何処かで見たことがある?
ハハハ、ソンナバカナ…柱を引っこ抜いて振り回したり何てしませんよ。
お気に入りとコメント感謝します。
A.友好関係を。
■/◆
あの連中が妹に手を出したとき、ついカッとなって制裁を与えてしまった。
あれ以来学校には行っていない…行きづらいとか、そういう意味ではない。
あの行動は間違いではなかったとは思うが、如何せんやり方に問題があった。
これで妹から知人が離れていくだろう…妹に申し訳がたたない……。
小学校にはもう通わないものとして、中学の方は通信制に通うことにした…両親には既に話をつけてある。
どうも俺はポリス的動物ではないらしい。
それはともかく俺に知り合いができた。
珍しい…俺が言えた事ではないが、彼女は変人だ。
俺が…そう、買い物に付き合わされ、とあるデパートに行っていた時の事。
いつものように…否、最近はそうでもないか。
最近は参考文献を片手に小さな二足ロボットを作っている。
つまりその時も作っていた…参考文献を片手に、二足ロボットを。
まぁ、それと彼女と知り合いになった事は別なんだがね。
そんな時のこと、ふと小さなざわつきが耳に入ってきた。
流暢なドイツ語と、戸惑っている日本語だ。
どうもドイツ語の客の方はホームセンターは何処なのか聞いているらしいのだが、日本語の店員はドイツ語がわからないらしい。
放っておいても良かったのだが、それでは客の方が気の毒だったので…仕方なく俺は荷物を纏め、ベンチを立ち客の方に声をかけた。
それが彼女だった訳だ。
ホームセンターを案内する中、彼女は俺が本を読んでいることを咎めなかった(普通なら歩きながら本を読むのは…とか、言われる)上に、興味深い話をしてくれた。
それ以来、彼女はどう探し当てたのか…たまに家に来ている。
なんでも彼女、ドイツの軍事研究所で働いているらしい…今は休暇を執っているんだとか。
流石に機密的な話はしないが、二足ロボを見るなり嬉々としてそれ関連の話をした…これがなかなか参考になるんだ。
さて、今日のところはここまでにしておこう。
「葉月…起きてるか?」
葉月の部屋に箒が入室する。
大量の本棚に本が敷き詰められ、大量のコピー紙が足の踏み場も無い程に床を埋め尽くしているその部屋は、長い年月によって葉月の読書のジャンルの幅が大きく広がった事を物付けている。
「………起きている、何?」
「あ、えっと…エレオノーラさん?が、また来てるよ?」
模索しながらそう告げた箒の顔には、複雑そうな表情が浮かんでいる。
その後ろに立っていた束も言わずもがな……
「………そう…なら出迎える」
本を読む手は止まらないが、椅子を立ち、葉月はスタスタと本を読みながら廊下を歩いて玄関へ。
「………おはよう」
玄関に立っていた女性を前にした葉月の口から飛び出したのは、何とも流暢なドイツ語だった。
実は葉月、9ヵ国語程喋れるんだとか何とか。
「うん、おはよう…今日も進んでるみたいだね?」
女性もまたドイツ語で返し、靴を脱いで廊下に入った。
葉月は本を読みながら、踵を反して自分の部屋へと戻っていった。
女性も、彼の後ろに着いて歩いて行き、葉月の部屋へと消えた。
「………今日は何?」
「そうだね…本を読みながら聞く話といえば…こんなのはどうかな?」
葉月の姉よりも一回り歳上であろう女性…エレオノーラはコホンっと咳払いをすると、本を読み続ける葉月に話し始めた。
「私の軍事研究所では毎日出るとかいう噂があってね?所謂ジャパニーズ幽霊ってやつ。ゴーストかな?まぁ、それはさておき……」
銀髪に碧眼の彼女は、床に散らかっているコピー紙を手に取って眺めながらのんびりと話を続けた。
「でも私は信じてないね…実際に見てみないと。それはまぁ、私の全力と世界一の科学力で何とかするとして……」
そんな話を聞きながら、のんびりと葉月は本のページを捲り続けた。
「さて、どんなのが出るのか私は気になって知人のエンジニアに聞いてみたんだよね。だってほら、研究したとき情報と違っていたらアレだろう?」
「………一度天使を見たことがある」
「あら、それは私の事なのかな?」
「………その質問の意図が理解できない」
「女性は天使って言われてみたいものだからね……」
「………それは貴女だけ」
「ん?そうかなぁ?」
「………恐らく」
「ははは、そっかな……?」