時空神の青年は世界を回す   作:nite

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【自己紹介】にて登場した光ちゃんについて名前をヒカリちゃんに訂正しておきます

ミキ「どの光について話してるのか分からなくなるからな」


魂のこと

おう久しぶり。もしかして三話から読み始めるような破天荒なやつはいないよな?話数カウントはしないみたいだが絶対に最初から読んだ方が良いからな?俺は忠告したぞ?後から感想とかで「話分からん」みたいなこと言われても対応しないからな?まあ対応のしようもないが。

さて、今日は魂の話をしよう。前回ゼロから神の力を貰った時の話をしたが、その時ゼロがなんて言っていたか覚えているか?掻い摘んで話せば、まだ生まれたての神は自分自身の神力がないのでどこかの有名な神にサポートしてもらうって話だ。

このサポートっていうのはインストラクターとかアドバイザー的な立ち位置じゃない。なんせ神から神に力を受け渡し、しかもそれに慣れる必要があったからな。中途半端なサポートじゃだめだったってことだ。んじゃどうするんだってなるんだが、ここでこの話のタイトルである魂の話に繋がってくる。

 

『出番ですかー?』

『おう。今そっちに行く』

 

つうわけで場所移動。行先は魂の中だ。

はい、移動完了。文面だと何やってるか分からないだろうから少し説明すると、自分の中というのを強く意識したまま眠ってるだけだ。よく自分の中の力を感じてパワーアップみたいな描写がアニメとかにあるだろ?それをしながら眠ってるだけだ。まあ魂構造が複雑じゃないとこういうことはできないから今読者の君たちがやっても全くできないだろうけどな。

さて、ここが魂の中だ。正確に言えば魂とかそこらへんの色々を内包する空間だ。白とは言い切れないくらいのグレーな壁に囲まれていて、地面もまた同じ色。この壁は広げようと思えば広げることができる。

というか魂の中なら基本的に俺の思い通りになる。机とか椅子を出すくらいなら一瞬で可能だ。ここで暮らしていたいところではあるが、残念ながらそれでは体の方が死ぬのでどうしようもない。神とはいえ元々が人間なので普通に餓死はあり得てしまうのだ。

 

「ミキ様、こんにちはー」

「おうヒカリ。他の奴らを集めておいてくれた?」

「すみません…集合率が悪くて…」

 

一応読者のみんなに紹介するためにヒカリに他の魂たちを集めておくように言っておいたんだが…まあ俺の言うことを聞かない魂とか自由な魂とかいるので今に始まったことではない。ヒカリを責めるつもりもない。

 

「そこにいるのが集まってるやつらか?」

「はい!」

 

見た感じいるのは七人くらいだろうか。大体半分くらいなので…ある意味ちょうどいいかもしれない。ほとんど話しかけてくることもない魂たちが残りの半分なので紹介するならこれくらいがいい塩梅だ。早速一人目から紹介しよう。まずはヒカリから。

 

「私がヒカリです!ミキ様の光の魔力として色々補助をしています!魂の中からでも外に魔法を撃ってミキ様を助けるくらいのことはできます!…これでいいんですか?このボイスレコーダーに意味があると思えないんですけど」

「あとでゼロが聞きなおして文章に起こす用だ。気にしないでくれ」

 

ヒカリは純粋な魔力に意思が宿ったタイプの魂だ。ヒカリの魔力量は俺の魔力量と比例しているので昔に比べれば大きくなっている。とはいっても未だに中学生くらいの身長でしかないのだが。白く少し輝いている髪はヒカリの名に恥じないきれいさという中学生らしくない面も持ち合わせている。そもそも魔力の塊のおかげで見た目は結構簡単に変わるんだけどな。

はい次。

 

「そして私がヤミです。ヒカリと大体同じことしてます」

「簡潔でよろしい」

 

もう一つはヤミだ。俺の主な属性は光なんだが、闇も主属性レベルで使える。昔俺が病んでしまったときに生まれて当初は俺のことを闇落ちさせようとしていたが今では普通に俺のことを手伝ってくれている。別に闇属性だからと言って病んでるとかどす黒いとかはないぞ。ヒカリもヤミも良い子だ。

はい次。

 

「天照大神です。ゼロ様からサポートのために配属された神ですが、今はミキ様のことを慕っているつもりです」

 

こいつが本命、天照だ。日本に住んでいればどこかで一度は聞いたことがある神だろう。日本では宇迦之御魂…いわゆるお稲荷さんと同じくらい有名な神様だろう。なんでこんなビッグネームが俺のことをサポートしているかと言うと、一番天照が適任だったからに過ぎない。

神力を分け与えるということは、ある程度多くの神力を持っている必要がある。となればそこらへんの付喪神ではその役を担えない。となれば神力が多い名前のある神を連れてくる必要があったわけだが…日本は神様がいっぱいいるし有名な神様を、ということになり天照が選ばれたわけだ。

神の世界となる神界への移動は魂の中からでも簡単だし、天照の仕事はもうあまり日本ではないということで基本的に俺の中にいる。出会った頃はどこかの有名な神なのかなと思っていたが、日本に転移できるようになってから天照のビッグネームに驚いた。尚よく勘違いされることだが、天照は女神だ。まあ神なんて複数からの考えによって姿も変わるので日本国民の多くと古事記に書かれている内容を書き換えれば天照は男神になることだろう。

はい次。紹介したい魂は紹介したけどまだ残っているので。

 

「私はミカだよ!ミキの女版さ!よろしくぅ!」

「うざい」

「えぇ…私とミキの思考回路は同じだよ?」

 

こいつがミカ。俺よりも少し身長が低くて体つきが女性というだけでそれ以外は基本的に俺だ。最初から俺の中にいたヒカリ曰く俺の可能性なのだとか。どうやら俺は生まれるときに少しばかり魂に歪みが存在していて、何かが違えばそのまま死んでいたかもしれないらしい。しかし俺は男性として魂が固定されたおかげで死なずに済んだと言う。ただ女性としての魂も残ってしまって今のミカになった。

俺が変成魔法だとか変身魔法を使って女性になった時はミカに表に出てもらっている。そっちの方が女性らしくできるからだ。サナが言うには俺とミカは雰囲気は同じだけど違和感があるみたいだ。

はい次。

 

「私はマイ…喜神です。主様の眷属兼ミキの妻です。よろしくお願いします」

 

はい今、妻を眷属にしているなんてと思ったやつ。いるのは分かってるんだからな。元々俺の眷属になっていた喜神が妻になっただけだ。マイが眷属をやめたくないと言ったのでそのままにしているだけであり疚しいことは何もない。眷属としては俺のことを主様と呼び、妻としては俺のことをミキと呼ぶのは二つの立場を持っているマイの矜持なのだとか。

マイは喜神…言うなればキシンなのだが、他に魂に機神と鬼神がいる。どっちもキシンだ。今はいないけどどこかで紹介することになると思う。鬼神はともかく機神は従順だからな。

はい次。

 

「私が初之神…名前はウイ!一応ミキの眷属っぽいことになってるよ」

 

ミカと同じくらいの身長の黒髪な喜神どころか天照よりも神力が濃い彼女は神界の中でも最古の神とされている。つい最近まで妙な時空に取り残されていたのだが俺が救出してそのまま魂になっている。補足しておくと神というのははっきりとした肉体がないので簡単に魂になれるのだ。別に死んだわけではない。

ウイはその名の通り初物の神なので大体新しい概念が生まれるときは彼女の権能が働いている。時間によって物が消えていくという世界の理だけではいつか何もなくなってしまうからだ。ここで遊んでばかりだけど結構全時空にとって大切な存在である。

はい次。

 

「私は封です。色々と封印の力を使ってミキ様を援護してます。よろしくお願いします」

 

薄灰色の髪をした中学生くらいの少女が多分一番戦闘において役に立ってくれている。封はとあるやばいほどの怨念が籠った木を浄化した際に残った結界をどうにか有効に使えないかと試行錯誤した結果生まれた魂だ。別に人工の魂というわけではないのだが、俺が何もしなければ生まれなかった魂ではある。そのおかげか封はとても献身的だ。

封印と結界というのは根本的に違うので封は結界解除はできないが、封印解除はどんなものであっても無条件で解除できる。

はい次。

 

「私がセイです。あまりミキ様の役には立てていませんがよろしくお願いします」

 

と言っているがめっちゃ役に立ってくれている。力を行使せずとも魂にいるだけで俺のことを守ってくれている。なんせセイというのは聖の力だからだ。もし俺が毒を飲んだり呪いを受けたときに勝手にセイが浄化してくれるのだ。

今は淡く光る金髪の少女だが、元々はどす黒い髪色だった怨念の魂だったりする。何度も怨念の彼女と対話して浄化していった結果なんやかんやあって聖となったのだ。なんやかんやの部分は忘れたころに説明するだろう。

 

「取り敢えず集まったのはこれくらいですね…」

「うん、まあこれくらいだろ普通」

 

残りの魂はどっかで顔を出すだろう。その都度紹介していくからあまり気にしないでくれ。主要メンバーは今ここにいる魂たちプラス機神なので多分紹介するのもほとんど機会はないだろうしな。

一気に三話も使って俺のことを色々と説明したせいで多分既に死んだ目で小説を読んでいる人もいることだろう。説明回が続くと流石に疲れるからな。

というわけで次回は戦闘でもしよう。俺の仕事を紹介しないといけないからな。ん?これ説明回か?まあいいや。また会おう。


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