのだ。
「暇だねえ。」
バンドラは宝物庫前で待機していた。たった一人で。
ちょうど良いとビッグマムが抜擢したのだ。しかし、本調子で戦うとなれば人員が少ない方がいい。ヤマトやレイジュなら側にいても良いが、生憎とホールケーキ城を壊されてしまってはダメだとのことだった。
バンドラは小説を読みながら、侵入者を待つ。すると狙い通り、バンドラの目の前に黒い影が跳んでいた。
影は剣を持ち、バンドラへと切り掛かってくる。
即座にバンドラは居合。抜刀で対敵した。
「…ッ!?」
「…豹?」
そのままそれは後ろへと飛び、バンドラへ切り掛かってくる。
バンドラはそれを受け止め、弾き返した。
「…自分で後ろに跳んだか。なかなかやるな。豹ッ!!」
「…ジャガーだ。」
剣を振り下ろし、中段に構え、ジャガーの男は前へと出る。
しかし、バンドラはそれを武装色を纏った蹴りで受け止めた。
「ッ!?」
「…そんな剣じゃあ俺ァ取れねえよ。」
そうして、剣を蹴り上げる。
ジャガーの男の剣は宙を舞い、そのまま地面に突き刺さった。
「ペドロッ!!」
「ゼポッ!!お前は逃げろッ!!」
「出来るわけが…!!」
ジャガーのような男…ペドロの後ろを熊のような男…ゼポが現れる。バンドラはその様子を立ち尽くして見ていると、ペドロは手に電撃を纏う。
「『
ペドロは爪を突き立て、そのままバンドラへ向かってくる。
バンドラはその爪を右手の人差し指で受け止めた。
人差し指は流桜を纏っていた。
「くっ…動かん…っ!?」
「…電撃を纏った攻撃。動物のような見た目…テメェらミンク族か。初めて…いや、ローのとこに一人いたな。」
ペドロはまた後ろへと跳ぶと地面に刺さった剣を持つ。電撃を纏った刃。そのまま先ほどよりも早い速度でバンドラへ切り掛かる。
「…鬱陶しい。『雷鳴』ッ!!」
バンドラは同じく雷の纏った刀身を振り下ろす。
かち合った剣と刀。しかし、実力差は歴然だった。
「ぐ…グァァァッ!!」
ペドロはそのまま後ろへと飛ばされてしまった。
そのペドロの体をゼポが受け止める。バンドラは刀を振り下ろすと納刀して、前を見た。
「…クソ…。満月さえ出ていれば…。」
「お前ら、一体こんなとこに何しに来たんだ。」
呆れ顔でそう言うバンドラ。そのバンドラをペドロがきっと睨む。
「我々はノックス探検隊。ここに
ゼポの目がそうだと訴えかける。
バンドラははぁ…とため息をつき、地面にどかっと座る。
「だからって…海賊のとこにくるかよ。
「…ここにあった
その言葉を聞いた途端、バンドラの目がカッと見開く。バンドラは刀をチャキっと抜く。
「…お前ら、早く逃げろ。」
「「…は…?」」
低い声のバンドラにゼポとペドロが声を合わせてそう言った。バンドラは眉間に皺を寄せて、睨む。
「テメェら、死ぬぞ。ここは海賊の領域。…特にテメェらが見ちまったもんはやべえ奴だ。向こうはそれを狙っていると思ってやがったら…。」
バンドラに答えを告げたのは…奥から現れるビッグマム海賊団の軍勢だった。ビッグマム…シャーロット・リンリンはソルソルの実の能力者。その力で大量のチェス兵たちを作り出す。
「…テメェはバンドラ。」
「チッ…。オーブンか。」
その軍勢の前にはシャーロット家の四男でカタクリと同い年…シャーロット・オーブンが立っていた。
「おい、バンドラ。そいつらはこのホールケーキ城に乗り込んだクズだ。ママの前に突き出さねえと気が済まねえ。」
「あっそ。…殺すのかい?」
バンドラがニヤリと笑うとオーブンも不敵に笑った。
「ママがどうするか…だなぁ?」
「…ソイツらはロード
「だからなんだ?コイツらは俺たちの島に無断で入った。テメェならこの意味、わかるだろ。」
…オーブンの手が赤く色づく。熱気がその室内にどんどんと掌握していく。オーブンは憤っていた。…天下のビッグマム海賊団がただの動物如きに侵入された。それがオーブンを激しく憤らせていたのだ。
「…外に話を出さねえよう言えば良いんじゃねえか?」
「何甘えこと言ってんだ。部外者が。お前もここに来た時点で…終わってんだよ。」
その言葉にバンドラが眉を曲げ、ニヤリ顔のオーブンを横目で睨む。
「…どういうことだ?」
「ママはお前が是が非でも欲しい。だから…歌姫のライブを計画した。歌姫は名前が知れてる。それがお前の仲間だと知っていたママは…歌姫を使ってお前を呼び寄せた。そろそろ歌姫を…モンドールのやつが本に入れるところだろう?」
…それを言った途端、オーブンの顔面が大きくひしゃげた。壁を破壊しながら、横へと吹き飛ぶオーブン。
「お、オーブン様ッ!!」
「…痛えなぁ。何しやがるッ!!バンドラッ!?」
「…うっせえよ…三下ァ…。」
その時、チェス兵たちが徐々に倒れ出す。室内にボンッと覇王色の覇気が満ちたのだ。オーブンもそれに冷や汗をかく。青筋を立てて、誰が見てもバンドラはキレていた。
「この俺に…三下だと…ッ!!」
オーブンの身体が赤く燃え、そのまま前へと飛び出し、拳を構える。
「『
「『
それにバンドラは真っ赤な炎の拳で応戦。触れ合った瞬間、爆炎と共に爆風が室内に巻き起こる。
「ぐぁぁッ!!」
爆炎から出されたのはオーブン。
オーブンの手が赤く燃えていた。オーブンの熱じゃない。バンドラの炎だった。
「ッ!?」
「『
爆炎から地面を蹴り、オーブンへ跳ぶバンドラ。狂骨は黒と赤の雷を放ち、纏っていた。
そのまま前へと飛び出し、オーブンを斬り進んだ。
「ぐ…あっ…。」
バンドラの後ろで倒れるオーブン。
バンドラは狂骨をしまうと倒れるチェス兵たちを踏みつけて、進もうとする。
「…おい。ジャガー、クマ。…死にたくなけりゃ、逃げろ。」
そう言って突き進んだ。
「…早え。」
「ゼポ。お前は帰れ。」
「えっ!?何言ってんだよ…!?ペドロッ!?」
ゼポの上で倒れていたペドロが剣を抜いて、前へと歩き出す。ゼポが止めようとするとペドロはふっと笑った。
「…俺ならアレについて行ける。それにあの人は俺たちを助けてくれた。恩を返したい。」
「ペドロォォォッ!!」
そう言ってペドロも前へと飛び出した。
歴史前後するけどね。カイドウのとこにエースが行くよりペドロのとこの方が一年前なんだけどね。
本筋やって、読みたいとの声をお聞きしまして…。やりましょうっ!!って事で。これが終わったら原作突入いけるかなと思います。こっから、ばちばち戦いだからなぁ…。ドラゴンボールみたいにならないようにしないと…。
では。