燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。


第86話

…一方、ウタと言えば。

レイジュ、シュガーと合流したウタは死ぬ気で走っていた。なぜかというと…。

 

「マンマ、マンマッ!!」

 

雷雲に乗る化け物に追われているからだ。

 

「なんでこうなるのよッ!!」

 

「流石に無理…!!あれは私でも…!!」

 

ここで戦えるのはレイジュのみ。

ウタもやれないことは無いが、覇気が強すぎて音楽が散り散りになってしまう。ヤマトか、バンドラが来るまで逃げ回るしかなかった。

 

「…目眩しになるかはわからないけれど…。」

 

モネが後ろに向かって吹雪を起こす。

 

しかし、ビッグマムの追撃は止まらない。まだ使い慣れてない能力をビッグマムは平手で吹き飛ばす。

 

「マンマ、マンマっ!!どうして逃げるんだい?バンドラが暴れているからかい?」

 

「話してる場合ない…!!『音の嵐(スオーノ・テンポラーレ)』ッ!!」

 

ウタの歌と共に五線譜と色鮮やかな音符たちがビッグマムの前を通る。

 

…そんなものを前にビッグマムは恍惚とした表情を浮かべていた。

 

「これがウタウタの実の力か。面白いねえ。」

 

そう言って帽子『ナポレオン』を持つ。

ナポレオンは剣の形へと様変わりし、その刃は五線譜を簡単に切り裂いた。

 

「この国でオレから逃げられるわけないだろ?」

 

そう言って不敵に笑うビッグマムだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ッ!!」」

 

二人の拳が互いの頬にあたる。

 

バンドラとカタクリは後ろへと跳び、間合いを開ける。

 

「…全力でかかって来い。俺はお前の全力を見たい。」

 

「アホか。俺が疲れるわ。」

 

「…そうかッ…!!『モチ刃弾(もちはだん)』ッ!!」

 

手を銃のような形にして、その人差し指から硬化を行った弾を射出するカタクリ。

 

バンドラはそれを上に跳んで避ける。

 

「『疾風怒刀(しっぷうどとう)』ッ!!」

 

上空から落ちると共に回転し、カタクリへ刀を振るうバンドラ。

 

カタクリは武装硬化をした手をクロスしてガード。火花が散る。

 

そして、バンドラが後ろへ跳ぶ。

 

「…!!」

 

「『無双ドーナツ…九頭モチ(くずもち)』ッ!!」

 

上から周囲を囲み、角モチの時の拳が大量に降り注ぐ。

 

砂塵と共に周囲に亀裂が入る。

 

「うぉぉぉぉッ!!」

 

バンドラはそれを腕を武装化し、クロスして受け止めた。

 

砂埃にバンドラの身体が包み込まれる。その中から雷の龍が跳ぶ。

 

「ッ!?」

 

カタクリはそれを避けるが龍は追尾。カタクリの身体を飲み込んだ。

 

「ぐっ…!!」

 

その龍と共にバンドラがカタクリへと跳んで来る。

 

狂骨を構え、横薙ぎの一閃をカタクリへかます。

 

「『龍帝天雷祭(ドラゴニア・サンダーフェス)』ッ!!」

 

カタクリの腹を大きく斬り裂く。

 

そのまま二人は地面に降りる。…カタクリは膝をつき、血を吐いた。

 

「…流石だねぇ。致命打は避けたか。」

 

「…久々だ。ここまで心が高揚するのは…。」

 

傷を触り、笑うカタクリ。

 

…シャーロット・カタクリは最強の、完璧の男だった。妹を守る為に、皆が笑うその口を隠し通した。笑うものは有無も言わせぬ、その拳と強さで黙らせた。シャーロット・カタクリに『敗北』の文字はない。シャーロット・カタクリに地面につける背など…存在しない。

 

「俺は今がどうしようも無く…楽しい。…バンドラァァァッ!!」

 

「…ハッ。殺し合いを楽しいなんざ…可笑しい話だねぇ。…まぁ、そりゃ俺もか。」

 

チャキッと狂骨を向けるバンドラ。

 

息を吐いて、前を睨む。

 

「さぁて、やりますか。…カタクリッ!!」

 

そう言って、地面を蹴り、刀を横薙ぎに振るうバンドラ。

 

カタクリはそれを未来視で避け、バンドラの頬に拳を入れる。

 

バンドラはそれを喰らい…血を吐くが…にっとカタクリに笑い返した。

 

そのまま狂骨を逆手に持ち、胸を下から斜めに切る。

 

「…ふっ。」

 

「…。」

 

そのままカタクリはバンドラの頭に踵落としを喰らわす。

 

バンドラは頭から血を流し、地面へと落ちた。地面は大きく抉れ、バンドラは血を吐いた。

 

「…ハァ…ハァ…おい…もう終わりかッ!!バンドラァァァッ!!」

 

…カタクリが吠えた。

 

「ひひ…。バーカ…。誰が終わりだって?」

 

バンドラはそれに笑いながら、立ち上がる。首を押さえて、コキコキと音を立てながら、地面に血をぷっ…と吐いた。

 

「…お互い、引けねえよなぁ。方や家族を倒され、方や仲間を拉致られかけた。」

 

「…すまねえな。ママの命令とは言え、お前にもスムージーにも酷なことをした。ママに代わって謝ろう。」

 

「要らねえよ。海賊の世界だ。…卑怯なんて言葉はねえ。」

 

お互い、柔らかに笑う。

…窮地の友のように笑う。

 

「…あぁ。その考えには賛成だ…。」

 

「…ハハっ。バーカ。まだ何も言ってねえだろ。」

 

「……次で。」

 

「「最後だッ!!」」

 

カタクリとバンドラはそう叫ぶと、お互い後ろに跳び、間合いを開ける。

 

カタクリの目が真っ赤に光り輝き…魂の残穢かのように裂けた口から息を吐いた。

 

そしてそのまま…カタクリは自身をドーナツのように形を変え…転がる。

 

バンドラはふっと笑うと、刀に雷と風を纏わせる。

 

「…すまねえ。狂骨。…無理させる。」

 

刃は鉄を覆うように雷へと変化する。

 

影がバンドラの上へとかかる。カタクリが人型へと戻ると、腕が大きな棘付き棍棒のようになり、黒化し、振り下ろす。

 

「『斬・切・餅』ィィィィッ!!」

 

口を大きく開き、吠えるカタクリ。

 

それが振り下ろさせる刹那、バンドラは刀を鞘に収めた。

 

「『疾風迅雷(ヴェーチル・トルニトス)』ッ!!」

 

地面を破壊し、空中に浮かすように蹴る。

 

豪雷と共に斬・切・餅を突き抜け、空中へと飛び出るバンドラ。

 

そのまま龍のような形の雷がバンドラとカタクリへと降る。

 

まさに神速。カタクリの胸を縦に斬り裂き、血を流した。バンドラは下へと着地する。落雷のようなその一撃は地面すらも大きく抉り取った。

 

ホールケーキ城が少し大きく揺れる。

 

「…ゴフッ…。」

 

血を吐き、前に倒れるカタクリをバンドラは抱き抱えた。

 

「…ありがとう。至福の…時間だった。お前とは…もっと違う形で戦いたかったな…。」

 

「…そうかい。」

 

ふっと笑いながら、そう言うとバンドラはカタクリをゆっくりと地面に下ろす。

 

「背中はつけねえんだろ?」

 

「……助かる。」

 

そう言ってバンドラはタバコに火をつけた。バンドラは着物を戻すと穏やかに笑うカタクリを横目で見た。

 

「もう観光で来ることはねえだろうなぁ。」

 

「…そうか。もうお前とやれるときは…ないのか。」

 

「さあな。…だが、俺はもっかいやりたいねぇ。次は柵なく。」

 

「…馬鹿野郎。次は…俺がもたない。…最後まで手ェ抜きやがって…。」

 

カタクリは穏やかに笑い、気絶した。

 

バンドラはカタクリの背中にジャケットを顔を隠すようにマフラーを置く。

 

「バンドラ〜っ!!」

 

その元気な声にバンドラは後ろを向く。金棒を持ったヤマトが走ってきていた。

 

「…ヤマト。」

 

「傷だらけじゃんっ!?大丈夫なの!?」

 

「…あぁ。…さっさと行くぞ。あのクソババアの吠え面、拝みに行かねえとな?」

 

そう言ってニヤリと笑うバンドラ

ふんすと鼻息を立てて、意気込むヤマトと共に駆け出した。




カタクリ戦、決着っ!!

戦況
バンドラandヤマト(カタクリを倒し、合流。万国から出る為に走る)

モネ、シュガー、ウタ、レイジュ(ビッグマムと追いかけっこ中)

ペドロ(歌姫を探して、ゼポと奔走中)

こんな感じですな。割とカタクリ戦は丸く収まったかなぁと。…俺は次が心配だよ…。では。

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