「おい、抱かせろ」
トレーナー室でエアシャカールが、パイプ椅子に座るトレーナーに対してそう言った。
突然の大胆カミングアウトにより、
「聞こえなかったのか。抱かせろっつってンだ」
この二言目で正気を取り戻したトレーナー。急いでシャカールに何をいってるんだ、と叫んだ。
「あ?知らねーのか?他人に抱かれると、一日のストレスの内、3分の1が削減するんだよ。だから抱かせろってんだ。何度も言わせんな」
とまぁ論理的だが倫理的ではない発言を、当たり前のように発言する。
そのためトレーナーは、とにかく説得を行った。年頃の少女がそんなこと言うんじゃない、と。
「何言ってんだよ、キモいんだよ。
ハァ・・・もういい、こっちに身体ごと向けてろ」
無作法に身体の向きを変えられ、その自分の上にエアシャカールは乗ってきた。
想像よりも軽い体重を感じると同時に、腕まで回してくる。胸には自分以外の鼓動が聞こえ、そして顔は肩の上にあり文字通り真横にあった。
腕の力は徐々に強くなり、少々キツくなる。もう一度声をかけてが、返事がこなかった。
しばらくその状態が続くと、シャカールは顔の位置を少し離したかと思えば、少しだけ下げ鼻の穴を首筋に当ててくる。
そこから鼻息で吸われる。くすぐったい感触が襲ってきて鳥肌が立った。
そのあとに口から息が出て、その空気が服の隙間に入り、またくすぐったさが襲ってくる。
「・・・あ~~~・・・」
また、肩の上に
少なくとも極端に甘えるなんて、まずあり得なかった。心当たりもなく、ただ困惑しかできなかった。
「・・・ぎゅっ、てしろ」
シャカールが
「・・・抱き返せっつったんだ」
口調は荒くも、優しい声でそう言ってきた。そこまで言うなら自分も腕を回してみる。
彼女の細い身体は簡単に腕が絡み、より吸着してしまうような感じだ。
また、いい
すると鼓動が早く聞こえる。これは自分のモノだろうか。
「つり橋効果って知ってるか?相手の鼓動が自分のかと錯覚する現象の」
また優しい声が聞こえる。それがどうしたって聞くと。
「なんもねーよ、バーカ」
としかこなかった。
翼(と言う名のやる気)をください。
(´;ω;`)