時空神の青年は世界を回す   作:nite

14 / 38
メイド変遷

今週も元気にこんにちは。ミキさんです。

そろそろ挨拶のレパートリーがなくなってきて困ってまいりました。もうちょっと東京の芸人でも見ようかな…オリジナリティを求めたいところだけど、完全なオリジナルとかもう無理だからな…新しい言語でも開発するしかないなこれ。

まあいい。今日は特に予定がないから書くことを探しながら一日を過ごすぞ。記録を取ったはいいけど特に何かあるわけじゃないからな。毎週イベントが起きるとか異世界だとしてもありえねえよ。

 

「おはようございますマスター」

「おはようメレ」

 

因みに今はめっちゃ朝だ。朝の六時くらい。いつも俺はこれくらいに起きるんだが、その時間に合わせて誰か一人はメイドが挨拶しに来る。誰が来るかは俺も知らない。メレと一緒に寝たときは誰も来ないからメイド内で情報共有されているのだろうけど、実はそこらへんはよく分からない。

 

「今日のご予定は…」

「なし!まあ大部屋に基本いると思うよ」

「分かりました」

 

大部屋というのはその名の通りでかい部屋であり、中央にめっちゃ大きいテーブルを置いてある。仲間たち全員で並んで食べても余裕があるくらいの大きなテーブルだ。食事とか会議とかで使う部屋でもあり、また拠点内の様々な部屋に繋がる部屋でもある。

 

「おはようございますマスター」

「はいおはようさん」

 

大部屋に行ったらフラがいた。フラは花の精霊であり、スラと並んで副メイド長でもある。メイド長はメレだが、副メイド長はスラとフラの二人いるのだ。

フラは元は花の魔物だったりする。魔物が精霊になるなんておかしいと思うだろ?俺も思ったが起きてしまったのだから仕方ないだろう。存在の昇華って俺は呼んでるけど実際よく分からん。フラは把握してるみたいなんだが話してくれないんだよな。

 

「おはようございますマスター」

「はいおはよう」

 

大部屋にスラも入ってきた。このメイド三人は基本的に寝る必要がないので大体の時間起きている。というか俺のメイドは大抵人間じゃないので寝る必要がない。いつも誰かしらメイドは活動している。

うん、今日はメイドを紹介する回にしよう。ちなむと仲間の数や魂の奴らの数以上にメイドはいるので全員は無理だ。拠点じゃないところで活動してるメイドもいるし、昼間は寝ているメイドもいるので。言ったかどうか忘れたけど、執事はいない。

 

「マスター、おはようございます」

「おはようございますマスター」

「二人ともおはよう」

 

さっきから同じ文面が並ぶけど許してくれ。メイドたちは俺への呼び方が統一されているので仕方ないのだ。

キッチンにいるのは人型古代戦闘兵器のテクノと雪女のユキ。何週か前に戦闘兵器のテクターを紹介したと思うが、古代戦闘兵器たちは名前の先頭〈テク〉をつけている。判別しやすいからね。

テクノは戦闘型ではあるけど、俺が色々改造して教えたので万能型みたいになっている。感情の存在は元々の機能なので俺が付け加えたものではない。全機を調べたわけではないが、基本例外なくどの機体にも感情システムは組み込まれているらしい。

 

「今日はなんだ?」

「本日の朝食はパスタです」

 

食材は俺が色んな時空から持ってきてこのキッチンの冷蔵庫の中にいれている。宝物庫の中にいれてるとメイドたちが出せないのでね。

ただこの冷蔵庫も馬鹿でかい。なんせ俺が作った魔力式冷蔵庫なのでね、一般的な冷蔵庫を横に三つ並べた大きさがある。しかも結局一部に空間魔法での拡張をいれているので見た目以上に入る。

 

「んじゃ俺も…」

「マスターはお待ちしていてください!あなたがやったら私たちの仕事がなくなるじゃないですか!」

 

テクノから文句を言われたので大人しく大部屋に戻る。

基本的に拠点の中のことに関してはメイドに任せきりにしないというのは仲間内での共通認識である。メイドに任せてばかりで堕落するのを良しとしない精神だな。

とはいえそれだとメイドの仕事がなくなるので、見つかるとメイドに怒られる。流石に自室の掃除などは何も言われないけど、暇なときに大部屋の棚の整理とかしてると怒られるのだ。まあそもそも汚れや乱れが気になるような状態になることがないので最近はそれでも怒られることは減ってきているのだけど。

 

「あー…メレ、他のやつらは?」

「カイト様とシオン様は既に外出しております。サナ様は研究室に。それ以外の皆様はまだ就寝中です」

 

カイトとシオンの二人は多分訓練場にいる。あの二人は部族出身だからか朝が早いのでしばしばこうして朝早くに訓練に行くことがあるのだ。

また、サナは研究者体質でもあるので徹夜で魔法の開発とか薬の開発をしていることがある。多分今日はそのパターン。俺が無理やり寝かせないとサナは寝ようとしないのでちょっと困りものだ。

 

「んじゃご飯の時間になったら呼んでくれ。少し外の空気吸ってくる」

「分かりました」

 

メイドたちには俺への直通の連絡手段を渡している。と言っても、小さい道具に魔力を込めると俺に知らせが届くという簡易的なものだ。多種族で構成されているメイドたちが全員使えるようにするにはここまで簡略化する必要がったので仕方ない。

俺は外に出る。すると外にもメイドがいた。

 

「あ、おはようマスター」

「ほいほい」

 

そこにいたのは赤いロングの髪を靡かせているメイド、吸血鬼のキュラ。俺の配下には等しく光属性が与えられるのでキュラは日光を浴びても灰になったりはしない。ただ生活習慣自体は吸血鬼らしく夜行性なので、キュラは夜時間の担当だ。

 

「そろそろ寝るのか?」

「ええ、寝る前にマスターに会えたから嬉しいわね」

 

キュラはメイドの中で珍しく俺に敬語を使わない。強制しているわけでもないので別に俺は気にしていない。それもキュラの特徴でありパーソナリティなのだ。

 

「花に水を?」

「ストが急用で行っちゃったから代わりにね」

 

ストというのは幽霊のメイド。擬人化魔法を応用して幽体と実体を自在に使いこなす少女だ。彼女は寝る必要がなく、また俺の光属性のおかげで浄化されることもないので一日中動き回っていることが多い。浮いているので伝令だとか配送だとかの役割担当だ。

 

「仕事終わったから私は寝るわねー」

「おう」

 

キュラが俺の隣を通って拠点の中へと入る…瞬間に俺の首に嚙みついた。

 

「んくっ…んくっ…ふう、美味しかった。それじゃおやすみー」

 

吸血鬼なのでご飯は血である。吸血鬼は日本ではたまにトマトジュースだとかで代用している描写がされることもあるが、キュラは普通に血じゃないとだめだ。というか代用するなら態々トマトジュースじゃなくても普通のご飯でいい。

俺の生命力は自分で言うのもなんだが尋常ではないので血を飲まれても問題ない。吸血鬼に血を吸われると眷属になるとかいう伝承通りにそういう能力もありはするのだが、そもそも俺は状態異常は消し去るしなんなら跳ね返すので支障はない。

 

「あれは…マナミかな」

 

遠くの方でメイド服を着た天使が飛んでいるのが見える。実はうちのメイドにはメレ以外にも何人か天使がいるのだ。そもそもこの街の住人に天使がいるから当然だよな。

天使と悪魔って基本的に対比されるし、実際仲は悪いのだけど、この街はそれ以上の多種族で構成されているので天使と悪魔が雑談している姿もよく見かける日常だったりする。そんでもってそういう街の光景の縮図がそのままうちのメイドに当てはまる。

俺が考え事をしていたら、後ろからテクノに話しかけられた。

 

「マスター、どうされました?」

「いや、いい感じなことを読者に語り掛けてただけだ。朝ごはんできた?」

「はい、呼びに来ました」

 

どうやら朝ごはんが完成したらしい。朝からパスタ、とも思うけど朝食用に重くならないさっぱりとした味付けのパスタなので苦ではない。

因みにパスタという料理はこの世界に存在しないので日本の麺を買ってこっちに持ってきている。本場のパスタ麺を買うこともできるのだが、俺の行動範囲が基本的に日本なので態々行くことはしない。そもそも俺はヨーロッパの方へ行ったことがないので一度飛行機を使わないと転移もできないんだよな。

まあ予想はつくだろうけど、地球への時空転移をしてたどり着いたのは日本だった。それなりに日本は力が濃いのだけどなぜ開いたのかと言うと、君たちが異世界召喚とか異世界転移とか異世界転生とかのジャンルを作りまくったせいで実際に異世界ゲートが開きやすくなってるみたいだった。正直言ってオタク魂やべえ。

 

「いただきます」

 

まだ誰も起きてこないので一人で朝食…というのは寂しいので強制的に妻でもあるメレも一緒に食事をとらせた。サナが何の研究をしているのか知らないので無理に呼びに行くと爆発するかもしれないので呼びに行けないし、マイは魂の中で寝ているので呼べなかった。

 

「いつでもメレは呼べるから気が楽でいいな」

「サナさん以上に私はミキさんの予定に合わせることができますからね」

 

仲間たちは基本的に自由なのだけど、サナの場合は学校とかに呼ばれることがあるからな。まあ俺も呼ばれるけど。

こっから沢山のメイドを更に紹介しようと思ったけど、残念ながら今日からしばらく俺は仕事なのでそれはできない。多分来週はゼロかサナが何か書いてくれると思うのでそれでよろしく。

あ、パスタは美味しかったです。




メイドの仕事担当区分け(メイド長による選別)

・拠点内…家事全般とミキたちの世話。メイドが一番働きたい場所
・街内…清掃やイベントの時の警備など
・戦闘班…有事に戦闘する。ミキと戦って評価を貰わないとなれない
・伝達班…荷物の運送や情報伝達をする。高速で移動できることが条件
・教育班…新人教育をする。たまに孤児院とかにも行く

他にいくつか小さい区分けがある

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。