どんな状況下でも本を読み続けたら   作:強烈ミントのキセル

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コメントありがとうございます!

順調?に進んでいるようにも見えていますが、下手するとヤンデレがどんどん残念なモノになっていくと思われます。


Q3.入学式前、歪みなく本を読み続けたら

A.双子の妹が世話を焼いてきます

 

○/◆ ( 曇 )

 

今年の春より小学校に入学することになった。

小学校というモノは、いつだったか通っていた覚えがある…なので通う必要はないと思うのだが、しかし親の存在という手前通わない訳にもいかない。

仕方ないので渋々ランドセルにエンジニア専門書を一冊、手にもう一冊…読みながら登校することにした。

今まで原子等の科学的な書籍しか読んでいなかった俺がエンジニアの専門書に手を出したのは、姉の同行がチラチラ視界に入り…その影響かちょっと興味が出たからだ。

本にしか興味がないのは変わらないが、読む内容は周囲に影響され易いのかもしれない。

とにかく、新たな分野への第一歩として…何としてでもこの書籍を消化させておきたいものだ。

 

箒や両親、姉までもが「そろそろ入学式に行こう」と呼んでいるので、経過日記はここまでにしておこう。

 

 

 

 

 

「はーくんは車の中で本読んでて気持ち悪くならないの~?」

 

そう心配そうに言う束もまた、ノートパソコンをいじっているので言えたことじゃないのだが、それを快く思わない者が一人いた。

 

「葉月は気持ち悪くなったりしませんよ?」

 

無論、箒である…箒は自慢気に話を切り出すと、空いている葉月の片手に抱き付いた。

抱き付かれた葉月は何も言わない。

 

「どういうことなのかな?」

 

面白くなさそうにボソリと言う束(実際のところ、葉月を取られて束は面白くない)に、箒は不敵に微笑むと続きを切り出した。

 

「姉さんが部屋にこもっている時に、葉月と買い物に行くんです…車でね?」

 

そう言うとまた焦らす様に葉月の腕に頬擦りし始めた。

 

「そういうことなんだ…束さんの知らないはーくん、箒ちゃん知ってるんだ~ふ~ん……」

 

このやり取りの最中、束と箒との間に重圧が生まれるが…二人に挟まれるように座っている葉月は何事も無いように本を読んでいる。

両親もまた、仲が良いなぁ…と笑い、雑談を交えつつ車を学校まで運転させた。

 

 

 

 

 

「入学式中も本を読むのか?」

 

葉月は答えない。

が、返事の代わりなのかどうなのか定かではないが葉月は本のページを捲った。

 

「そうか…じゃあ、そこにある椅子に座ろうか」

 

葉月は返事をしなかったが本を読みつつ、スタスタと椅子まで歩き…ストンッと座った。

箒もピッタリ着いて歩き、葉月の隣に座った。

 

「父さん母さんと姉さんはもう体育館に行ってるんだって…先生が言ってた。あ、葉月も聞いてたよね……」

 

周りの入学生は、異様な二人の雰囲気に注目していた。

 

「………聞いてた。けど、あまり聞いてなかった」

 

つまり、確かに聞いていたが本に集中していたので内容は然程頭に入ってこなかったと、そういうことである。

まぁ、いくら集中していたとしても一般人ではなく“葉月”なので全て頭の中に入っているのだが……。

 

「そ、そうか!」

 

ナイスフォロー。と、この場合は言わなければならない。

それが“偶然見ていたページが章と章の間にある空白のページだった為に気が向いた”という理由だったとしても、サムズアップせざるを得ない。

 

「葉月、最近口数も増えてきたな…私は、嬉しく思っている。会話がなくても楽しかったけど、少しでもお喋りできるようになったからな……」

 

そう、少し彼にも成長が見受けられたようなのである。

なんでも捲ったページが章と章の間にある空白のページだった場合(+その時の葉月の気分)のみ、彼はボソリと返事を返し、かつ、希にチラリと視線を合わせるんだとか。

かなり限定された条件だが、葉月にベッタリとくっついている束や箒にとって機会が少ないわけでもない。

1日に2、3回程度返事を貰う事に成功しているらしい。

 

「あ、時間みたいだな…葉月、先生が来たぞ」

 

葉月は返事をしない…代わりに立ち上がると、本を読みながら真っ直ぐ歩き生徒の列に並んだ。

箒もその後ろに並び、クスッと笑った。

 

「葉月は本が好きなんだな…勿論、私も……」

 

勿論、それは唯の思い込み…葉月は本が好きなのではなく、本にしか興味がないのである。

別に箒に興味がないというわけでもないのだが、それでも本か箒かと聞かれたら、本と即答してしまうかもしれない。それだけだ。

 

「………人間を好きになった覚えはない」

 

そう、彼は自覚しており…自ら認めている。

こうして箒に聞こえない声でボソリと呟く程に……

 

「………本、それは俺の全て」

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