俺の周りの奴らが軒並み頭可怪しい件   作:通りすがりの料理人

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 どうも、通りすがりの料理人です。他に書いてた小説がスランプで全く進まなくなってもうすぐ1年。流石に不味いと思いリハビリも兼ねて書きました。ギャグです。


俺の周りの奴らが軒並み頭可怪しい件

 

 突然だが、アニメや漫画・小説の世界に転生できるとしたらどんな風に過ごしたいと思う?チートを貰って俺TUEEE!したいか?ハーレムを作ってイチャコラしたいか?血湧き肉躍るような戦いがしたいか?

 

 俺はしたく無いです。

 

 

 

 さて、何故こんな話をしてるかと言うと…。

 

 

「…つまり、俺は死んだ…と?」

 

「はい、そうッスねぇ」

 

「そうッスねぇじゃないんスが??」

 

 

 真っ白な空間に自称神様の使いとかいう『ッス』系の女が俺は死んだとか言ってるんだ。だから転生特典やるから早く転生しろと…。しかも死因はこの神の使いの上司、つまりは神様らしい。

 

「神様のくしゃみで起こった竜巻に巻き込まれて空中に吹き飛び、更に運悪く何故か巻き込まれていた包丁や刀剣などの刃物に滅多刺しにされた挙げ句地面に叩き付けられて、丁度叩き付けられた瞬間に2tトラック5台に念入りに引き潰されてド派手に死んだと?」

 

「そうッスねぇ」

 

「いや何その殺意マシマシなピタゴラスイッチは!?てかアンタさっきから反応が軽いんですがぁッ!!?」

 

「だって上司が原因ッスし、私まだ新人なのに自分のミスを私に押し付けるッスし、これで4徹確定ッスし……マジクソ上司とブラック企業が…って感じなんスよ…」

 

「………その、なんかすんません」

 

 

 どうやら神様はクソ上司だったようだ。しかもブラックなんすか。この人……人か?ま、まぁこの人はとにかく可哀想な使いの方らしい。

 

「マジで辞めたいんスよぉ…。こんな所なんか…」

 

「は、はぁ、そうですか…」

 

「すいません貴方に愚痴っても困らせるだけッスよね」

 

「いえいえ、お互いクソ神の被害者。話しぐらいなら聞きますよ」

 

 

 

 そこからは長かった。

 

 

 俺が『話しぐらい聞きますよ』と言った瞬間にダムが決壊したかの如く上司に対する愚痴が溢れ出した。

 

「本当にあのハゲはッ!『質問ばかりしないで少しは自分で考えろ』!?それなのに自分で考えた事をこんな感じでどうッスか?って聞いたら『聞く前に実際にやってみろ』って言ったんスよ!?だからそのままやってみて結果失敗したら『出来無いなら質問しろ』!?巫山戯んなッ!!散々質問して確認もしてもらおうとしたわッ!!」

 

「うんうん」

 

「しかも厭らしい目付きでジロジロ見てくるッスし、ベタベタ触ってくるッスし!セクハラしてんじゃないッスよ気持ち悪いッ!!」

 

「うんうん」

 

「自分の失敗は部下に押し付けるくせに、部下の手柄は全部自分の手柄にするんスよ!?本当に最低最悪なクソオヤジッスよ!!」

 

「うんうん」

 

「自分は定時で上がるくせに私達は会社に泊まっての作業は当たり前!しかも残業代なんか出ないんスよ!?」

 

「うんうん」

 

 

 

 

 これがかれこれ半日続いた。

 

 

「ふぅ~。スッキリしたッス!」

 

「……う、うんうん……。あ?終わった…?」

 

「ありがとうございました!貴方のおかげで今までのストレスが発散したッス!」

 

「そっか…。それなら良かった……」

 

 正直めちゃくちゃしんどい。てか天界には会社も定時も残業手当も普通にあるんだなぁ。案外地上と変わらない生活なのか?

 

「では、改めまして…。どんな転生特典が欲しいッスか?貴方には特別に3つの転生特典をあげるッス!愚痴を聞いてくれたお礼ッス!」

 

「へぇ?そんな事して良いの?クソ上司に怒られない?」

 

「本当は2つって言われてましたが大丈夫ッス!もうこんな所辞めてやりまスから!」

 

「そ、そっか…。てか辞められる?そんな簡単に?」

 

「………」

 

 

 ……うん、駄目そうな雰囲気を醸し出してらっしゃる。そんな悲愴の面持ちしないでください…。

 

「……では転生特典をどうぞ。ある程度は叶うッスから…」

 

「え、えぇ…?この空気の中で選べと…?」

 

 こんなお通夜みたいな空気ではなに考えていいか分からなくなるんですが??

 

「……転生世界は選べるのか?」

 

「それはランダムッス」

 

「さいですか…」

 

 

 ランダムかぁ…。ランダムだと日常ほのぼの系から本格バトル系、ヴァイオレンスホラー系とかあるしどうすればいいんだ…?

 

「……1つ目は【寿命以外では死なない】で」

 

「ッス、【寿命以外では死なない】…と」

 

「2つ目は【ギャグ時空寄りのコメディな世界に改変】で」

 

「【ギャグ時空寄りのコメディな世界に改変】??」

 

「そう!つまり日常ほのぼの系世界でも、本格バトル系世界でも、ヴァイオレンスホラー系世界でもちょっとギャグ時空寄りのコメディな世界観を付与するだけであっという間にゆるい感じの世界になる!」

 

「な、なるほど…?」

 

「そして最後は…」

 

「最後は…?」

 

 

 ……最後の願いは、うん!これに決めた!

 

「【貴女が無事にブラック企業を辞めてクソ神上司との関係も断つ事ができる】で」

 

「え、ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッ!!?」

 

「うわ、うるさっ…」

 

「な、なななな何を言ってるんスか貴方は!?せっかくの転生特典を私になんか使っては勿体無いッスよッ!?」

 

「いや、でも別に俺TUEEEもハーレムも血湧き肉躍るバトルも興味無いから。他に思い付くのも無いしこれが1番良いかなって」

 

「あ」

 

「あ?」

 

「貴方は神ッスか?」

 

「神は貴女の上司ですが??」

 

 混乱してるぅ!明らかに混乱してるぅ!

 

「あ、ありがとう御座いまスぅ!これで私あのクソハゲセクハラ&パワハラ上司から開放されるんスね…!抱きしめて良いッスか!?」

 

「ふっ」スッ

 

【不知火型】

 

「来い、抱いてやるよ」

 

「貴方は呪術廻戦の真希さんスか!?そんな抱きしめるどころか抱き締めて殺しそうなの嫌なんスが!?」

 

「ちぇっ!合法的に抱きしめられたのに緊張しちゃって不知火型しちゃったよ」

 

「緊張して攻撃体勢に移行し無いでくださいッス!」

 

「それよりなんか扉出てきたけどこれを潜れば転生できるの?」

 

「はい、そうッスね。では…貴方のこれからの人生に幸がありまスように!」

 

「貴女のこれからにも幸がありますように!そんじゃ元気でな!」

 

 

 こうして俺は新たな人生を始める為に扉を開いた。

 

 

 その先に待ち受ける世界はいったい何なのか……。

 

 

 

 

 


 

 

「なんて事があってから早くも5年。だけどいまだに何の世界か分かんないなぁ…」

 

 

 オッス!俺の名前は不死川(しなずがわ) 九郎(くろう)!某鬼殺隊の風柱みたいな名字になっちゃったけど全く似てないぜ!

 

 転生から5年が経ち、俺氏は保育園に入りました。しかしいまだに何の世界か分からん。それより問題が発生した。

 

 自分と他の5歳児達との温度差だ。転生前でも18歳だった俺。更にプラス5歳だから実質23歳なんだよなぁ…。元気に走り回る園児を眺めながらぼんやり座る俺は傍から見れば異質なんだろうなぁ。

 

 しかし、実際はこの世界の両親が頭がちょっと残念な人達だから周りの大人達は『遺伝子への抵抗ね』『産まれた瞬間から(遺伝子への)反抗期してるなぁ』なんて言われてる。

 

 それくらい頭がちょっと残念というか可怪しい親だ。そしてそんな頭可怪しい母親がそろそろ迎えに来る。

 

 

「今日は普通に来てくれると良いな〜」

 

「あの娘は太陽のコマチッエンジェ〜〜〜〜!やや乱れてYOセイぃぃ〜〜〜!!」

 

「希望が一瞬で打ち砕かれたッッ!!」

 

 

 頭可怪しい母親、登☆場!

 

 見た目は美人なのに頭が残念だから全てを台無しにしてる母親がB'zの【太陽のKomachi Angel】を大声で歌いながら現れた!

 

「九郎〜!迎えに来たわよ〜!」

 

「こんのッ!アホ母コラァッ!!なんて登場してんだ恥ずかしいわッッ!!!」

 

「あら!九郎!今日も元気一杯ね!お母さんに似たのかしら!」

 

「心の底から似たくないと思いました」(小並感)

 

「酷いッ!?」

 

 

 こんな感じで母親に迎えに来て貰って帰る。帰りの車で延々と【太陽のKomachi Angel】を歌い続けられて遠い目をしながら…。

 

 

 

 

 

 さて、家に帰ってからは基本的に自由だ。近くの公園になら一人で遊びに行ける。家にいたら(主に母親のせいで)疲れるのでだいたい公園にいる。

 

 公園には数人の同い年くらいの子供達が遊んでるくらいで他には誰も居ない。そんな公園のベンチに座りながらノートに今日あったニュース記事などをまとめたりしながら何の世界かを考察するのが日課になりつつある。

 

「俺が産まれたのが2008年。そして現在は5年が経ち2013年…。俺のいた世界であった事件や災害なんかは起きてない…か。」

 

 覚えてる範囲の世界を騒がせた事件や大きな災害などは起こっていない事から前世とは全く別物の世界だとは分かった。しかしそれ以外は前世の技術力と対して変わらない。SFなパワードスーツとか、変身ヒーローとか怪異とか、そんな話しも聞かない。

 

「パソコンが使えたらもっと手っ取り早いのになー…」

 

 父親にパソコンを使わせて欲しいと頼んで見たが……。

 

『駄目だッ!このパソコンの中身はトップシークレット!誰にも見せられないッ!もし万が一俺のコレクションを母さんに見られたら殺されちゃうッ…!

 

 コレクションとは恐らくR18なものだろう。その日は大人しく諦めて母さんにそれとなくチクっておいた。

 

 後日にゲッソリした父さんとツヤツヤした母さんが部屋から出てきた時は家族が増えるかもと思ったぜ。しかし1年前だからできてはいないみたいだ。ちょっと残念…。

 

 

 もうさっぱり分からん。手っ取り早く主人公でも現れないかなぁ。

 

「まぁ、必ずしも俺の知ってる物語の世界とは限らんけどな」

 

 

 なんて考えてたら少し遠くで遊んでる3人組の一人が転んで泣いてしまった。あらら。

 

 見て見ぬ振りなんてできる筈も無いので駆け足で3人組のもとへ行く。すると金髪碧眼の女の子が膝から血を流して泣いていた。そんな女の子を前に黒目黒髪の男の子と亜麻色の髪と緑目の男の子が慌てふためいていた。

 

「あ、あわわわ…ど、どうしよう…」

 

「血、血が!あわわわ…」

 

「大丈夫…では無さそうだな。君達先ずは落ち着け」

 

 慌てふためく2人の間に割って入り女の子の前にしゃがみ込む。

 

「ちょっと傷見せてねー」

 

 怪我は両膝を擦りむいて血が出ているくらいでそこまで酷くない。ただし傷口に砂利なんかが入っているみたいなので取り除かないと。

 

 そんな時に役立つ救急セット!自分用に持っていたのが初めて役に立つ時が来たようだ。

 

「今から傷の手当するからね〜。ちょっと痛いけど我慢してね〜!はい、このハンカチ噛んで、あとそこの2人はこの娘の手を握ってあげてて」

 

 2人は戸惑いながらも女の子の手を握る。女の子はハンカチを噛みながら目を瞑って泣きながら痛みに耐えている。ちゃっちゃと処置しないとな。

 

 先ずは所持していたペットボトルの水で血と汚れ・ゴミを流して軽く拭き、消毒液をかけて大きめの絆創膏を貼って終わり!

 

「はい、終わり!よく頑張ったな」

 

 女の子の涙をもう一枚のハンカチで拭いながらそう褒めていると手を握っていた男の子2人はあからさまにホッとしていた。

 

「よ、よかった〜…」

 

「どうなるかと思った〜…」

 

「ほらほら!安心するのはまだ早いぞ!この娘を家まで運ぶから2人も手伝って!あと道案内も!」

 

「「う、うん!」」

 

 

 そこからは3人で女の子を運び親御さんに傷の具合いと応急処置した事を伝え解散した。

 

「それにしても明らかに外国人みたいな外見の2人だったなぁ…。ハッ!まさかあの2人のどちらかが主人公…!?」

 

 しまった!名前を聞いておくんだった!しかし、うぅむ…。亜麻色髪の男の子が主人公で金髪の女の子がヒロイン。そして黒髪の純正日本人な男の子が主人公の親友ポジと見たッ!

 

「今度あったら名前聞かなきゃ」(使命感)

 

 

 すると家の近くになった時に後ろから何かが聞こえてきた。

 

 

「…ッ!?この声、この歌はまさかッ!!」

 

「あの娘は太陽のコマチッエンジェ〜〜〜〜!やや乱れてYOセイぃぃ〜〜〜!!」

 

「デジャヴッ!すっごいデジャヴッ!!」

 

 

 まさかまさかのデジャヴな登場を果たしたのは頭が可怪しい父親!

 

「こんのッ!アホ父コラァッ!近所迷惑だろうがッ!あと普通に恥ずかしいわッッッ!!?」

 

「ん?おぉ!九郎!なんだなんだ俺の出迎えかっ!?父さんの事大好きかよ〜!」

 

「心の底から否定したいと思いました」(小並感)

 

「酷いッ!?」

 

 

 そんな感じでこの日1日は終わった。

 

 

 そして布団に入って寝るという時に…

 

「今日は母さんと寝ましょ!」

 

「いやいや父さんと寝るだろぉん!?」

 

「一人で寝るからはよ出てけッ!」

 

 

 ……うん、多分俺の名前の九郎は【苦労人】の苦労が由来してると思う。そんなやるせない気持ちのまま就寝するのだった…。

 

 




 
主人公【不死川 九郎】
 この作品のオリ主。寿命以外では死なない→不死川。苦労人→九郎となった可哀想な子。近いうちに胃薬が友達になる予定。原作キャラにはあまり関わらないようにしようとするが向こうからやってくる。2008年9月6日産まれ。
 両親は頭可怪しい。大声で太陽のKomachi Angelを歌うくらいには頭可怪しい。銀魂の無人島回見て思い付いた。

母親【名前未定】
 頭可怪しい奴1号。めっちゃ美人。だけど頭可怪しいので全て台無し。料理上手。

父親【名前未定】
 頭可怪しい奴2号。めっちゃダンディ。だけど頭可怪しいので全て台無し。実は社長。

亜麻色髪緑目の男の子【???】
 九郎に原作主人公だと思われている男の子。幼馴染みの金髪っ娘と黒髪男の子とは毎日遊んでる。

金髪碧眼の女の子【???】
 九郎に原作メインヒロインだと思われている女の子。幼馴染みの亜麻色髪男の子と黒髪男の子とは毎日遊んでる。

黒髪黒目の男の子【???】
 九郎に原作主人公の親友ポジだと思われている男の子。幼馴染みの亜麻色髪の男の子と金髪っ娘とは毎日遊んでる。実は原作主人公。

神の使い【???】
 九郎を転生させた神の使いの方。語尾に『ッス』を付ける自称後輩系萌キャラ。無事にブラック企業を辞めて上司のクソ神とも縁を切った。今後は自由に生きるらしい。
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