燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

一応、エレジア復興編というべきか。まぁ、このまま多分原作行くけどね。


第93話

「…あ…。」

 

バンドラは一枚のニュースクーからの手紙をすっと開き、海へ捨てた。何故、バンドラがエレジアにいるのかを知っているかはさておき、世界政府からの七武海会議集合のお知らせだった。

 

修行中のモネがバンドラの方を向く。

 

「ハァ…ハァ…。どうしたの?」

 

「ん?いや、七武海の召集だ。顔合わせ…とのことらしい。」

 

バンドラは煙草を蒸しながら、そう言った。

 

その様子を見たモネはバンドラへ木刀を振り下ろす。

 

バンドラはそれを後ろに飛んで、避けた。

 

「ふぅ。まだ踏み込みが浅いな。」

 

「そう?」

 

モネが首を傾げる。モネはヤマトやスムージーのように筋力があるわけではない。振り下ろす速度は普通でも、踏み込みを強くする必要がある。

 

モネは周りに雪を降らし、消えた。

 

そして、バンドラの後ろから木刀で突く。

 

バンドラはそれも見ずに避ける。

 

「…当たらない。…けど、負けないわよ?」

 

「今日は当てるってか。」

 

コックリと頷くとモネはもう一度木刀を振るう。バンドラはそれに合わせて、自らも木刀を上から振るう。

 

モネを切り裂いた…かのように見えたが…。モネはそのまま雪像のようになり、消えた。

 

「…教えたことが出来るじゃないか。」

 

ユキユキの実という応用の効くような効かないような実の能力。言わば使いようという奴である。

 

「名前をつけるなら“雪人形(ユキダルマ)”かしらね。」

 

モネはもう一度バンドラから視界を奪うとバンドラの後ろから木刀を振り下ろす。

 

バンドラはそれを見ずに受け止めた。

 

「だーかーら、それだけじゃ見極められるって。」

 

「ふふ。あら、これだけだと思う?」

 

その声にバンドラは一度距離を置き、手から火を放つ。

 

するととてつもない勢いで吹雪を放ち、それをモネがガードしたのだ。周りに雪が散布する。

 

そこからモネが二人現れた。

 

片方は『雪人形』だろう。バンドラはそれを横一閃に薙ぐ。

 

モネは真面目な子である。バンドラの戦闘能力を目で見て、自主練でものにしたのだろう。

 

「先ずは弱点を克服しねえとなぁ!!『晴天・昇竜』ッ!!」

 

武装色を纏った木刀に炎を纏い、斬波として放つ。

 

「雪って溶けたら何になるんでしょうね?『雪解雪(みぞれゆき)』ッ!!」

 

氷と水の混じった雪を投げるように前へと放つ。

 

そのままバンドラの前に出るとモネは上から手刀を落とす。それは氷のように固まっていた…まさに氷の刃である。

 

「『たびら雪 肌刀(たびらゆき はだがたな)』ッ!!」

 

バンドラはそれを指で掴んで止めた。

 

「…温度の操作は出来ないだろうに。」

 

「ふふ。雪は相手を凍死させるわ。身も心も…凍り付かせる。」

 

そう言ってモネが逆手持ちをした木刀を前へと振るう。

 

バンドラは指を離すとそれを後ろに跳んで避けた。

 

「…一瞬だが、木刀に覇気が乗った。」

 

「自主練の賜物ね。」

 

不敵に笑いながら、また吹雪に隠れる。バンドラは上にバッと跳ぶと左手に纏った炎を下へと放つ。

 

「『陽戒炎(ようかいえん)』ッ!!」

 

白い雪を巻き上げ、炎が赤く立ち上った。シュタッと下へ降りるバンドラ。目の前には練習用のジャージの所々が焦げ、溶けてしまった小っちゃなモネが口から煙を出して立っていた。

 

「けふっ…。もう、本気にならないでよ。」

 

「練習から本気になってないと死ぬんでね。」

 

煙草の火をかき消し、そのまま小さくなったモネへと近づく。

 

「…まぁ、能力を使ってガードは出来るよな。」

 

「でも、足、怪我しちゃった。おんぶして。」

 

小さくなった手を上げて、不敵に笑うモネ。バンドラはため息を吐きながら、モネの方へ背中を向けた。モネはずり落ちてしまったズボンをぎゅっと持ち、そのままバンドラへと乗る。

 

「困った副作用よね。下、履けないんだもん。」

 

「さっさと下着つけられるようになろうな。」

 

などと会話しながら、バンドラ達はエレジアの廃城へと戻っていった。

 

「ゴードン。ただいま。」

 

「おかえり。二人とも。モネくん、また融けてしまったのか。」

 

そう言うゴードンにモネがえへへと照れるように笑う。バンドラがモネを暮らせるように改造した室内へ連れて行き、着替えるように行ってその場から出た。

 

「彼女も大変な能力だね。」

 

ゴードンが不似合いなフリル付きのピンクのドレスをつけて、バンドラへ湯気立つコーヒーを渡した。バンドラはあぁ…と笑うとそのコーヒーをズズズ…と啜った。

 

「…楽器の方はどうだ。瓦礫に関しては修行によって徐々に減ってはいる。住居の部分が残っているものは他の島から色々輸入すれば人が住めるようにはなるだろう。」

 

「…楽器はある程度使える物があった。それでも昔より少ないが…。ただ、人はどうするんだ?」

 

「あ?…まぁ、妥当なところは潰された町やクソみたいな国から恵まれない人々を集める…とかだな。リスクはあるが、天竜人(クソども)の奴隷をもう一度解放することもできる。」

 

冗談そうに見えない顔でコーヒーを啜るバンドラ。ゴードンは顔を青ざめてバンドラの言動を止めた。

 

「それに『新エレジア王国復興計画』には避けては通れない道がある。」

 

「…トットムジカか。」

 

…トットムジカがある以上、あの惨劇がまた繰り返されない保証はない。楽譜はウタウタの実に反応し、エレジア王国内は勿論、エレジア王国外に出る可能性も無きにしも非ずだ。つまり、わからないことは必ず危惧しなくてはいけないのである。

 

「トットムジカがある以上、俺がここを拠点にしていることを政府は危惧しているはずだ。何せ、ウタウタの実さえあれば一国家を壊滅させるぐらいの戦力を持っているのだから。」

 

その言葉にゴードンも顔を青ざめさせる。

トットムジカは古代兵器ではない。人の孤独、不安、絶望の集合体なのだ。決して触れてはいけないもの。…まさに魔王なのである。

 

「…政府が簡単に手出しできなければ良いのだが。」

 

「…そうだな。取り敢えず今は俺の能力で閉じ込めてはいるが。」

 

電波障害世界(ジャックドワールド)』で楽譜を城の地下に閉じ込めている。全ての刺激や情報を遮る力なのでウタウタの実の能力者の歌にも楽譜が寄ってこないであろうと言う寸法だった。

 

「先ず、新エレジア王国は政府加盟国にならなくちゃいけない。そうすると天竜人への天上金を払わなければいけない。エレジアは取り敢えず、人を集める芸能に長けた国に成長しなければならないな。昔よりも。」

 

そう言ってバンドラはコーヒーを啜った。

ため息を吐くとゴードンが軽く手を上げる。

 

「…しかし、芸能に長けたものがそう簡単に集まるだろうか。旧エレジアの国民は小さな頃から音楽的な教育をするようにしていた。すぐに来て躾けるとなると随分年数を要するな。」

 

「…それだけじゃない。食べ物も輸出入に頼っている形だ。少しでも地産地消出来るようにしなければ…。」

 

…残っている食量では何人養えるだろう。

バンドラはモネと共に計算するも、ここにいる人数だけでも足りるかギリギリだった。

 

「…カイドウの奴なら…いや、あのクソ将軍に話が回って弱みを握られるのがオチか。」

 

バンドラが考えていることは二つ。

一つはスムージー・カタクリを通じて、ビッグマムから食料品の輸出入先として受けてもらうこと。所謂、傘下ではないが、ビッグマム海賊団と同盟関係に持っていくということだ。これはバンドラにとって最終手段だろう。

 

もう一つは黒炭オロチの代わりの将軍…或いは姫を育て上げ、オロチを闇討ちし、ワノ国を自然な状態に戻すこと。しかし、向こうも工場のせいで復興に時間を要するだろう。

 

「…つうことは、これ、受けるしかねえか。」

 

「それは?」

 

「七武海の会合。…海賊女帝か、海峡のジンベエが来れば、俺が話をつける。俺はゴードン、アンタの代理としてな。そうすればアマゾンリリーか、リュウグウ王国から援助を受けられるだろう。」

 

そう言ってバンドラはコーヒーを飲み干した。ゴードンはそうか…と優しく微笑んでいた。




初っ端からモネさんの修行→セクシーシーン。
幼女になったモネさんは履いてたズボンやら下着やらが下に落ちちゃうのだ。…なんてね。つまり、おぶっているそのモネさんは…。あ、1時間で戻りますんでね。子ども用の服着てても大変なことになりますよ。

暫くはエレジア復興編。…当面の予定かな。まぁ、原作突入したら色々と入りますが。

どうしますかね。ジンベエ親分はエースと戦ってなかったかな?

ミホークともう一回ことを構えるか、或いは…とか思ってます。またバトルか…。

では。

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