トレセン学園怪異研究部の皆さんは夏合宿中に産女を探しに行くそうです 作:蝋昏
夏といえば妖怪、怪談、肝試し……なンて下らねェ風習はここトレセン学園にも存在するらしい。ゾッとして暑さを忘れる?ハッ、ンな子供騙しな対処をするくらいなら冷房なり氷嚢なり使えっての。全ッ然ロジカルじゃねェ。この年にもなってまだそンな事に熱心な奴がいるなンて理性を疑うっての。
ましてそンな話題を嬉々として喋り続ける奴と同じ場所に閉じ込められ、永遠に付きまとわれた時といったら……。イヤホン越しにガンガンと鳴り響くこれはもうノイズなンて生易しいモンじゃねェ、ある種の公害と言っても過言じゃねェ。
夕暮れ時、トレーニングの汗を温泉で流したオレ達は食事が運ばれてくるまでだらりと涼ンでいた。
「頼むよシャカールくぅぅん~。折角の夏なんだ、ひとつ肝試しということで……」
「アア~ウゼェ!!テメェ1人で勝手に行ってろ!!」
縁側で団扇を扇ぎながらパソコンを触っていたオレは右肩にしな垂れかかるマッドサイエンティスト改めアグネスタキオンを乱暴に押しのけた。浴衣姿の彼女はうわ~~と腹の立つ悲鳴をあげながら畳の上をごろごろと転がっていき、部屋の隅でちょこンと体育座りをしていたマンハッタンカフェの足元へと到着する。
「おおカフェ、君からもひとつ頼むよ。頑固で怖がりなシャカール君をどうか説得してくれたまえ」
「オレは別に怖いから行かねェンじゃねェからな!?」
「カフェ~?無視は良くないぞ~?おいおい~」
オレの反論は無視しながら、仰向けのタキオンは分厚い本に視線を落としているカフェの白く滑らかな素足を両手で掴ンでゆらゆらと揺さぶる。途端に彼女の眉が不快そうに曲げられる。それでも暫くは無視を貫いていた彼女だったがタキオンの構ってほしさがひとつ上回ったようで、やがて大きなため息と共に本をバタンと音を立てて閉じる。
「はぁ……私を巻き込まないで下さい……」
「巻き込むも何も君も当事者じゃないか。ほら、夜になったら妖怪を探しに行くんだろう?」
「行きません」
「そんなぁ~頼むよカフェ~。私には君が必要なんだよ~」
尚もぐらぐらとタキオンに揺さぶられながらもカフェは一顧だにしない。そンな彼女たちにファインモーションは天然木の座卓に両肘をつきながら朗らかに笑う。
「ふふっ、タキオンはいつも楽しそうだね!私も折角だから探しに行きたいな~!」
「おおファイン君!聡明な王女殿下は話が分かるねぇ!」
「ファイン!あンまコイツを調子に乗らせるなって!」
「ええ~?でも日本の妖怪をみんなと見られる機会なんてないもの。私はこの合宿でみんなと楽しい思い出を作りたいなぁ」
「オレたちの本分を忘れたのかよ。何も思い出づくりしにココにきたワケじゃねェだろが」
トレセン学園の夏合宿は何も全員が同じ場所に集まる訳ではない。無論多くはあの白砂でだだっ広い海辺でトレーニングをするのだが、一部の生徒は別荘に親戚一同で集まったり、特別メニューをこなすため1人でどこかに姿をくらます者もいる。つまり割と自由だ。無論、許可さえ下りればの話だが。
何かと悪目立ちしやすいオレたち(主にタキオン)は今年は静かな場所にしようとネットで練習場所を探していたとき偶然このY村を見つけた。5時間ほど電車とバスを乗り継いでいった先でようやく辿り着き、村内の古旅館に宿をとったオレ達は、広々として余計なノイズもない環境で人目を気にせず思い思いの方法で練習に精を出していた。
「でもでも、思い出も一緒に作れない訳じゃないでしょ?」
「その思い出づくりだって温泉だとか、旨い飯だとか、わざわざ身体を休める時間を削ってまでしなくてもそこら中にあるじゃねェか」
「ううん!思い出はいくつあっても困らないよ!私は私に出来ることは全部やりたいの!」
この欲張り殿下が。どうやら尊き天上人サマは『慎ましさ』ってモンを御存じないらしい。
「……ファインさんはいいとして」カフェは自分の足を掴ンでいた手をはたき落とした。「タキオンさんは……どうしてそこまで肝試しをしたいのですか……?ただ遊びたいという訳では、ないのでしょう……?」
カフェの訝しげな視線を受けたタキオンはごろりと起き上がると口端を薄く引き伸ばした。
「実はだね、昼間ここの仲居に気まぐれでこの辺りの観光名所を聞いてみたんだが、話の最中に彼女が神妙な顔付きでこう洩らしていたんだ……この村には『産女』が出るから気を付けろ、とねぇ」
ざわざわと窓の外の木々が揺れる。暮れなずむ片田舎の空は墨汁を溶かしたかのように陰鬱でどこか閉鎖的な面影を連想させる。
「ウブメ……なあに?それ」
ファインが呑気に尋ねる。
「産女……姑獲鳥とも呼ばれる、日本に古くから伝わる妖怪ですね……」
居住まいを正したカフェが訥々と語り出す。
「ルーツは中国の別々の古い伝承が融合したと言われているものとされています……。難産でお亡くなりになられた女性が、充分に供養されなかった場合に現れる霊のようで……外見は白装束で腰の部分が血に染まっていることが多いそうです……。道端でさめざめと泣きながら子供を抱いていて、道行く人に子供を抱かせては姿を消すのだとか。その後は地域によって異なるようで、子供が抱いた者の喉を噛みちぎろうとしてくるとか、渡された子供がどンどン重くなってもう抱いていられないと思えば、子供だと思っていたものは実は大きな石になっていたとか……」
…
……
………
血だらけの女が道端に立っている。彼女は大事そうに抱えていた、てらてらと光るピンク色の肉塊をこちらに差し出す。
どうかこの子を抱いてくれませんか。
只事ではない雰囲気に呑まれて受け取ってしまったその子は既に冷たく、慌てて顔を上げた時には彼女の姿はなくなっていた。恐怖に竦ンだ身体に自分のものではない身動ぎの振動が伝わる。強張った首を再び下に向けると、そこには目と口を異常なほど開いたバケモノが今まさにオレの喉元に……
………
……
…
(チャチな妄想だ)
ふと頭に浮かンだ下らない情景を頭を振って追い出す。それでも手の平に絡みついた赤子の生臭い粘つきが中々抜け切れず、無意識のうちにごしごしと着物に擦りつける。
「それだけじゃないだろう?産女にはもうひとつ面白い伝承があったはずだ」
「……怪力を与えるという話ですか?」
「その通り」タキオンは我が意を得たりといったように頷いた。「出会ったら追いかけてくるだとか、差し出す赤子から逃げようとすれば祟りを食らうだとか、そうでなくとも夜間に子供服を干しているだけで有毒の乳を振りかけてマーキングしてくるだとかで産女は中々面倒な妖怪らしいんだが、どうもこの赤子を抱いたまま耐えて念仏なり何なりで産女を成仏させるとその者は怪力を授かるという言い伝えもあるらしいんだ。この力は相当強いらしくてね、授かった男が力士として大出世したという逸話も残っている」
「……アー、だから何なンだ?まさかとは思うが、そンな眉唾を本気で信じてる訳じゃねェだろうな?」
皮肉を込めた言葉にタキオンはきょとンとする。
「ん?だからこそ先ほどから君を肝試しに誘っているんじゃないか」
「やなこった。ンなバカバカしいことに付き合ってられるか。テメェ1人で勝手にやってろ」
「ええ~そんな~。上手く行けば一足飛びに力を得られるかもしれないんだぞ~?」
「だからそれがバカバカしいっつってンだろ!そもそも妖怪なンて全くもってロジカルじゃねェ!いると思うンなら理論的に証明してみろってンだ!」
「……私もタキオンさんの考えには……反対、です」
横からおずおずと、しかし確たる意志をもってカフェが援護射撃を放つ。
「妖怪は……オトモダチはそういった興味本位で近づいてくるものを嫌う子たちが多いです。それに、この村の怪異が産女だけだという保証はありません……」
カフェは険しい表情で室内を見渡したあと、そのまま視線を窓の外へと移し、夜の帳に包まれた雑木林をじっと睨ンだ。
「……この村には、何か良くないものを感じます……」
普段から幽霊に慣れ親しンでいる彼女がここまで警戒感を露わにしたことに他の二人は一様に驚きの表情を浮かべた。オレ自身も胃の辺りを何者かに握りしめられたような心地がして、唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。
「でも……それでも私は探しに行きたいな」
訪れた静寂を打ち破ったのはファインだった。膝の上に重ねられた指先はきゅっと丸められ、視線は真っすぐにこちらを向いていた。
「ほぉ……それは何故だい?」
タキオンは同意見であるはずの彼女に冷ややかな視線を送る。
「君は一国の王女だ。抱えている責任も我々とは比べ物にならないだろう。今の発言がカフェの話を信じた上での判断ならば民を導く者として些か危機意識が欠如していると言わざるを得ないが?」
「導く者だから、かな」ファインはタキオンの視線に気圧されることなく逆に彼女を見つめ返す。「カフェの話だと産女っていう妖怪さんは妊婦さんが後悔したまま亡くなっちゃったのが原因なんでしょう?難産に苦しみながら亡くなられただけでも十分辛いことなのに、供養されなかったせいで妖怪になっちゃって永遠に苦しみ続けるなんて、そんなの放っておけない」
胸元に手を当てた彼女はそこでふっと微笑を浮かべた。
「だから私は彼女を救ってあげたいな。例えそれが他国の人で今はもう幽霊になっていたとしても、苦しんでいる人であることには変わらないから……。だって目の前で苦しんでいる人を救えなくて何千万といる国民を救えるはずがないでしょう?」
ふぅン、とタキオンが僅かに口元を緩めた。
「ねえカフェ、子供の重さに耐えながらお念仏を唱えてあげたらいいんだよね?」
「はい……そうですけど……」
「お願い。そのお念仏を私に教えてくれないかな?」
「……全く。貴方もまた、仕方のないひとですね」
「ふふっ、実はそうなんだ~!」
「ッ、ちょっと待ちやがれ」
なぜか良い感じの雰囲気になり始めた空気に耐えきれず否定の言葉を挟み込む。
「おいおいシャカール君、幾ら幽霊が怖くて堪らないからってもう少し空気を読んでくれたまえよ」
「テメェにだけは言われたくねェな。つか別に怖いワケじゃねェ」
呆れたタキオンの言葉に噛みつく。訝しむ2人の顔を確認しつつ、オレは唯一かつ完全な回答を彼女たちに提示する。
「いいか?幽霊ってのは存在しねェ。これが現実なンだ。現に科学が進ンだ今、怪異の伝承はどこもかしこも縮小の一途を辿ってやがる。何故なら今まで怪異だと思ってたモンが分析技術の向上によって真実を暴きたてられたからだ。現に『人魂』を挙げてみても、昔は空中で火が燃えるだなンて理解不能な出来事を何とか理解出来るものとして処理するために『死人から浮遊した魂』なんてそれッぽい説明を生み出しては擁立していたが、現代では死体から発生する可燃ガスの自然発火だとか発光昆虫の誤認だとか、科学的な説明は幾らでもつけられる。そこに科学的根拠という動かぬ証拠がある以上、それは怪異でも何でもないただの『現象』であり『必然』だ。今の時代は科学の光が未開の暗闇を照らし出して、それまで説明のつかない曖昧なものの拠り所だった『怪異』の居場所を喰い破ってンだよ」
そこで物言いたげにしているカフェをちらりと見て、また言葉を続ける。
「まァ……百歩譲って本物の怪異がいたとしてもだな、この村の妖怪が本物である可能性は確率論的にも極めて低い。そらそーだ、妖怪なンて大半は見間違いや思い込みから発生する想像の産物だからな。特に村とかの閉鎖的な社会においては伝承は時として事実よりも真実味をもってるように見えやがるから、理解できない現象が目の前に現れた時に論理を飛躍して何でもかンでも怪異に結び付けてしまいがちだ。その村の人間にとっては産女という物語が現実を上書きしているのかもしれねェが、外から来たオレ達にはその道理は通らねェ。だからこの村の人間にとって産女は存在するのかもしれねェが、オレ達にとって産女が存在しない確率は極めて高ェ」
だからオレは探しに行く意味があるとは到底思えねェ。そう言葉を締めくくると横からファインが感嘆の溜息を漏らしたのが聞こえた。カフェも「まあ、そういう考え方も……」と納得はしていないが理解している様子だった。先ほどまでの今にも外に飛び出しそうな雰囲気は完全に掻き消えていた。
(これでいいだろ。全く、一時はどうなるかと思ッたが……)とオレが息を吐いたとき、すっと、一番上がってほしくないところから静かに手が上がった。
「ふむ。独自の妖怪論について非常に参考になる発表をありがとうシャカール君。では私からひとつ素人質問をさせて頂くが、君の論理だと産女を探しに行かない理由が些か不十分なように思われるのだがその点について補足説明をお聞かせ願えるかな?」
タキオンがいかにも真面目くさった表情を浮かべながらも、その瞳には隠しきれないニタニタとした嗜虐の色が浮かんでいた。クソが、嫌なトコ突いてきやがッて。
「君が言うように怪異がいない可能性が極めて高いとして、そうであれば怪異を探しに行くこと自体には何ら阻害要因は存在しないのではないのかね?例えば入浴後の夕涼みと称して探しに行ったとしても、君の論であれば怪異など”大半は見間違いや思い込み”なのだから何も問題がないだろう?おっと、分かっていると思うが散歩程度の時間さえ惜しい、という類いの弁明はよしてくれよ?この議論に少なくない時間を割いている時点でその主張は破綻しているからね」
「ッ……!」
奴の狡猾で心底意地の悪ィ質問にオレが反論できないでいると、タキオンはクククッ!と嗜虐的な笑みを洩らした。
「おやおやぁ!?よもや思い至らなかったというつもりはないだろう?それとも……頭脳明晰でいつ何時もロジカルな思考を絶やさないはずの君が、まさかカフェの話を聞いて本当に『本物の妖怪がいたらどうしよう』などと考えた、なんてことはないだろうねぇ?」
「あ、アァ!?ンな訳ねェッて何度言わせたら……!」
「は〜いそこまで〜っ!議論はとっても大事なことだけど、あんまり熱中しすぎもだめ~!」
思わず立ち上がったところをファインに後ろから抱き止められる。振り解こうともがくも体勢的に不利なせいで彼女の魔の手から逃れることが出来ない。
「テメッ、離れろッ!?べたべた暑苦しいンだよ!」
「むむ、この無礼ものめ〜。罰として今夜はもう離さないぞ〜?」
ファインの白玉のようにもちもちとした頬がくっついてくる。押し当てられた柔らかな身体からは、浴衣に染みついた檜と畳の香りに紛れて彼女自身の甘くて高貴な匂いが漂ってきて……イヤ、気にしたら負けだ。コイツのバグった距離感とは真面目に取り合ッちゃいけねェ。
「タキオンさんも、言い過ぎです……」
「いだだだだっ!?カフェ、せめてファイン君のような慈愛に満ちた方法でだね!?」
「アナタは……このくらいじゃないと効きませんから……」
「ストップスト……ッ!?ちょっ、鬼!悪魔!前髪のれん!……いだいまてまて降参だッ!?!?」
向こうではカフェがタキオンのアホ毛をむンずと掴ンで悲鳴を上げさせていた。ざまァみろ。
それからしばらく引っ張って満足したのか、カフェは部屋の端でしくしくすすり泣くタキオンを放置してこちらを振り返った。
「シャカールさん……私は心配なので、ファインさんたちについて行くことにしますが……アナタはやはり、行かないのですか……?タキオンさんはどうしてもアナタについて来て欲しいようですが……」
「勝手にやッてろ。オレは心底どうでもいいね」
「え〜?シャカールも一緒に行こうよ〜ね~ね~」
「ウゼェダリィ興味ねー」
「む~」
オレの肩をゆらゆらさせていたファインが頬を膨らませたかと思うと、一転して声のトーンがカフェのように低く、無性に不安を掻き立てる語り口へと変わった。
「……でもそしたらシャカール1人になっちゃうよ?折角の合宿なのにそんなの寂しいし、もしかしたら1人で残ってた方が悪い妖怪に会いやすいかもしれないよ……?うちの国でもデュラハンとかバンシーとか、向こうからやって来るこわ~い妖精は結構いるし……」
「そうですね……否定はできません。神や妖怪の中には、人の生活圏に住まうものも多く存在します……現に、この旅館でも既に数人……挨拶を済ませてますし……」
「……オイ待て、ンな事一言も聞いてねェぞ」
「はい、ですが……彼女たちはこちらに悪意がなかったので……」
ファインが「ええ!?本当っ!?」と目を輝かせてカフェに詰め寄る。お前なンで幽霊でそンなにはしゃげるンだよ怖ェよ。てかビビらせたいなら最後まで演技しろよ辞めンの早すぎだろ。
「ただ……悪意のある子が訪れる危険性は、充分にあり得ます……その時……もしシャカールさんがおひとりでここに残るのなら……大変ですが、ご自分で祓って頂くしか……」
「はァ?」
カフェがすちゃと御札やら御守りやらを懐から取り出す。それはどちらもそこら辺の売店で売ってそうな代物で、ハッキリ言って……
「……なンかショボくねェか?いや、そもそもこンなモンには頼るつもりはねェけど、にしても……」
「すみません、予備しか残っておらず……。ここは想像以上に危ないようなので……少し効力が心許ないかもしれません……。本当は、シャカールさんにも……私たちについて来て頂けたら、それが一番よいのですが……」
そう言ってカフェは申し訳なさそうに耳を垂れた。
「ねぇねシャカール。カフェもこう言ってるんだし一緒に行かない?」
「……」
「そうだ、もしついて来てくれたら今度私のデータを好きなだけ取らせてあげる!ねね、これでどうかな?」
「ハァ」頭をガシガシと掻き毟る。「もう一々反論すンのもメンドくせー……分ァったよ。ただ、探すのは今夜限りだからな?これから毎日探すのはナシだ。何度も言うがオレ達はトレーニングしにわざわざこんなトコまで来たんだからな。……タキオン、お前もそれでいいな?」
床に突っ伏していた栗毛に声をかけると尻尾がピクリと持ち上がる。
「ふむ……まあいいだろう。シャカール君の言い分にも一理あることだし、ダラダラと時間をかけるのは私としても望むところではない。研究においてスケジュールの逼迫は本来よろしくないのだが、今回こちらにはカフェがいることだし、まぁ大丈夫だろう」
のそりと起き上がったタキオンは一度大きく伸びをすると、次の瞬間には元気よく立ち上がっていた。
「よし、そうと決まれば今夜はみっちり探索に勤しむとしようじゃないか!ほら、座ってないで早く外に出る準備をしたまえ!実験の為には一秒たりとも時間を無駄にしてはいられないぞ!」