高校で退学したというのは前世での話です。
何か文が足りなかったんですかね……
お気に入り、評価、コメントありがとうございます。
葉月は成長しました。
授業中、本の代わりに教科書を読むようになる程度に。
Q1.妹のピンチを解決する方法を答えなさい
A.危険分子に制裁を。
◇/◆ ( 曇 )
箒より学校に通う為だと様々な案を提案された。
その中のひとつに、とても興味深いモノがあった。
「じゃあ、葉月…本の代わりに教科書を読むのはどうだろう?」
本の代わりに教科書を読む。
教師も教科書を奪うことはできないだろう、そんなことをすれば授業妨害、勉学の阻害になる。
試しに学校に行き、評価試験をしてみた。
その日は苦労した…本を読みながら返答をする事は長い年月の努力によって慣れていたが、大人数の質問に解答することは一度も挑戦したことがなかったのだ。
かの有名な聖徳太子には七人が同時に話すことを一度に聞いて、全てに適格な返答をしたという逸話があるが…生憎のところ俺は聖徳太子ではない。
だが反面良い発見もあった…本は教科書で代理できるらしい。
道徳の教科書は使い物にならなかったし、その他も内容が薄かったが、これが学問書であることに変わりはない。
確かにこれなら学校に通うことができそうだ。
そろそろ日記もここらで中断して、箒に感謝の言葉を進呈するとしよう。
「どうだ、私の案はうまくいったか?」
箒は授業が終わるや否や、前の席に座って教科書ではない学問書を読んでいる葉月に話しかけた。
すると葉月、落ち着いた声色で返事をした。
「………効果有り」
これは以前、つまり読書中に返事をする努力をし始めた頃にはなかった出来事だ。
落ち着いている葉月は、どことなく大人の雰囲気を漂わせている。
「………感謝している。ありがとう」
本を読みながらだが、これでも葉月にとって最高の感謝の気持ちを口にしているつもりなのだろう。
それ以来葉月は学校に通っている。
知識の幅が広い為、テストは全て満点…家庭科も読書しながら調理実習をし、週一の体育も本はおろか教科書も読んでいない為に全力は出せていないものの好成績を残している。
それこそ読書中毒という点以外は非の打ち所がない成績優秀な優等生といったところ。
無論、それを面白く思わない生徒もいるわけで……
「おい」
「………何」
こうして絡んでくる連中も出てきた。
が、まぁそこは姉の知能と妹の技を足して倍にした様な葉月。
この様な子供相手にどうということもなく……
「………邪魔」
の、一言で片付け…その横を素通りしていた。
「葉月、今日の晩御飯は何が良い?」
「………今日は俺が」
「本当か!」
「………任せろ」
そう、彼女が彼らに目をつけられるまでは。
彼らは葉月の逆鱗を引っ掻くことになる……
自らの身を滅ぼす事になるとも知らずに。
「篠ノ之君何やってるの!?」
教師がやって来たとき、それはもう手遅れだった。
「いやいや、ちょっとゴミ虫共の駆除をね!」
あの優しい目はギラギラと輝き、落ち着いた雰囲気は突き刺さる様な殺気に…小馬鹿にするような口調は所々に笑いを含んでいた。
そんな普段とかけ離れた様子の葉月の手には、例の生徒の首が握られていた。
「ゴミ……!?違うでしょ!?」
葉月は鬱陶しそうな顔をすると、生徒の首を絞める片手を離した。
「あ、そうなんだ…それが何か問題?」
その日から、葉月はまたもや学校に通うことを辞めた。
大人しい人間程、キレると恐ろしい。