燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

…ごめん。書かせてくれ。こういう血生臭いの好きなんやぁ…。


第85話

「「…。」」

 

お互い、睨み合う。…動かない。

ペドロはその緊迫感に汗が頬を伝う。お互い…ふっと笑った。

 

「…ダメだ。何回やっても決着はつかねえな。」

 

「…何回見ても意味はない。」

 

…既にお互い100回以上はこの場でやり合っていた。未来を見て、さらにその未来を変え、そして、その未来を超える。それをお互い、この数分でやりあっていたのだ。

 

「おい、バンドラ。…死んでくれるなよ?」

 

「わかってるよ。そっちもな。…なんのしがらみもなく…やりてえもんなぁ…。だが。」

 

「「殺す気で行く。」」

 

そう言って動き出したのはカタクリ。

 

地面を蹴り、とてつもない速度で距離を詰めると三叉槍『土竜』を放つ。

 

その風をも切る一撃をバンドラは狂骨で弾いて、その勢いでカタクリの頬を裂いた。

 

突如、バンドラの頬も血を吹く。

 

「…ッ!!」

 

バンドラは土竜の持ち手を握り、そのまま狂骨を横に振り、カタクリの首を狙う。

 

カタクリは土竜の持ち手を離し、バンドラの腹を殴ろうとする

 

が、逆にバンドラは足払いをかける。

 

カタクリはモチモチの実の能力と未来視を駆使して()()()()()()()避けた。

 

その後、バンドラは土竜をカタクリの顔面へ投げ返す。

 

カタクリはそれを自分の顔の数距離…もう少しで突き刺さっているぐらいの距離で握って止めた。

 

バンドラはそのままカタクリの身体を切ろうと進む。

 

が、カタクリはその間合いまで来たバンドラにモグラの横一閃を繰り出した。

 

バンドラは土竜の槍先を土台にして、乗り、そのままカタクリへと走った。

 

「ふんッ!!」

 

狂骨がカタクリの首を撥ねようとする。

 

しかし、カタクリはそれを身体を餅にして避け、バンドラの顔面を武装硬化して殴りつけた。

 

バンドラの身体が回り、地面へとぶつかる。

 

「…咄嗟に手でガードしたか。」

 

「…何回戦ってると思ってんだ。」

 

…ここまで、ペドロが息を呑む速度である。

バンドラがゆっくりと立ち上がると、もう既にカタクリは拳をバンドラの腹に入れようとしていた。

 

バンドラはそれを右腕を硬化させてガード。逆に横からカタクリを蹴り飛ばす。

 

カタクリはそれを喰らうも武装色でガードする。

 

「ふぅ…すげぇなぁ…。」

 

親指で頬の血を拭い、ぺろりと舐めるバンドラ。カタクリはコキッと首を鳴らす。

 

「…ウォーミングアップは終わりと行くか。お前、今度こそ本気にならないと…死ぬぞ。」

 

「あ?…なんでこの後、化け物ババアを相手にしなきゃいけねえのに本気でいかなきゃいけねえんだ。」

 

「…ならば…死ぬぞッ!!」

 

地面を蹴り、土竜を持つ手をぐるぐると回す。カタクリの右腕は大きな餅玉になる。

 

「『モチ突』ッ!!」

 

バンドラの腹を裂こうとする槍の突撃。

 

バンドラはそれを避け、狂骨を上から力の限り振り下ろす。

 

「『雷刃』ッ!!」

 

雷を纏った斬波がカタクリの方へと飛ぶ。

 

カタクリは肩を軽く裂き、血を飛ばすが、関係無く槍をもう一度突く。

 

それはバンドラの服を裂き、太ももを軽く切った。

 

二人は後ろに跳んで、距離を離す。

 

バンドラは首を鳴らし、息を吐く。

 

「…めんどくせえなぁ。お前、本気じゃねえだろ。」

 

「お互い様だ。この戦い、楽しみたいじゃないか。」

 

「ジャガーッ!!」

 

バンドラの叫びにペドロがバンドラを見る。バンドラはペドロに一枚の写真を渡した。…ウタの手配書である。

 

「それ持ってウタに会えッ!!俺はコイツとケリつけるッ!!」

 

「わかったッ!!」

 

そう言ってペドロは下へと戻って行った。バンドラはペドロが居なくなるのを見るなり、ニヤリと笑う。

 

「さぁて、そろそろ…お互いある程度本気でやりますか。持つかなぁ…この城。」

 

「…知るか。」

 

次の瞬間、カタクリが足を天空まで伸ばす。

 

そして、そのままバンドラに向かって踵落とし。地面に亀裂が走った。

 

「速攻で壊してんじゃねえよッ!!『風の刃(ラーマ・バン)』ッ!!」

 

咄嗟に跳んで避けたバンドラ。放つ黒い竜巻がカタクリに向かう。

 

カタクリはそれを避けるとバンドラの上へと飛び出た。

 

「『角モチ』ッ!!」

 

バンドラの後頭部を狙い、武装色を纏った拳を叩き落とす。

 

バンドラはそれを喰らい、ホールケーキ城から叩き落とされた。

 

「うぉぉぉぉッ!!危ねぇぇッ!!」

 

地面すれすれで飛ぶ斬撃を打ち、勢いを殺すバンドラ。シュタッと下の街へ降りたバンドラへ同じく降りたカタクリの拳が襲いくる。

 

バンドラはそれを腕をクロスしてガード。そのまま、後ろへ跳ぶ。

 

「『黒雷刃(アートルム・トルニトロス)』ッ!!」

 

地面に降りるとそのまま抜刀と共に、前へと跳ぶ。その速度はカタクリの未来視を超えた。

 

「ぐっ…!!」

 

深手にはならないものの、カタクリの腹筋を横に一閃薙ぐ。そこからたらりと血が流れた。

 

時間差でバンドラの頭からも血が垂れる。バンドラはそれを拭うとニヤリと笑った。

 

「…まだいけるよなぁ?」

 

「こんなもの、傷にはいるか。」

 

バンドラは歯を見せ笑うと右掌を引っ掻くように下に振り下ろす。

 

するとカタクリの上から雷撃が降り注いだ。

 

カタクリはそれを避けると同時に自分の周りに無双ドーナツを作り出す。

 

「『力餅』ッ!!」

 

「『砲雷(テスラ・ノヴァ)ッ!!」

 

バンドラは顔面にその拳を喰らう。

 

しかし、カタクリも上から降る雷の集合体の砲撃をモロに喰らった。

 

「グゥゥゥ…ッ!!」

 

「ぐっ…!!」

 

バンドラの口からたらりと血が垂れる。

 

カタクリも膝や腹に血の滲んだ傷が出来ていた。

 

…そこには誰もいない。カタクリは口を隠す布を横に投げ捨てた。耳元まで裂けるカタクリの口。耳元は縫い合わされていた。

 

バンドラはそれに応えるようにもろ肌脱ぎ。ヤマトに噛まれた傷を隠す包帯と背中には大きな龍の刺青が入っていた。

 

「…その身体でよくここまでやる。」

 

「俺が死んだらヤマトに申し訳が立たねえ。…悪いが、テメェを倒して帰らせてもらうわ。カタクリ。俺は…お前に勝つッ!!」

 

歯を見せてニヤリと笑うバンドラ。

カタクリもそうか…と笑い、モグラを構えた。

 

「…俺には俺が死ぬ未来は見えねえな。死んでも文句言うなよ。天帝ッ!!」

 

「来いッ!!」

 

バンドラは狂骨を構えると、前からカタクリが向かってくる。カタクリの左の腕が炎上する。

 

「『焼餅』ッ!!」

 

バンドラに当たり、爆発する。

 

バンドラはそのまま後ろへと背中から転がるが、すぐに立ち上がり、横一閃に刀を振るう。

 

「『風閃(ふうせん)』ッ!!」

 

速度を得た斬れる風はカタクリの頬を斬り、手足の一部を裂き切った。血が風に煽られ、舞う。

 

カタクリは土竜を地面に突き刺すとそのまま上へと跳び上がる。

 

バンドラはそれを追い詰めるように向かうが、その横に無双ドーナツができた。

 

「『柏手モチ(かしわもち)』ッ!!」

 

バンドラを挟み潰すようにモチで出来た掌が迫る。

 

カタクリはその後、下へ降り、土竜を回収。その手の方向へと地面を蹴って跳んだ。

 

バンドラはその手に挟まれるもの、切り崩し、カタクリの方へと跳ぶ。

 

「『火災龍帝(かさいりゅうてい)』ッ!!」

 

「『モチ突』ッ!!」

 

炎を纏った龍のような刀身がカタクリへ。回転しながら振り切る。

 

モチ突はバンドラの脇腹を薙ぎ、火災龍帝はカタクリの腹を大きく横薙ぎに裂いた。

 

傷の大きさ的にはカタクリの方が上である。しかし、バンドラは元々傷があった。

 

「…ふぅ。」

 

「…ふん。」

 

二人はまだ余裕そうに歯を見せてニヤリと笑っていた。




そう、バンドラくん。五体満足ではございません。(血は出ないので体力の問題)

この勢いだと次回決着かもしれん。
他視点も書かんと…。では。

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