遍く総べては『ちさたき』のために   作:ae.

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千束すき。
たきなすき。
ちさたきすき。


本編
1『求めよ、さらば与えられん』


 ───年─月──日

 今日から日記をつけることにした。

 この世界に転生し、始めこそ絶望したが…希望はある。

 

 そう、『ちさたき』である。

 

 ちさたきを目指すにあたって私はこれから長きに渡り戦い続けることになる。

 

 この日記はその長い戦いの記録だ。

 

 

 ───年─月──日

 今日、遂に千束を見つけた。可愛すぎて一瞬で分かった。

 え、こんな生命体いるの、可愛すぎるでしょ…確かに千束には類稀なる才能があるようだ。

 この可愛さは世界に届けられなくてはならない。余談だが、確かに銃弾を平然と躱していた。

 ちさたきのためにも強くなっておいて損はないのでそれなりに訓練を重ねて

 ファーストリコリスになった私でも、既にこのロリ千束に勝つのは難しいようだ。

 さすが歴代最高のリコリス。

 

 可愛さだけでなく強さも持ち合わせているとは…天は彼女に幾つの才能を与えたのだろうか。

 

 

 ───年─月──日

 千束とよく話すようになった。彼女はとても人懐っこい。

 そしていろいろなことに興味津々な子でもある。

 この世界では1歳しか差がないが、前世分のおかげでいろいろな知識が私にはある。

 私は極力、訓練以外の時間で千束と話すときには

 銃の扱いを始めとする戦い方の話はしないように努めた。

 私自身がその手の話にウンザリしているのもそうだが、

 可愛い千束にはこんな血なまぐさい世界ではない、

 もっと明るい世界のことも知ってほしいのだ。

 

 それはそれとしてすぐ抱きついてくるのはやめてほしい。いややめてほしくないが。

 あんまりやられるとあまりの尊さに死んでしまいそうだ。

 

 

 ───年─月──日

 千束から百合姉と呼ばれるようになった。もともと他のリコリスの子達からは

 そう呼ばれていたのでいつかは千束もそう呼んでくれるかな?と思っていたが、

 まさか本当に呼んでくれるとは。興奮し過ぎて死にそうである。

 

 それはそれとして、模擬戦で何度か千束と相討ちに持っていくことが

 できるようになった。まぁそれも今の内だと思うが。

 

 

 ───年─月──日

 千束の病気が訓練内でも顕在化してきている。激しい動きをするとすぐに倒れてしまうのだ。

 分かっていたことではあるが辛いことだ。しかし私は知っている。

 もう少しすれば彼女を救う救世主が現れることを。

 同時に彼女の人生にタイムリミットを付ける悪魔のような存在でもあるが。

 私はできる限り、彼女のお願いを聞いてあげることにした。

 そして毎日、彼女に「絶対に良くなる」と言い聞かせた。

 気休めだが、言わないよりずっといい。

 

 ちなみに最近は私にだっこやおんぶをさせるのが気に入っているらしく、

 実質私が車椅子の代わりになっている。

 可愛い。可愛いが、なんだか最近私の中の可愛いの方向性が少し変わってきた気もする。

 こう…父性的な、いや、今の身体に準じるなら母性か。

 

 千束の可愛さが私を母性に目覚めさせたらしい。あれ、私は姉じゃ……

 まぁいいか!私が母になるんだよ!

 

 

 ───年─月──日

 ついにアラン機関が千束に接触してきた。これでとりあえず千束は助かる。

 彼女の死は世界の損失だ。私のそんな独り言が聞こえてしまっていたのか、

 吉さんこと吉松シンジさんから「君はよく分かっているようだね」などと言われてしまった。

 ああ、分かっている。千束には可愛さという類稀なる才能がある。

 

 さすがの千束も手術は怖いらしく、珍しく何度も弱音をはいていた。

 私の言葉がどの程度彼女の不安を取り除けたのかは分からないが、

 手術前に私が言った「絶対に成功する」という言葉が効いたのか、

 千束は「行ってきます」と笑顔で手術室へ入っていった。

 

 本当に強い子だと思う。

 

 

 ───年─月──日

 千束の手術は無事成功した。

 千束はかの救世主から貰った銃とチャームを本当に大切にしている。

 そして、自分を救ってくれた救世主のように自分も他の人達を助けたいと言っていた。

 その言葉を聞いて少し泣きそうになってしまったのは内緒だ。

 大丈夫だよ、千束。君はたくさんの人達を助ける救世主に絶対なれる。

 アラン機関が「殺しの才能」のために彼女のその道を邪魔するというのなら、

 私がなんとかしてみせよう。

 

 これはちさたきを成すのと同じくらい大切な私の目標だ。

 

 

 ───年─月──日

 電波塔事件が起き、そして千束の力によって速やかに解決した。

 未来の彼女が言っていた通り、この事件から彼女はあの非殺傷弾を使うようになった。

 何度か彼女の試し撃ちに付き合ったがなかなかどうして当たらない。

 これを実戦で運用できるのは確かに千束くらいだろう。

 一応私も作戦に参加したが、結局ほとんど千束一人で片付けてしまった。

 

 しかし真島の能力は厄介だな。そして少し羨ましくもある。

 私も千束の足音や吐息、瞬きの音まで全て聴いてみたいものだ。

 

 

 ───年─月──日

 千束と先生…ミカがDAを離れることになった。喫茶リコリコの始まりだ。

 私は当初DAに残ろうと思っていた。

 リコリコに私がいてはアニメ通りのちさたきが起こらない可能性がある。

 百合の間に挟まるのはよくないことだ。

 具体的には死を以て償わないといけないくらいよくない。

 それに未来のことを考えるとDAにいる方が千束や

 たきなのサポートをできる可能性は高い。

 

 なので千束が「なんでDAに残るの!」と言い始めたときはとても困った。

 他のリコリスの子達は先生だけじゃなく百合姉まで持ってくつもりかよ、と反対してくれたが、

 結局千束の「お願い」に勝てなかった私はリコリコへついていくことになった。

 まぁちさたきを近くから見られるという点では悪くないのかもしれない。

 

 私は喫茶リコリコの壁になりたい。

 

 

 ───年─月──日

 千束と一緒に暮らす事になってしまった…。

 

 先生が千束一人では不安だが百合がいるなら安心だ、なんて言い始めるからだ。

 すっかり乗り気になってしまった千束を私が止められるはずもない。

 そろそろ自分を痛めつける必要があるんじゃないかと思い始めた。

 安いもんさ、腕の一本くらい…。

 

 ま、まぁ、たきなが来る前に私が部屋を出れば問題ないはずだ。

 

 

 ───年─月──日

 任務の都合でDA京都支部へ出張することになった。

 千束も行くと言って聞かなかったが、なんとかなだめて

 お土産を買ってくると言って納得してもらった。

 

 もののついでで京都支部で何人かのリコリスに指導をしたが、

 どの子も飲み込みが早く優秀だ。

 特に一人、やたらと射撃が上手い子がいた。

 

 …帰ってきてから気が付いたが、もしやあの子がたきなか…?

 前世で見たOPのロリたきなの顔を思い出せればいいのだが、

 如何せん記憶が薄れていて思い出せない。ついでに言えば

 周りの真剣さに押されて私も真面目に指導していたので

 顔を見ている余裕もあまりなかったし。

 

 まぁ、仮に彼女がたきなでもさすがに本編が始まる頃には

 私のことなんぞ忘れているだろうが。

 

 

 ───年─月──日

 ここ最近は千束と暮らしながら様々な任務にあたっている。

 一度家に男の子版リコリスこと、リリベルが襲撃してきたときには驚いたが、

 それ以外には割と落ち着いた日々を送っている。

 それに少しずつだが先生が本編の甘々な感じに変化していっている。

 

 一つショックだったのは、千束が私を百合姉ではなく

 百合と呼び捨てで呼ぶようになったことだろう。

 千束は喜んでいるのでいいけど、これが姉離れというものか……。

 

 しかし、落ち込んでいる場合ではない。

 

 もうすぐ私の目的が始まるのだから。

 

 

 ───年─月──日

 長らく日記をつけていなかったが、今日ついにたきなが

 喫茶リコリコに左遷されることになるきっかけの事件が起きた。

 アニメ本編の時間軸のスタートだ。やっと始まりますね、僕たちのちさたきが。

 

 ちなみにたきなは本当の本当に美人さんだった。それにやはり礼儀正しい子だ。

 やや過剰な感はあるが、こんな私にも敬意を持って接してくれるのだから。

 

 余談だが、たきなはめっちゃいい匂いした。千束とはまた違ったうまあじがある。

 はーすこすこ。

 

 

 ───年─月──日

 ちさたきの邪魔をしてはいけないので

 千束との長きにわたったルームシェアを本日解消することにした。

 

 本当ならたきなが来る前に解消しておくべきだったが、

 なかなか言い出せずにいたのだ。

 

 千束に説明したら悲しそうな顔を一瞬見せた

 ものの、一応納得はしてもらえたらしい。

 

 これでちさたき同棲回には何の影響もないはずだ。

 

 

 ───年─月──日

 わたしは いま

 

 ちさとのへやで

 

 ちさとにべっどにおしたおされています

 

 

 は??????????

 なんで??????????

 





ちさたきのために頼んだ。

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