燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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バンドラ君(+ヒロインズ)のイラスト募集中です。絵心のある方で暇やからやったるよーって方、よろしくお願いします。

七武海〜バンドラの思い描くエレジア〜赤面モネさんというお品書き。


第95話

「…しかし、よくも全員も揃ったものだ。」

 

センゴクが苦々しい顔でそう言った。くまは兎も角、他の七武海は暇でも来ない。全員揃うなど、異例の事態であった。それもこれも…バンドラという男の業なのだろう。

 

「…この妾が海の屑だと…?あの男、妾の美貌を知らぬのか。」

 

「荒れるな。ハンコック。」

 

「妾の名前を呼ぶな、天帝。」

 

「…それに、一人は子連れと女連れと来た。バンドラ…何しに来たか、わかってるのか?」

 

センゴクのその目にバンドラがニヤリと笑う。ブワッと覇王色の覇気を出して、センゴクの方を見た。これにはその場にいる全員がバンドラを見る。方や驚くもの、方やため息を吐くもの、方や何も考えず見るものと…十人十色。

 

「…どうしてもマリンフォードに来れば、天から俺たちを覗くアホ面の龍に平伏しなければならない。だったら、観光に来たら良いんじゃねえかってな。」

 

「…貴様は…。」

 

「俺は俺の大事なもんに手ェ出した奴らを絶対に許さない。その場で殺さなかったのは、海軍の面子を立たせる為。まぁ、その後バスターコール、追い返しちまったから…面子は丸潰れだろうがな。」

 

くくっと笑うバンドラ。

センゴクは頭を抱えていた。これが知らない海賊であり、極悪人ならどれほど考えなくて済んだことだろうか。

 

「…いいか?どんな理由があろうと…人を自分の道具だと思っている奴に…かける情などない。上はそれを簡単にしでかしてしまう。俺は…人が人として生きられる国を作ろうと考えている。」

 

「…国だと?」

 

「…確かお前はエレジアに拠点を構えていると聞く。」

 

淡々と紡ぐのはジュラキュール・ミホーク。バンドラはにっと笑ってあぁ…と言った。

 

「…魚人と言っているのにも関わらず、その本質を知らず、魚と宣う馬鹿者、人を道具として使い、一生消えぬことのない刻印をつける屑どもに虐げられた人たちを受け入れる。それが新エレジア王国だ。」

 

「そんなことが許されるわけないじゃろ。お主はやはり、馬鹿じゃな。」

 

そう一括するハンコックをジト目でバンドラは見る。その場にいる七武海全員がその言葉に信憑性を持っていなかった。…従わない国は消されるしかないのだ。

 

「…俺を七武海までしたんだ。そのぐらいは許してもらわんと困る。人を人と扱うだけなのに何故、罪と呼ばれる?」

 

「…それが、お前が海軍に求めていたものか…。」

 

「名をつけるとするなら…愛する正義…ってか?俺はな。白ひげ海賊団が最もこの世に必要だと思っている。全ての人種を深く愛し、そして、家族になる。あの精神がこの世に必要なんだよ。」

 

深刻そうな顔でそう言うバンドラ。その頭にハンコックの踵が飛ぶ。バンドラはモネを守って、そのまま武装色を纏った左腕でそれをガードした。

 

「なーにしやがる!!海賊女帝ッ!!」

 

「噂のバンドラがどんな男か、見に来たもののやはり…腑抜けか。貴様は世界政府の奴隷という立場がどのようなものか知らんからそんな夢物語が言えるのじゃ。必要なのはもう二度と負けぬという力。」

 

…ハンコックは自身の髪を掻き上げ、冷徹な顔になるとそのまま足を組み、黙った。

 

「…そろそろ時間か。」

 

バンドラはそう言ってモネを抱き上げ、ヤマトの手を引く。クロコダイルはその様子にため息をついていた。まるでルールに則らず…自由というよりも子どものように自分勝手なその男を。

 

「何処へ行くっ!!バンドラッ!!」

 

「帰るんだよ。そろそろ歌姫のおやつの時間だ。」

 

そう言ってにっと笑うバンドラ。そのまま手を振り、帰るバンドラにセンゴクは大きくため息をついた。

 

「ブワッハッハッハッ!!」

 

「…なんだ。ジンベエ。」

 

大口を開けて笑うジンベエにセンゴクが言う。

 

「面白い男じゃと思うてな。このマリンフォードは世界政府側海軍の中心地。そんなところで政府の上の人間を馬鹿にし、自分の夢を語る馬鹿にわしゃぁ、初めて会った。のう?海賊女帝っ。」

 

「…知らぬ。」

 

髪を翻し、プイッとそっぽを向けるハンコック。ミホークもそうだな…と笑った。

 

「あの男は阿呆だ。だが、強く自由。…人が惹かれる理由もわからんでもない。」

 

「キッシッシッ。何も考えちゃねぇだろうよ。アイツはただの馬鹿な女好きだ。」

 

モリアも腹を抱えて笑っていた。

 

「…ワシァ、あの男が気に入った。これだけの為に来てよかったわい。アホじゃが馬鹿ではない。人が人か。リュウグウ王国が大地を踏めるときも来るというのか。」

 

「…。」

 

その言葉にハンコックも目を向ける。

…背中に背負っているもの。その爪は自身の尊厳すらも刈り取った。ハンコックが立ち上がり、ゆっくりとその場から出る。

 

「おい、海賊女帝…どこへ行く。」

 

「…帰る。妾はあの男を見定めに来たのじゃ。…それ以外にここにいる必要はない。」

 

そう言って、ハンコックはその場から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、リュウグウ王国の話もアマゾンリリーの話も出来なかったなぁ。」

 

ルエノルーヴ号に乗り込むバンドラとちびモネ、ヤマトの三人。ヤマトは何故かルエノルーヴを壊さないように素振りをしていた。バンドラはモネの小さな膝に頭を乗せる。

 

「…冷えてるなぁ。」

 

「気持ちい?」

 

そう言ってよしよしとバンドラの頭を撫でるモネにバンドラはあぁと笑う。モネがしたいと言いだしたことなのだから仕方ない。

 

「これからどうしましょうね。人が人として…生きられる国。私も見てみたいわ。」

 

「…そうかい。」

 

モネは過去を話したがらない。しかし、初めて会ったときはボロボロの船に食料も測量技術もなく…海賊に囲まれていた様子から察するにもしかすると…奴隷だったのかもしれない。

 

フィッシャータイガーの奴隷解放後、モネとシュガーは小さな小船に乗り逃げた。その後、海賊船に捕まり…そして、バンドラと出会った。

 

「もっと強くならないと。シュガーの為にも。」

 

ギュッと手を握り、気合を入れるモネ。バンドラは頭を上げて…そうかと笑った。胡座をかいて、煙草を吸う。

 

「…人が自由になるには不自由になる人間が一人は必要だ。悲しいが、これがこの世の真理。全員が自由になっちまったら、ダメなんだよ。上の奴らは不自由になった苦しみを知らず、自分の自由を振り翳し…そして、他人の自由を奪う……。んなクソみたいなことが…信じられるか…?」

 

…その時、バンドラは能面のような無表情で体を震わせていた。バンドラが海軍で見たのは、マリージョアでの国王の護衛時、ガープの横で見たのは…人を人として扱っていない姿だった。人が人として生きていない姿だった。

 

「…海賊なら仕方ねえけどよ。仮にも正義の味方がそれを黙認するってぇのは…どういう了見なんだろうな。」

 

煙草を蒸し、立ち上る煙だけが白く…夕焼けの空へと登る。モネはその頬にチュッとキスをした。

 

「良いわね。その国、見てみたいわ。一緒に。」

 

小さな身体で微笑むモネ。バンドラは煙草を消し、モネのおでこへと唇を落とした。

 

「煙草臭いから今日はこれで。」

 

その瞬間、モネの身体がポンっと元に戻る。

幼児用だった服はモネのダイナマイトボディには耐えきれず、へそ…いや、もはや下乳すらも見える様なそんなとてつもない格好へとなっていた。

 

「あ…あぁ…!!」

 

モネの顔が真っ赤に染まる。

バンドラはモネの方を向かず、自分の羽織を渡した。

 

「それでも羽織ってこい。」

 

「あ…わわっ…。」

 

あまりの恥ずかしさにモネはバッと甲板から船内へと入ったきり、エレジアに着くまで出てこなかった。




モネさんは好きだからちゃんと書きたいなぁ。今回のはちょっと納得いってない。てか、ボニーさんの服ってどうなってるんだろうね。

ハンコック→ルフィ好き、バンドラ友達
ウタ→バンドラ好き、ルフィ好き?
ルフィ→ウタ好き、ハンコック好き

ぐらいが一番ちょうど良いのではと考えている。バンドラ君は女の子なら好きだからね。しゃあない。次回はスムージーさん誕生日書きますかね?

この時点でゾロ、サンジとかと会ってもいいけどなぁ。まぁ、次回。

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