燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。


第84話

…一方、ウタの部屋では。

 

「んぅぅ〜ッ!!んぅぅぅぅ〜ッ!!」

 

口に透明な飴の枷をつけられて、手足も枷をつけられていた。そこには長男シャーロット・ペロスペローの姿があった。

 

「ペロリん。悪く思うなよ、歌姫。」

 

ウタがペロスペローをきっと睨む。

ペロスペローはベッドに座りながら、舌なめずりをしていた。

 

「しかし、ママもモンドールのやつも遅いなぁ?俺がでしゃばることになっちまった。」

 

「んんぅぅぅ…!!んぅぅッ!!」

 

「安心しな。お前は歌えなきゃ戦えないのはわかってる。ママはすげえよ。お前すらママは手に入れようとしている。安心しなぁ。お前はビッグマム海賊団専属の…歌姫だ。あぁ、それと…バンドラのやつは来れねえよ。アイツはカタクリが相手するからなぁ。」

 

ニチャアと笑うペロスペロー。

その飴の杖の先でウタの顔を…殴る。ウタの顔に大きなあざができる。

 

「五月蝿えんだよッ!!天使の歌声か知らねえが、喚いても来ねえもんは来ねえッ!!いいか、これが海賊だッ!!お前らがしてたのは海賊ごっこなんだよッ!!」

 

何度も何度も…ウタの顔を殴るペロスペロー。

ウタは泣かずに待つ。顔にどんどんあざができる。

 

「嘘だったんだよッ!!お前のライブなんてッ!!誰も待ってないッ!!テメェらは騙されたんだよッ!!…しかし、遅えなぁ。」

 

ペロスペローは作戦の要 19男シャーロット・モンドールを待っていた。モンドールの悪魔の実『ブクブクの実』は人を生きたまま標本にできる。その能力でウタを捕縛し、交渉の材料にしようとしていたのだ。

 

「ペロリん♪バンドラが傘下に入れば、ママは海賊王にグッと近づく。そうすりゃあ、もう俺たちは敵なしだぁぁっ!!」

 

勝利の雄叫び。

自身の腕から放たれるフルスイングをウタに打とうとする。これには流石のウタも目を背けた。ウタの頭に当たる直前…。

 

「「うわぁぁァッ!!」」

 

扉で待機させていた兵士二人が部屋の中へ吹き飛ばされた。扉と共に人が飛んできたことにペロスペローはびっくりとして開いた口が塞がっていない。

 

「ウタちゃんッ!!バンドラから…話が…あっ…て…。」

 

中へ入ってきたのは金棒を持ったヤマト。それと手にナイフを持ったモネだった。ヤマトはウタを見るなり、眉間に皺を寄せる。ヤマトの目が金色に光り輝いていた。

 

「…君か。ウタちゃん、虐めたのは。」

 

低く淡々と紡がれるヤマトの声。

ギリギリと金棒『建』を握りしめて、ペロスペローを睨んでいた。

 

「て、テメェは…!!バンドラの女じゃねえかッ!!なんでこんなところに…!!」

 

…聞いてるのはこっちだ。クズ野郎。

 

「チッ…!!『キャンディウォール』ッ!!」

 

健を振りかぶるヤマト。

 

キャンディの壁がペロスペローを守るように現れる。

 

しかし、それを前にヤマトは足を踏み出し、腰を入れ…思いっきり…。

 

「『雷鳴八卦』ッ!!」

 

「グヴォアァァァッ!!」

 

キャンディの壁は無惨に散り、ペロスペローは顔面に強打を食らった。そのまま部屋の壁を突き破り、ホールケーキ城から飛び出して行った。

 

「大丈夫!?ウタちゃん!!」

 

「…うん。大丈夫。行こう。バンドラに知らせなきゃ。」

 

飴の枷が無くなり、ウタが涙を堪えてそう言った。モネはウタの頭を撫で笑う。しかし、その直後…。

 

「モネッ!!危ないッ!!」

 

モネの後ろから魔人が現れた。

 

モネの背中へと薙刀のようなものを振り下ろす魔人。

 

それをヤマトが間に飛び出し、金棒で受け止めた。

 

「ありがとうッ!!」

 

「ウタちゃん、連れて…早くッ!!」

 

モネは頷くとウタを連れて部屋から飛び出した。現れたのはシャーロット家三男 シャーロット・ダイフクだった。ホヤホヤの実の能力者であるダイフクは腹をすりすりと摩り、魔人を操る。

 

「…面倒なやつだ。行け、魔人ッ!!」

 

魔人 斬(マジギレン)

 

魔人が上から矛を振り下ろす。

 

ヤマトはそれに合わせて、金棒を振り上げた。

 

「なっ!?」

 

「…今のボクは負けないッ!!」

 

魔人の矛が部屋の天井に突き刺さる。魔人の脚部をすり抜け、ダイフクの腹部へ。

 

「『雷鳴八卦』ッ!!」

 

「グハァァァッ!!」

 

ダイフクをそのまま吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ。ビッグマムはどこだ。」

 

一方のバンドラ。

シャーロット・モンドールの髪を上に引っ張り、狂骨の刃を首に押し付けていた。能面のような無表情だった。

 

「し…知らねえッ!!今日はどこにも行ってねえはずだッ!!」

 

「…そうか。なら、気絶しとけ。」

 

峰で頭を殴り、モンドールを気絶させるバンドラ。その後ろからペドロが追いかけてくる。

 

「バンドラの旦那。」

 

「…ジャガー。帰らなかったのか。」

 

「あぁ、俺はバンドラの旦那に恩返しがしてえ。アンタに着いて行っても良いだろ?」

 

バンドラはタバコを蒸しながら、天を仰ぐ。

狂骨を下に下げて、前を見る。

 

「…取り敢えず、ウタは救出できたようだな。」

 

ホールケーキ城中の声がバンドラには聞こえる。もちろん、迫ってきている敵も。バンドラが前を見るとそこには…スイート四将星の一人シャーロット・クラッカーが立っていた。

 

「特注のアーマー、壊しにきたのかい?クラッカーちゃん。」

 

「黙れ。無茶苦茶しやがって。」

 

バンドラはタバコを地面に落とし、足で踏んで火を消す。

 

広い屋上に来たのが災いしたのか、大量にクラッカーのビスケット兵が現れた。

 

「ジャガー。下がってな。」

 

「はっ!?」

 

バンドラはペドロにもわからないほどの速度でビスケット兵の前へと出る。

 

「馬鹿めッ!!わざわざ間合いにでやがってッ!!『ロールプレッツェル』ッ!!」

 

バンドラはそれを下から掌底で上げて、ずらす。

 

「ッ!?」

 

「言っただろ?オシャカになるってさ。『雷鳴月歩』ッ!!」

 

雷を纏った脚でビスケット兵の腹へ一撃を与える。

 

ビスケット兵はその一撃に一瞬で散り散りになった。

 

「まだだ。まだいるぜ?」

 

「モグラ叩きかよ…。めんどくせえ。クラッカーちゃん。テメェやカタクリ、スムージーがあんまりこれに関わってねえのは分かってるが…ババアの私利私欲の為にウチのやつを使われちゃあ…面子が立たねえんだわ。

 

バンドラはそのまま空中を蹴り、飛び出す。狂骨を振り抜き、その峰でクラッカーのビスケット兵を次々と打ち倒していく。

 

「チッ…!!『ハードビスケット』ッ!!」

 

「大当たり…ってかぁ?『黒式雷鳴』ッ!!」

 

武装色を纏った狂骨で上から振り下ろす。

 

と、ビスケットがまるでスポンジケーキのように簡単に切り裂かれた。

 

「嘘だろ…!?俺のビスケットが…!!チッ!!」

 

そう言って手を急いで叩く。そうすると先程、バンドラが砕いたビスケット兵が復活し、バンドラへ雪崩れ込んでくる。上から下される大量のプレッツェル。

 

「へへっ。これならどうだ。」

 

「…質より量か。ごめんよ。痛いの、嫌いなのにな。」

 

バンドラは地面に降りると狂骨を鞘に収める。

 

「『疾風怒刀・豪』ッ!!」

 

吹き荒ぶ風のように、とてつもない勢いでビスケット兵たちを斬り抜く。

 

横に真っ二つ。切られたことも気づかないほどだ。

 

「ッ!?」

 

「ごめんよ?クラッカーちゃん。『大熱灼剣(オーバー・ドフレア)』ッ!!」

 

炎を纏った狂骨の突きがクラッカーの肩の肉を削ぐ。

 

「グァァァッ!!」

 

バンドラが地面にシュタッと降りると同時にクラッカーが燃えた。真っ黒になったクラッカーは地面へと倒れる。

 

「…すげえな。アンタ。」

 

「…いいや。まだだ。」

 

将星は後二人。スナックは道中、簡単に倒せた。…一番、バンドラが気になっているのはNo.2だった。

 

「…まさか、決着がこのような形になるとはな。」

 

カチャカチャと音が聞こえる。そこにいたのは…青筋を立てて、こちらを睨む…カタクリだった。

 

「…弟たちによくも…。」

 

「すまねえな。なりふり構ってられねえんだ。」

 

首の骨をコキコキと鳴らし、バンドラはカタクリを睨んだ。

 

「…何が仁義だ。ふざけんな。…これが仁義なら俺はあのババアの喉元を掻き切るぞ。カタクリ。」

 

「…ならば、相手をしよう。お互い…死ぬまで。」

 

そう言って土竜を地面へと振り下ろした。




バトルばっかになるなぁ。

因みに今は
・バンドラ+ペドロ(vsカタクリ)
・レイジュandシュガー(逃亡中)
・モネandウタ(逃亡中)
・ヤマト(ウタとモネを追いかけ中)

です。バンドラとカタクリは死闘レベルに頑張らんとなぁ…。あと、スムージーの立ち位置よ。ホールケーキアイランド編はこんな感じでまとめていきます。自分の為に。では。

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