ちょっと風変わりです。
需要云々は…知らん。
…いつのまにか乗っていたペドロ達とバンドラは別れ、ルエノルーヴ号をエレジアへと進める。…因みにビッグマムとの件はカタクリからの一報で手打ちにした。条件は二つ。
・バンドラが何か窮地になったとき、駆けつけること
・スムージーは約束の代わりの人質として、約束が果たせなかった時に煮るなり焼くなりしても良いというもの。
…紙にはビッグマムのものらしき血印と調書だった。これがビッグマムなりのケジメ…なのだろうか。
勿論、バンドラに関してはビッグマムを許すつもりはなかった。ウタをダシに使われ、新衣装まで仕立てた挙句、バンドラを捕まえるための餌として使われたからだ。
しかし、スムージーが居る手前…バンドラはグッとそれを堪えてのんだ。四皇の一角とずっと緊迫状態を続けるのはある意味キツイからだ。
方や、バンドラ達の方の変化といえば…。
「「悪魔の実を食べたァ!?」」
「…うん。」
…シュガーが悪魔の実を食べてしまった…らしい。本人曰く、モネもバンドラも居ないから…ついパクッととのこと。
シュガーが食べたのは『ネコネコの実 モデル『雪豹』』。ヤマトとは違い、通常種の悪魔の実であったが、ルエノルーヴ号の船室を開けた途端に雪豹が出てきたのでわかった。目元がシュガーに似ていたのもあってだ。
「…ということで修行を始める。」
バンドラの目の前にいるシュガーとモネが小首を傾げる。此処はエレジア。生憎と瓦礫は多いものの、広い場所があったからだ。ちなみにエレジアに来た理由は一つ。バンドラという名前を使ってエレジアの復興を始めるというものである。これには満場一致で賛成だった。
「今回のように海には強え奴らがいる。レイジュやヤマト、スムージーは戦えるから良い。ウタには修行をつけた。…お前らにもつけとかないとな。」
「なるほどね。海賊の一員として戦う力ぐらいつけろっていうことか。」
「まぁ、自分の身を守れることに越したことはない。…特にシュガーとモネでは能力の本質が違う。」
バンドラ曰く、実際、幻獣種や自然系は最初は当たりだ。超人系や通常種動物系とは違い、ある程度の強さは約束されている。…しかし、能力の本質や覇気を理解してないものとしているものとでは全く実力が違う。
「シュガー、人獣型にはなれるか?」
「え?…やってみる。」
シュガーは取り敢えずやってみることにした。むむむ…と気合を入れるとシュガーの体が徐々に変わっていく。その姿はヤマトのような真っ白な毛並みにところどころの黒い豹柄。吊り上がった目つきと頭から生える猫耳。スレンダーな女性の姿と雪豹が混じったような…そんな姿だった。
自身の意思で切り替わるには慣れが必要なのだが…運が良かったようだ。
「シュガー。取り敢えず、それで俺を殴れ。」
「へ?」
シュガーとモネが呆気に取られる。バンドラはふっと笑った。
「なぁに、別にそういう趣味があるんじゃねえ。ただ実力見るなら実際にやってみた方がいいと思ってな。…来い。」
「…わかった。」
そう言ってシュガーがバンドラに向かって踏み込む。
その速度は目で追うのがやっとの速度。しかし、バンドラはシュガーの回し蹴りを姿勢を低くして避けた。
「…シュガーの元々の速さか、それに動物系の悪魔の実で増加している。」
シュガーの拳をバンドラが額で受け止める。
バンドラはにやっと笑うとシュガーに止めるように言った。
「OK。取り敢えず、シュガーの悪魔の実の能力は大体予想通りだ。一般的な通常種動物系と同じで身体能力強化と肉食だから凶暴性が増している。…まぁ、物理を鍛えるしかないかな?」
「ええ?私、そんなに強くないよ?」
しゅっしゅっとシャドウボクシングをするシュガー。バンドラはシュガーに魚人空手か、六式を覚えさせようと考えていた。
「シュガー、あそこの瓦礫。蹴ってみてくれ。」
「はーい。」
シュガーはとてつもない速度でバンドラの指差したところへ走り、壁のような瓦礫を蹴り崩した。…その速度は黄猿以下ではあるものの、一般海兵の剃よりは早いと言ったところ。
「…あそこに剃をすれば黄猿並みか…それよりも少し下ぐらいの速さにはなるか。いかんせん、食べたばかりだから能力に振り回されてる感じがあるな。」
…現にシュガーは能力を解き、肩で息をしていた。バンドラの元に戻ってくるとシュガーはモネの横にちょこんと座った。
「さて、次はモネか。」
「…私の能力は…。」
「自然系は基本、攻撃を受けねえ。自然系同士でも実際、ダメージは喰らうが決着のつかねえものもある。」
バンドラがそう言うとモネはぐるぐるの眼鏡をつけて顎に手を当ててふむふむと首を振っていた。
モネはユキユキの実。自身の身体を雪にしたり、周りに雪を降らせたりしてそれを操るというもの。最悪、海賊を上から積雪で潰せば、骨まで折れて死亡。…だが、それは力のない一般海賊にしか効かないだろう。
「お前はどう思う?」
「どうって…例えば、周りに吹雪を起こして、貴方やシュガーやヤマトが攻撃する目眩しに使うとか…私が見聞色を鍛えて飛び道具で攻撃するとか?」
「お前がそれができるってことは相手も見聞色で見れるってことだ。」
そう言うとモネがポンっと手を叩く。
バンドラはそれにふっと笑った。真面目な子なのだが、どこか抜けている部分がある…と。
「雪っつうのは雨になる雲の上の氷の塊が溶けずに落ちてくるもんだ。俺もよく冷気を使うが、それは寒害の技だ。雪もその一種に分類される時もある。例えば、雪山で人が死ぬのはその寒さが原因のことや視界不良で踏み外した〜なーんて話だ。つまり、簡単に言えば温度さえ奪っちまえば相手は鈍くなる。」
「じゃあ、相手の体をカチンコチンに凍らせたら良いってこと?」
「…ただの雪じゃあ中々無理だろうな。モネは武器を持った方がいいかも。さっき言ったみたいに視界不良を起こす。雪が降る場所はお前の独壇場だ。お前は雪人形のような分身を大量に作って目眩しをすればそこそこ戦える。」
…と言っても練度の高い覇気の使い手には通用しないだろうなとバンドラは返す。なにそれとモネが笑って返した。
バンドラはモネに木刀を渡す。
バンドラも木刀を持つとそこに覇気を込める。
「モネのような身体を雪にして表面積を上げるものは武装色の使い手にはサンドバックになってしまう。先ずは、武装色相手に避ける術だな。或いは、見聞色を上げるか。」
「私、覇気なんて使ったことないわよ?」
「覇気は全世界全ての人に潜む『意志の力』だ。ゆっくり使えるようにしておけばいい。」
そう言ってバンドラが踏み込む。
足を踏み出し、縦に腕を下げるとモネはそれをカツンと木刀でガードした。
「…ぶつ気?痛いの、嫌なのだけど。」
「まぁ、取り敢えず今のスピードに慣れるんだ。そこから徐々に上げていく。最終的には目隠しをして、見聞色を鍛える。そこから能力を使っていこうか。」
頬を膨らませてむすっとした顔で言うモネにバンドラは優しい笑みで言った。…というのも、バンドラは海軍時代、間違えればガープやゼファーに殴られるという鍛錬を積んでいた。それで自分が強くなったのだから、それを実践しているだけのこと。虐めているわけではない。
…だが、女だからと言って修行に手を抜いていると逆にモネ達が危ない目に遭う。
「さーて、やるか。」
「…お願い。」
そう言ってバンドラとモネ+シュガーの修行がはじまった。
実際、雪について調べてみると記事によっては霰や雹も雪だっていうのがあるんですよね。どうしようか。
シュガーは足が速いので、六式か、魚人空手かなぁと。二刀流か、ダガーにして斬り裂くってのもありだけどね。モネは取り敢えずスモ…ゲフンゲフン…にならないように覇気を避ける術をなんとかしないと。ハーピーじゃないぶん飛べないからなぁ…と。
後、エレジア復旧の話も進めつつといった具合。
原作突入するか、イチャイチャするか未定。そろそろ戦闘ばっかで大変なことになってるしね。
是非、強化案はくれると助かります。
ヤマトは良いとして、シュガー、モネ、レイジュあたりはね。レイジュは今のところ毒の纏った蹴りって感じです。はい。
てなわけで。次回。