演じざかりのエトセトラ   作:ナカイユウ

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4.十夜ちゃん

 「あ~静流ちゃん久しぶり~」

 

 南麻布の住宅街に鎮座する白を基調に彩られた鉄筋コンクリート造りの邸宅の玄関が開くと、従姉(いとこ)の小夜子ちゃんが笑顔と挨拶(ハグ)で私を出迎えてくれた。

 

 「何年ぶりくらいになるかしら?静流ちゃんとこうして会うのって?」

 「えーっと私が中学校に上がった時の入学祝い以来だから、ほぼ3年ぶり?」

 「そっか、もうそんなに経つのね」

 

 小一時間ほど助手席に揺られた身体を優しく包み込むようにハグする小夜子ちゃんに、私も同じように挨拶(ハグ)をしながら3年ぶりに会話を交わす。私も女優の仕事でずっと忙しいけど、小夜子ちゃんもコンサートで日本中を駆け回るような生活をしているから会いたくてもお互いに休みが取れない&都合が合わないせいでずっと会えずにいた。

 

 「うん、ほんとにこの1,2年くらいはずっと忙しかったからさ~・・・だからずっと小夜子ちゃんに会えるの楽しみにしてた」

 「も~静流ちゃんは可愛いな~」

 

 それにしても、小夜子ちゃんのハグは本当に“心地よい”。何というか力加減だとか、香りだとか温もりだとか、とにかく全部が心地よい・・・

 

 心地良すぎて・・・少し疲れ気味の身体には逆の意味で堪えそうだ・・・

 

 「・・・ふあぁ~・・・」

 「静流ちゃん?もしかして疲れてるの?」

 

 やばい。完全に油断してた。私としたことが完全な不覚。

 

 「・・・ううん、別に疲れてなんかないよ」

 「そう?」

 

 久しぶりの小夜子ちゃんのハグがあまりに心地良すぎて、思わず“生理現象(あくび)”が出てしまった。これはきっと、常に“牧静流”として生活し続けている反動に違いない。

 

 「ただ小夜子ちゃんにこうやって会えて嬉しいってだけ」

 

 小夜子ちゃんのように、パパとママ以外で“一ノ瀬静流”という名前だけで生きていた頃を知っている人間と一緒にいると、ついつい“”が生まれがちになってしまう。

 

 ただし、肝心の“本当の名前”だけで生きていたときの記憶は全くないのだけれど。

 

 「どうもこんにちは~」

 「あぁ~真純さんもお久しぶりです~」

 

 背後から車を来客用のガレージに止めてきたママの声が聞こえ、私はハグをやめて小夜子ちゃんの身体から一歩後ろへ下がる。背後から聞こえるママの声は、心なしかいつもと比べて穏やかだ。

 

 「静流ちゃん、随分と大人っぽくなられましたね?」

 「いえいえそんな」

 「実を言うとこの間に公開された主演映画、先日にちょうど休みが取れたので千里さんと観に行ったんですよ~」

 「本当に?」

 「はい。詳しいことはここで立ち話をさせるのも失礼なので、中でお茶を飲みながらでも」

 「ではお言葉に甘えて」

 

 ともあれ私は玄関前で軽く談笑しつつ、小夜子ちゃんに案内される形で“城原(きはら)邸”の中に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 私の従姉でヴァイオリニストとして世界的にも知られている“小夜子ちゃん”こと一色小夜子(いっしきさよこ)(姓は城原(きはら))と、映画音楽を中心に数々の賞を受賞している作曲家の城原千里(きはらせんり)夫妻が半年前に建てた新居、“城原邸”。

 

 ただ邸宅とは言っても漫画に出てきそうなお城のように立派なザ・大豪邸というわけではなくて、高級住宅街と呼ばれている場所ではたまに見かける程度の大きさの邸宅。だけれど来客用も含めて最大で車4台を止められるガレージがあったりと、周りの家に比べたら一回りは大きく立派な邸宅(いえ)だっていうのは風格のある鉄筋コンクリート造りのモダンな外見を見ただけで明らかだ。

 

 まあ、小さかった頃に何回か遊びに行っていた小夜子ちゃんの“実家”は冗談抜きでお城のような“ザ・大豪邸”だったから、アレと比べると世間的には十分すぎるぐらい立派に思われているはずの城原邸ですら、ただのごく普通の家に思えてしまうけれど。

 

 「えっ?十夜(とおや)ちゃん?」

 「あ、誰かと思ったらマキリンじゃん。おつかれ~」

 

 小夜子ちゃんの背中を追うようにそんな城原邸のリビングにお邪魔すると、そこには芸能界に入ってからまともに休めないくらい忙しい日々を過ごしているはずのもう一人の従兄(いとこ)がソファーにふんぞり返るような姿勢で座っていた。

 

 「何で十夜ちゃんがここにいるの?」

 「ちょうど今日が休みだったから、暇つぶしでここに来たってとこかな」

 「奇遇だね、私も今日がちょうどオフなんだ」

 

 

 その従兄の名前は一色十夜(いっしきとおや)。芸能界に入ってまだ1年足らずながらも“スターズの王子様”っていう“通り名”で今や私と負けず劣らずの有名人としてドラマにCMに映画と引っ張りだこだ。ただ十夜ちゃんの場合は両親と姉の小夜子ちゃんが揃って世界的な有名人なのに加えて、まるで少女漫画の世界からそのまま飛び出してきたかのような中性的で整った美形な顔立ち(ルックス)のおかげで芸能界に入る前から“絶世の美少年”として“こっちの世界(芸能界)”では名が知られていたから、芸能界(この世界)に入ったらあっという間に“スター”になることは業界の先輩として予感していた。

 

 

 

 唯一の誤算は、まさかの“新星”が現れてそう遠くないうちに十夜ちゃんのライバルになりそうだということ。

 

 

 「ていうかマキリンめちゃくちゃ髪切ったよな?」

 「うん、結構バッサリ切った」

 「ひょっとして役作り?」

 「さすがは察しがいいこと」

 「オレの勘は良く当たるんだよ」

 

 そんなすっかり有名人になった十夜ちゃんはキザっぽい言葉と共にソファーから立ち上がるや、菓子折りの入った袋をテーブルに置く私の目の前にスッと近づき被っていた帽子(キャスケット)を取ると、ほんの少しだけかがんで顔をややわざとらしく眼前に近づけていきなり役作りでバッサリ切った髪の毛を両手でとくように耳元から後ろ髪にかけてを触り始める。

 

 「・・・どうしたの十夜ちゃん?」

 「いや、ショートにしたマキリンを見るのは生まれて初めてだから、ちょっとどんな感じか確かめたくて」

 「髪を触るのはまだ分かるけどここまで顔を近づける必要はあるのかな?それとも視力でも落ちた?」

 「何となくだよ。あと、オレの視力は相変わらず2.0のままだからそこは心配しなくて大丈夫」

 「(何となくって、それじゃあ全然理由になってないんだよなぁ~・・・)・・・ふ~ん」

 

 こんな感じで十夜ちゃんは、まだ小さくて“天使のように可愛かった”頃からたまに何を考えているか分からないような“エキセントリック”なことを私に対して唐突にしてくる。正直、こんな感じで“一色十夜”から一歩間違えればキスしそうなほどの至近距離に顔を近づけられたら、“耐性”がないそこら辺の女の子は間違いなく卒倒しちゃうと私は勝手に思う。さすが、“絶世の美少年”に偽りなしだ。

 

 でもそんな十夜ちゃんの何を考えているのかちっとも分からない“気まぐれ”なところが、私は一番好きだったりする。もちろん、決して恋愛的な意味じゃない。

 

 

 「・・・何やってんのマキリン?」

 

 もちろん私もただ黙って“おもちゃ”にされるわけにはいかないから、お返しとばかりに十夜ちゃんの襟足を結んでいたヘアゴムに手を掛けてゆっくりと外すと、首筋をはねるように沿う少しだけ癖のあるマッシュウルフの襟足が露になる。

 

 「いや、何となく十夜ちゃんは襟足を下ろしているほうが男っぽくてカッコイイって思ったから」

 「“男っぽい”ってより生まれたときから男なんだけどオレ?」

 

 “さっきから私たちは何をしているんだろう”と考えたり心の中でツッコんだりしたら、私の負けだ。もちろん勝負なんか全くしてなくてただ十夜ちゃんのたまに見せる“気まぐれ”に付き合っているだけだけど。

 

 「それにしても十夜と静流ちゃんは一緒にいるといつも“子ども”に戻るよね?」

 

 すると私たちのことをママと見守る様に談笑していた小夜子ちゃんが話しかけてきた。

 

 「“子ども”じゃなくて“年上”としてマキリンを可愛がってるだけだよ、姉さん」

 

 小夜子ちゃんの声に反応するように、十夜ちゃんは私の髪から手を放して分かりやすくつよがる。

 

 「も~人に指摘されたらすぐそうやってはぐらかすんだから十夜(この子)は」

 「この子って、親じゃないんだからその言い方はやめろよ姉さん」

 「(ホント仲良いな~この姉弟・・・)おませな反抗期の子どもか」

 

 私と同じ一ノ瀬家の血が色濃く残る父親似で赤い髪の小夜子ちゃん(あね)と、一色家の血が色濃く残る母親似で白銀(しろがね)色の髪の十夜ちゃん(おとうと)

 

 「・・・でもショートになっても本当に可愛いわね静流ちゃん?」

 「そう、かな?」

 「むしろこっちのほうが好きかもしれないわ私・・・十夜は?」

 「オレはどっちも同じぐらいってとこかな?ていうかマキリンはどんな髪型でも似合うでしょ」

 「どんなって言っても限度はあるけどね・・・」

 

 琥珀色の瞳と揃って超がつくぐらい美形だってこと以外は外見も性格も姉弟(きょうだい)とは思えないくらい似てない10歳差の2人だけど、“こういうところ”を見ると本当に姉弟だなってつくづく思うし、ちょっとした仕草や言動があまりにも“似ている”から見ているだけで微笑ましくて癒される。

 

 

 

 “・・・私もこういう温かくて幸せな家族のところに生まれたかった・・・

 

 

 

 「十夜くん、アリサちゃんとは上手くやれてる?」

 

 こうして久しぶりに“水入らず”な時間を楽しむ私たちに、最後まで傍観していたママの声がいつもより穏やかに加わる。

 

 「そんなのはオレの活躍を見れば一目瞭然だよ、真純さん」

 「そう・・・だとしたら安心だわ」

 

 もう既に芸能界から距離を置いていながらも所属事務所の社長のアリサさんよりも目上の元女優のママに対して、十夜ちゃんは親戚の伯母さんを相手にするような感じで自慢げな態度で話す。2歳から芸能界(この世界)でずっと生きている私から見れば、元とは言え芸能界において30年以上の先輩にあたる“大物”に芸能界に入って1年足らずの世間知らずな新人が全く臆することなく堂々とフランクに話しているように見えてしまう。本人からしてみれば、ただ親戚と会話しているだけだろうけど。

 

 「それから十夜くんの活躍はいつもテレビで拝見しているけれど、1年目からこんなに働いて大変じゃない?」

 「全然、こういうのは好きでやってるし」

 「時間が取れなくて大変だろうけどご飯はちゃんと食べれてるの?」

 「当たり前だよ。どんなに忙しくても1日3食と野菜は心掛けてるからねオレ」

 

 私とはちょっと違うけれど、生まれたときから十夜ちゃんもまた各界の著名人や世界的なアーティストの人たちに囲まれるような“特殊な環境”でずっと育ってきたから、事務所の先輩や大物俳優を前にするとすぐに委縮しちゃうようなそこら辺の新人の子たちと比べるとやっぱり感覚はどこかズレている。

 

 「ほんとに偉いわね、十夜くん」

 「いやいや、オレはただ“あの人たち”の食生活に身体が慣らされちゃってるってだけだから、偉くも何ともないよ」

 「静流にも口うるさく言っているけど、芸能活動において食事や睡眠を始めとした健康管理は本当に大事だから・・・お芝居に熱中するのも良いけれど、まずはそういう“人としての基礎”がしっかりしてないとすぐに自分に跳ね返ってくるのが芸能界だから、そこは絶対忘れないようにね」

 「“芸能界の先輩”としてお気遣いとアドバイスありがとうございます、真純さん」

 

 そんな十夜ちゃんの少しズレた“感性”を、ママはまだ十夜ちゃんが“天使のように可愛かった”幼少のときからずっと気に入っている。

 

 「・・・でも私は本当に嬉しいわ・・・十夜くんが芸能界に入ってくれて

 

 

 

 もちろん、一人娘と兄妹みたいに仲の良い可愛い従兄弟なんかじゃなく、私と一緒に“芸能界で頂点に立てる逸材”として。

 

 

 

 「だって十夜くんは“芸能界”で必要とされるべくして生まれた人間なのだから

 

 

 

 “『十夜くんならきっとなれるわ・・・・・・素敵な俳優(やくしゃ)さんに・・・』”

 

 

 

 「ママ・・・・・・“十夜”は

 「あれ、千里さんまだ戻ってこないの?」

 

 まだ“私たち2人”が小さかった頃の記憶を思い出して制御(コントロール)していたママへの感情が溢れそうになった背中を十夜がさり気なくさすりながら話を逸らしてくれたおかげで、私はどうにか表に出かけていた内側の感情を引っ込めることができた。危うく仲の良い親戚同士の“水入らず”な時間を台無しにするところだったと、心の中で少し反省。

 

 「・・・言われてみれば城原さんの姿がないわね?」

 「あぁ、ごめんなさい。実は十夜がうちに来てすぐに “いいアイデアが浮かんできた”と言ってそのまま地下(した)のスタジオに入って、それっきりですね」

 

 ちなみに話題の中心になった小夜子ちゃんの旦那になった城原さんは、この家の地下1階にあるスタジオで私とママが訪ねてくることなどそっちのけで作曲に没頭しているらしい。

 

 「せっかくですから一緒に行きますか?特に真純さんや静流ちゃんはうちの地下室は始めてでしょうから」

 「そうね、まだ挨拶も出来てないことですからね」

 「わざわざ時間を割いて来て頂いたのにすいません手数をかけてしまって」

 「いえいえ、私も城原さんが本当に“音楽を生き甲斐”にしている素晴らしい芸術家(アーティスト)だということはご存じですし、親族として改めてご挨拶できることは1人の“ファン”として光栄だわ」

 「とんでもないですよ、あの人は自分の世界に入りがちなただの“めんどくさい音楽人”なだけなので」

 

 正直私はまだ城原さんが作曲で携わる作品に出たことは一度もないから今日が初めましてになるけれど、かなりの“芸術家気質”な人だってことはもう何回か会ったことがあるというママからは事前に聞いている。多分、ママと小夜子ちゃんのやり取りを見る限り本当みたいだ。

 

 「では案内しますので、どうぞこちらへ」

 「ごめんなさいね色々と」

 

 そうこうしているうちにママと小夜子ちゃんの“建前合戦”は終わり、私は小夜子ちゃんに案内される形でこの家の地下にあるスタジオへと向かうことになった。

 

 「大丈夫か?

 

 小夜子ちゃんの後に続いてスタジオにいこうとした私に、十夜がママと小夜子ちゃんには聞こえないくらいの声量で呟く。

 

 「ごめん・・・ありがと

 

 十夜からの気遣いに私は同じ声量で素直に感謝を返して、ママと小夜子ちゃんの背中を追う。

 

 「あ、マキリン」

 「ん?」

 「ヘアゴム返して」

 「えっ、今?」

 「だってちょうど思い出したから」

 「・・・はいはい」

 

 ついでに、ショートになった髪を触られていたときにさり気なく強奪していたヘアゴムを十夜に返した。

 

 

 

 

 

 

 “『“いっしきとおや”。これがおれのなまえ』”

 

 十夜と初めて会ったのは、記憶が正しかったら3歳くらいのとき・・・本当のことを言うと私がまだ“牧静流”というもう一つの名前を授けられる前の1歳のときには既に会っているけれど、初めて会ったときのことはあまりに幼すぎて全く覚えていない。

 

 “『一緒にあそぼう、イッチー』”

 

 小さかった頃の十夜は、それはもう思わず嫉妬してしまいそうなくらい可愛かった。白銀のように透き通ったサラサラなショートボブっぽい髪と色白な肌、パッチリとした琥珀色の瞳と女の子みたいな顔立ちで1コ上のくせに年下の私に弟のように甘えてくる姿は、冗談抜きで“天使そのもの”だった。

 

 “『これ、お芝居を頑張ってるイッチーにプレゼント』”

 

 “『クレッシェンドはこう弾いて、デクレッシェンドはこう弾くんだよ、イッチー』”

 

 “『見てて、今から目を瞑ったままあそこのゴールに入れるから』”

 

 という感じで普段は弟みたいに甘えてくるくせに、天才子役としてチヤホヤされ出したときに“労い”で小夜子ちゃんと一緒に作ったクッキーをプレゼントしてきたり、3歳から興味本位で弾いていたピアノの弾き方を私に教えたりするときはちゃんと“お兄さん”らしく私のことを引っ張ってくれて、可愛い顔に見合わず運動神経は抜群でサッカーとかスポーツをしてる時の姿は別人のようにカッコよくて・・・という具合でそんなふたつの顔がある1コ上の天使と一緒にいる時間は、本当に楽しかった。

 

 

 

 “『・・・イッチー、何で泣いてるの?』”

 

 

 

 忘れもしないのは私が7歳のとき。夏休みでちょうど仕事のほうもまとまったオフが取れたことで一色家が前に住んでいた一色邸に1泊2日で泊まりにいった日に、悪夢を見て飛び起きた真夜中のこと。

 

 “『・・・・・・カントクさんから怒られた・・・・・・“言う通りにお芝居できないからおまえはもういらない”って・・・』”

 

 一色邸の子ども部屋のベッドで、私は十夜ちゃんと隣同士になって眠っていた。あの時に見た夢は、未だに半年に1回くらいのペースで見るからすっかり内容は覚えてしまった。自分が思うように演じることが出来なくてNGを連発して、それまで私のことをチヤホヤと褒めていた大人(味方)たちがどんどん愛想を尽かして離れて行って、最後に監督からも見捨てられる、考えうる限り最悪な悪夢(ゆめ)

 

 ただでさえ今でもあの悪夢(ゆめ)を見た直後は目が冴えてしまって小一時間は寝れなくなるくらいやられてしまうから、自分で言うのもおかしいけれど初めてあの悪夢(ゆめ)を見たときの絶望と悲しみは計り知れないものだった。

 

 “『・・・私って・・・・・・本当はみんなから必要とされてないんだ・・・』”

 

 そう言ったかどうかはまでは覚えてないけど、この前に会ったときに一色邸のシアタールームで2人きりで他愛もないことを話しながら映画のビデオを鑑賞していて、たまたまその話になった流れで十夜が珍しく真面目な感情で私にそのことを打ち明けていたから、きっと本当のことなんだろう。

 

 ていうかまず7歳でこれだけのことを言うとかどんな人生を送っているんだって話だけど、育てられてきた環境を考えたら当然っちゃ当然だから驚きはない。“誰かさんのせいで普通の女の子だった感性が失われた”・・・なんて嘆いても、何もかも遅い。

 

 “『・・・嫌だ・・・・・・嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ』”

 

 てことは置いておくとして、とにかくあの瞬間の私は生まれて初めて見る地獄のような悪夢に魘されたせいでアイデンティティーが崩壊しかけていた。多分、絶望具合だったらママから“復讐のために女優として育てられていた真実(こと)を打ち明けられたあの日といい勝負かもしれない。

 

 

 

 “『大丈夫・・・・・・イッチーは誰にも負けないくらいお芝居が上手だから、“仲間外れ”なんかじゃない・・・』”

 

 

 

 そんな地獄のような悪夢を見てパニックになっていた私を、隣から聞こえた泣き声で起きていた十夜が優しく抱きしめて、泣きじゃくる私の背中をあやすようにそっとさすった。

 

 “『・・・いま見ていたのはただの悪い夢だから大丈夫だよ、イッチー・・・』”

 

 涙に溺れて十夜がどんな顔をしていたのかはほとんど分からなかったけど、この時の十夜の姿は私が知ってる同じくらいの背丈の1コ上の天使とは思えないくらい、もの凄く大人っぽく感じた。

 

 “『・・・でも・・・・・・さっき見てた・・・夢が・・・・・・予知夢、とか、だったら』”

 “『ならないよ・・・だって“俺”はずっとイッチーの味方だから・・・・・・もしみんながイッチーのことを仲間外れにしたら・・・力ずくでも“牧静流”は凄い女優さんだってことを俺がみんなに思い知らせて、一人残らず連れ戻してやるから・・・』”

 

 

 

 その瞬間、私は生まれて初めて私以外の人の腕の中で本気で泣いた。

 

 

 

 “『・・・じゃあ、さ・・・ひとつだけ・・・・・・十夜ちゃん、に、ワガママ言って・・・いいかな?』”

 “『うん。いいよ』”

 

 

 

 その瞬間、私は生まれて初めて芝居以外で人に我儘を言った。

 

 

 

 “『・・・明日(あした)から・・・私のこと・・・・・・“イッチー”って呼ぶの・・・・・・やめて』”

 

 十夜が私の名前を呼ぶときに使っていた“イッチー”というあだ名。 “静流”や“シズちゃん”だと何だか言いづらいから本名の一ノ瀬をもじって“イッチー”になったというしょうもない理由だったけど、自分のことを“牧静流”として視ている人たちしか知らない私にとってずっと“一ノ瀬静流”として視てくれる十夜は特別だったし、何より“女優じゃない自分”ごと受け入れてくれるたった1人の存在だった。

 

 “『・・・どうして?』”

 “『・・・なんか・・・・・・嫌だから』”

 

 

 

 けれどもあの悪夢(ゆめ)を見た瞬間、私の心は自分のことを“牧静流”として視てくれないと“自分がこの世界で必要とされていない”という漠然とした不安と苦痛に駆られ、“一ノ瀬静流”でいようとする“もう一人の自分”を拒む構造(からだ)になってしまった。

 

 

 

 “『分かった・・・・・・じゃあ明日からは“マキリン”って呼ぶよ』”

 “『・・・マキ・・・リン?』”

 “『・・・やっぱり“マキリン”じゃだめ?』”

 

 あの日の夜を境目に、私のあだ名は“イッチー”から“マキリン”になった。

 

 “『・・・ううん・・・・・・いいよ』”

 

 

 

 こうして私は7歳にして、“普通の女の子(一ノ瀬静流)”として生きていた(自分)の片割れを自らの手で殺めた。

 

 

 

 

 

 

 「おぉ、やってるやってる」

 

 カラオケボックスなどにありそうなやや分厚い扉を開け、地下室に繋がる階段を降りた先に見えたいかにも“音楽スタジオによくある”防音扉の向こうから微かに聴こえるピアノの音色に、私の真後ろを歩く十夜ちゃんが襟足を結ぶ仕草をしながら反応する。

 

 “・・・新しい曲?”

 

 扉の向こうから聴こえてくるのは、多分私だけじゃなくてここにいるみんなも聴いたことのない未知の曲。けれどもたった一小節を耳にしただけでそれが“城原千里の音楽”だということがはっきりと五感に伝わってくる、たった1人しか作れない唯一無二の美しさと儚さに満ち溢れた綺麗な旋律(メロディー)

 

 「あんまり聴き馴染みがないような曲だけど、新曲かしら?」

 「そうですね、いま弾いている曲はまだ発展途上で楽譜すら完成していない新しい曲ですから」

 

 私が心の中で思っていたことを代弁するかのような言葉をママが溢すと、小夜子ちゃんはどこか得意げそうにママの言葉に答えながら頑丈な防音扉を開ける。本人にわざわざ言うほどのことじゃないけど、城原さんのことを“めんどくさい音楽人”って言って謙遜しておきながら誰よりも旦那(パートナー)として誇らしく想っている“惚気”っぷりが駄々洩れで、可愛らしく思える。

 

 「千里さん、真純さんと静流ちゃんが来ましたよ

 「!?」

 

 防音扉の向こうに広がるワンルームくらいの白い空間で“自分の世界”に耽りながらグランドピアノを弾いていた城原さんが、16歳ほど歳の離れた小夜子ちゃん(フィアンセ)から優しく声をかけられると大きな物音に驚いた小動物のようにビクつきながら椅子に座ったまま勢いよく私たちのほうへと振り返った。

 

 「あ、あぁこれはこれはすいません、まさかもうお越しになられていたとは・・・せっかくお忙しい中来て頂いたというのにとんだご無礼を」

 

 そしてすぐさま立ち上がるや否やあたふたしながら来客の私とママに向かって深々と頭を下げる。

 

 「そんなそんな私たちのことはお気になさらずに、頭を上げて頂いて」

 「あぁはい、すいません」

 

 城原さんのこのまま少しでも放置し続けたら土下座をするんじゃないかってぐらいの本気の謝り具合に、普段は常に冷静沈着を保っているママも困惑を隠せない。

 

 「・・・そういえば静流さんとは初めましてになりますよね?」

 「はい、そうですね」

 「あの、この度・・・と言っても半年ほど経ちますが、僕は小夜子のパートナーとなりました作曲家の城原千里と言います。静流さんの女優としてのご活躍は家内の小夜子と共に拝見しております」

 

 ママから半分促される恰好で頭を上げた城原さんは、続けてママの斜め後ろにいた私に目を合わせて深々とお辞儀をしながら挨拶してきた。出会ってたったの数秒で、この人がママの言う通り本当に“芸術家気質”な人だということは扉の向こうから聴こえてきた唯一無二のピアノの旋律(メロディー)と、4度の日本アカデミー賞・最優秀音楽賞を始め国内とアジアで数々の音楽賞を受賞してきたとは思えない温厚で腰の低い人柄で強く感じた。

 

 こんな感じの振る舞いのせいで全然伝わらないけれど城原さんは“日本の音楽界の第一人者”と呼ばれているほどの巨匠で、超がつくぐらいの大物音楽家だ。“類は友を呼ぶ”っていうことわざがあるけれど、それはまさに家系図の人間がことごとく有名人ばかりになっていく私たちのために存在すると言われても、これじゃあ仕方ないのかもしれない。

 

 「牧静流です。城原さんが私の女優としての活躍を拝見してくれたこと、本当に光栄に思います」

 

 そんな半年前に私たちの家系図に加わり親戚になった著名な音楽家を相手に、私は“牧静流”として挨拶する。

 

 

 

 “『城原さんとは今後も仕事で関わっていくことがあるだろうから、くれぐれも無礼のないように』”

 

 

 

 もちろんそれは、同じ“業界人”として今後とも長くお付き合いしていくためだ。

 

 「いやとんでもないです、僕はそんなふうに敬われる大層な人間じゃありませんので」

 「4度の日本アカデミー賞・最優秀音楽賞に輝いている方がまたご冗談を」

 「あれは強運が重なっただけですよ。僕はただ、映像作品の持つエネルギーと物語の素晴らしさを自分が表現する音でどうにか1人でも多くの人の心に届けたいという想いだけでやってきたので・・・本当に称賛されるべきなのは作品を作る監督さんや俳優さんたちであって・・・僕はその人たちの表現したいものを、音楽という形で最大限に引き立てる裏方に過ぎませんから

 

 腰の低い謙虚な言葉とは裏腹に、城原さんはサラリととんでもなくハイレベルな美学(こと)純粋な感情で投げつけてきた。音楽家としてあれだけの実力と才能と個性を持っていながら自分自身という“たった1つの存在”を押し出していこうとする欲望なんか一切なく、映像作品においてはあくまで物語を盛り上げるための“脇役”に徹し続ける。

 

 「だとしても、城原さんの音楽によって救われた映画は曲の数だけあると私は思っていますよ

 

 そんな“天性の才能”と“純粋な心”が噛み合うことで、この人の両手から数多の名作と呼ばれる映画と音楽が邦画界で揺るがない1つの歴史として創られ続けている。役者で例えるとしたら、ただそこにいるだけで場の空気が全て染まってしまうほどの個性を持っていながらも、脇役として存在感を消すことだっていとも容易く出来てしまう天才肌(カメレオン)

 

 考えたところで城原さんは役者じゃないから意味がないんだけど、こういう人が共演者だったらはっきり言って私はすごく厄介だ。

 

 「だから私は、そんな城原さんの手掛ける音楽に見合うような“たった1人の女優”になれるように、これからもお芝居を頑張ります

 

 “天性の才能”と“純粋な心”。そのどちらも手にすることが出来なかった私は、普通じゃない“ニセモノの才能”で抗いながら身を削って勝負することしか出来ない。それなのに、私は女優以外の生き方を知らずに引き返すことの出来ない場所まで来てしまった。

 

 「いやそんな・・・僕から見れば静流さんはもう十分に一流の女優さんですよ。寧ろそんな女優さんからここまで有難い言葉を頂けて、逆に光栄な限りです

 

 

 

 欲のない純粋な感情で私のことを讃えてくれる(内心を抉ってくる)城原さんにはきっと分からない。“ニセモノ”として往生際悪く“ホンモノ”の影にしがみつきながら芝居を続ける、女優(わたし)の“醜さ”なんて・・・

 

 

 

 “・・・いつからこんなに“醜く”なっちゃったのかな・・・・・・私・・・

 

 

 

 「・・・もしいつか同じ作品で“出演者と作曲者”として携わるような機会が来たときは、よろしくお願いします

 

 7歳のときに一度は殺めた“弱虫な普通の女の子(制御不能)”の感情を、女優としてちゃんと視てくれている城原さんへの感謝の言葉と引き換えに“女優(じぶん)感情(こころ)”で奥底にしまい込む。見くびるな、私は女優(やくしゃ)だ。己の感情を殺して心の中で再構築して表に吐き出すことぐらい、台本もカチンコもカメラもなくたってどこだろうと瞬時に出来る。

 

 「はい・・・僕もその時が来るのを非常に楽しみにしています

 

 もちろん他人(ひと)から一流の女優って褒められたくらいじゃ、私はちっとも満足なんてしない。

 

 

 

 “『・・・静流ちゃん・・・・・・もしあなたに“薬師寺真波”を超えられる“自負と覚悟”があるというならば・・・私が真純ちゃんの代わりに“面倒”を見てあげても構いませんよ?』”

 

 “『静流・・・役者は自分に嘘をついてしまったら、その瞬間に終わりなのよ・・・』”

 

 

 

 女優として“あの人たち”が築き上げてきた“時代と呪い”を完膚なきまでに超えることで、私は初めて女優(にんげん)になれる。“二番煎じ”のままで終わってしまっては・・・牧静流(じぶん)がこの世界で生を受けた意味がないのだから。

 

 

 

 「あのさ、オレちょっとマキリンと話したいことがあるから姉さんたちは先に上がっててくれない?

 

 斜め後ろから少し大人っぽくなった聴き馴染みのあるどこか甘めな声が聞こえて視線を移すと、十夜ちゃんが少女漫画の王子様(ヒーロー)みたいに爽やかな笑みを浮かべていた。もちろん十夜ちゃんがどうして私と“2人だけ”で話したいって急に言い出したのかは、余裕で想像できる。

 

 「えっどうして?」

 「いやほら、オレとマキリンってどっちも芸能活動が超忙しいじゃん?こんな感じで次に会えるのもいつになるか分からないし・・・10分だけだから」

 

 十夜ちゃんの一言に小夜子ちゃんは思わず困惑するが、そんなことはお構いなしに当の本人はここぞとばかりに“ただの弟”になって姉に“お願い”をする。傍から見れば、もうあと10分だけと言ってテレビゲームを続けようと親にねだる小学生だ。

 

 「私は全然構わないんだけど・・・千里さんは?」

 

 可愛い弟からの“おねだり”に根負けした小夜子ちゃんは、ひとまず城原さんに意見を求めた。

 

 「僕は良いと思いますよ。大人は大人同士、子どもは子ども同士で“水入らず”で語り合うことも大切ですし、あぁ何ならこのピアノとか全然弾いてくれても大丈夫ですので、寧ろ良かったら是非」

 

 温厚そうな笑みと一緒に返って来た答えは、割と予想通りな言葉だった。

 

 「調子乗って壊さないようにね、十夜ちゃん?」

 「壊すわけないじゃん、こう見えてオレは物にも命があると思って大切にする“平和主義者(パシフィスト)”だから」

 「“平和主義”って関係あるのそれ?」

 「いやあるでしょ普通に」

 

 その実態は、女優(やくしゃ)と人間観察を続けているうちに相手の無意識な視線の動きで“何を考えている”のかを半分ぐらいまでは予想して当てられるようになったという、生きてく上でロクに役に立たない特技に過ぎないけれど。

 

 「しかし、この2人が並んで話しているとそれだけで映画のワンシーンのように華やかになりますね

 

 “・・・・・・” “・・・・・・

 

 そんなこんなで軽くふざけた会話をし始めた私と十夜ちゃん(わたしたち)の様子を微笑ましく見ていた城原さんから純粋な感情をぶつけられ、私たち2人は仲良く同時に我に返って少しだけ羞恥に浸る。

 

 “嘘吐き”として生きてきた人間は、こと“嘘のない感情”を直接向けられると自分の意思とは関係なく弱ってしまうものだ。

 

 「そりゃあだって・・・オレたちは“主演俳優”だから

 「十夜ちゃん、調子に乗らない」

 「いやホントのことじゃん」

 「そんなふうにして浮足立ってるとすぐ誰かに追い抜かされるよ」

 「安心しろよマキリン、オレだってちゃんと弁えてるからそういうとこは」

 「十夜、先輩には礼儀正しく」

 「こういうときだけマキリンのほうに付くのはズルいって姉さん」

 

 もちろん私たちは役者(にんげん)だから、心の中で感じた動揺なんて一瞬たりとも表には出さずに平然を装い続ける。

 

 「静流・・・これからは“先輩”として十夜くんのことも、よろしく頼むわよ

 「ちょっといきなりマジなこと言ってこられたら何にも言えなくなるって真純さん。なぁマキリン?」

 「てことだからこれからもよろしくね、一色十夜(しんじん)くん?」

 「この親子マジで・・・」

 「まぁ何はともあれ、お2人が役者さんを楽しくやれているのが見ているだけでこっちにも伝わってくるので、僕は本当に嬉しいですよ。僕が言うのが一番おかしい話ですけど

 「言っとくけど“何はともあれ”で〆られると思ったら大間違いだからね千里さん?」

 

 

 

 当然、私たちのことを知り尽くしている“身内(ひとたち)”の前であろうと・・・

 

 

 

 「・・・ってごめんなさい。私ったらまだ真純さんに何も聞いていませんでした」

 

 私たちが役者らしく自分を演じていたなか、小夜子ちゃんがついに気付いた。まぁ、私にとっては気付いたところでっていう話だ。

 

 「別に私は最初から構わないわよ。こういう時ぐらいは我儘をさせないと、役者という仕事は身が持たないでしょうから・・・

 

 基本的にママは、最も近しい一色家(親戚)といるときはほんの少しだけ甘くなる。汚い表現をすると、親戚としての付き合いだとかというより芸能界にも太い“人脈”を持つ十夜ちゃんの両親との関係を考慮した“戦略的”な部分が大きいんだけれども。

 

 「それで良いわよね?静流?

 

 だからこそ私は時々ふと思ってしまう。“母親(おかあさん)”の感情を捨てきれないくらいなら、自分の私情で十夜ちゃんを芸能界(この世界)に巻き込むような真似はするなと。十夜ちゃんや小夜子ちゃんをそうやって巻き込むくらいなら、真美さんみたいな“突き抜けた非情(女優)”になって私にとっての“憎悪”であってくれと。

 

 

 

 “・・・全部が“中途半端”だから・・・・・・ママは真波さん(おばあちゃん)から捨てられたんだよ・・・

 

 

 

 「うん。ありがとうママ

 

 

 

 なんて酷い言葉を口にできるほど私は強い女の子(にんげん)じゃないし、いまそんな言葉(こと)をママに言ってしまったら、きっと“牧静流(わたし)の存在意義”は消滅して私は“死んで”しまうだろう・・・・・・だから例え、“自分”の命と引き換えに“大切な人”の首元にナイフが突きつけられようが・・・・・・この“感情”だけは私が“独りきり”になるまでは絶対に使わない・・・

 

 

 

 「じゃあ私たちは上でお茶を飲んで話しているから、静流ちゃんと十夜も好きなだけ“2人だけ”の時間を楽しんで」

 「好きなだけと言ってもずっとここに居座られるのは無理だわ。静流(この子)のスケジュールもあるから夕方には帰らなければならないし」

 「さすがにそこまで長くはならないよママ。十夜ちゃんが調子に乗らなければだけど」

 「まだ続いてたんかいそのネタ」

 「まぁいいじゃないですか、お2人ともお仕事を本当に頑張ってらっしゃるので今日ぐらいは互いに好きに過ごしても」

 「本当にごめんなさいね」

 「いえいえとんでもないです」

 

 

 

 そしてワンルームほどの地下室には、私と十夜ちゃんだけが残った。




お久しブリトニー・・・・・・3ヶ月ぶりでございます。ここから物語は徐々に本編の『或る小説家の物語』にも繋がる伏線や補完する部分が色々と出てくる予定です・・・・・・なお更新頻度はお察しください。

ちなみに本編で既に登場している一色十夜ですが、キャラデザのモデルは『不滅のあなたへ』の主人公でもある“フシ”です。なお作者の画力は画伯にすらなれないレベルで終わっているため、描けと言われても無理です。気になった人はググってください。
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