UA400000越えありがとうございます。これからも日々精進していきます。
ゲロ甘が書きたい今日この頃。
ルエノルーヴ号、船内。
「〜〜〜っ!!」
「動くなっ!?馬鹿っ!!」
ヤマトの髪をブラッシングするバンドラ。大口真神は初めてのことに顔を赤らめてブルブルと震えていた。大口真神…神様をブラッシングするとはこれ如何に…といった感じだが、海風やら何やらで女の子達の髪の毛はガシガシになってしまう。それが気になるウタやモネはいいものの…。
「お前はただでさえオシャレやら何やらに無頓着なんだから、ちゃんとこうやって綺麗にしないと。折角、綺麗な髪に毛並みしてんだから。」
「むぅ…でも、これぇ…むずむずするぅ…!!」
当たり前である。
ヤマトにとっては全身をブラシで弄られているのと同じなのだから。バンドラはそれを知らずにヤマトの身体を押さえて、背に腹に胸に足にとしっかりとブラッシングしていく。
「うあっ!?うぅ〜…!!ふやっ…!?」
「…変な声出すんじゃありませんよ。はい、終わり。」
バンドラがそう言うとヤマトは人型へと戻る。頬は紅潮し、涙を浮かべ、バンドラを睨みながら歯を食いしばるその姿は…言うまでもない。
「うっ…折角、やってやったんだから、そんな目で見るな…」
「…うぅ…」
ヤマトはバンドラを見ると、ぼすっとバンドラの膝の上に仰向けに倒れた。バンドラはため息をつきながら、そのヤマトの頭を優しく撫でた。
「…これから毎日…やらないとダメ…?」
「毎日じゃなくてもいいけどさ。これやっとかないと苦しいのはお前だぞ?」
そう言うバンドラにヤマトが上目遣いで目をうるっとさせて見ていた。26歳児をバンドラがあやすように頭を撫でる。
「だんだんと獣臭くなってくるのも嫌だろ?」
「…ヤダ。」
「色々してた方がいいの。わかった?」
あやすような優しい口調で言うバンドラにヤマトがコックリと頷いた。ヤマトの腕がバンドラの首へと回る。首元でスンスンと鼻を鳴らすヤマト。
「…こら、オジサンの匂いを嗅ぐんじゃないよ。」
33歳になったものの、同年代より若々しいバンドラ。子どもっぽい部分は全く変わっていないものの、ヤマトの知っている香りよりも少し芳醇な…大人っぽい香りになっていた。
「…でも好き。これ。」
「そうですか。」
流石にヤマトの言葉にも慣れてきたバンドラはヤマトをギュッと抱きしめる。ヤマトはにぱっと笑うと顎を肩に乗せて笑った。
「でも、これ、嗅ぎ続けてると変な気分になるね。」
「変な気分?」
バンドラから手を離しごろんと転がるヤマト。顔をほのかに好調させて、バンドラの膝に頭を置いてバンドラを見る。
「んぅ…なんだろ?胸がキュってなるような…キュンってなるような?なんか、変な気分。」
「あ…そう…いうことか…。」
バンドラはその言葉がわかったのか、目を逸らして顔を赤らめる。ヤマトはその様子にキョトンとしつつも、バンドラの顔を覗き上げるように見る。その距離はいつ唇同士が重なってもおかしくなかった。
「なんか知ってるの?バンドラ。」
「…いやぁ…その…大人になってきたんだなぁ…と。」
「?ボクは大人だよ?」
「どの口が言ってらっしゃるのか。」
ジトーとヤマトを見るバンドラ。
ヤマトはむむむっ…とバンドラを見ながら、バンドラの顔をまじまじと見ていた。
「…なんだよ。」
バンドラが少し顔を後退りする。
ヤマトが口をがぱっと上げて…バンドラの耳に噛み付いた。勿論、軽くである。
「…何してるんですか?」
「ん〜?はっへひははっは。はへ?」
「何言ってるかわかりません。」
ヤマトの頬をツンツンと押しながら、ヤマトにそう言うバンドラ。ヤマトは満足そうにチューチューとバンドラの耳を吸う。
「やめなさい。」
「あうっ…。」
ヤマトの額に手を回し、優しくデコピンをするバンドラ。ヤマトは額を押さえながら、目を閉じる。バンドラがニヤッと笑うとヤマトはそれに対抗するようにバンドラの腹に顔を埋めてバンドラを押し倒した。
「…おいおい。」
…もはや、ヤマトはバンドラを吸っていた。
バンドラはため息をつきながら、窓の外を見る。
「ばんどりゃぁ〜…」
「…ん?」
「ふへへ…ずっとこうしてたいなぁ…ずっと…一緒だよ…」
「はぁ…」
満足そうに言うその笑みにバンドラはため息以外出さなかった。いや、何も言えなくなったのではない。バンドラも満更でもなかったのだ。
「アホか。…当たり前だろ?お前を出したのは誰だと思ってる。」
「ハハッ。みんなと居れて幸せだな。あの真っ暗な部屋は一人で怖かったから。バンドラはボクにとって…一番大切な人だ。」
「…大切か。」
そう言ってバンドラはキョトンとするヤマトにそっとキスをした。舌はヤマトの歯をなぞり、ヤマトの頸を優しく撫でる。ヤマトはそれにドギマギしながらも目を閉じてバンドラのする行為を感じていた。
「はぁ…」
そのままバンドラは後ろに倒れるように寝っ転がる。ヤマトもそれに倣うように寝っ転がった。ヤマトの方が背が高いため、目線を合わせるのはヤマトだ。
ヤマトの口元に手をやると、ヤマトはバンドラの親指を口に含む。幼児のようにちゅーちゅーと吸うかと思いきや、それを舌で触るように舐めていた。
「こら、汚いぞ。」
「うぇ?」
「ったく。」
ヤマトの口から指を離し、それをパクッと自分の口に入れるバンドラ。ヤマトはそれにぽっと顔を赤く染める。
「…んん?」
ふっと笑ってそう言うとバンドラはまたヤマトの口を吸った。舌を絡めて、お互いの唾液を交換する。ヤマトは思った。…こんなの知らないと。
先程感じた嫌な…しかし、好きな感覚が脳を刺激する。顔が火照り、体が熱くなる。
「ふぇぇ…。」
「…どした?熱いぞ?」
おでこを合わせてそう言い、歯を見せて笑うバンドラ。ヤマトは目を見開き、ポッと顔を赤くする。
「…みんなに言いつけてやる。」
「やめなさい。そのカウンター。」
涙目でプクッと頬を膨らまし、そう言うヤマトにバンドラがジトーとした目で答えた。その直後、ヤマトがバンドラの頬を両手で掴み、勢いよく唇を重ねた。
「…痛えよ。」
バンドラのおでこからシューシューと湯気が上がり、赤く腫れていた。もはやそれは頭突きだった。
「お返しだもん。」
「はぁ…全く、我儘鬼姫が…」
そう言ってバンドラはヤマトの頭を自分の胸へと抱き寄せる。ヤマトは最初びっくりしたものの、歯を見せて笑った。
「…ずっと離さないよ。バンドラ。君がボクをこうしたんだからね?」
「人のせいにするな。我儘娘。」
「ん〜♡」
胸に鼻を近づけ、満足そうな声を上げるヤマト。バンドラはそうは言うものの、優しげな笑みでヤマトの頭を撫でていた。…しかし、何処か…心のどこかでバンドラは…邪な考えを持っていた。
「なぁ、ヤマト。お前…もう、大人なんだよな?」
「うぇ?…う、うん。そうだけど…?」
「…で、俺のこと好きなんだよな?」
「うんっ。大好きだよ?…どしたの?急に。」
バンドラの顔を覗き上げて、笑みを浮かべるヤマト。膝をついてこちらを見るバンドラの笑みは穏やかだった。
「…やるか、ヤマト。」
「やるって…なにを?」
…バンドラはヤマトの耳元で囁く。その言葉にヤマトは顔を真っ赤に染めて、バッとベッドの端に逃げ、座った。
「ま、まだ早いッ!!」
「そうか?ヤマトもさっき言ってたじゃんか。…変な感じするって。俺の匂いで興奮してた…って感じだろ?」
「…そ、そうかもだけど…。ほら、お、男同士だしぃ…。」
そう言ってヤマトは手で顔を隠す。
バンドラはそっかと笑う。そうして、背後を向くとヤマトがゆっくりとその背中におぶさるようにペタッと引っ付いた。
「どうした?ヤマト。」
「…やっぱ…いいよ。」
「ん?」
ヤマトが顔をほのかに赤く染めて、バンドラの耳元で囁く。バンドラは歯を見せてふっと笑うと、ヤマトの唇をそっと奪った。
「…女にしてやるよ。」
「あはは…どうなっちゃうんだろ…ボク…」
影が差すように不敵にニヤリと笑うバンドラを見て、ヤマトは遠いところを見ながらあきらめたように笑っていた。
…何が起きたかはご想像に任せる。
船にベッドは一つしかないよ?と言いつつ、エレジアから持ってきたのは内緒。バンドラとウタだけ部屋があるのです。つまりは…。
これからはもしかすると忙しくなってくるのでどうなるかわかりませんね。投稿ペース。幸い、皆様からの感想コメが私の励み、動力になっておりますのでここまで来れております。一日一話以上は出せるように頑張ります。イラストの方も皆様、募集しております。是非。
オレンジの街から次はスタートしたいんで。ウタ×バギー書きたいのさ。進めつつ、イチャイチャ書きつつ、進めながらもイチャイチャしつつかなと。
では次回。宜しくお願いします。