もう少し(残念系)ヤンデレに挑戦してみます。
コメントに書かれていた主人公に関するツッコミネタがわからないので残念ながらあまり反応できそうにないです。
主人公の口調が女っぽいというのは…私的観点からしてみれば別段悪いことではないと思っています。
そもそも…そんなに女っぽいんですかね?
それにあの口調は喋るときだけです
なるべく必要なこと以外を削ぎ落とした結果があれです。脳内お喋りではちゃんとしてます。
A.姉もまた傍で好きなことをする。
○/▽ 晴
良い天気だったので、縁側で本を読んだ。
「あ~ん、はーくん待って~」
この人は俺の姉で、篠ノ之 束という少し変わっているらしい人間だ。
俺個人としては特に変わっているとは思わない。
隣でパソコンをパチパチしているだけで、他の人間と違って俺の読書を邪魔してこない。
たまに何を読んでるの?とか、楽しい?とか聞かれるが、俺は本を読んでいたいので返事をしない。
大抵の色々大騒ぎする人間はこうしていれば自ずと何処かに消えてくれる。
煩くするなら消えてくれた方が嬉しいし、そもそも何をしたいのか理解できない。
「今日はここで読書をするんだね!」
だが、それでも誰かしらが俺の近くにいる…そう、この姉の様に。
今日の本は原子に関する書籍数冊。
今まで大量の書籍を読んできたが、読んで何かしたいと思っているわけではない…単に読んでいたいから読んでいる…ただ、それだけなのかもしれない。
だが、それでも読んだ書籍の内容は全て刻名に覚えている…原子から宇宙に関する全ての書籍の内容を。
だから何と言うわけでもないのだけどね。
「あ、はーくんはーくん、お昼ご飯の時間だよ!」
と、束が言う頃合いになると。
時計は両針共に12を指し、太陽は調度良い具合に縁側に座っている二人の頭の真上に差し掛かっていた。
葉月にお昼を告げた束は可愛らしくお腹を鳴らすと、尚も本を読み続ける葉月の空いている片手を力強く引いた。
「うんしょ!うんしょ!はーくん重いよ~!」
束にずるずるとゆっくり引き摺られ、葉月は何かしら察したのかスッと立ち上がると本を読みつつ歩き出した。
勿論、手を束に引っ張られたまま……。
「今日のお昼は何かな?」
と…束が聞くと、ここで珍しいことが起きた。
「………素麺が妥当なところ」
なんと葉月は返事をしたのだ。
返事をした本人にとってそれは少し気が向いたから…何となく思ったからそうボソリと答えただけなのだが、これに驚いた束…思わず目を丸くして葉月の顔を覗き込む。
「はーくん、今返事してくれたの?」
と、束は心底嬉しそうに聞くが、葉月はもう答えない。
しかし束はまるで一番欲しかった物を手に入れたかのように満面の笑みを浮かべると、葉月を抱き締めた。
「姉さん、葉月…お母さんが早く来なさ……姉さん、何やってるの?」
そこにやって来た箒。
彼女の瞳は一瞬にして光を失い、顔は真っ青に変色した。
それは取るに足らない唯の抱擁…しかし彼女達にとって、それは彼女達のかけがえのない葉月という存在を独占する行為。
「何って…束さんのはーくんをギュってしてるんだよ?」
勝ち誇った様にそう言う束の姿もまた、どす黒い雰囲気をかもし出しつつ…光を失った瞳はニタリと笑う。
「葉月は姉さんのものじゃない!!!」
そんな束に箒は怒鳴り、葉月を見ると優しく微笑んだ。
「だって葉月は私のお婿さんなんだから……」
「え、はーくんは箒ちゃんのものじゃないよ?束さんのだよ?」
「私のお婿さんです」
延々と続く口論の中、件の葉月は既にそこからいなくなっていた。
何故なら彼は既にリビングにいて、本を片手に昼食を食べているからである。
「………俺はモノじゃない」
モソモソと彼が予想した通りに出てきた素麺を食べつつ、
「………それはとても失礼な話」
葉月はそう呟いた。