前回はゼロに主観を持っていかれたが、今日は普通に俺の番だ。
サブタイトルを見れば分かるけど今回は仲間と戦闘訓練をしつつ紹介をしていく。本当は子供たちと遊んだ時の話数のタイミングで紹介する予定だったのに、ゼロが予約投稿の日付を間違えるから…ブツブツ…
まあいい。今日紹介する仲間は所謂魔王戦パーティって呼んでるメンバーだ。読んで字のごとく、魔王と戦うときに仲間として共闘したメンバーだな。近距離、中距離、遠距離のバランスがいい感じに取れているから結構形としてはシンプルだぞ。
あとサナも魔王戦パーティだけど、サナの紹介は飛ばすぞ。
「んで次は俺か」
「そうだぜカイトくん。さあ来い!」
というわけでサナの戦闘はさくっとカットして次は太刀の青年と対峙する。赤と白が混じった髪で、身長は俺と同じくらい。なお歳は俺と同じ。
名はカイト。本名はカイト・クレイナ・カトゥルー。カイトが名前で、クレイナが姓、カトゥルーが部族名である。名前は日本語に訳せないので似たような発音で書いてるぞ。
カイトはとある辺境の部族の出身であり、その特徴は異常なまでの俊敏性である。魔法を使えばカイトよりも早く動くことは可能だが、純粋な身体能力では格段に差がある。大太刀を使っているのにただの剣を使っている俺よりも早いのだ。
しかもカイトの大太刀は刀身の幅が三十センチくらいあるのだ。それは太刀ではなく大剣なのではと思っているのだが、ちゃんと刀身は少し反っているいるしカイト自身が太刀だと言い張るので多分太刀なのだろう。
「ふっ!」
「甘い!」
急接近してきたカイトの刃を弾き飛ばす。先ほども言ったが魔法さえ使うことができればカイトの攻撃に対応することは容易だ。ただ魔法剣士というタイプがこの世界に少ないのは確かなので猛者であることは間違いないだろう。
カイトが魔法を使って身体能力を上げれば最強なのではと思うだろうが、残念ながらカイトが自分自身に魔法を使うことはできない。カイトは身体強化魔法は使えないのだ。その代わり…
「フロストエイジ!」
「ちっ」
こいつは氷の魔法を使える。というか元々は水魔法が使えるのだ。
カイトが言うにはひたすら海辺で波を相手に訓練していたら水魔法が使えるようになったというけど…いや悪いが俺もその場面を見てないから分からないんだよ。俺だって知らないことくらいある。
氷魔法は水魔法の発展形だな。空気中の水蒸気を冷やして水にしていると考えると、更に冷やして氷にするというのは簡単に想像できる。実際の魔法の理論は違うので冷やしているわけではないけど、水魔法を氷魔法に昇華させるのも当然とも思える。
これもまた先ほど言ったことだけど、この世界には魔法剣士なんていうのは稀だ。しかしながら俺の仲間、魔王戦パーティ以外の名前も含めて皆魔法が使える。俺が教えたから。この世界のバランスなんてしったこっちゃねえよ。
「アイスメイク…ランス!」
俺も氷の造形魔法で対抗する。これもまた別の時空から模倣してきたもの。造形魔法とか想像魔法とか創造魔法とかっていうのは模倣を繰り返して魔法理論を完全に理解することができれば本家本元よりも色々なことができるようになるので素晴らしい。
「コールド…」
「おら」
「ぐええ」
大振りで近付いてきたので全力で腹を蹴り飛ばした。吹き飛ばされた後、そのまま訓練場の端っこで動かなくなる。
よし、俺の勝ち。戦闘訓練で体術を使ってはいけないというルールはないので、俺の蹴りを警戒していなかったカイトの負け。
「サナ、カイト回復しといて」
「はいはーい」
サナは基本的にどの魔法も使えるので回復魔法だって当然のように使える。こういった模擬戦形式での戦闘訓練をするときはサナが救急要員としていることが多い。
「次シオン!」
「はーい」
次に出てきたのは薙刀を構えた女性。こちらは白オンリーの長い髪で、身長はサナと同じくらい。胸は可哀そうなことに貧相だが、まあ戦うことを基本としたこの世界ではあまり大きい胸は邪魔になるのでそこまで本人は気にしていない。
名前はシオン。本名はシオン・バレッカ・ケトァル。名前の構成はカイトと同じであり、カイトとは違うものの結構似たような地域の部族出身。こちらも俊敏性が売りである。名前の表記、日本語だとめっちゃ難しいのだけど。
武器は薙刀。カイトとは違って一目で薙刀だと分かるフォルムなので文句もなにもない。
なぜ二人とも日本の武器を使っているのかと言うと、同じものがこの世界でも作られただけに過ぎない。一応部族特有の武器らしいぞ。実際に俺は初めて見たときに独特だと感じたしな。むしろ日本のことを知った時に同じ武器があったことの方が驚いた。
「よろしくねー」
シオンの性格はサナと似たようなもの。しかしシオンの方が幾分か好戦的。サナなら話し合いで終わらせようとする問題に対して武力で終わらせようとするくらいには好戦的である。最近は少し落ち着いたのだけどね。
「せいっ!」
シオンの薙刀を剣で弾き飛ばす。カイトもシオンも俊敏は異様なのだが、残念ながら力が足りないせいで結構簡単に弾くことができる。二人の難題だな。
「パラライズ!」
「効くかよ!」
シオンの放った雷撃を雷桜槌で吹き飛ばす。
そう、シオンは電気属性なのである。時空によっては雷魔法が風属性の上位とか応用とかに置かれることもあるが、この世界では電気属性で一つであり風属性が雷を起こすことはできない。
カイトと違ってシオンは電気一つなのだが、一応昇華として雷属性みたいなものになっている。過剰な電気が熱を発生させるせいで着弾した場所を燃やすことがあるのだ。
「ボルト!」
「おらっ!」
ただし俺とは非常に相性が悪い。俺と、というか雷桜槌と。この武器は属性が名前の通り雷と桜なので生半可な電気は全部吹き飛ばすことができるのである。このハンマーを吹き飛ばせるほどの威力を出せるようになればまだ分からないけど…
「てい」
「ぴぎゃあ!」
またもや蹴り。俺の蹴りはちゃんと身体強化をしているものなので威力は相当だ。俺は元々光属性なわけだし、言うなれば…
「光の速度で蹴られたことはあるかーい?」
「痛いよう…」
カイトと違って気絶するほどではなかったようだが、致命傷を負ったら負けのルールなのでシオンの負けである。俺は真の男女平等主義者なので女性にも平然と蹴りをいれます。
薙刀って正直あまり武器向きではないよなぁ…形状として慣れるまでは振り回されること間違いなしだし、刀身自体は短いせいで当てるのも難しい。俺は素質としてどんな武器でも扱えるけど、薙刀はあまり進んで使うつもりはないな。
「次が俺だな!」
「お前が一番相手したくねえんだよ…」
次に出てきたのは茶色の髪の服の上からでも分かる筋肉をつけた男。
名前はダイ。姓はない。火山の近くの街で飼いならした鳥の魔物を使って郵送業をしていた男である。鳥とは言え大きさが象くらいあるのでなんも問題ない。尚現在その鳥は適当に世界を飛び回っているらしい。あと別にこのダイは大冒険などしたことないので注意。
使う武器はハンマー。筋肉からも分かる通り全力のパワーファイターなのである。流石の俺も剣でハンマーを弾くのは難しいので回避するか、俺もハンマーに持ち替えるしかないので厄介なのだ。そりゃ全力の魔法ならハンマーも弾けるけど、多分それをしたらダイの体も弾け飛ぶので。こう、四方八方にグロさマックスで。
「ふんっ!」
ダイの攻撃を回避。攻撃が当たった地面はひび割れている。ひび割れはこの訓練場の機能としてすぐに修復されるが、やはり当たりたくないなと再度思わせられる威力だ。
ただ完全なパワーファイターなので予備動作を見切れば回避自体はそこまで難しくない。
「ヴォルケイノブラスト!」
「うおっと」
ダイが地面を叩きつけると何本もの火柱が上がった。火柱があがるところに一瞬魔力が集まるのでちゃんと見極めれば回避は簡単。
ダイは火属性の持ち主だ。元々火山住みだったからか火山関連の魔法を多く使ってくる。パワーファイターの脳筋が魔法使うなと言いたい人もいるだろうけど、この世界ではたとえボディビルダーのような人であっても魔法は使える人は使えるのだ。体は器にすぎないってわけだな。
「ヴォルケイノストーム!」
そういえばな話だが、流石にこいつは蹴りじゃ倒せない。多分訓練場の結界を吹き飛ばすくらいの威力で蹴らないとダメージにならないだろう。なので…
「
「ぐふぉぉ!」
よし終わり。肉体派には魔力が効きやすいっていうのは通例だな。原因はそいつが持っている魔力が少ないせいで魔法抵抗が低いからなんだが…まあ魔力量が少ない読者に教えたところで益もないな。
ダイは無駄に技に魔力を込めるので
「次、私」
「はいよ」
ダイの回復をまたもやサナに任せて次に出てきたのは短髪の黒髪。その手には弓、そして腰には銃を装備している。
名前はナミ。本名は確かナミ・ハレイト。凄腕の弓使いでガンナーだ。
先日の武器紹介の時に俺は魔銃ピアルを紹介したと思うのだが、この世界には銃が存在する。ただし技術発展的な理由で地球のものよりも威力は劣る。その代わりに魔力による魔法併発が可能で、それを含めると地球のものよりも威力が上がる。なんせ最低威力がグレネードランチャーみたいなことになるからな。
なのでナミは弓と共に銃も使う。そんな銃があるなら弓なんて意味ないだろと思うかもしれないけど、如何せんそういうわけにもいかない。弓には弓特有の軌道があるし、銃弾にはできず矢にしかできないようなこともある。
俺もスナイパーライフルだけでいいのではと思うこともないのだが、遠距離担当として譲れないらしい。
「ブラスト」
回避。ナミの属性もダイと同じく火である。ただ別に火山住みじゃなかったから火山系以外の魔法も普通に使ってくる。因みに威力の話で言うと火山系も火系もそこまで変わらない。
「…」
無言で弓を放ちながら、合間に銃を撃ってくるナミ。同時に二つも使うのはとても使いづらいと思うのだが、ナミは平然とやっているので気にしないことにする。尚俺の場合は弓を使いながら普通に手で魔法を放つので銃は使わない。
「…」
無詠唱で火魔法を撃ち続けるナミ。ナミは無口なのだ。
まあこのまま撃ち続けられてもどうしようもないので接近しよう。黒の剣士と同じく魔法も銃弾も斬るという荒業で!
「…!」
急接近されても焦らずに銃を構えるナミ。ムーンサルトで蹴り飛ばす。
そんでそのまま横腹を蹴り飛ばす。はい、おしまい。
ん?この爆弾…
「ぬぐおおっ!」
先に有効打をいれたのは俺なので俺の勝ちなのは間違いないが、ナミは置き土産で爆弾を置いていたらしい。なんとも厄介な女である。
ともあれ全員に勝利することに成功した。それぞれ課題を見つけたと思うのでそこを重点的に反復するよーに。
「…銃弾を斬れるのはこの世界だとミキだけ」
「他の世界にはいるから。頑張れ」
俺の仕事の手伝いでこいつらを別の時空に連れて行くこともあるのでできないことはできるようになってもらわないといけない。
仲間の紹介はこれくらいだな。それでは次回…
「私の出番はないの?」
「回復してたじゃん!」
サナが文句を言ってきた。カットしたけどちゃんとサナとも戦ったぞ。
よしつっかかられる前に退散!終了!
ミキ「あとがきは避難場所」
サナ「逃げられました。が、私も追いつきました」
ミキ「こえーよ。あとがきに出没すんな」
サナ「ミキにできるんだから私にもできるもん!」