ようこそ最高の天才のいる教室へ 作:とあるelephant
「花園?どっかで聞いたような」
ほとんどの国民が覚えていないにしても一度は聞いたことはある、と思いたい。
「花園って総理大臣じゃね?」
池の鶴の一声は教室中に響き渡った。
現内閣総理大臣、
そして唯一の娘。それが私、花園姫衣。
全国模試一位、世界トップクラスのフラッシュ暗算記録、五十カ国の言語を覚えその気になれば物語も創れる。
さらに運動では女性を圧倒し男性アスリートにも勝てた。
神の悪戯か異常なスペックを併せ持つ私は恐れられていた。
勉学、運動、容姿、遊戯までも、ありとあらゆる全てが完璧だった。
時には各国のスパイが私を自国に拉致しようと暗躍していたが無駄だった。
人生に怠惰を感じたのは両手で数えられる歳。
その道の達人と一戦しても勝ててしまう。今度は何をしようか、この世の
そして株を行い、好奇心で定理も証明し、世界旅行をして地理をさらに深めた。
一般人の生活が疎かにならないよう社会の仕組みも体験した。
時が経ち高校生になる、今までは小学一年生から世界トップクラスの学校に留学し飛び級に飛び級を重ねて行った。
ここは初心に戻って父親たちが運営する「高度育成高等学校」という唯一無二な制度を実現した学校に入学しようと思い立った。
そして入学試験で何点を取ろうともDクラスに配属するように、ともお願いした。
学校側もスポンサーの立場から命令が下れば断ることもできないだろう。
そこで「俺」の魂が憑依したらしい。
こうして見ると激動の人生を歩んできたとわかる。
さて、自分語りもここまでにしよう。
「え、いや流石に同姓同名じゃ」
ぼそっと現実を否定するようにとある女子が口を開いた。
なぜこんな学校へ入学したのか、目的は何か。
各々のグループでそのような議論が展開される。
その内容はどこを切り取っても同じであることは確か。
疑われることは予想できていた。
だが疑問もすぐ晴れることになる、来る中間テストにて。
一人の男子生徒が歩み寄ってくる。理由は言うまでもない。
しかし時を選んだかのように茶柱先生が戻る。
入学式の準備が整ったらしい。
男子生徒は露骨に機嫌を損ねると潔く着席する。
すぐに各自体育館に集まるよう呼びかけがかかった。
さて、綾小路と関係を作ってみようかな。
理由はない。原作に干渉したいというただの好奇心。
「こんにちは!綾小路くん、だっけ?」
私レベルになるとキッカケなしで話しかけることができる。
前世では死んでもできないだろうが憑依してからは平気にできるようになった。
原作だともう堀北とは関係を作ってあるはず。
「ああ、綾小路清隆だ、よろしく
お前は、花園、だったか」
無表情だけど内心嬉しいんでしょ。
美少女に話を持ちかけられるんだもの、嬉しくない人はいないよね。
「うん、姫衣って気軽に呼んで!」
「それは······わ「入学式に遅れるわよ」···おい」
今肯定の言葉が聞けそうだったのに。
堀北さん空気呼んで?
「そだね、一緒に行こ」
教室を後にして並んで歩く。
堀北はいつの間にか消えていた。
「そろそろ本題に入るね」
声のトーンを下げ、先程までの比でない重い雰囲気が辺りに漂う。
「急いでいるし結論から言うと、綾小路くんと遊びたい」
当然のごとく疑いを入れる彼。
「どういうことだ?」
「そのままだよ、ホワイトルーム出身の綾小路くんっ」
「っ···」
あれれ、動揺が隠しきれていないぞ〜?
「ホワイトルーム?なんだそれは」
「私のお父さんは政府の関係者でしょ?」
ここまで言えば十分かな。
「そうか······条件はなんだ」
「そのままよ、遊んでくれないかな?」
中間、期末、特別試験まで私と全身全霊遊んでくれない?
「テストや人目につく場面では遊ぶことができない」
「そっかー、じゃあ、交渉決裂だね。
言っちゃうよ?あなたの秘密」
「ああ、好きにしろ、お前の言葉は誰も信じないし、信じさせない」
わかっているな、綾小路が自分から本気を出さないと誰も信じないことは明白。
「冴えているじゃない。
そろそろ時間ね、先に行ってる」
だったら、本気を出さざるを得ない状況をつくり出せばいいだけ。
私は体育館までの道のりで様々な構想を思い浮かべた。
おかしい所ないかな?
教えてくれ···!